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夜空さくら
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はじめてのヒトイヌ公園 ~ヒトイヌ小屋にて 3~


 ジッパーを下ろして外気に晒されたあかりのあそこは、ぐちゅぐちゅに濡れていた。

 そこ以外の身体の大半が黒いラバースーツによって覆われているだけに、白い肌と少しグロテスクなピンク色の性器が露わになったその場所は、あかりの身体じゃないかのように、そこだけ全く別の存在のようにも思えた。

「う、ん……? ん、んぅ……っ!」

 股間のジッパーが下ろされて秘部が晒されたことに気付いたのか、脱力していたあかりが身体を震わせる。股間を隠すために足を閉じようとしたみたいだけど、上手く力が入らなかったらしく、震えるだけに終わったのだ。

 結果、あかりは、はしたないほどに濡れているそこを隠すことが出来ず、わたしにじっくり観察されることになってしまった。

 いままで生きてきた中で、保健体育の教科書のイラスト以外で、人の股間をまじまじと観察する機会なんていままでなかったから、つい注目してしまう。自分自身の性器ですら、ここまでまじまじとは見ることはない。

(すごい濡れよう……あかりって、濡れやすい体質なのかしら……?)

 濡れていること自体は、何度も絶頂まで導いたこともあって当然だったけど、わたしが想像していたより遙かに多くの愛液が溢れていた。

 汗も含まれているにしても、ジッパーが開けた端からどろりと透明な汁が溢れだし、ベッドまで垂れて汚していっている。

 自分でオナニーをした時でも、そんなに垂れ落ちるほど濡らしたことはない。

 まあ、そもそもオナニーでは最初からローションを使うから、気付いてなかっただけかもしれないけれど。

 ガスマスクを被っているから、臭いまでは正直伝わってこなかったのだけど、きっと相当な香りが漂っているのだろうと想像する事が出来た。

 あかりはその場所を見られることを恥じてか、わたしから顔を背けて瞼をギュッと瞑っている。への字型に歪んだ眉が、情け無い形を描いていた。

 普段のあかりはどちらかといえば強気で自信家で、そんな情け無い表情を浮かべることはなかった。少なくともわたしは初めてみる表情だ。

 今日はそういうあかりの表情ばかり見ている気がする。あかりに抱いていたイメージがだいぶ変わってしまった。

 あかりのことはある程度知ったつもりでいたけれど、そんなことはなかったみたいだ。

 まあ、とはいえ、『ヒトイヌプレイしている時の顔』なんて特殊な顔は日常生活で見る機会があるわけがないのだから当然かもしれないけれど。

 こんな風に性的に感じている様を普段からよく見ていたとしたら、そっちの方が嫌だ。

(おっといけない)

 思わず思考が変な方向に行ってしまっているのを自覚した。

 いまは露わにしたあかりのその場所に、何をするべきかを考えるべきだった。

(……あかりって処女なのかな?)

 わたしはまずそのことが気になった。

 せっかくこれだけ濡れているのだし、気持ちよくするためにバイブでも挿入してあげようかと思ったのだけど、もしかするとその場所はまだ誰にも触れることを許していない未開の地かもしれない。

 わたしは激しいオナニーの結果、自分でうっかり破ってしまった。処女かどうかをあまり気にしなかったからいいのだけど、もしかするとあかりは処女膜を大事にしておきたいタイプかもしれない。

 現にあかりが選んだ装備品の中に、秘部に挿入するものは含まれていなかった。もしかすると処女膜は誰かのために大事にしているのかもしれない。

 今日一日だけのご主人様であるわたしが、勝手に奪って良いものではないだろう。

 いまさらな気はするけど、引くべき一線は引いておくべきだ。

 わたしは様々な道具が用意された棚の中から、一本のバイブを手に取った。とても柔らかい素材で出来ていて、軽く動かしてみると、振動パターンは強いか弱いかくらいしかない、シンプルなものだった。

 これなら使えそうだと思い、あかりにそれを翳してみせる。

「あかり。えっと、これ、あそこに入れてもいい?」

 そう問うたわたしに対し、あかりは目を開けてバイブを見る。あかりは一瞬身体を硬直させたけど、さほど迷うことなくこくりと頷いた。

(この調子だと処女じゃないみたいね)

 それなら気兼ねせずに済むわけだ。

 挿入の許可を得たわたしは、さっそくそのバイブの先端をあかりのそこに宛がう。

 触れた瞬間、あかりの身体がびくんと震えた。

(ローション塗した方がいいかな……いえ、大丈夫そうね)

 わざわざ別に潤滑油を用意しなくとも、そこには愛液という潤滑油が溢れに溢れているのだから。

 まずはその潤滑油をバイブに擦りつけるため、バイブを横向きに寝かせてあかりの割れ目に合わせて前後させる。

 ぬちゅ、ぬちゅと音を立ててあかりの割れ目はバイブに吸い付き、あとからあとから愛液を零していく。脱水症状でも起こすんじゃ無いかと心配になるくらいの分泌量だった。

「んっ……んあ……ああっ……♡」

 とても犬があげていい声じゃない、艶のある嬌声が響く。

 わたしはそんなあかりがとても愛おしく感じていた。これだけいい反応をしてくれると、弄りがいがあるというものだ。

(さて……と、そろそろいいかしら?)

 わたしは一度バイブをあかりのそこから離して、目の前に持ってきてどれくらい濡れたかを確認した。愛液に塗れたそれはテラテラと輝いていて、傾けると先端から液体が垂れ落ちそうになるくらいに濡れていた。

 これならいけるとみたわたしは、再度あかりの秘部にバイブの先端をあてがう。

 ゆっくりと、まずは先端を挿し入れてみる。

「ふ、ぅ……っ」

 それに即座に反応したあかりの秘部は、きゅっと引き締まって、まだバイブの先端しか入れていないというのに、その細い先端に力を加えてきた。

 相当敏感な性器のようだ。男性器を挿し込んだら、気持ちよくなるのかもしれない。

(あかりの彼氏になる人は幸せ者ね)

 なんとなく複雑な気持ちになったので、それを振り払うようにバイブをさらに奥へと挿し込んでいった。あかりが強く締め付けているからか、挿し込むだけでかなり強い抵抗を感じる。潤滑油が足りないということはなく、入れれば入れるほど、それに押し出されるようにして大量の愛液が身体の外まで零れ出していた。

(すっごい……これなら、奥まで入れても大丈夫そうね)

 挿入されているあかりは、相当気持ちいいのか、声もあげられない様子で身悶えている。

「フゥッ……フシッ……フー……っ」

 鼻で荒い呼吸を繰り返し、悶絶するあかり。

 そんな彼女の荒々しくも艶やかな姿は、女というよりは雌犬という表現がしっくりくる。ヒトイヌ愛好家の彼女に向けるなら、褒め言葉としても構わないだろう。

(ん……さらに締め付けが強くなったわね……)

 わたしは変に膣壁を突かないように、慎重にバイブを動かしていく。そしてとうとう、根元までバイブを入れようと力を込める。


 ぶつん、と音がした気がした。


 実際は手応えの感触であって、本当に音が響いたわけではないのだろうけど、全神経を手に集中させていたわたしは、その音を聴いたような気がした。

 最初は上手くバイブの向きと膣の形が合致したことによって、一気に奥へと進んでしまっただけかと思ったのだけど、そうではないことを示すものが、あかりの割れ目からじわじわと流れだした。

(え……?)

 その赤いものを見てしまったわたしは、一瞬何が起きているのか把握し損ねた。

 あかりの性器からは、処女膜を突き破った時に生じる血が流れ出していた。

(あかり、まだ処女だったの!?)

 陽キャである彼女は男友達もかなり多かった。その中には明らかにチャラい姿をした者もいたので、はっきりと聴いたことはなかったものの、あかりには男性と付き合った経験があるのだろうと勝手に思っていた。

 けれども、いまあかりは初めての血を流している。

 わたし自身は処女を特別視はしていなかったけれど、こんな形であっさりと喪失させてしまって良かったのか、と動揺するしかなかった。

(で、でも確認は取ったし……ダメなら、抵抗してたはず……よね?)

 ちらりとあかりの様子を見てみた。

 当たり前だけど、特にショックを受けている様子はない。

 体内から生じる未知の感覚に翻弄されている感じだ。

 わたしはそんなあかりの反応を確かめつつ、恐る恐る血が滲む秘部に挿入したバイブを動かし始めた。

「アゥ……ッ、ウゥ……ッ」

 バイブの動きに合わせて、あかりが呻き声を上げる。少し痛みを堪えるような響きが混じっていた。

 処女喪失がどれほどの痛みを伴うかは、人それぞれ個人差がある。わたしの時は結構痛かった覚えがあるけど、人によっては全然痛くない場合もあるらしい。

 あかりがどう感じているかは、ヒトイヌになっているいまは聴くことが出来ない。

 見た感じ、激しい痛みは伴っていないようだけど、全く痛くないというわけでもないようだった。

 だから無闇な痛みを与えずに済むよう、わたしはゆっくりと優しくバイブを動かす。なるべく強く押しつけないよう、膣の形に逆らわずにゆっくり前後させる。

「ぅ、んっ……むぅっ」

 その動かし方が良かったのか、あかりは身体を捩り、少しずつ気持ちよくなり始めているようだった。

 感じ方が変わったことを示すように、こちらが一定の速度と力で動かしているバイブの手応えが少し重くなった。あかりが自分の意志でバイブを強く締め付けているのだ。

 痛いだけならなるべく締め付けようとは思わないはず。どうやら最初の衝撃さえ乗り越えれば、あかりは気持ちよさの方が上回るタイプらしい。

 わたしは安心してあかりのそこをどんどん責めていく。


――ぐちゅ、じゅぷ、くちゅ、じゅぷ……


 いま処女を喪失したばかりとは思えないくらい激しい水音が、彼女の性器からは響いていた。

 折り畳まれて短くなった四肢を小刻みに震わせ、硬く閉じた口から苦しそうな呻き声をあげながらも、バイブに対する締め付けは益々強くなっている。

 わたしはあかりのそんな痴態を存分に観察しつつ、バイブの動きを少しずつ早くしていく。

「フゥッ、はッ、あぅぅッ」

 あかりの腰が跳ねる。不自由なヒトイヌ拘束をされているというのに、そこまで動くのだから相当強い刺激を感じているのだろう。

 そして一際大きな痙攣と共に、あかりの身体が大きく仰け反った。四肢を拘束された状態を考えれば、相当器用なブリッジをしている。

 ぶるぶると震えた後、あかりの身体がどさりとベッドの上に崩れ落ち、脱力して力を失った。

 ちゃんと呼吸はしているようだったけど、かなり体力は消耗してしまっているようだ。

 胸の方の愛撫も合わせて、やり過ぎたかもしれない。

「ちょっと休憩しようか」

 そうあかりに言って頭を撫でてあげる。汗が滲んで前髪が額に張り付いていて、気持ち悪そうだったので、新しく出したタオルで拭いてあげた。

 あかりは体力的にも気力的にも限界だったらしく、わたしに大人しく拭かれるままだ。

 飼い犬のブラッシングをしているような気分になり、わたしは慎重かつ丁寧にあかりの汗を拭ってあげる。髪の毛の乱れを手櫛で整え、自然な形で横に流す。

 レザーグローブを身につけているせいで感触はいまいち伝わってこないのが残念だった。

(そもそもグローブが無ければ直接あかりのあそこに指を……って、何考えてるの)

 グローブがなかったら直接愛撫出来たのに、と自然に考えてしまって、わたしは自分で自分の思考に困惑した。

(……直接触れたい、だなんて)

 まるであかりのことを特別に思っているような思考だった。

 こんな経験をしてしまった以上、いままでと同じには見れないけれど、だからといってあかりのことを特別に想っているわけではない。そのはずだった。

 あかりを撫でる手を止めてしまったためか、あかりが不思議そうに目を開く。

「う、ぅ?」

 あどけない目でわたしを見つめるあかり。その純粋でキラキラした目に、想わずドキリとさせられた。

 ヒトイヌ拘束というあまりにもハードな状態にある彼女なのに、そんな彼女が可愛いと感じた。

「あかり――」

 何を言おうとしたのか。

 わたし自身、何もわからないままに彼女の名前を呼んで――


『まもなく退園時間です。時間までに外部ゲートまでお越しください』


 耳当てから聞こえてきたアナウンスに心臓が飛び出るくらい驚いた。

 それはあかりの方も同じだったのか、さっきとは全く違う意味で身体をびくんと跳ねさせていた。

 お互いあまりにも露骨にびっくりした様子が面白かったので、わたしとあかりは暫しお互い見つめ合った後、どちらともなく笑ってしまった。

 ひとしきり笑った後、わたしはあかりに再度声をかける。

「じゃあ、帰ろっか。あかり、立てる?」

「うー……わぅ」

 あかりは自信なさそうに唸る。いくら体力自慢でも、ここまでの移動に加えて何度も性的絶頂を迎えたら足腰はガタガタみたいだった。

 わたしもかなり疲れはあったけど、あかり程じゃない。

「さっきの台に載せて入り口まで運ぶわ。台に乗るまでは頑張って」

「わぅっ」

 こくりと頷くあかり。

 わたしがそんなあかりの頭を撫でてあげると、彼女は嬉しそうに笑うのだった。


 こうして、わたしとあかりの初めてのヒトイヌ公園の体験は、終わった。



つづく


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