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夜空さくら
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繋がれたふたりは。6


 倉庫の壁に繋がれたふたり――愛華と、恐らく真波さんの妹の美波ちゃん――はとんでもない格好にされていた。

 まず、ふたりともほとんど裸だった。

 細い肩に未成熟な胸、くびれた腰などが無防備に晒されている。

 その上で、彼女たちの手足は壁の中に埋め込まれるようにして固定されていた。×の字になるように四方に引っ張られ、いわゆるブリッチの体勢で、手足が壁にめり込んでいるような感じだ。

 二の腕から先、太ももから先がそれぞれ壁の奥にめり込んでいる。ほとんど体を動かす自由はなさそうだった。

 手足の先がどうなっているかはわからないけど、とても自力で脱出することは不可能であるのは見ればわかる。

 幸いなのは、コンクリートなどに直接埋め込まれている感じではなく、壁に接する部分には、ちゃんとクッション状のものがあるとことだろうか。あれなら多少暴れたとしても、手足が傷つくことはなさそうだ。

 一応、私たちが脱出ゲームに失敗するまでは危害を加えないつもりはあるようだった。

(こんな格好にさせられてる時点で、だいぶ怪しいけど……! 体を傷つけたりしてないでしょうね……?)

 怪我などはしていないように見えるけど、見えるだけで本当に怪我をしていないかはわからない。

 さらに、彼女たちの口には、ガスマスクのような、太いチューブが埋め込まれたマスクが被せられている。

 私が着けられているものと違って、鼻までは覆われていないからまだ呼吸は楽そうだ。

 けど、無理矢理口を限界まで開けさせられていて、チューブが透明だから、喉の奥まで見える。

(口の中までは入ってないようだけど……あれって……!)

 そして、そのチューブがどこに繋がっているのかというと、なんと互いの方向に伸びていて、先端は彼女たちの股間――お尻の穴へと繋がっていた。

 彼女たちは私が身に付けている、体に挿し込まれたバイブを固定するベルトのようなものが巻かれていて、それが彼女たちの肛門に潜り込んだチューブを固定しているようだった。


 彼女たちはチューブによって連結されていた。


 その意味を悟り、私はぞっとする。

(ちょっと……待ってよ……こんなの……狂ってる……)

 誘拐犯の仕業だろうけど、鬼か悪魔の所業だ。

 だって、もし彼女たちがこの状態で排泄してしまったら。

 彼女たちは互いの排泄物を、お互いの口に注ぐことになるのだから。

 食糞、いわゆるスカトロ趣味というものがこの世にあることは知っている。けれどそれは人間の尊厳を著しく傷つける行為で、受け容れられる者はほんのわずかだ。

 愛華がそのわずかな存在であるとは思えないし、なにより百歩譲ってもしそうだったとしても、その手の趣味の人だって、見ず知らずの人の物を口に出来るかといえばそうではないだろう。

(早く、助けなきゃ……!)

 一刻も早く彼女たちを解放しなければならない。

 いまのところ彼女たちに意識はないようだったけど、いつ目が覚めるかわからない。

 こんな状態になっているということを認識しないうちに解放してあげなければ。

(でも、どうすれば……!)

 下手に体に触るとそれで起こしてしまうかもしれないし、ミトンのような分厚い手袋をつけた状態では、彼女たちの拘束を外すことは出来ない。

 とにかくまずは近付いてみようと、真波さんを誘導して二人が埋め込まれている壁に近付く。

 すると、突然倉庫内に声が響いた。

『よくここまでたどり着いたね。まずはおめでとう』

 誘拐犯が使っている機械音声。

 愛華たちに目が引き付けられていたからわからなかったけど、倉庫の四隅にカメラらしきものがあり、スピーカーが真上にあった。

 どうやらそれで私たちのことを見ていたようだ。

『さて、目隠しをしている真波くんのために状況を説明しておこう』

 誘拐犯がそう告げるのと同時に、少し開いたままになっていた倉庫のドアが自動的に閉まった。大きな音がしたので、真波さんがびくっと体を震わせる。

『まず君たちはゴールに指定されていた僕たちが所有している倉庫に辿りついた。カメラで撮影はしているが、周りから君たちの姿が見られることはないからその辺は安心してくれていいよ』

 当たり前だけど、この状況が撮影されているということは、愛華たちのことも撮影しているのだろう。私たちだけならまだしも、ふたりの映像まで撮られるのは痛かった。

 愛華はまだ若い。こんなことで人生を台無しにされると考えたら、はらわたが煮えくりかえりそうだ。

『映像には納めているが、不特定多数にばらまくなんて無粋なことはしないから安心して欲しい。……君たちがこの後、最後まで協力してくれるなら、の話だけどね』

 やはり条件を付けてくる。

 悔しいけど、ここは言うとおりにするしかなかった。

『状況説明の続きだ。倉庫の中には現在、君たちの他に愛華くんと美波くんもいる。ふたりは薬で眠らせてあるから、何が起きているかはまだ知らない』

「……っ!」

 真波さんが激高しかけたけど、深く息を吐いて落ち着いていた。ここで誘拐犯に怒鳴っても事態が好転するとは思えないからだろう。

 そんな彼女の考えを知ってか知らずか、誘拐犯はさらに続ける。

 愛華と美波ちゃんの状態を、事細かに説明していた。それは目が使えない真波さんに、状況をわからせるためだろう。

 話を聞いてふたりがどういう状態なのか想像が出来たのか、真波さんは怒り心頭といった様子で歯を食いしばっていた。

『そして……愛華くんと美波くんの腹部は少し膨らんでいる。彼女たちには特製の浣腸を施してあるのさ。プラグが栓になっているから、勝手に排泄が始まることはないけど、その分苦しいだろうね』

「……!」

「……なっ!」

 確かに言われてみれば、二人のお腹は少し膨らんでいるように見えた。

『浣腸液には気付け薬が混ぜ込んである。腸からは吸収されないが、胃からは吸収されるようになっている。……それがどういう意味を持つかは、いまの説明と合わせればわかるね?』

 どちらかが、あるいはどちらもが我慢出来ずに排泄すれば、薬と汚物混じりの液体がそれぞれの口の中に注がれることになる。

 そうなればふたりに逃れることは出来ない。

 人が排泄するものを飲まされ、それに混ぜられた薬によって眠りから叩き起こされ、この状況を知ることになってしまう。

 その時、彼女達がどれほど絶望するか――考えたくもなかった。

『彼女達をそんな目に遭わせたくはないだろう? 安心してくれ。ちゃんと彼女達を解放する手段は用意してある』

 勝手な言い分を誘拐犯は続ける。

 私たちは妹たちを助けるため、その言葉に耳を傾けるしかなかった。



 まず私たちはここに来るまで着ていたコートを脱ぐように命じられた。

 私は乳首にローター、股間にバイブ、口枷と手袋、そしてブーツだけの姿に。

 真波さんは肛門に尻尾飾りのついたプラグに、目隠しと手袋とブーツ。

 そんな恥ずかしい状態で、私と真波さんは向かい合っていた。

 私たちから少し離れた壁に埋め込まれた愛華と美波ちゃん。ふたりに挿入された浣腸は徐々に効果を現しているのか、ふたりは不自由な体を捩り、ふるふると振るえ始めていた。額に脂汗が滲んでいるのは、かなり苦しんでいる証拠だろう。

(お姉ちゃんが助けてあげるからね、愛華……!)

 目がみえない状態の真波さんも、微かに聞こえる呻き声で美波ちゃんが苦しんでいるのはわかるのだろう。

 苦虫を噛みつぶしたような顔で「美波、もう少し頑張って……!」と小さく呟いている。

 私たちが苦しむ妹たちの姿に悶えていると、倉庫の扉が開いて、音もなく誰かが中に入ってきた。

 頭から爪先まで真っ黒な装束に身を包んでいて、男性か女性かもわからない。

 私たちは第三者の登場に思わず体を硬くするけど、手や足で体を隠すことはしなかった。この人達はいわゆる黒子で、準備のために現れただけだと聞かされていたからだ。

 その人達は文字通り黒子に徹するつもりのようで、一言も喋らないまま、私たちの側にやってきた。

 組織だった動きに、私は改めて誘拐犯たちの規模の大きさに驚く。

(うう……なんでこんな人たちに目を付けられたの……?)

 特に怪しげなことに首を突っ込んだ覚えもなければ、こんな組織に狙われるほど、特別美人であったり、親がお金持ちであったりすることもないのに。

 私が現実逃避気味にそんなことを考えていると、いきなり口枷を外された。

「っ!? ……げほっ、こほっ」

 目の前では、真波さんが私同様に目隠しを外されている。

 彼女も驚いているのか、目を見ひらいて私を見ていた。その顔が真っ赤になるのを見て、私は自分の姿を改めて思い出させられ、同じように顔を赤くしてしまう。

(そ、そういえば真波さんはこの姿を客観的に見るのは初めてなんだ……)

 いたたまれなくて、視線を逸らしている間にも、黒子たちはさらに動いていく。

 乳首に張ったローターが取り外され、代わりになにやら普通じゃないマイクロビキニの上を着せられた。

 それは布に当たる部分がやけにメカメカしい金属の板で出来ていて、乳首に張り付くように吸い付いてきた。

「「ん、ぎっ!」」

 ふたりして同時に悲鳴をあげる。真波さんにも同様のものが着けられていた。

 さらに、黒子たちは私たちの股間に挿し込まれたものを取り除くと、代わりに内側に突起がある金属で出来たパンツのようなものを履かせてきた。

 それらの突起はそれぞれの秘部と肛門に潜り込んで来て、思わず私も真波さんも体を震わせて呻いてしまう。

 その金属の貞操帯には、外から別のプラグが接続され――いきなり肛門が押し広げられる感触が生じて、悲鳴をあげた。

「「ひゃあっ!?」」

『肛門のプラグが展開したのさ。君たちに注入するのは薬じゃないから安心して欲しい』

 全く安心出来ないことを、声は告げる。


『君たちにはこれから――アナルゼリー相撲をやってもらう』


つづく

繋がれたふたりは。6

Comments

あきもみじさん、コメントありがとうございます!^w^ 眠らされていて(いまのところ)記憶がないのでセーフ!……ということでひとつーwーウム

夜空さくら

遅ればせながら、先週からフォローさせていただきました。 妹さんたちもただ捕らわれているだけでなく、かなりエグいことになってますね・・・! 続きを楽しみにしております!

みうら


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