学園島 エピローグ
Added 2020-01-29 14:48:52 +0000 UTC吹田という男が島を去ってから、数週間の時があっという間に流れた。
その日、井塚葵は久しぶりに学園島の地下施設を訪れていた。
彼女は学園島の裏の顔を知る者として、『日常生活にも支障がある処置を施された奴隷たち』が暮らしているその地下施設の使用を許可されていた。
ただし、彼女をキープしている――実質的に主人であるが――吹田の意向により、普段は一般の学生達に混じって生活するように指示されている。
そのため、地下施設の利用は一週間に一度だけという、制限がかけられていた。そんな風に一定の周期でしか地下施設を利用出来ない者は葵意外にも存在している。
ともあれ、地下施設の解禁日となった葵は、ふらつく足取りで地下施設に訪れた。
現れた葵を迎えたのは、地下施設でずっと暮らしている真辺晶だ。
彼女は苦笑を浮かべつつ、葵に声をかける。
晶の鼻には相変わらず太い鼻輪が通っており、彼女の動きに合わせて揺れ、キラリと光った。彼女は葵と最初に出会った時から全く変化がない。彼女を所有している主人が多忙ゆえに学園等に訪れていないためだ。
何もされない時期が長すぎて、虐められる日を心待ちにしているくらいだった。
地下から出られない晶は、葵のように外へと出られる奴隷達との交流を何よりの楽しみにしている。
葵ともすでに友人関係を築いていた。
「やっほー、葵っち。相変わらずふらふらしてるっしー」
いっしっし、と快活に笑う晶に対し、葵は恨みがましい視線を向ける。
「しかた……ない、でしょ……っ」
拗ねたように呟きつつ、葵は晶が座っているソファの隣に腰掛けた。
「ん、ぎっ……ッ」
ソファに腰を落とす、というだけの行動だったにも関わらず、葵は苦しげに呻いた。
晶はそんな葵を、ニコニコしながら眺めている。
「ふふ……順調に育ってるみたいだしー?」
「育つって、何がよ……」
「それはあたしより葵っちの方がよくわかってるし~?」
晶はそう返した。
実際、何のことを言っているかは、葵の方がよくわかっている。
彼女の体には、現在スーツの内側に生えている無数の針が食い込んでいるが、その針は徐々にその太さと長さを増していた。
そのことは、葵も知識として認識し、よく実感していた。
葵の着ているスーツを着せられていた、絵里という前任者。
彼女がそのスーツを脱ぐ際に、自分が着せられた時よりも遙かに大きな針が生えていたのを見ていたからだ。
針がどれくらい成長しているのかは葵にはわからないが、体を針が貫く感覚は常に葵も感じており、確実にその針が大きさを増しているのは感じ取っていた。
大きくなるということは、針がより深く葵の体に食い込むころだ。
毎日の成長はわずかずつではあったが、より葵に対して与えられる刺激が強くなるということである。
「もうだいぶ、授業に身が入らなくなってたりするし?」
そう晶が尋ねると、葵はソファに体を預けつつ、息を吐いた。
「当たり前でしょ……授業中はいきなり来る可能性が高いし、集中なんて出キッ――」
ビクンッ、と葵の体が跳ねた。
まるでいきなり電流でも流されたように――実際その状態に近いのだが――葵の言葉が止まる。
葵の急変に、晶はもちろん動じない。
「ここじゃ、いつ発動してもおかしくないんだし、逆に気が休まらないんじゃないし?」
そう呟く晶だが、それは半ば独り言で葵の返答を期待してはいなかった。
そして実際、葵は彼女の問いに応える余裕などなかった。
「……ッ、アッ、ウッ、グ、ゥッ……!」
ソファに座り込んだ体勢のまま、首だけを仰け反らせて葵が呻く。
その口がパクパクと空気を求めるように開閉したが、その口が空気を取り入れることはなかった。
全身をじわじわと焼かれるような、肌に食い込んだ針が蠢くような、そんな感覚を葵は覚えていた。
針自体に動く機能はないはずだが、まるで皮膚の下を無数の虫が這い回っているような、そんな感覚が生じていた。本来なら、そんな感覚は気持ちが悪いだけだろう。
だが、葵の開発された肌はその不快なはずの感触を、『気持ちのいいもの』として認識してしまう。
全身をくまなく舐め上げられているような、犯されているような、そんな感覚に変わってしまっているのだ。
さらにスーツが彼女の動きを止めると同時に、連動して胸を覆う貞操ブラや股間を覆う貞操帯に仕込まれた装置も起動していた。
彼女の乳首は、貞操ブラを着ける前に改造手術がなされており、太い管が通るようになっている。
針によって特殊な刺激を与えられた乳房は、母乳を生み出すようになっていた。しかし貞操ブラの管が乳腺を塞いでいるので、葵は決められたタイミングでしか、母乳を放出することが出来ない。
ゆえに彼女の乳房は母乳をため込み、本来はパンパンに膨れあがるのだが、硬い貞操ブラがそれを許さなかった。
彼女は常に乳房が張り詰めた状態で、過ごさなければならないのだ。
さらに、股間の部分に取りつけられた貞操帯には、彼女の性器を封印し、尿道や肛門を物理的に塞ぐ栓がある。
それらによって葵は自由に排泄する自由もなかった。
性器も含め、彼女の体に挿し込まれた栓は、それぞれが振動して彼女に性的快楽を与えている。
だが同時に彼女が絶頂に達しないように絶妙なコントロールがなされており、機械が許可するときしか、絶頂に達せないようになっていた。
ただでさえ全身を犯す針によって快感が高められている葵にとって、その仕様は気が狂わんほどのもどかしさを感じさせられるものになっていた。
「吹田さんが来るのは暫く先だろうし-。それまで葵っちの心が持つか、あたしは心配だし」
やれやれ、と呟く晶。そんな彼女の心配も最もで、彼女の目の前で葵は白目を剥いて痙攣していた。
全身が呼吸もままならないほどに固められ、性感帯から与えられる刺激がその固定された体を蹂躙する。
呼吸困難に陥らされた彼女が味わっているのは、地獄の苦しみに他ならず、普通ならとうに命を絶っているか、精神が壊れて廃人になるかのどちらかだろう。
無論、自らいまの状態を望んだ葵は、そのどちらでもない。
苦しいながらも、悶絶しながらも、それ以上にそんな自分の状態を、愉しんでいる。
その証拠に、痙攣する葵の股間からは、貞操帯でも抑えきれないほどの愛液が噴き出し、制服のスカートにシミを作り出していた。
晶はそんな葵の悲惨な状況を羨ましそうな目で見つめていた。
学園島に暮らす彼女たちは皆――壊されるほどの責め苦を望んでいるのだから。
学園島 井塚葵の章 終わり