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夜空さくら
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改変された世界の片隅で ~千本松光樹視点~ その1


 朝、目が覚めたら家のトイレの便器の上に、知らない女が拘束されて放置されていた。


 何を言ってるんだか、自分でも訳がわからない話だ。どうしてそうなったのか見当もつかない。

 ルームメイトの赤土政夫もわからないようだったので、オレは早々にそのことについては考えるのを諦めていた。

 あいつにわからないなら、オレが色々考えても仕方ないし。

 ゆえにこの状況について考えるのは政夫に任せ、オレはその放置されている女を眺めていた。

(うーん、ここまで徹底的に拘束されてると、中身の想像が全然できねえな)

 突如として俺たちのトイレに現れたその女――ニューハーフだったとしても正直わからなかったが――は徹底して拘束されていた。

 全身がラバーに覆われていて、地肌が見えているところがほとんどない。

 鼻フックで拡げられた鼻の穴と、ピアスが通された乳首くらいだ。

 それ以外は「ここまでやる必要があるか?」と疑問に思えるくらい徹底的にラバーに覆われ、身動きが取れないように拘束されていた。

 女の容姿がどんな感じかもわからない。過度に太っていたり痩せていたりするわけではないくらいはわかるのだが、ラバースーツやら拘束具やらで絞り出されているので、ある程度は体格の矯正は出来てしまうだろう。

(胸はデケえみたいだけど、整形かどうかもわからねえし、そもそも顔立ちがわかんねえしなぁ。すげえエロい体つきではあるけど……)

 拘束具が外せれば良かったのだが、どれも簡単には外せないようになっていた。

(全部鍵みたいなのかかってるじゃん)

 弄れそうなところがほとんどない。

 唯一、開口具の栓だけは特にロックはかかっておらず、普通に抜けそうだった。

 その開口具の栓を引っぱって抜いて見ると、ただの栓に見えていたそれは、恐ろしく長くて太い栓だということがわかった。

 ずるずる、と長い棒状のものが女の口から引き出されていった。

(うへぇ……ちんこの形をしたディオルドか。常にイラマチオをさせられてるようなもんじゃねえか、これ。よく窒息せずに済んでるなぁ……)

 喉の奥まで貫くであろう長さの栓に、ドン引きしてしまう。

 栓が最後まで抜けると、弾力のあるそれは勢い余ってぶるんと揺れ、涎を周囲に撒き散らした。

「うおっ、きたねっ」

 慌てて栓から手を離すと、その栓は女の顎に繋がっている鎖に引かれ、ぶらりと揺れた。

 涎がどろりと糸を引き、ラバーに包まれた女の身体を汚していく。

 栓がなくなってポッカリ空いた口内にも口枷は広がっていて、完全に女の口を徹底的に固めてしまっていた。内側は単にのっぺりとした表面の金属の筒というわけでなく、なんだか妙に色々複雑そうな機械チックな表面をしていたが。

 首輪によって固定された首の角度も相成って、まさに便器っぽい姿と言える。

(……そういや、催してたんだよなぁ)

 目が覚めて朝立ちも落ち着いてしまったから、用を足したくなっていた。

 しかし便器にはその女が腰かけていて、普通の便器を使用するにはその女をどけなくてはならない。

(こいつの口を使うには不便な高さだしな……ん……? なんだこれ)

 何気なく視線を巡らせたら、壁に埋められている便器のリモコンの表記が変わっていることに気付いた。大きなボタンがふたつ追加されている。

(下降と上昇……? あ、もしかして)

 オレは推測が正しいかどうか確かめるべく、そのリモコンの『下降』ボタンを押した。

 するとオレの想像した通り、女が腰かけている便器の高さが下がっていく。

 便器自体が下がっていくのだから、当然その上に腰かけている女も一緒に下がっていった。左右に開かされていた両足が、徐々にM字開脚の形になり、女をより屈辱的な体勢にする。

 体勢の変化はささやかなおまけで、本来の目的は別にあった。

 女の頭の高さが、ちょうどオレの腰の高さと同じくらいになる頃、オレはボタンから手を離した。完璧な位置取りだ。

「んじゃ、使ってみるか!」

 使えといわんばかりにここにあるのだから、使わなくては損だろう。

 オレとしては当然の考え方だったのだが、政夫は信じられないものを見る目でオレを見ていた。

「光樹……お前……正気か……?」

「えー、いいじゃんか。よくわかんねえけど、トイレに設置されてるってことはそういうことだろ? 別にオレたちが無理矢理やらせてるわけじゃないし……郷に入っては郷に従えって奴だよ」

 オレの適当な言い分に対し、政夫は顔を顰める。

 真面目なこいつらしいといえばらしいが、生理現象は我慢出来るものではない。

「それに、さっきから漏れそうなんだよ。しないわけにもいかないだろ」

 もしかするとどこのトイレにもこんな風に女が設置されているのかも知れない。

 それならどこに行っても変わらないし、『使う』ことにさっさと慣れてしまっておいた方がいい。

「……わかった。好きにしろ。私はもう少し調べてみる」

 そういって政夫はトイレから出て行った。

 どこを調べるつもりなんだか。

(クソ真面目な性格だと、こういうとき損だよなー)

 政夫のそんな真面目さに助けられたことも多々あるので、強いて貶すつもりはないが、そう思ってしまった。

 ともあれ、邪魔者はいなくなったので、トイレの扉を閉め、改めて肉便器と向かい合う。

 よくよく見ると、その女の状態はかなり綺麗だった。

 少なくとも全体的に汚れてはいないし、テカテカとしたラバーの光沢は使い込まれた感こそあるものの、ちゃんと手入れがされていて清潔な様子だった。

(そういうところは、なんかオレたちの家のものって感じがするな)

 オレはそれほどマメではないが、この家には政夫がいるからだ。

 家電や調度品のメンテナンスを定期的に行い、最大のパフォーマンスを常に発揮出来るようにするのがあいつの趣味のようなものだ。

 だから冷蔵庫や洗濯機はそれなりに使い込んであっても割と綺麗だし、性能的にも全く問題がない。

 この女の状態も、使い込まれているがしっかり手入れはされている、という感じだった。

 オレたち自身には全く身に覚えがないのに、その扱われ方はオレたちが扱ってきたと思えるような状態。

 それがどういうことなのか、オレは考えを巡らせかけたが止めた。そういうのを考えるのは政夫の方が得意だ。あとでオレが思ったことを伝えておけばいいだろう。

(オレは精々、棚からぼた餅的な状況を楽しませてもらうとしますかね、っと……!)

 ズボンをズリ下げ、自慢の息子をパンツの中から取り出す。日本人離れした大きさには相応の自信があるのだ。

 これだけ大きくなったのは、ほとんど毎日ヤリまくっているからだろう。

(そういや、オレの性欲の強さについて行けないって言って、別れを切り出されたこともあったなぁ……)

 あまり楽しくないことを思い出し、しんみりとしてしまうオレ。

 その時、鎖が鳴る音が響いた。目線を落として見ると、いままで無反応だった女が、身体を揺すって鎖を鳴らしている。

 どうしたのかと思ったが、オレがむき出しにした息子の臭いを嗅ぎ取り、反応したのだとわかった。ほとんど動かせない身体をそれでも前に傾け、明らかにそれを求めている。

 その必死な様子に、オレは苦笑いを浮かべる他なかった。

「おいおい……ど変態かよ」

 なんとなくわかっていたが、こいつ自身の認識では、肉便器になることを強制されているわけではないようだ。自ら選んだのかもしれない。

 女に色々聞いてみたいところだが、拘束具が外せないのでは聞くのは難しい。

 疑問はひとまず脇においておいて、オレは女の顔の前に自分のものを差し出した。

「おら、こいつが欲しいんだろ?」

 オレの声は聞こえてないと思うのだが、反応は劇的だった。

「フゥッ、フッ、スフッ!」

 しきりに鼻で呼吸し、オレのものの臭いを嗅いでいる。

 嫌がっているのであれば仰け反るなりなんなりするだろうが、そいつは全く身体を引こうとしなかった。鼻フックで歪んだ鼻の穴を押しつけようとしているようにも見える。

 あまりに無様で情けない女の姿を見て、オレの息子はさらにめきめきと硬度をあげていった。

 別に特段サディストではないのだが、女の無様な有り様はオレを興奮させていた。

(やっべ……しょんべんだけするつもりだったけど、これじゃあ出せねえな……)

 先に一発抜いてしまうことにする。

 普段も朝目が覚めたらまず一発抜くのが習慣なので、朝からヤるのも問題ない。

 その上今日は、目の前に興奮するにはもってこいの『おかず』があるのだから。

 オレはまず、その女の身体に手を伸ばし、その胸に触れた。

 すると、女はびくんと身体を震わせ、肩を竦め、驚いたような反応を見せる。

(んん……? なんで驚く? 触れられた程度で……いや、もしかして……)

 この女は、触られるということを想定していないのかもしれない。

 もしもこいつが純粋に便器としてこの場所に配置されているのだとしたら。

 用を足しながら便器にベタベタ触る奴がいないように、不必要な接触は不自然なことになるのかもしれない。

(ま、オレには関係ないけどな!)

 オレは触りたいから触る。

 こいつの中での常識がどんな拗くれたものになっているのか知らないが、オレはオレのやりたいようにやるつもりだった。いずれにしても、そいつには抵抗なんて出来ないのだ。

 ラバースーツに包まれていても、そいつの身体はとても柔らかかった。

 色んな奴の胸を触ってきたオレの感覚を信じるなら、恐らく天然ものの巨乳、であるように感じた。

(整形でもなんでも気持ちいいことに違いはねえけど)

 魚だって、天然だろうが養殖だろうが美味しければそれでいいだろう。それと同じだ。

 そんなくだらないことを考えつつ、その胸を揉む。

 元の大きさもあるが、胴体を絞り出しているハーネスやラバースーツのおかげでより気持ちいい触り心地になっていた。

「ウゥ、ウゥッ!」

 ビクビク、と女の身体が痙攣する。触られることは予想外だった様子なのに、その反応は明らかに開発された女の身体のものだ。

 付き合ってきた多数の女の中には、感じやすい奴にくい奴色々いたが、胸を揉まれるだけで感じるような奴はいなかった。

(なんつーか、便器にしておくには勿体ないなぁ……)

 こんだけエロい反応をしてくれるのであれば、普通にセックスするデリヘル嬢としても引く手数多だろうに。

 顔がどうなのかはわからないが、体つきだけでも十分客が取れるレベルだ。

 そんな女を便器としてトイレに繋いでいるという、倒錯した喜びがあるのも事実なのだがそれはそれとして。

「ウゥ、フゥッ、フ、ォッ……!」

 筒状の口枷越しに、荒い呼吸をしている。その吐息には感じている女特有の熱が、明らかに篭もっていた。

 もっと色々と弄ってみたいが、こっちの方の我慢もあまり利きそうにない。

(とりあえず突っ込んじまうか)

 そうすれば万が一暴発しても被害を最小限に留められる。

 オレはペニスの先端をそいつの口枷の穴に向け、狙いを定めた。

 口枷は舌を抑えている構造なので、舌を使ったフェラチオは期待出来ないだろう。それは少し残念だ。

 とりあえず喉奥まで突っ込んでみればいいか、と思ったオレの想像は甘かった。

 ペニスの先端をそいつの口の中に入れた途端、口枷の内壁から柔らかなブラシが展開され、オレのペニスに刺激を与えて来たのだ。

「うぉ、っう!?」

 不意打ちだったこともあり、変な声が出てしまった。痛くはなかったものの、突然だったから正直びびった。

 思わず腰が引けてしまい、折角入れた先端が口枷の外に出てしまう。

 その際、口枷の内側を見ることが出来たが、口枷の内側にブラシが展開されている様はまるでエイリアンの口内かなにかのように見えた。

 挿し込まれたものを絶対に逃さない、という強い意図を感じる。実際にはいま抜けているように、抜こうと思えば抜けるわけだが、少なくとも見た目はかなりえげつない。

 単にペニスを刺激したり掃除したりしたいだけなら、もうちょっと口枷をマイルドなものにして、本人の舌でさせればいいはずだ。

 なのに、あえて口枷の機能として組み込んでいる辺り、この女自身の意志では何も出来なくさせるというのが狙いなのかもしれない。

(マジでただの便器扱いってわけか……? そうする意味があるのか……?)

 とても不合理な気がするが、逆に言えば超常的な力でやろうとしない限りは実現不可能なことだから、意味はあるのかもしれない。

(まあ、いっか!)

 オレは本日何度目かもわからない思考放棄をして、改めて肉便器の口内にペニスを突き入れた。今度はちゃんと意識していたので、口枷の内壁に展開されるブラシの刺激にも耐えることが出来た。

 ただ乱暴に刺激しているだけかと思いきや、このブラシ、相当考えられて作られている。痛みは全くなく、絶妙な刺激がうねりを伴って押し寄せてきていた。

「くぅ……っ!」

 オレが経験豊富な男でなければ、即座に出してしまっていてもおかしくなかった。

 なんとか堪えることに成功し、女の喉奥へとペニスを突き入れる。

「ウッ……っ」

 喉の奥までペニスの先端が入ると、口枷はオレのペニス全体を緩く締め付けてきた。腕を締め付けて脈拍を測る機械があるが、まさにあんな感じだ。緩くとはいえ、締め付けられてしまって簡単には抜くことが出来なくなる。

 さらに、内壁全体にうねりが生じて、オレのペニスをさらに奥へ奥へと導いていく。

「なんつーハイテク技術をこんなところに使ってやがるんだ……っ」

 オレはそう毒づいたが、実際それが凄く気持ちいいものだから始末が悪い。

 気持ちいいオレはともかく、規格外に大きなオレのものを受け入れなければならなくなった女の方は溜まったものではないだろう。

 喉の奥にオレのペニスの先端が当たり、さらに奥へと導かれていく。喉を押し広げながら入っていく太いペニスに、恐らく相当な苦しみを感じているはずだった。

「オゥ……ッ、オゴッ、グッ、エッ……!」

 それでも吐こうとせずに堪えている辺り、この便器は相当訓練されているようだ。

(そういや、最初にイラマチオをしてもらった奴は思いきり吐いてたな……プロはその辺さすがだったけど)

 数年前、イラマチオという行為に興味を持ったオレは、当時の彼女にお願いしてやってみてもらったことがある。

 結果は、オレのものに喉の奥を突かれた彼女が、胃の中のものを思いっきり吐き戻してしまい、プレイどころの騒ぎじゃなくなってしまった。

 その時のことがトラウマになってしまってセックスすら出来なくなった彼女とは、その後すぐ別れた。申し訳ないことをしたと思う。

 その後、その筋のプロにお金を払ってやってみて貰ったときは、さすがはプロで、喉奥に射精するまで耐えてくれた。まあ、プロにさえ「もう一度はやりたくない」と言わしめてしまったが。

 だから、喉奥まで犯すようなプレイは久しぶりだった。

 久しぶりにイラマチオを体験出来たオレのものは、すでに爆発寸前だった。

「うおぉ……! くそっ、出す、ぞ……っ!」

 執拗な刺激の繰り返しに、オレでもそう堪えることは出来ず、女の喉奥で思いっきり欲望をぶちまける。

 普通なら噎せて逆流し、悲惨なことになるだろうが、そいつはやはり相当な訓練を積んでいたようで、ほとんど噎せずにオレのものを胃の方へ流し落としてみせた。

 オレは心地よい脱力感を覚えつつ、感嘆する。

(すげえなこいつ……っと、そもそもの目的を忘れるところだったぜ)

 一度射精したオレのものは勃起が収まって小さくなっている。

 いまなら、出せるはずだ。

 下腹部に力を込めると、暖かい液体がペニスを通って外へと――女の口の中へと――放出されていく。

 経験豊富なオレでも、女の口の中に放尿するのは初めての経験だ。

 女を便器扱いする背徳感に背筋が震えた。いままでになかった後ろ暗い快感だ。

 注がれている側の女は、喉を上下させて注がれた尿を淡々と飲み干していく。

「ふ、ぅ……っ」

 一通り出し切ると、少し落ち着いて一息つけた。

 まるでそのタイミングを見計らったように、トイレの扉がノックされる。

「おい、光樹。もう用は足したか?」

 一発抜くまでしたのだが、それをわざわざいう必要はないだろう。

 急いで股間のものをズボンの中にしまう。

「お、おう。なんか見つけたのか?」

 ドアを開け、政夫を中へと招き入れる。


 政夫はその手に説明書のような、紙の束を持っていた。


千本松光樹視点 その2 につづく



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