ファーファの執拗な責めによって、大事なところから透明なツユを垂らすほどに感じてしまったルル。
露わにされた彼女のその箇所は、数日前まで年相応に生えていた恥毛が丁寧に剃られている。ゆえに、本来はある程度隠されているはずの割れ目がハッキリと露出していた。
未だ誰のものの侵入も受け入れていないその場所は、ぴっちりと閉ざされている。シミも乱れもない、実に綺麗な状態だった。
しかし奥からはじんわりと愛液が滲み出しており、彼女が相応に感じていることを示している。
そんな状態のそこをじっと見つめるファーファ。その強い視線が、当たってはならないところに当たっていることに気づいたルルは、それまで以上の、死にたくなるほどの羞恥を覚えた。
「ンッ、ンンンぅッ!」
自由の奪われた四肢を暴れさせ、ファーファから離れようとするが、巧妙にルルの反撃を抑え込むファーファは、その場所をじっと眺め続けた。
そうしているうちに、ルルの体力がつきた。
不自由な体を無理矢理に暴れさせたのだから当然だ。
「フゥ……フゥ……ッ」
荒い呼吸音が部屋に響く。ラバースーツは熱を籠らせ、汗を大量にかいたルルの体力は加速度的に奪われていっていた。
ルルの抵抗が弱まったのを見て、ファーファが再び動き出す。
無防備に晒されたルルの秘部に、限界まで伸ばした舌を這わせた。最初は表面をなぞるように、軽く、優しく。
「んグッ! ンーッ!!」
そこから与えられる刺激には慣れていないルルが、目を開いて声をあげる。そんなルルの反応は、ファーファにとっては新鮮で楽しいものに感じたようだ。
「ふ、ふふっ。あふっ」
一回、二回。そして、三回。
舐めるごとに舌を口の中に戻し、十分に唾液で湿らせてから舐める。その繰り返し。
ザラザラした舌の表面の刺激はルルにとって未知のもので、何をどう感じればいいかもわからない。
ルルの処理できる範疇を超え、混乱ばかりがもたらされていた。
彼女の精神はどうすればいいのかわからない。けれど、その刺激を与えられている彼女の体は、健康で健全な、齢二十歳前後の、若い女体である。
執拗に、丁寧に与えられる刺激に対し、快感を覚え始めるのは必然だった。
ファーファが塗した唾液以外の液体が、ルルの身体の奥からさらに溢れ出す。それを感じたファーファは、さらに攻勢を強めていく。
それまでは舌全体の表面で刺激を与えていたが、今度は舌の先端、一番自由の効く場所で刺激を与え始めた。
「んっ、ふ、あっ、あふっ……!」
それまでとは違う鋭い刺激に、ルルが覚える快感の質が変わる。
ジワリと広がるものではなく、チクチクと刺されているような鋭い快感。先ほどまでの快感で慣らされたこともあるのか、体の動きを抑えることが出来ず、ルルの体がビクンビクンと跳ねる。
そんなルルの反応を楽しむように、ファーファは上目遣いでルルの顔を見ながら、さらに舌の動きを激しくしていった。
大きく体を持ち上げ、体が弓なりになるルル。どれほど強い快感を覚えているか、見た目にも明らかだった。
ひときわ大きく体を反らし、跳ね上がったのちーー脱力する。
性的絶頂に達した証拠だった。今回はより強い快感による絶頂だったためか、ルルは完全に気を失ってしまっている。
その股間から、生暖かい液体が溢れ出す。愛液ではなく、失禁であった。あまりに強い快感が彼女の堰を決壊させてしまったのだ。
ルルの股間に口を当てていたファーファは、一瞬驚いたが、すぐに対応した。大きく口を開き、ルルの股間に口を合わせ、溢れ出した尿を一滴残さず飲み込んでいく。
完全に調教が完成しているファーファは、他人の尿を飲み干すくらいわけはないのだ。
漏らしたのが自分でないにせよ、床を汚せばリルドからキツイお仕置きがあるということもある。
ともあれ、ファーファはルルの漏らした尿を余すことなく飲み干した。気絶しているルルがそのことに気づくことはない。
ファーファはさらにルルへの刺激を続けた。溢れた体液を綺麗にし、唾液を塗して再びルルの秘部を十全に湿らせる。
そして、いよいよ、さらに奥へと舌を伸ばそうと、口をぴったり当てた。ルルは未だ処女であったが、そのことをファーファは知らない。
仮に知っていたとしても、やめなかったかもしれないが。
ファーファの舌先が、容赦なくルルの体の中に潜り込んでいく。
その舌先が、かすかな抵抗に阻まれる。
抵抗があることに気づいたファーファだが、もはや止まることなど出来ない。
無理矢理抵抗を越え、さらに奥に舌を伸ばそうとして。
甲高い金属音が響き、思わず舌を引っ込めた。
金属音は、扉の鍵が開く音だった。
重苦しい金属音を響かせ、鉄の扉が開いていく。
「待たせたな、お前達――いい子にしていたか?」
彼女たちの仮の主人、リルドが戻ってきたのだ。
リルドが戻ってきた時、ヒトイヌたちは思い思いの状態で過ごしていた。
仲のいいヒトイヌと絡み合っている者、仰向けや俯せになって寝ている者、しきりに動き回っている元気溢れる者まで様々だ。
そんなヒトイヌたちを横目で確認しつつ、リルドは一番重要なヒトイヌ――ルルを探す。
現在、ラバースーツを身に付けているヒトイヌはルルだけのため、目立つはずだった。
(ヒトイヌたちと一緒に過ごしたわけだが……どうしているか……っ!?)
その視線が、仰向けに倒れているルルを捕らえた。
あられもない格好で、身体の全面を晒すようにルルが寝転んでいる。その下半身の上に、ファーファがのし掛かっていた。
真っ黒なラバースーツに隙間無く素肌を覆われているはずのルルの股間に、肌色の裂け目が生じているのを、リルドは即座に気付いた。ジッパーが開かれ、股間が露出しているのだと、すぐに悟る。
その瞬間、リルドは嫌な汗を背中に搔いたが、表面上はあくまで平静を貫く。
(おいおいおい……! まさかとは思うが、ルルの処女を喪失させてないだろうなファーファ!)
処女を守るというのは、ルルと交わした約束である。
無論、最終的に処女は散らしておくつもりだったが、そのタイミングは十分に選ばなければならなかった。彼女を本当に性奴隷にしたいわけではないリルドとしては、そのあたりのさじ加減は絶妙なものを要求される。
だが、ここで騒ぎ立てるのはそれはそれで不味い。ルルが特別な調教対象であることは明らかであるが、その正体をヒトイヌたちに知られるわけにはいかないためだ。ヒトイヌとはいえ、秘密を知る者は可能な限り少なくしなければならない。
リルドはあくまでいつも通りの調教者として、ゆっくりとルルとファーファに近付いた。
そして、ファーファの首輪を掴んで、ルルから引きはがす。
「ダメじゃないか、ファーファ。新入りには優しくしてやらないと。気絶しちゃってるじゃないか」
あくまでやりすぎたことが問題だと強調して、リルドはファーファを窘める。
ファーファはしゅん、と肩を落として落ち込む様子を見せた。
「くぅん……」
そんなファーファの頭を、リルドはよしよしと優しく撫でてやる。
「ああ、新入りの緊張を解してやろうとしたんだろう? それを怒っているわけじゃないから安心しろ。今回は罰も与えない。短い付き合いになるとは思うが、お前がルルと仲良くしてくれるのはありがたいよ」
そう優しく声をかけつつ、釘を刺す。
「ただ、ルルに関しては買い主の要望もあるからな。勝手な性感帯の開発は控えるように」
リルドの告げた言葉に、ファーファが元気よく応える。
「わんっ!」
これでよし、とリルドは内心胸をなで下ろした。これでファーファはリルドの意向に沿わないことを他のヒトイヌたちがルルにしようとしたら止めに入るだろう。今回のようにリルドがルルの傍を離れることもあると考えると、保険として悪くない仕込みになったはずだった。
(そういう保険を張り巡らせた結果が、ギルバストックの余計なお世話なんだけどな……これも裏目に出なけりゃいいが……)
この判断が吉と出るか凶と出るかはまだわからない。細心の注意を払っていこうとリルドは改めて心に誓うのだった。
リルドはルルの傍に膝を突いてしゃがみ込む。開かれた股間のジッパーの隙間から、ルルの股間を眺める。ふっくらとした柔らかそうな膨らみに、ファーファの唾液などで濡れた割れ目が縦に走っている。その奥に膣や子宮があるのかと思うと、リルドも思わず興奮してしまう。血流が自分のものに集中し、ギシリと音を立てて膨張する。
いますぐにでもその膨張したペニスをその小さな穴で貫きたい、という欲望が肥大化したが、鋼の意思の力で衝動を抑え込んだ。
(まだその時じゃない……焦るな、俺)
様々な女性を妥協無く調教してきた経験とプライドが、ギリギリリルドをを踏み留まらせた。
リルドは手を伸ばし、ルルの股間のジッパーを引き上げ、閉じる。
再びルルの身体はラバースーツによって覆われ、封じられ、外からは全く見えなくなった。
その刺激によってか、気絶していたルルが目を覚ます。
問題はここからだった。ファーファによって性的快感を覚えてしまったであろうルル。
どの程度開発されたかはわからないが、下手をすれば今回のファーファの行動によって、快感にやみつきになってしまった可能性もある。
そうなるとまともな暮らしを送るのは困難だろう。
(さすがに一度や二度の絶頂でそこまで壊れてはいないと思いたいが……)
急激な環境の変化によって、ルルの心身に大きな負担がかかっていることは間違いない。
そうなっていてもおかしくはなかった。
リルドは緊張しつつ、ルルの反応を待つ。
目を覚ましたルルは、しばし視線を中空に漂わせ、リルドが戻ってきていることに気付いた。
顔がゴーグルや全頭マスクに覆われていてわかりづらかったが、その目が見開かれ、リルドの存在を確実に捉えているのがわかった。
その瞳には理性的な光りがあり、羞恥によってか、目の周りの頬が朱に染まるのがわずかに見えた。
リルドは密かに胸をなで下ろす。
(よし……そう大きな影響はなさそう、か)
理性を保っているのならば、問題は無かった。少々性癖が歪むくらいは仕方ない。
少なくともヒトイヌとして扱うことに関して、ルルがファーファと打ち解けることは必要なことのひとつである。その仕込みがひとつ進んだのだとリルドは思うことにした。
「起きたか、ルル。ずいぶん気持ちよくなっていたようだが、躾の続きだ」
そう告げるリルドの言葉に、ルルは身体を震わせ、恐怖を感じていることを表す。
だが、その目の奥に微かな期待の光が宿ったことには、誰も――本人ですら――気付いていなかった。
つづく