改変された世界の片隅で ~千本松光樹視点~ その3
Added 2020-02-14 14:32:35 +0000 UTC普通の道を歩いていたら、ほとんど裸同然の格好の犬娘を散歩させていた爺さんに「うちの孫娘に精液を恵んでくれ」と頼まれた。
人の良さそうな、いかにも好々爺という感じの爺さんは、穏やかな様子のまま、奉仕の際の邪魔にならないようにか、犬娘の首輪からリードを取り外す。
「いやぁ……すまないねぇ。出来るなら私が与えてあげたいんだが、さすがにこの歳になるとその元気もなくてねぇ。君みたいな若い子が恵んでくれて助かっとるよ」
ニコニコした笑顔で、見ず知らずの若者の精液を自分の孫娘に飲ませようとする爺さん。
一体どんなAVの企画モノなのかとツッコミたくなるような話だが、いまの世界ではそれが極普通に起こりうることらしい。
正直返答に困ったが、当たり障りのないことを言っておくことにした。
「あー、いや、まあ……ほら、困った時はお互い様、じゃないっすかね?」
「そういってもらえると助かるよ。最近の若い人は忙しいのか、頼んでも断れることが多くてねぇ」
「……そうなんすね」
何気にいい話を聞けた。この協力はあくまで任意であって強制ではないわけだ。
断ることもできるというのは、今後行動していく上で取れる選択肢が増えるのでとてもいい情報だった。
(しかし特別なことじゃないと認識しているから仕方ないんだろうが、こんなチャンスを断る奴もいるっていうのは、俺からすればとんでもねえな)
常識が変わっているのだから、そういうこともあるのだろうが。なんとも勿体無い話である。
(それにしても、どうして俺に反応したのかは謎のままだな……)
この行為を道ですれ違う男全員に頼んでいるとは考えにくい。そんなことをしていたらいつまで経っても散歩が終わらないだろうし。
犬娘が俺に特別反応した理由があるはずだった。
一番確実なのは、爺さんにどうして犬娘が反応したのか尋ねることだが、政夫の奴に忠告されていた通り、この世界にとって当たり前のことを聞いては不審に思われるだろうから直接訊くことはできない。
(なんとなく……の予想はつくけど……)
確信とまではいかなかったが、犬娘が反応していた俺の体の部位がどんな状態だったか考えれば、俺でも仮説くらいは立てられる。
(たぶん、勃起してたかどうかだろうな)
その日初めて会った男性に、よりはそちらの方が可能性は高い。
俺みたいに性欲の強い男が得するような世界になっているとすれば、この予想は間違っていないと思う。
(それにしても……道端で普通に精液を恵んでくれって言われるとはなぁ)
期待するように見上げてくる犬娘の目は完全に蕩けていた。
人間の知性など感じない。それこそ無邪気な犬そのものの、純真な眼だ。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ」
犬のように荒い呼吸を繰り返し、強く発情しているようだ。
まだ俺は何もしていないのだが。どれほど感じやすいんだろうか。
爺さんはそんな犬娘の――可愛い孫娘のはずなのだが――痴態をニコニコと笑顔を浮かべて見つめている。いままでの常識からすれば、なんとも奇妙な光景だった。
「それじゃあ、よろしく頼むよ」
爺さんが促すが、俺はどうすればいいのだろうか。
この手の精液提供が常識として認識されているのであれば、爺さんにどうすればいいのか聞くのはまずい。
(精液を恵む……か。フェラチオで飲ませればいいのか?)
俺は爺さんの反応をさりげなく窺いつつ、ズボンのチャックに手をかけた。チャックをゆっくり引き下げていっても、爺さんは特に反応を示さない。
普通の認識なら、戸惑うか不快な表情をするか、何らかの負の反応をするだろうが、しないということはこの行動は普通に受け入れられているということだ。
(よし、いけるか……?)
俺はいつでも引き返せるように身構えつつも、自慢のチンコをズボンから取り出した。
ボロン、と飛びだしたデカくて太い俺の自慢のものに、犬娘がさらに眼を輝かせて反応する。半開きになった口から涎が垂れ落ちた。
道のど真ん中でチンコを露わにする。まともな世界なら猥褻物陳列罪で警察を呼ばれてしまう状況だが、爺さんはやはり特に反応をしない。
むしろ、感心したような表情を浮かべていた。
「ほぉ、最近の若い人のものは大きいもんだのぅ……羨ましいもんだ」
「はは……どうも」
なんと応えたものかわからず、曖昧に笑って誤魔化しておいた。爺さんの方はだいじょうぶそうなので、犬娘の方に意識を戻した。
「はっ、はっ、はっ……!」
それにしても、涎を垂らすほどに興奮している犬娘だが、お座りの姿勢を取ったまま、じっと俺のものを見つめて動かない。
すぐにでも飛びついて咥え込んで来そうな様子なのに、なぜじっと動かないのだろうか。
(……もしかして、待ての状態になってるのか?)
賢い犬というものは、たとえ目の前に餌を差し出されても、飼い主がよしというまで手を出さないものだ。
それと同様に、この犬娘も目にしたペニスに興奮はしつつも、俺が許可を出すまでは勝手にペニスに手を、いや、口をつけないように躾けられているのかもしれない。
(ちゃんと待てているかは、だいぶ怪しいけどな……)
俺は犬娘の様子を見て、苦笑するしかなかった。
なにせ、待ち切れない様子が滲み出しているのだから。
眼は爛々と輝き、俺のペニスが揺れるのに合わせて視線がしっかり動いている。
口から吐き出す息は荒く、犬のように舌を突き出して涎を垂らしている姿は、バカ犬と言っても過言ではないだろう。アホな子ほど可愛いともいうが、それはそれ。
いかにも間抜けっぽい見た目ではあったが、同時に性的な魅力には満ちていた。
お座りの姿勢で停止しているため、体の前面、特に開いた両足の間にある股間が俺に向かって堂々と晒されている。
後ろの穴には尻尾飾りが突き刺さっているが、前の穴にはなにもされていなかった。
いや、あるべきはずのものも何もなかったというのが正確だろうか。
見た目から推測される年齢なら、とっくに恥毛は生えそろっていておかしくないのだが、犬娘の股間はつるぺたな状態だった。綺麗に縦に割れたスジだけがある。
永久脱毛しているのか、あるいは朝一で整えているのか、ずいぶん触り心地が良さそうな状態だった。
そこからは何をするよりも前に、すでに愛液らしき透明なおつゆが溢れだしており、犬娘がどれほど激しく興奮しているかをわかりやすく示していた。
(触ってみてえけど……さすがにやめとくか)
相手の態度からして、問題はなさそうだったが、せっかくうまくいっているのに、下手にこちらから動いて問題になるのはごめんだ。
こちらから積極的に触りに行くのはダメな可能性もないとは言えない。
(さすがにこの状況でそれはない、とは思うが……用心するに越したことはないよな)
このあたりのもどかしさは、改変された常識が正確にわからないから仕方ないところだ。少しずつ慎重に理解していくしかないのだろう。
とりあえずこの場は、相手に許可を出してその反応を見ながらやり過ごそう。
うん、それがいい。
政夫みたいな奴に比べれば、考えなしな行動屋かもしれないが、俺も別に積極的に自爆したいわけではないのだ。
さて、動く許可を出すかと思ったとき、大事なことをふと思い出した。
「……そういえば、この子の名前って聞いてなかったっすね」
さすがに名前がないということはないだろう。
別に名前がわからなくても問題はないのだが、あるのなら一応聞いておきたかった。
(人が飼っている犬の名前を聞くのは、別に不自然な行動じゃないはず……)
そう思ってはいたが少しドキドキしながら俺は爺さんの反応を待つ。爺さんは特に不審に思った様子はなく、普通に教えてくれた。
「その子はノノ、という名前だよ」
「ノノちゃんっすね。わかりました」
爺さんに礼を言いつつ、元々の人間としての名前なのか、犬として新しくつけられた名前なのか、いまいち判断し辛い名前であることに、内心舌打ちをする。
(ノノ、か……普通に人間でもありそうな名前だな……まあいいか、とりあえず名前を尋ねても不審には思われなさそうってことはわかったし、次に犬になってる奴を見かけたら聞いてみよう)
俺は足元で指示を待つ犬娘を――ノノを見下ろした。ノノは待ち切れないという雰囲気を醸し出すだけではなく、尻尾を振って露骨にアピールをし始めていた。
尻尾飾り自体に左右に振れるような機能はないようで、尻尾を振るためにはそれが突き刺さっているお尻ごと左右に振らなければならない。器用にお座りの姿勢を維持したまま尻を振っていた。
それがまたなんというか無様というか情けないというか、とにかくまともな認識の者なら憤死ものの痴態なのだが、ノノは一切気にすることなく、尻を振り続けている。
「……待て。もう少し待てよ?」
あえて焦らした。
人間としての尊厳を完全に放棄しているノノの姿に、俺は嗜虐心がいたく刺激されるのを感じていた。おかげでズボンから取り出したチンコが、バキバキに固くなっていた。
「ノノ、動いてよし」
期待を込めてそう命じる。許可を出したのは正しかったようで、それまでお座りの姿勢を崩さなかったノノが、嬉々として動き出した。
俺の腰に両腕を絡めるように抱きつき、反り返るほど、勃起していた俺のペニスを、大きく開いた口に含む。
涎に塗れた口内は暖かくて湿り気があって、想像以上に素晴らしく気持ちよかった。さらに舌を器用に使ってペニスに唾液を絡めてくる。
思わず腰が引けかけたが、ノノがしっかり腕を回しているので、逃げることは出来ない。
(うお……やっべ、これ……!)
家の肉便器で出した時とは快感の質が全く違う。肉便器の口枷に内蔵されていた仕組みによる刺激は激しかったが機械的だった。
一方、この犬娘のフェラチオにはきちんと練り上げられた技術による刺激と、気持ちよさがあった。
(今まで付き合ってきたピッチどもの中にも、こごこまで気持ちいいフェラをできるやつはいなかったぞ……!?)
フェラチオに慣れているとかそういう次元の巧さではない。
きちんとした技術講習を受け、実践も踏まえて男性器に対する効果的な刺激の与え方を学ばなければ、とてもたどり着けない境地だ。
(ノノが見た目通りの年齢だとして……自然に身につくもんじゃねえ……! これは、かなりの改変が成されてるって考えるべきか……!)
じゅるじゅる、といやらしい音を立ててノノの舌が俺のチンコを絡め取る。まるで別の軟体生物に取り付かれてような、そんな異様な動きを感じた。
「ぐ、ぅ……っ」
思わず唸った。気持ちよすぎて頭の中が真っ白になりそうだ。さっき家で出したばかりということがなければ、瞬く間に果ててしまっていたことだろう。
ノノは舌技にそれなりの自信があったのか、不可解そうな表情を浮かべていた。いつもなら口に含んで即座に射精まで導けているのかもしれない。
(ふ、ふふ……少しは、人間らしい顔も出来るんじゃねえか……っ)
てっきり頭の中まで完全に犬になってしまっているのかと思ったが、そういうわけでもないらしい。だが、よく考えてみれば身体は人間のままなのだし、本物の犬になったつもりで行動していたら身体は傷だらけになってしまうだろう。
扱いはほぼ完全に犬とはいえ、あくまでも人間が犬に扮しているという形なようだ。
「むー……」
俺が射精に到らないことを不満に思ったらしいノノが唸る。
なんとなく意地になって、そう簡単には出してやらないつもりでいたら、ノノはさらに大きく動いた。
俺のデカチンを口内だけでなく、喉の奥まで導いたのだ。
イラマチオ、という行為が始まった。
「うほっ、おぉっ!?」
喉の奥で亀頭が扱かれる。今朝の肉便器にやったときは、口内の機械によって無理矢理押しこむような形だったが、ノノは自ら喉の奥へと俺のデカチンを導いて受け入れている。
だからか、窮屈に締め上げるという感じではなく、飲み込まれていくような気持ちよさがあった。
さらにノノは口内の舌を巧みに動かし、俺のペニス全体を絞り出すように刺激してきていた。吸いあげられる感覚も加わり、俺は凄まじい快感が頭の中に走り、思考が真っ白に塗り潰されてしまう。射精の瞬間の、そのギリギリ一歩手前で踏みとどまってるような気分だ。
「うぉ……っ、おおっ」
さらにノノは上半身全体を使って、俺のチンコにピストン運動の刺激まで与えてきた。
一気に抜き、窄めた唇を亀頭のカリにひっかけて止めたかと思うと、一気に喉の深いところまで俺の先端を導く。喉奥と口内で一気に締め上げた後に、口から抜けてしまう寸前まで一気に解放する。
その波状攻撃は凄まじい快感を俺に与えた。
(く、お……っ、これ、は……っ、無理っ、耐えられっ、な――っ!)
いかに俺が百戦錬磨であろうとも、ノノのフェラチオ技術はそれ以上だった。
俺は快感が弾けて頭の中を真っ白にしつつ、ノノの口の中で盛大に欲望をぶちまける。
「~~~~ッ!♡」
ノノは嬉しそうにその噴き出したものを喉の奥で受け入れていた。全て余すことなく飲み込んでいっているのがわかる。肉便器もそうだったが、噎せたり吐いたりすることはなさそうだった。よほど鍛えられていると思われる。
俺の精液は、チンコの中に残った分も一滴残らず吸い出され、ノノに飲み干されてしまった。
「……けふっ」
ノノは俺のペニスについた唾液を、丁寧に舌で擦り落としながら、ゆっくりと口を俺のものから離す。俺のペニスは射精するより遙かに綺麗な状態で解放された。
ぺろりと唇を舌で舐めるノノ。その顔は満足しきったものだった。
(は、ふぅ……ああ、やばいくらい気持ちよかったな……恐るべし、犬娘……!)
ノノが特別なのか、犬娘が特別なのか、それとも改変された世界では女は皆大体これくらいの技術を持っているのか。
わからないが、とにかく気持ちいい生活を送れそうだと確信する。
用事が終わったチンコを、そそくさとズボンの中にしまい、チャックをあげる。程よい倦怠感があった。
「ありがとう。助かったよ――よかったなぁ、ノノや」
「わんっ!」
爺さんが呼び掛けると、犬娘のノノは俺から離れて、爺さんの足元に寄っていった。そのノノの首輪に、リードが取りつけられる。手慣れた様子からは、それが日常であることが窺い知れた。
「それじゃ、俺はこの辺で……」
俺はそう告げて二人が向かう方向とは逆に歩き出した。
手を振る爺さんと、その足元で尻尾を――正確には尻を――振っているノノに見送られつつ、俺はその場を無事に離れることが出来た。
(はー……やれやれ……早くも二発目か……こんな日々を暮らしてたら、俺速攻で枯れ果てるんじゃね?)
そんな危惧が少しあった。間違いなく気持ちいいことは気持ちいいのだが、ほどほどにやり過ごさないと、搾り取られて死んでしまいそうだ。
駅のコンビニでエナジードリンクでも買おうかと思いながら、俺は暫く道を歩き、そしてとうとう駅に辿り着いた。
そして俺はその駅で、改変された世界の真骨頂を目の当たりにすることになる。
千本松光樹視点 その4 につづく