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夜空さくら
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ヒトネコライフ!9


 天景院さんのキスは、ものすごく気持ちがよかった。

 相手を気持ちよくさせることを目的としていて、わたしが唯一経験したキスの相手である、美里がするキスとは全然違う類のものだった。


 わたしはかつて、お店のショーで美里とディープキスをしたことがある。

 あの時はわたしの緊張を解すために用意されたリラックス効果のある薬が、美里に効きすぎたことによる、言ってみれば美里の暴走だった。

 強引に口を合わされ、舌で口内を思いっきり蹂躙されたものだ。

 ステージの上でお客さんから注目される中、という非常に興奮するシチュエーションだったこともあり、あれはあれで意識を失うほど感じはしたものだけど。

 天景院さんのキスは純粋に技巧が凝らされた、性的な愛撫としてのキスだった。


 天景院さんの柔らかい唇がわたしの唇に触れている。

 手入れが行き届いていて、しっとりと濡れた天景院さんの唇はとても気持ちが良かった。吸い付くような張りと瑞々しさを持っている。

「ん、んぅ……っ」

 思わず呻きながら天景院さんのキスを受け止めていると、熱い吐息と共に、唾液に濡れた彼女の舌が唇からちょろりと覗き、わたしの唇に優しく触れる。

 決して無理に押し開こうとはしてこない。薄く、浅く、触れるか触れないかのレベルで、ゆっくりと刺激が繰り返される。

 熱い吐息が互いの唇に当たる。

「んぅ……、ん……っ♡」

 もどかしいほど緩やかな刺激が繰り返されて、わたしは自然ともっと刺激が欲しいと思わされた。

 刺激を求めて口が開き、舌が勝手に伸びてしまう。それを天景院さんは優しく舌で受け止めてくれた。口の中ではなく、わたしと天景院さんの間にあるわずかな空間で、唾液に塗れた舌と舌とがぶつかって絡まりあう。

 すると自然と舌と舌が絡み合う中で空気が含まれ、ちゅぷ、くちゅ、といやらしい音が立つ。口の外でのやりとりだから、その音は遮るものがなく、広がっていっていた。

 とても倒錯的で、恥ずかしいやりとり。

 唾液が糸を引いて垂れ、寝そべっている天景院さんの胸元に落ちた。

 どろりとしたそれを指先で掬い上げた天景院さんは、その指を自分の口に含む。まるで味見でもしているかのようだった。

 天景院さんは優しい笑みを浮かべ、舌と舌を絡め続ける。

 もっともっと刺激が欲しくなってしまったわたしは、自分から舌を伸ばしーー天景院さんの口の中に伸ばした舌を差し込んだ。

 自然と唇と唇が合い、口呼吸が出来なくなる。

 天景院さんにしてみれば突然の行動だっただろうに、全く動じてないのはさすがというべきか。

 むしろ、それを待っていたというかのように、わたしが挿し入れた舌の裏側を天景院さんの舌が擦り上げてくる。

「んにゃ……っ♡」

 舌で舌の裏側を擦られることによって生じる快感は凄まじく、舌が別の生き物になってしまったかのようだ。それが気持ちよくて、さらに奥へ舌を挿し入れたくなる。

ーーぐちゅ、ちゅぷっ、ぐちゅちゅっ……

 口の中で二人分の唾液がかき回される激しい水音が響く。

 じわじわと快感が広がっていくのを感じていると、今度は向こう側から口の中に舌が入ってきた。

 舌の先端が巧みに動いて、わたしの歯の並びすらも把握しようとするように、細かく動いていく。

「んぅ……んっ、んにゃぅ……♡」

 歯の裏側を舌先で刺激されると、頭が痺れるほどの快感が生じた。

 快感が背筋を走って全身に広がり、緩やかに絶頂する。

 くたりと脱力した体を天景院さんに委ねた。

「ふ、にゃぁ……♡」

 わたしは天景院さんのキスによって、すっかり蕩けさせられてしまっていた。優しく抱きしめてもらっているわたしの体の中で、熱が燻っている。

 そんなわたしを、天景院さんはくるりと反転させ、背後から抱きしめるような体勢を取らせてくる。

 そして、その手が後ろからわたしを抱えるように伸ばされーー極端なローレグのショーツの中に入り込んできた。

「……っ!」

 もし最初にそこに手を伸ばされていたら、わたしは反射的に足を閉じて拒絶してしまっていたかもしれない。

 けれキスによって体と心をしっかりと解された今、わたしは天景院さんの動きを避けるどころか、動かしやすいように足を開きさえしてしまった。

(あ……わ、わたしってば……)

 ほとんど無意識の行動だったけど、それを自覚してしまったわたしは、はしたない自分の行動に顔が赤くなるのを感じる。

 ただ、今更足を閉じようという気にもならなかった。

 天景院さんに完全に全てを預ける。預けてもいい、という気分になっていた。

 ドクン、ドクンと激しく心臓が高鳴るのを感じる。

 反射的に強張っていた体から、意識して力をゆっくりと抜いていく。

 天景院さんはわたしの準備が整うまで待ってくれていた。

 わたしが天景院さんの手を受け入れ、全身が脱力したのを感じてから、ゆっくりとその手が動き出す。

 最初は触れるか触れないか、微妙なレベルの愛撫から始まった。

 産毛の有無を確認しようとしているかのような、繊細なタッチ。

 今のわたしの股間に恥毛は生えていない。もちろん純粋に生えていないのではなく、綺麗に一つ残らず剃っていた。

 この生活を始めてからも、お風呂の度に綺麗に整えてもらっているので、わたしの秘部には剃り残した毛の一つもない。

 あのお店で働き始めてから、そこを無毛にしておくのは嗜みのようなものだった。

 お店の制服として身につける特殊なボディスーツは、噴射して身につけるものなので、毛があると脱ぐ時に引っかかってしまうのだ。

 そのボディスーツのおかげで、背中とか手足とかの無駄毛の処理ができるという利点もあるけど、股間の毛に関してはそのままだと脱ぐ時にとても痛い。

 だから美里も含め、あの店で働いている女性はみんな股間の毛を剃ってしまっていた。ちなみにスーツを身につける前に別の前張りのようなものを装着することで、恥毛を残しておくこともできるので、どうしても剃りたくない人はそうしている。

(ヒトネコとして生活することを考えれば……無毛の方が都合がいいしね)

 綺麗に洗浄されるとはいえ、やはり毛が有ると尿がそこに残ってしまうことも有るし、変に毛が残っていると汗をかいて蒸れた時の見目も悪い。

 こうして人に触れてもらう時も、毛が邪魔にならないのは大きな利点だった。

 ただ、見られることにはすっかり慣れていたのだけど、触れられるというのはまた全然違う感覚だった。

(うぅ……は、恥ずかしい……っ)

 気持ちが昂っている分、まだマシな方だったとはいえ、恥ずかしいものは恥ずかしい。

 わたしは顔が真っ赤になっていることを自覚しつつ、思わず天景院さんから顔を逸らし、目を瞑ってしまった。

 そうすると、体の感覚がより研ぎ澄まされ、触れてきている天景院さんの指がどんな風に動いているのか、よりはっきりと意識してしまう。

 天景院さんの指先が、わたしの割れ目をなぞるように動いている。

 一番柔らかい恥丘の輪郭を崩さないような、繊細なタッチだったけど、それゆえにより強くその刺激を意識してしまって、気分が高まった状態のわたしにとっては、激しく触られるよりもよっぽど良く効く愛撫だった。

「ん、にゃ、ぁ……っ♡」

 声が出るのを必死に堪える。堪える必要がないと頭ではわかっていても、全く気にせず声をあげられるほど羞恥心を無くしてはいなかった。

 無邪気な美里なら、思う存分声をあげていたかもしれないけど。

 天景院さんの指が動くたびに、腰が反応してピクンと跳ねてしまう。

 もっと強い刺激が、自然と欲しくなっていた。

 しかし、そんなわたしの想いとは裏腹に、天景院さんはショーツの中から指を引き抜いてしまう。

「にゃぅ……?」

 どうして抜いてしまうのか。

 思わず目を開けて問いかけようとしたわたしの前に、今の今までわたしの秘部に触れていた天景院さんの指が差し出された。


 その指からは、透明な液体が糸を引いて垂れていた。


「……! ふ、にゃぁっ……!」

 意味を理解すると同時に、死にたくなるほど恥ずかしくなった。

 まだキスをして、少しあそこに触れられただけだというのに、わたしのそこからは天景院さんの指が滴るほど濡れているのだから。

「ふにゃ……ぁ♡」

 顔を逸らそうとしたわたしを許さず、天景院さんがわたしの口にその指を入れてきた。

 奇妙な味が口の中に広がる。

「ミヤ、ーーー」

 耳元に囁かれる。ちょうど天景院さんの口はわたしの頭につけた猫耳のあたりにあって、わたしは頭の中に直接囁かれたような気がした。

 脳が震えて快感がさらに強くなる。

 人声抑制機能が働いているのに、わたしは天景院さんが何を求めているのかが理解できた。口の中に差し込まれた指に、舌を絡めて丹念に舐める。

 わたしの対応は正解だったようで、天景院さんが優しく頭を撫でてくれた。温かな手に安心する。

 その時、不意に、体に体重がかけられたのを感じた。

 意識をその体重をかけてきた者に向ける。それはずっと傍でわたしと天景院さんの絡みを見ていた美里だった。

「フゥー……フゥー……フゥー……」

 美里は荒い息遣いをしながら、わたしに覆い被さるようにのし掛かって来ていた。どうやらわたしと天景院さんが絡んでいる姿を見て、興奮してしまったようだ。美里の感情を読み取って動く猫耳と尻尾飾りが、天井に向けてピンと立っている。

 今にも襲いかかってきそうな、爛々と輝く目で、美里はわたしを見ている。

 その様子に思わず息を呑んだ。

(み、美里……?)

 美里が辛抱たまらんと言わんばかりに、わたしの体にのし掛かって、自分の体を擦り付けてくる。

「んにゃぅああ〜!」

 甲高い声で啼きながら美里が体をーーというか主に股間をーーわたしの体に擦り付けてくる。

ーーぬちゃ、にちゃっ……

 足に擦り付けらられている美里のあそこも濡れているみたいだった。わたしと天景院さんの絡みを見て、興奮しているのだろう。

 思わずわたしに体を擦り付けるほど、興奮が収まらない様だ。

「ミサ、ーーーーーーー」

 そんな美里に対し、天景院さんが優しく呼びかけ、わたしを抱き寄せている側とは反対側の手で、手招きをする。

 天景院さんに誘導されるまま、美里はわたしの体から降りて、天景院さんの腕に抱かれに動いた。

 発情したヒトネコを二匹、両脇に抱えた天景院さん。

 わたしがいうのもなんだけど、ヒトネコを二匹同時に抱えることができるなんて、愛好家にすれば垂涎もののシチュエーションだろう。

 天景院さんは、わたしと美里、二人を同時に相手するつもりのようだ。

 あまりに無茶な試みのように思えたけど、天景院さんはそれを可能とするテクを持っていた。

 わたしたちをそれぞれ片手で抱き抱えるようにしながら、的確に刺激してくる。

 天景院さんに背中を向け、股間が弄りやすいであろうわたしはともかく、美里は天景院さんと向かい合っていて、手をお尻の側から回さなければならないため、美郷への愛撫は難しいはずだ。

 けれど、弄り難い分、お尻を揉んだり、脇腹をくすぐったりして賄っている。

 その愛撫の技術は素晴らしく、美里も十分気持ちよくなれているということが、見て取れる。

(……天景院さんなら、普通にハーレムも作れるだろうし……やっぱり慣れてるのかな)

 財力も含め、複数人を同時に相手にできる甲斐性があった。

 わたしはそんな天景院さんに感心しつつ、すぐ側で気持ちよくなっている美里を見ていて、むらっとするのを感じていた。

 天景院さんの愛撫で気持ちよくなっている美里が、とても可愛らしく思えたのだ。

「んにゃ……ぉ♡」

 だからつい、少し首を伸ばして美里の頬に口づけをした。

 美里は少し驚いたような顔をしつつ、向こうもすぐその気になったのか、にこっと笑って同じようにわたしの頬に口づけをしてくる。

 そのやりとりがディープキスに変わるのに、そう時間はかからなかった。

 わたしと美里は天景院さんに愛部をされつつ、お互いの口内をむさぼり、快感を与え合う。

 わたしたちの昂る気持ちに合わせ、天景院さんの愛撫は激しさを増していく。

「ふにゃぁ、ああっ♡」

「にゃああっ、んにゃぁ♡」

 美里と抱き合いながら、わたしたちは立て続けにいかされてしまった。

 あそこに挿し込まれている天景院さんの指を、ぎゅーっと締め付けてしまう。

「「はぁ……はぁ……はぁ……」」

 わたしと美里が荒い呼吸をしながら、絶頂の余韻を味わっていると、天景院さんはその愛液に濡れた指で、わたしたちの胸を刺激して来た。

 わたしの方はブラジャーの中に手を滑り込ませ、美里の方はマイクロビキニの脇から手を入れて、乳房を優しく揉んでくる。

 少し濡れた天景院さんの指はとても心地よく、火照った身体にはほどよくひんやりして気持ち良かった。

 乳房を揉む手つきも実に洗練されたもので、わたしたちはひたすら気持ちよくさせられてしまう。

「んにゅあ……♡ にゃ、ふぁっ♡」

 硬くなった乳首を人差し指と親指で挟まれて、コリコリと刺激され、思わず声が出てしまう。

 執拗な責めの勢いは止まらず、今度はお尻の方に伸びて来た。

 尻尾飾りと繋がっているアナルプラグを、外から刺激される。

「んんぅ……っ」

 アナルプラグは尻尾飾りと繋がっているから、尻尾飾りに触れられると、その振動が肛門にまで伝わってくる。

 わたしたちの感情を読み取って動くその尻尾は、天景院さんの腕に人懐っこく絡みつき、恥ずかしく思っているはずのわたしの本音を表しているようだった。

 そのことこそを恥ずかしく思っていると、天景院さんはその身に纏っていたネグリジェを脱ぎ始める。その意図はすぐわかった。

 裸になる天景院さん。その見事な肢体が露わになる。

 わたしと美里は視線を交わして頷き合うと、わたしたちを気持ちよくしてくれた天景院さんに気持ちよくなってもらうために、ふたり一緒に天景院さんへの奉仕を始めた。


つづく



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