SamSuka
夜空さくら
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遠隔操作で増えたわたしは「わたし」を管理する

※こちらは『遠隔操作で自縛したら「自分」が増えた』の続編、のようなものになります。

※今はfanbox限定公開ですが、推敲した後にpixivの方にもあげるかもしれません。あしからずご了承ください。

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 会社から帰って来て、家の玄関口で一息吐き――この身体には息を吐く機能がないことを思い出す。


 それでも毎回息を吐くような動作をしてしまうのは、それだけ習慣付いてしまっているということだ。

 毎日毎日よほどの疲労を溜めて働いているのか、改めて自覚した。

(今日もなんとか過ごし切れた……)

 靴を脱いで家にあがりつつ、今日も無事に過ごせたことを安堵する。

 明日と明後日は休みだから少し気が楽だ。

 この身体で出社するようになって今日で一週間。よほど体調が優れないのかと同僚達に心配されてしまったけど、家まで押しかけてくるほどの仲の同僚や友人がいないのが幸いした。

(でも、いつまで続けられるかな……この生活を)

 その答えはわからない。

 それでも、わたしはこの生活を続けるしかなかった。

 鞄を居間に置き、寝室として使っている部屋へと向かう。

 この家は2LDKで、一人暮らしにしてはちゃんと居間と寝室とキッチンが分かれている掘り出し物の物件だった。

 その寝室にはお気に入りのベッドが置いてある。

 けれどこの一週間、わたしはそのベッドを使っていなかった。

 必要がないというのもあるけど、そのベッドはずっと使用中であるからだ。

 暗闇の中、ベッドの上で何かが蠢いている。

 わたしは壁際のスイッチに手を延ばし、寝室の灯りをともす。

 灯りに照らされ、浮かび上がってきたシルエットは異様な姿をしていた。


 言ってしまえばそれは――真っ黒な芋虫。


 それが『何か』と問われても、知っている者以外には応えられないだろう。

 わたしはもちろん知っている。それは、頭を含む全身をラバースーツに包まれ、手足を折り畳む形で拘束された人間だ。

 虫の標本のように、手足を×の字に鎖で引っ張られ、ベッドの上に固定されている。

 手足だけではなく、首も太い金属の首輪がその可動域を大幅に狭めているし、目隠しや耳栓、口枷などが固定されているため、実際の自由はほとんどないといっていい。

 そもそも、手足の肘や膝と同じように、頭を覆う全頭マスクの頭頂部にあるO字リングには鎖が繋げられていて、その身体をベッドに縫い付けていた。

 満足にもがく自由もない、完全なる拘束。

 何も知らない者が見れば、わたしが誰かを拘束し、監禁し、虐めているように見えるだろう。

 だけど、わたしはこれが犯罪ではないことを知っている。少なくとも、最初は同意の上だったのだから。

 いや、同意の上というのもおかしな話かもしれない。


 この一週間、ベッドの上で拘束され続けているのは――『わたし』自身なのだから。





 いまのわたしの身体は、人間の身体の代わりに行動する、機械の身体だ。

 人間の身体が不調である時や、人間の身体では行えないことを代わりに行うための道具。

 あくまで代替であり、自律して行動するような仕組みではないため、ロボットというよりはラジコンといった方が近い。

 人間の身体の頭部に装着したヘッドバンドを介して意識を機械の側に移行し、本来の身体と同様に扱うことが出来る。


 そんなこの道具は、俗に『お助けロボット』と呼ばれている。


 『お助けロボット』は、その人物の代わりを務める必要性がある関係上、登録された人物の外観になるべく似せて作られるようになっている。

 とはいえ、あくまでロボットはロボット。

 湯水のように資金を用意し、それ専用に調整すれば話は別だが、一般庶民にも手が届くような『お助けロボット』は、あくまで本人に似た容姿をしたロボットでしかない。

 それでも有用なのは確かだ。

 実際に本来の身体の代わりに出社が出来たということからもわかるように、現代社会に『お助けロボット』は浸透している。


 そんな『お助けロボット』を、わたしはセルフボンテージをする時の道具としていた。


 『お助けロボット』を使えば、一人では絶対に出来ないような厳しい緊縛も、脱出不可能な拘束も容易に出来る。

 だからセルフボンテージ愛好家であるわたしがそれを用いるのは、ある意味当然のことだった。

 それは一週間前まで、完璧に上手くいっていた。


 自分がふたつに増えるまでは。


 『お助けロボット』を操作する際、操作者の意識は『お助けロボット』のみに宿る。人間の身体の感覚は感じないし、動かせないようになっている。

 人間の身体を動かそうとすれば『お助けロボット』の方は自動的に停止し、意識がふたつに分裂することはない。

 けれど、一週間前、自分の身体に拘束を施し、設定した時間までその拘束を楽しもうと人間の身体に意識を戻したはずのわたしの意識は、『お助けロボット』に残ったままになってしまった。

 人間の身体が動き出すのを見て、戦慄したものだ。

 元々設定していた『お助けロボット』の操作開始時間が来る前に、人間の身体からコントローラーであるヘッドバンドを取り外し――いまに至る。


 わたしの意識は『お助けロボット』の中にあるまま、一週間動き続けていた。





 家に帰って来てまず行ったのは、わたしの人間の身体がちゃんと生きていることを確認するということだ。

 意識を移す媒体であるヘッドバンドを取り外している以上、生身の身体はわたしに影響を与えないのかもしれない。

 けれど、意識を持って動き出したわたしを見て、わたしがどういう行動に出るかが読み切れなかった。

 落ち着いて話せばわかり合うことは出来るかもしれないけど、立場が弱いのは『お助けロボット』の身体であるわたしの方だ。

 もちろん機械の身体であるわたしに方が力は強いし、その気になれば素手?で人を殺すことだって出来てしまう。自分を自分で殺すなんて考えたくもないけど。

 人間の身体であるわたしはわたしのことを信じてくれないかもしれない。『お助けロボット』の暴走として警察を呼ぶかもしれない。

 そうなったとき、わたしは為す術もなく破壊されてしまうだろう。そういう時のために、戦闘用ロボットが警察には所属しているのだし。

 わたしを信じ切れなかったわたしは、こうして拘束したまま、わたしに成り代わって生活しているというわけだ。

(でもこれもいつまで続けられるか……拘束しっぱなしの身体も心配だしなぁ)

 考えつつ、わたしは食事の準備をする。

 もちろん機械の身体であるわたしに食事は必要ない。この食事の用意は人間の身体のわたしのためだ。

 栄養満点の流動食。一昔前はエナジードリンクが流行っていたけど、これはそれと同様の効果があり、その上、食事すらも必要としなくなるという『完全食』だった。

 ただ、味は酷く不味い。なんでも美味しい味にしてしまうと、普通の食事文化が廃れてしまうからだとかなんとか。そのあたりの面倒くさい事情はさておいて。

(口から食べたら、不味くて食べられたもんじゃないけど……いまのわたしには関係ないしね)

 わたしが寝ているベッドの横に行き、口を塞いでいる口枷の蓋を取り外す。

 蓋を外すと、口枷の中央に開いた円形の穴が露わになる。穴には透明なチューブがぴったり嵌まっていて、チューブの先は喉の奥へと消えていた。

「ングウウウ~ッ!」

 口枷に触れられてわたしが側にいることに気付いたのか、人間の身体のわたしが呻き声を上げる。けれど喉の奥までチューブによって貫かれている彼女には、まともな言葉を形にすることは出来なかった。

 その口枷の中に、クソ不味い流動食を流し込む。どろどろした流動食はチューブに沿って喉の奥へと消えていった。

 口内には一切触れていないから、彼女はただ胃の中に何かが流れ込んで来たのが辛うじてわかった程度だろう。

 さらに続けて流動食を流し込み、お腹が少し膨れたところで流し込むのを止める。

 これでわたしの食事は終わり。口枷の蓋をはめ直した。

(さて、と……次は)

 日中溜まっていた排泄物の処理だ。

 とはいっても、一番溜まりやすい尿はカテーテルを尿道に挿してパックに出るようにしているから、それを取り返るだけで済む。

 少し手間がかかるのは大きな方の処理だった。

 股間には幾つもの管が突き刺さっている。

 複数の管のうち、肛門に刺さっている管の先が繋がっている機械のスイッチを入れた。

「ウ、ウゥ~ッ!」

 するとわたしが拘束された身体を波打たせて、暴れる。暴れるといっても、ぴくぴくと身体を震わせる程度のことだ。拘束は今日もばっちりで、少しも緩んではいないようだ。

 完全拘束を味わい続ける彼女が、少し羨ましい。

 機械の身体でしかない今のわたしには、感じられないものだから。

 そんな感傷に浸っている間にも、スイッチを入れた機械は動き続ける。

 わたしのスレンダーなお腹が、まるで妊娠したかのように、内側から膨れあがっていた。着せているラバースーツがぱつんぱつんになって、いかにもラバーらしい光沢を生み出している。

 肛門に繋がっている機械から、大量の洗浄液が注ぎ込み続けているのだ。その総量は1リットルや2リットルでは済まない。

 ラバースーツで締め付けられているはずのお腹が膨れあがっていることからも、それは自明だった。

(そういえばこの浣腸機、この規模で使ったことなかったんだよね……どんな感じなんだろう)

 わたしは地獄の苦しみを味わっているのだろうか。

 それとも、わたしのことだからそんな苦しみにももう慣れて、気持ちよくなっているのだろうか。

 声の限りに呻き、力の限りもがく彼女の姿からすると前者のような気がする。

(せめて感覚だけでも味わえればなぁ……わたしも楽しめるんだけど)

 わたしはどうしようもないことを考えつつ、機械のスイッチを切る。

 ぱんぱんに膨れあがった状態のお腹のまま、わたしは藻掻き苦しんでいた。ごろごろと危険な音がお腹から響き、腸が悲鳴をあげているのがわかる。

 しかし、いくらわたしが息んでも、肛門を塞いでいるのは巨大なアナルバルーンだ。

 排泄して楽になることは決してない。

 ギチギチと、ラバースーツを鳴らし、ベッドに縛り付ける鎖を軋ませ、わたしが暴れる。

 そろそろいいかというところで、機械のスイッチを再びオンにした。

「ンフウゥウウウッ!」

 洗浄液を注ぎこんでいた機械が、今度は勢いよくそれを吸い出していく。

 あっという間に膨らんでいたお腹が小さくなっていき、呻き声もどこか甘美な喜びが籠もったものに変わっていた。

 再びお腹がスレンダーなフォルムになる頃には、わたしの呻き声は小さくしかしなくなっていた。

(気持ちよさそうに呻いちゃって……まだこれからなのに)

 一度の洗浄では十分ではない。

 これから同じ事を数度行うようにプログラムされている。

 再び機械が洗浄液を注ぎ込み始め、お腹が膨れていくと同時に、わたしは一際大きな呻き声をあげるのだった。

 そんな風に数度の洗浄浣腸が終わると、一端休憩だ。

「ウゥ……ゥウ……ッ」

 天国と地獄を行ったり来たりするジェットコースターに乗せられていたようなものだ。

 わたしはすっかり力無く呻くだけしかしなくなっていた。

 そんなわたしの股間は、金属の貞操帯によって覆われている。

 それは尿道や肛門を貫く管を固定する役割と、もうひとつ大切な役割があった。

 前方の穴を覆っている貞操帯の部分を弄くると、その部分は股間に沿う板の形で取り外せるようになっている。それは本来貞操を守るための板なのだけど、いまわたしに取りつけているものの用途は全くの逆だった。

 板を股間から引きはがそうとすると、強い抵抗に遭う。その抵抗に怯まず、板を左右にねじりながらゆっくり引っ張っていくと、その板に装着されている大きな張り子が露わになった。

 その張り子はわたしの膣に潜り込んでいて、奥の奥まで押し広げていたものだ。

 ゆっくり引き抜いていくと、その異様な太さと大きさ、長さが明らかになる。わたしの腕よりは小さいけど、とても身体の中に入っていたとは思えない巨大さ。

 穴は限界近くまで広がっていて、張り子を抜き取っていくと、それに合わせて透明な愛液がどろりと零れだした。

(やっぱり……わたしはわたしね。苦しくても、いえ、苦しいからこそ――その分、感じてる)

 長期間の指先一つ動かせない拘束だけでも、普通の人がされたら発狂ものだろう。

 さらに食べる楽しみも飲む楽しみも、排尿する気持ちよさまでも奪われて。

 極めつけは、目は見えず、耳も聞こえず、鼻も利かず、という三重苦。

 その上で、かなりキツい浣腸と排泄の強要。


 わたしは、とっくにおかしくなっているのかもしれない。


 けれど、わたしを解き放つわけにはいかない以上、こうするしかない。

(せめてわたしが望む通り――気持ちよくさせてあげるから)

 挿入されていた張り子が抜き取られ、ぽっかり開いた秘所に、わたしは指を突き入れる。

 内壁を優しく、抉るように動かすと、それだけで大量の潮をわたしは噴いた。

「んんっ、むぅぁ、あぁ……っ」

 拘束された身体を軋ませ、気持ちよさそうに声を漏らすわたし。突き入れている指を咥え込むように、膣の内壁が動いた。

 そんなはしたなくて卑しく、いじらしいわたしの反応を、愛おしく感じる。

『気持ちよくなってね、わたし』

 さらに奥へと指を押し進めていくと、さらに気持ちよさそうな声が零れた。


 そうやって、これからもわたしは『わたし』の管理を続けていく。


めでたしめでたし?

Comments

どうしても拘束系が好きなのでそっちよりになっちゃうんですよねぇ……このお話も、元々の話はどちらかといえば露出系だったのですが、リメイクする段階で拘束系に……ーwー; また違うジャンルにも挑戦したいとは思っています。

夜空さくら

そうなのですね。個人的に残念に思う部分があるなら"ヒメ➔イヌ"以降は拘束系の小説がほとんどな感じです。

festo

書ける限りはどんどん書いていきたいと思います。 拘束された視点も、いつかは……がんばります。 返信に関しては、fanboxでコメントをあまりいただかないので、うっかり返信し忘れがちになってしまっているのです。申し訳ありません。

夜空さくら

もっと展開した点は良かったのですが,短く進行したという感じがして,もっと進めていけばいいと思います。 拘束された方の視点もいつか見たいです それと,返事がないのでFANBOXは確認しないのかな? という考えをしました。

festo

劣悪さん、コメントありがとうございます。返信が遅れて申し訳ありません。 私も性癖なんですよね……こういうシチュエーション(書いてる人間だからそりゃそうだ)。 想像の余地を作るために、あえて拘束されている側の視点を書いていないので、狙い通りではあるのですが、拘束されている側の視点も書いてみたいので悩ましく思っています(笑)

夜空さくら

festoさん、コメントありがとうございます。返信が遅れて申し訳ないです。 一応、まだ書く余地はあるのですが、筆が乗ったら……という感じですね。 拘束されている側の視点もいつかは書きたいと思っています。

夜空さくら

これはまさかこのままエンディングですか?これはこのままエンディングですか? 他のユーザーは拘束されている側の観点がないのが想像の余地があって最高だと思いましたが,私は個人的に少し切ない気持ちです。 続編自体は面白く見ました。

festo

凄く性癖に刺さるシチュエーションで、是非とも続きが読みたかったので嬉しいです。 前回から引き続き拘束されている側の視点が無いのが、逆に想像の余地があって最高でした。

劣悪


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