姉好き妹はセクサロイド おわり
Added 2019-12-20 14:44:30 +0000 UTCお姉ちゃんの身体が、壊れてしまった。
わたしが媚薬を注入しすぎたことによって全身が性感帯となり、その上、その全てが性感帯として異常に発達してしまった。
外部からのわずかな刺激でも簡単に絶頂するようになってしまったのは基本として、自分で自分の身体を動かそうとするだけでも、絶頂する身体になってしまった。
無意識の呼吸ならともかく、意識して深呼吸するだけでも絶頂してしまうというのだから、その性感帯がどれほど感じすぎて、壊れているのかはわかるだろう。
当然、そんなイキやすい身体で日常生活を送れるわけがない。
それどころか、まともに意識を保っていることも難しい。
機械化されたわたしの身体なら、全身の性感帯が異常反応を起こしたところで、受ける感覚を選んで遮断することも出来るけど、生身のお姉ちゃんの脳がそんな器用なことが出来るわけがない。
休むことなく絶頂が訪れ続ける状態では、いかにお姉ちゃんの精神が強靱であったとしても、気が狂わずにはいられない。
生身の人間がそれに耐えることは不可能だ。
だから、わたしは――
人体を機械化する技術は、広く一般的に認められている。
昨日まで普通の人間だった者が、一夜にして全身ないし身体の一部を機械化してくるということは、稀なことではあったが有り得ないことではなかった。
一昔前でいうなら『髪の毛を別の色に染めてきた』程度の認識であった。
基本的に身体が機械となった人間のパフォーマンスは向上するため、髪を染めることよりも、受け入れられやすい傾向にある。
無論、その人物の容姿が重要なアイドルや客商売となれば、必ずしも歓迎されることではなかったが、基本的には拒絶より許容されやすいことである。
とはいえ、一部ならともかく全身を唐突に機械化してくるというのは、滅多にあることではない。
ゆえに、瀨木穂こずえが全身を機械化して現れた時――彼女の上司の森田は唖然としてしまったのだった。
「あー……うん。瀨木穂くん……また、ずいぶんと思い切ったね」
他の者達が絶句する中、その言葉を口に出来た森田は優秀であった。
誰の目にも明らかな機械の目を動かしながら、全身が機械となった瀨木穂こずえは、森田の言葉に応じる。
『驚かせてしまって、すみません。森田課長。よく私だとおわかりになりましたね』
発する声は、確かに瀨木穂こずえの声だったが、どこか機械的な響きが混じっている。
今時、生声と聞き間違えるほどの発声機関が普通にあるのに、あえて機械で発しているのがわかる機関で声を発しているのは奇妙なことではあった。
様々な事情があるものなので、森田はそこを追求しなかったが。
「そりゃあ、君の面影はちゃんとあるからねぇ。……元が老けてた、という意味じゃないが、少し若めの設定にしたのかい?」
森田はそう問い掛けた。こずえの外見は、目を覗けば元の生身の頃とあまり変わらない見た目になっている。
しかし良く見ると実年齢より数歳ほど若く見えるのだ。
その森田の問いに対し、こずえは一瞬沈黙した。
『……そうですね。せっかくですから、実年齢より若い外装にしてみようかと』
「その気になればいつでも変えられるしねぇ。ちょっと羨ましいよ」
森田は歳を取ると共に目立つようになった法令線を指でなぞりつつ、呟いた。
「しかし、別に禁止していることではないとはいえ、事前に教えておいてほしかったかな。皆もちょっと驚いているみたいだし」
『申し訳ありません』
頭を下げるこずえ。その動きは極めて直線的で、彼女があえて機械らしい動きをしているのだと、誰の目にもわかった。
その後、課長の計らいで、こずえが全身を機械化したことがその場にいる全員に説明され、こずえは会社の中に自然と溶け込んでいった。これは当然で、機械化は一般的なことなので、忌避されるようなことではないためだ。
優れた外部デバイスが無数に存在する今の時代、身体を機械化することによるアドバンテージは『自前で会社支給のパソコンよりもいいパソコンを使用する』程度のことだ。ないのとあるのとでは違うとはいえ、業務に著しい差が生じるというほどのことではない。
元々こずえがストイックに業務をこなしていた優秀な社員であったこともあり、大きな反発はなく、機械となった彼女は会社に受け入れられたのだった。
休憩時間中、機械となったこずえに興味を引かれた同僚たちが、彼女に話しかけた。
「瀨木穂さん、本当に思いきったわねぇ」
「ちょっと手を触ってみてもいい?」
女三人寄れば姦しい、という言葉は、そのうちひとりが機械となっても有効であるようだった。
「うぅん……すごい精巧な外装を選んだのね。もっとメカメカしくてもよかったんじゃない?」
『そう、かしら』
こずえは少し困ったように笑う。細かな表情も表現出来るため、機械化されていると外から見てわかるのはカメラアイくらいのものだった。
「見た目が機械ちっくになるのが嫌だったの? 別に元の自分の容姿に拘りがある……ってわけでもないわよね」
そう彼女が指摘したのは、こずえの現在の外装が、元のこずえの外見を忠実に再現したものではなかったからだ。
「面影はあるけど、明らかに違うものね。まるで、別人みたい」
「実は中身は瀨木穂さんじゃなかったりしてー」
軽口を叩いて盛りあがる同僚達。
こずえは曖昧に笑うだけで、同僚達の会話に入らなかった。
「でも不思議なんだけど……瀨木穂さん、妹さんの治療費とかはいいの? 機械化ってお金かかるでしょ?」
彼女たちとこずえは特別親しい関係というわけではなかったが、ある程度一緒に仕事をしていれば、相手の事情の一部くらいはわかるものだ。
まして、こずえの場合、妹の容態が悪化した時には仕事を休んで病院に駆けつけることもあった。そのため、その仕事をカバーするためにも、ある程度の事情は彼女たちにも伝えられているのである。
真っ当な質問に対し、こずえは感情を覗かせない様子で呟いた。
『それは、もういいの』
それを口にしたときのこずえは、機械化したというだけではない淡々とした様子で、同僚達は顔を見合わせる。
「そっか~。まあ、色々あるわよねぇ」
彼女たちも大人なので、他人が踏み込んでいい領域はわかっているのだ。
実際、長年愛した連れ合いが亡くなったのを機に、全身を機械化するのは選択肢としてありえた。機械化すれば記憶の整理や感情の制御が出来るためだ。
忘れるまではせずとも、そうすることで悲しみに暮れることなく、生活を続けていくことが出来る。
こずえとその妹の関係を考えれば、そういった選択をこずえがしたとしても、むしろ自然と思われることだった。
結果として『こずえがどうして全身を機械化したのか』ということは誰にも触れられることなく、こずえは今まで通りに仕事をこなし、定時で会社を出て行ったのだった。
こずえは自宅の前までたどり着くと、いまはその必要はないのに、深く溜息を吐いた。
彼女の脳裏には、同僚に言われた言葉が響いていた。
(はー。やれやれ……『別人みたい』か。それは、そうよねぇ)
実際、彼女達からみた「こずえ」は別人なのだから。
彼女は自宅の鍵を開け、靴を脱いで部屋にあがる。
そして彼女が居間に続く扉を開けると――彼女の嗅覚センサーは、濃密な汗と尿、そして愛液の匂いを嗅ぎ取った。
彼女は肩に提げていた鞄を机の上に置きつつ、部屋の一角に設置された特殊な形状の椅子へと、その椅子に縛り付けられている女性の側に近付いた。
生まれたままの姿で、全身に拘束具と責め具を取りつけられたその女性は、激しく身体を波打たせながら絶頂し続けていた。
全身から汗が迸り、尿は出来た側から垂れ流し、愛液は洪水のように流れている。
整った容姿は見るも無惨に崩れ、ただイキ狂うだけの女体へと化していた。
「んーッ! ウーッ、ふーっ、んんんっ!!」
彼女の股間には前にも後ろにも太いバイブが突き刺さっており、千切れる寸前まで性器や肛門を押し広げているのがわかった。
暴力的な振動は彼女を何千回と逝かせたらしく、腕に直接点滴を刺して栄養や水分を補充していなければ、とっくに干からびていただろう。
干からびてしまった方が、あるいは楽だったかもしれないが。
こずえが仕事をしている間、彼女はずっとそうしてイキ地獄を味わっていたのだ。
そんな彼女は目隠しと耳栓を施されており、こずえが帰って来たことに気付かない。
こずえはそんな彼女の片耳に詰め込まれた耳栓を取り外し、そっとその耳元に囁いた。
『良い子にしてた? 花楓』
囁き共に耳にかかった吐息。
その刺激だけで椅子に縛り付けられた裸の女性――花楓は全身を波立たせて絶頂したようだった。
花楓の股間から大量の愛液が尿と共に噴き出す。
そんな反応をする身体を見て、機械の身体のこずえは呆れたような顔になっていた。
『あーあ、もうすっかり壊れちゃってるわねぇ。大事にしてたのに』
やれやれ、という態度を隠そうともせず、こずえは花楓に施した口枷を外す。
『花楓。マスター権限をもって命じる。快感制御を、通常状態に戻しなさい』
そうこずえが呟くと、いままで絶頂し続けていた身体の動きが止まる。ところどころ痙攣しながらも、花楓と呼ばれた裸の女性は、こずえの声に応じた。
「おねっ、ちゃ、ん。おかえり、なさっ、い」
『ええ。ただいま、花楓。いま拘束を解くわね』
そう言いながら、こずえは花楓の――否、正確には自分自身の身体を縛る拘束具を取り外していった。
外しながら、こずえは花楓に話しかける。
『花楓の……機械の身体って便利ね。仕事をする上では理想的だわ。脳は疲れるけど』
「えへ、へ……いいよ。おねえ、ちゃんになら……好きに、使って……」
『貴女の方はどうなの? 生身の制御を機械の頭でするっていうのは、どんな感じ?』
「ん、と……頭で、指令を出しても、思い通りに、動かないから、もどか、しい、けど……おねえちゃんの身体だから……嬉しい」
時折ぴくぴくと身体を痙攣させつつも、花楓はそう応えた。
こずえの生身を壊してしまった後、花楓はこずえの脳を自分の身体の電子脳と入れ替える、という手段を取った。
こずえの身体は媚薬に侵され、壊れてしまっていたため、そのままではこずえの精神も壊れてしまう。
そのため、身体の交換が緊急的措置として認められたのだ。
こずえは花楓の機械の身体に入り、花楓はこずえの生身の身体を引き受けた。
生身の脳なら狂ってしまう怒濤の快感も、花楓の電子脳なら耐えられる。
結果、姉妹はお互いの身体で生きていくことになり、切っても切れない縁で再び結ばれたのだった。
こずえが全ての拘束具を取り外すと、花楓は椅子から立ちあがった。
花楓自体は機械的に絶頂をやり過ごすことが出来るが、媚薬によって壊れたこずえの身体はそうではない。
立ちあがる時の動作がまた新たな快感に繋がったのか、身体が勝手に大きく痙攣する。
「あふっ、ふふっ、また逝っちゃった。お姉ちゃん」
『全くもう……せっかく花楓も機械として健康的な身体になれたのに……これじゃあ、結局いままでと同じじゃない』
そうぼやきつつ、こずえは花楓に肩を貸し、二人がけのソファまで連れて行く。
「同じ、じゃない、よ、ぅ! 普通に、しようと思えば、できるもん」
『快感制御を最大にすれば、そうだけど……本当に普通、には出来ないでしょ』
こずえのいった通り、花楓の電子脳の快感制御を最大にすれば、まともに行動することは出来る。
だが、身体が感じていることに変わりは無いため、普通に動かしているつもりでも無意識に愛液が垂れ流しになったり、失禁してしまったり、身体が奇妙な動きをしたりしないわけではなかった。
それは普通とはいえない。
結局、病床に縛り付けられていた時と同様、花楓は自由に行動できないのだ。
気分を沈ませるこずえを、花楓は優しく抱きしめる。
「だいじょうぶ、だよ。お姉ちゃん。維持費はともかく、治療費はもうかからないんだし……いつかお姉ちゃんも全身機械化すれば、まともに暮らせるようになるよ」
『全身機械化、ねぇ……』
「わたしとおそろいは、いや?」
そう言う花楓の額を、こずえは軽く中指で弾いた。
鋭い刺激は当然のように強い快感に転化され、花楓でありこずえの身体はびくんと大きく痙攣する。
『嫌じゃないけど、お金を貯めないといけなし、しばらくは無理ね。……その間、勝手にこんなことにしたお仕置きがてら――存分に可愛がってあげるわ』
そう言いつつ、こずえはその股間から疑似男性器をそそり立たせる。
花楓の股間に挿し込まれていたバイブが、ずるりと引き抜かれ、ぽっかり空いたその穴に疑似男性器の先端が宛がわれる。
「あぅ……優しく、してね?」
花楓はそう懇願する。
こずえは唯一残った生身の脳が、そんな愛すべき妹の懇願を受け、興奮するのを感じていた。
『花楓。マスター権限を持って命じる。快感制御を解除。精神に支障がでない程度に――存分に感じなさい』
肉体が感じる膨大な快感を受け、花楓の電子脳が悲鳴を上げる。
「んぎっ! おねっ、え、ちゃん……!」
そんな花楓の秘部に、こずえの疑似男性器がずぶりと挿し込まれていった。
仰け反り、声もなく悶絶し、絶頂し続ける花楓を見ながら、こずえは心から呟いた。
「愛してるわ、花楓。どんなになっても、ね」
セクサロイド化した妹の機械の身体にいる姉。
媚薬によって狂った姉の生身の身体にいる妹。
奇妙な状態になったふたりの愛は、身体と同様に奇妙な形ではあったが――確かにそこに存在しているのである。
おわり
Comments
読んでくださりありがとうございます!^w^ パトロンさんとしても驚きの結果だったと思うのですが、戸惑いつつも「これはこれで狂気的な姉妹愛を感じるからあり!」と追加費用も出してくれたと思います(笑)
夜空さくら
2019-12-23 12:03:22 +0000 UTCお姉さん生きててよかった・・・! 妹を改造してくれたパトロンさんがどういう反応をしたのか気になりますねw
Kojiro
2019-12-22 12:13:49 +0000 UTC無理やりこじつけてでもハッピーエンドにするのが私の癖なんですね。 拘束やヒトイヌに関しては、ほんと節操なくどんなジャンルにでも出しちゃいますね。好きだからしょうがない。 意思表示も出来ない、完全拘束は私の好みでもあるので、今後もたびたび書くと思います。その際はぜひ楽しんでいってください。
夜空さくら
2019-12-22 01:20:06 +0000 UTCこんな絶望的な状況下でもハッピーエンドになるのだろうか...。 という気持ちで見ていましたが、ちゃんとハッピーエンドになったようで何よりです。 あと違うジャンルの小説でも球速やヒトイヌの要素が登場するところからサクラさんは球速やヒトイヌが大好きなのを感じることができます。 私は生きていても完全に拘束されて意思表現が不可能な状況を物品扱いされている状態だと感じるので状態変化ではないですが状態変化のような感じを受けるのでとても好きです。
festo
2019-12-22 00:58:56 +0000 UTC結果として、妹は姉の身体を自分のものにしたようなものなので、ハッピーエンドです(笑) 姉としては複雑な気持ちもあるかと思いますが、妹が幸せなので彼女も幸せなのです。ハッピーエンドなのです(大事なことなので二度言いました)。 最終的に厳重拘束にえぐい責め具付きの状態になってしまうのは、私の癖ですね(笑)
夜空さくら
2019-12-22 00:12:40 +0000 UTC読んでくださりありがとうございます! 全身が機械化されたとはいえ、あくまで本人の希望通りで、意識が機械にとってかわられたりもしなかったので、機械化が好きな人からは中途半端だと受け取られるかもしれないと、正直思っていました。 そういってくださると、とても嬉しいです。
夜空さくら
2019-12-22 00:08:38 +0000 UTCお姉さんの体が壊れてしまったが結果的には二人とも幸せなのでこれはまさにハッピーエンドですね! 個人的に全身に拘束道具や拷問器具、点滴まで設置されているのが「遠隔操作で自縛したら自分が増えた」小説が思い出される描写でした。
festo
2019-12-21 16:23:39 +0000 UTC機械化された人の内面を示して小説を好きなのにおかげで、非常に楽しい見ました!
ggfhgrjgc
2019-12-20 23:15:25 +0000 UTC