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夜空さくら
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人形ダイブ ~もうひとりの自分~

■ あらすじ:ある日、送られ来た等身大ドールに意識が移ってしまった東田三平。ネットゲームで使用している獣人族の女の子・ココナの姿になってしまった彼は――

■ 今回のお話で、『人形ダイブ』は終了です! この作品は「『もうひとりの自分』が気楽に存在したらいいなー」というコンセプトで書き始めたものなので、割と書きたかったところは書けました。お付き合いくださりありがとうございました!ーw-ペコリ

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 俺・林田三平が増えていた。

 訳が分からない言葉に聞こえるし、俺自身何を言っているんだと思わなくもないのだが、それが端的に言って事実なのだから仕方ない。

「はー……まさかこんなことになるなんてなぁ……」

 可愛らしい声で、ココナの身体に入っている『俺』が呟く。

 完全に独立して動いているにも関わらず、その口調は完全に俺そのものであった。

 ココナの顔立ちで俺の口調というのも変な感じだが、そんな些細なことは気にならないくらい、魅力的に見える。

 顔面偏差値の暴力とはまさにこういうものだろう。

 美人はどんな風に振る舞ったって美人なのだ。

 感情を伴って動いているだけで、人形状態とはまた違う魅力を感じる。

「……うーん。俺の言動を学習したAIが、それっぽく動いているだけ……って可能性もあったんだけど」

「それもありえるけどなー。だとすると、この俺はプログラムみたいなもんで、いくらでも編集可能ってことか……怖いなぁ」

「……なあ、ヘッドギアを付けて、もう一度そのドールと意識を繋いだらどうなると思う?」

「…………それで消えるとしたら、俺の方だよなぁ。それはちょっと……んー。いや、でもなぁ……」

 ココナの身体で動く俺は、非常に悩ましそうに唸っていた。

 俺と思考回路は同じなわけだから、考えていることは大体わかる。

 自分という意識が消えてしまうのではないかという危惧と恐怖、イレギュラーな自分が存在することによる危険。

 様々な思考が渦巻いているはずだ。

「……よし、やってみよう。それで直ったら問題ないし、早くしないと色々とまずそうだ」

 ココナの身体に入っている俺はそう結論を出した。

 俺もそうした方がいいと思っていたので、結論が同じなのはわかっていた。

 さっそく俺はヘッドギアを被り、ソファに深く腰掛けて起動の準備をする。

「よし……いくぞ……!」

「了解……!」

 そして、俺はヘッドギアを起動した。

 俺の意識がココナの身体へと移動する。

 視点がココナの方に変わり、目の前のソファで俺の身体が脱力するのが見えた。

「成功、か? 意識はハッキリ俺だけど……ん? なんだこれ」

 俺は記憶を辿りかけて、おかしなことに気付いた。

 頭を抱えている俺の様子が、外から見た映像として浮かび上がって来たのだ。

「これは……さっきの俺の記憶……? ん……?」

 よく辿ってみると、記憶が二つ混在している。

 俺がココナの体の『俺』と話している記憶と、『俺』が俺の身体の俺と話している記憶。

 記憶が重なっていて、少し気持ちが悪い。

 だが気持ち悪かったのは最初だけで、すぐにその感覚は薄れて行った。

「意識が一つに統合された……ってことか? だとすると……惜しいことをしたかもなぁ」

 せっかく二つの意識が存在していたのに、一つに戻ってしまった。

 それをもっと活かすことも出来ただろうに。

(だけどまあ、あのままにしてたら、お互いの立場の違いから揉めてたかもしれないしな……)

 統合された今なら、ココナの体を使っていた『俺』の気持ちも全部わかる。

 もっと不測の事態が起きることも考えられたのに、あえてすぐさまヘッドギアを起動してみたのは、それが大きな理由の一つだった。

 自分が『消える』という事実に怯えてしまったら、『俺』はきっと平静ではいられなかった。

 そうすることが良くないことになると頭ではわかっていても、なんとか自分を存続させようとして、元の自分を手にかけかねない。

 冷静に判断できるうちに、そう決めて即座に動いたのは『俺』らしい判断だった。

 だがこうして穏やかに記憶や意識が統合出来るのであれば、もうしばらく意識が二つある状態を楽しんでも良かったかもしれない。

「はぁ……やれやれ……『メニュー』っと」

 俺は視界上に『メニュー』を開いて、ココナの体から元の体に戻った――はずだった。

「……ん?」

 そして、再びおかしなことに気付く。

「んっ……ふぅ……あれ?」

 俺の身体が、動き出していた。

 『俺』の意識はココナに残っているのに。

「……はい?」

「……うわぉ、マジかぁ……どういうこと?」

 俺の体を使っている俺が、そう声をあげた。



 それから暫く俺たちは、意識が増えるようになった原因を考えてみたが、さっぱりわからなかった。

「んー。とりあえず、記憶の統合はつつがなく行われるようになったし、意識の混在もしてない……よな?」

「ああ。どっちか一つだけ動かしている時に、意識が一つになるって統合されるみたいだな……なんだこれ」

 俺たちは少し混乱していた。

 意識の統合と分裂が起きる条件はわかった。

 まず、男の身体にしか意識がない時に、ヘッドギアを使ってココナの身体に意識を移す。

 この場合、俺の身体は意識のない状態になって、俺の意識は一つのままになる。

 次に、その状態でココナの身体から元の身体に戻ろうとした時。

 この時に意識の分裂が起き、俺の意識は二つになって元の身体とココナの身体両方を同時に動かせるようになる。

 ここで元の身体でヘッドギアを再度起動すると、俺の意識はココナの体の中で統合される。

 最後に、意識が二つに分かれている状態で、もう一度ココナの身体で『捜査終了』を選ぶと、俺の体の方で意識の統合が行われる。

 そういった条件で、意識の分割と統合が行われるようだった。

 俺は自由自在に、二つの体を操れるようになっていた。

「……これ、想定されてる挙動なのか?」

「それは、考えてもわからないな……」

 このことをドールを作成した運営会社に尋ねてもいいものか、俺たちは少し悩んでいた。

 もしもバグめいた挙動なのだとしたら、あまり利用するのは控えた方がいいのかもしれない。

 だがこの状態でしか出来ないことは確かに存在しているので、それを解消してしまうのは勿体ないという気持ちもある。

 その気持ちは俺たちに共通しているものだったので、暫く沈黙が流れる。

 そして、結論として。

「……と、とりあえず、暫く様子みてみるか!」

「そ、そうだな! やばそうな予兆を感じたら、使用を中止して相談だ!」

「おう!」

 俺たちはそう決めた。

 同じ人格なのだから、同じ結論を出すのは当たり前だったが。

 こうして俺は、二つの意識を用いて、二つの体を同時に動かすようになった。



 ある日、俺が家に帰ってくると、ココナが裸エプロンでキッチンに立っていた。

 剥き出しの背中や、尻尾の付け根が見えるお尻がエロい。

 何とも眼福な光景である。

「ただいま。またすごい格好してるなぁ」

「あ、おかえりー。ふふ、どうよどうよ?」

 中身は俺だし、常に意識の同期は欠かしていないので、変に女に染まることはない。

 恐らく料理を作っている最中に、男の夢である裸エプロンをやってみようと思い立ったのだろう。

「俺としては最高だな。エロ過ぎて勃起したわ」

「ふっふっふっ。俺もだいぶ興奮したぜ。でも、最初は興奮したけど、料理を始めるとさすがに肌寒い方が勝っちまうなー」

 トントントン、と野菜を切りながら、ココナはそう呟く。

「まあ現実的に考えたらそうだよなぁ……今日は鍋か」

「今日はビーフストロガノフとか作ろうと思ったけど、さすがに連日作り過ぎたからな。今日は余り物の処分の日だ!」

 俺はココナの身体も活用することが出来るようになって、色々凝り始めていた。

 誰もが一度は想像する『体が二つあればいいのに』を実現出来ているのだから、限界まで活用しないと損だ。

 結果として料理を始めとした様々な行動に工夫と手間暇がかけられるようになって、生産効率は爆上がりもいいところだ。

 仕事にも身が入るようになったし、こういう支え合う関係というのは非常に理想的なものなのだと、独身ながら実感するに至っていた。

 それにもちろん、そういう意味での生活も充実するようになっていた。

 俺は手早く身支度を整えると、キッチンで料理をしていたココナを後ろから抱きすくめる。

 片手は胸に、もう片方の手は股間に這わせる。柔らかい体を両手で堪能する。

「ひゃっ! お、おいっ♡ さっそく、かよっ♡」

 抗議するような声を上げるココナだったが、もちろんそれが口だけのことだということはわかっている。

「さっそく? 待ち望んでたのはお前もだろ? さっそくこんな濡らし始めやがって」

 股間に這わせた手の指先に、その場所が濡れている感触が伝わって来ている。

 一人で料理に集中している間はあまり感じていなかったかもしれないが、俺が帰って来て視線が向けられるようになって、改めて自分の姿を意識したのだろう。

 俺が股間を弄りながら胸の方も揉むと、エプロンの表面に突起が浮かびあがる。

 刺激に反応して乳首が立っているのだ。

「しかた……っ、ないだろ……っ♡」

 興奮した様子で喘ぐココナ。中身は俺だが、そんなことは大して気にもならない。

 なにせ外見は完全にココナ――エプロンでその魅力的な裸体を包んだ俺の好みドンピシャな獣人の美女なのだから。

 むしろ他人ではなく自分ということもあって、性的な目で見ようが体を指で弄ぼうが構わないでいいというのが最高だ。

 まあ言ってしまえばオナニーなのだから、思い切り気持ちよくなれればそれで構わないのである。

 喘ぐココナは本当にエロい。頭の上の耳がぴくぴくと動き、尻尾が俺の腰に巻き付いてくる。

 尻尾は性感帯の一つなので、他人の身体に絡みつければそれだけで気持ちよくなってしまう。

 俺は躊躇いなくズボンをずり降ろして、勃起したペニスを露出させた。

 その動きを察知したココナの尻尾が、ペニスに絡みついて来る。

 柔らかい柔毛に包まれているそれがさわさわとペニスに絡みつき、刺激を与えて来た。

「んっ……!」

「んぅ……!♡」

 俺の方に与えられる快感も相当なものだったが、性感帯そのものを絡みつけているココナの方が感じる快感はずっと強いだろう。

 ココナの反応はとても艶やかで、こっちの方まで興奮してしまうものだった。

 ペニスがムクムクとさらに大きくなり、絡みついている尻尾を引っ張ってしまう。

「にゃぁっ!♡」

「くく……っ、めちゃくちゃ気持ちよさそうじゃん」

 我ながら、いい声で鳴くものだ。

 ココナは快感の余りか、眼にうっすら涙を浮かべて悶えていた。

 それがまた、俺の嗜虐心を刺激する。

 ペニスをココナの尻に押し付け、その柔らかい尻肉に挟んでみた。

 ココナのペニスがピンと立ち上がって、感じているのを表していた。

 ココナに腰を突き出させ、すっかりトロトロの潤滑油を垂らしている性器を後ろに向けさせる。

 俺はペニスの先端をその穴に押し付けると、躊躇なくその奥までペニスを差し込んだ。

「んあぁっ♡」

 気持ちよさそうな声を上げてココナが背中を逸らす。

 すっかり蕩けた感触になっている性器は、俺のペニスをあっという間に根元まで受け入れてくれた。

「うぉ……っ! 何回使っても……! この穴は、最高だな……!」

 オナホールなんてどんなに良いものでも何回も使っていたら飽きるものなのに、ココナのホールは何度使っても飽きが来ない。

 摩耗してしまうのではないかと不安に思っていたこともあったが、いまのところその心配はなさそうだ。

 一日中やり続ける日もあったりして、俺の生活――セックスライフも充実の極みと言えるだろう。

 ペニスに体の奥まで突かれているココナも、とても気持ちよさそうに喘いでいた。



 俺の体のペニスは極端に大きいわけじゃないが、短小というわけでもなく、至って普通の大きさだった――この生活が始まるまでは。

 やり続けているうちに変化したのか、それともそれまでの膨張が本気じゃなかっただけなのか、いずれにしても最近俺のペニスはその力強さを増しているような気がする。

 ココナの体を動かしている『俺』は、そんな感覚を覚えながら、俺自身に犯されていた。

 女のココナとして犯される感覚にもすっかり慣れてしまった。

 慣れるだけじゃなく、より気持ちよくなれるようになったというべきか。

 とにかく、女としての快楽も一つの楽しみとして、すっかり定着していた。

(マジで気持ちいいんだよなぁ……♡ 女の快楽も味わえるなんて、ほんとお得だ……♡)

 人によっては女として犯されるなんて、受け入れられない者もいるだろう。

 ココナの身体に入っている『俺』も見ず知らずの男とやるのは無理だろうが、俺自身に犯されるのであれば話は少し変わる。

 犯しているのも俺なのだから、特に忌避する理由が存在しないというべきか。

 オナニーの延長として考えればわかりやすい。

 ただ気持ちいいことを追求していたらこうなっただけなので、別に精神が女性化したとかそういうことでは全くなかった。

 ペニスの先端が体の奥を突き上げて来る。

「あふっ♡ ンッ♡ んぁんっ♡」

 突き上げられる度に、口から勝手に声が押し出される。

 自分の口からそんな可愛らしくもいやらしい声が出ることには、さすがにまだ完全には慣れないが、その羞恥心もいいスパイスになるのだ。

 ぐちゅぐちゅと体の中で異様な音が響くのを、『俺』は体の内側から感じていた。

 こうしてやることも一度や二度ではないので、だんだん俺が射精するタイミングもわかるようになって来ていた。

 その時に合わせて、自分の感覚も研ぎ澄ませていき――そして。

「うぉおっ!」

「ふああっ!」

 俺と『俺』は同時にイった。

 体の中に熱い物が流し込まれるのをハッキリと感じる。

 ビクビクと膣の中が痙攣しているのがわかった。体が勝手に最後の一滴まで搾り取ろうとしている。

 俺のペニスが『俺』の体の中から抜けていく。

「ふー……ふー……」

 膣を締めて注がれた精液が零れないようにしながら、俺はエプロンを外す。

「洗浄して来ないとな。あとは任せた」

「その前に綺麗にしてってくれよ」

「しょーがねぇなぁ」

 ペニスを揺らしてそう求めて来る俺にぼやきつつ、『俺』はそのペニスを口に咥えた。

 自分のものとはいえ、精液なんて美味い物ではないはずだが、この体の特性か、結構抵抗なく処理することが出来る。

 丹念に舐め、ねぶり、そして綺麗にする。

 上からも洗浄しないとな、と思いつつ、俺は風呂場に向かう。

「食べ終わったら、もう一回やろうぜ」

 その途中で呼びかけて来た俺に、『俺』は笑顔で頷くのだった。


 こうして俺は、新たに得た『もうひとりの自分』を活用し、充実した生活を送るのだった。


おわり


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