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夜空さくら
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【新シリーズ】羽桜ちゃんはなんでもシテくれる

■ 支援者様向け新シリーズ「羽桜ちゃんはなんでもシテくれる」開始です!

■ 異世界から転生してきた元魔王にして覇王である『万江刃羽桜』は前世の力をほぼそのまま振るえます。それを用いて彼女がしているのは――周囲の変態的な願い事を叶えること。人間の性的多様性と限りない欲望を、時にドン引きしながらも叶えてあげているお話しです。

■ 今回だけで状態変化、半液状化、圧縮、ぎゅうぎゅう詰め、丸呑み、ヒトイヌ、野外露出、認識改変、などなど……特殊性癖のオンパレードでお送りしています。今後もこういったごちゃまぜごった煮ジャンルでお送りする予定です^w^


■ コメントなどで「羽桜ちゃんにシテ欲しいこと」を書き残していただけると、場合によっては羽桜ちゃんが叶えます。緩いリクエスト受付みたいなものですが、必ずしも採用されるわけではないので、そこはご了承ください。

■ 次回以降は支援者様のみになったり、全体向けに公開したり、その時の内容によって変えようと思っています。よろしければご支援のほど、よろしくお願いいたしますーwーペコリ


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 かつて、余の命を狙って無謀にも挑んできた『殺すほどの価値も意味もない人間』を効率よく無力化し、彼我の力の差を見せつける手段として良く用いていた呪文――封瓶魔法を、目の前の女学生に向けて使用する。

 魔法の扱いに長けた魔法使いであれば、拒むことも可能であっただろうが、魔法のない(一般的には存在しないと思われている)この世界の一般人に魔法的な防御策を持てというのは酷な話だ。

 まあ、どちらにしても、魔王たる余の魔法に抵抗することのできる者など、かつての世界でも数えるほどしかいなかったが。

「ん、きゅううううううっ……っ!!」

 余の前に立っていた女学生の身体が、我が手中にある口の細い瓶――丸底フラスコの中へと吸い込まれ始める。

 全身が軟体状のスライムになったかのように歪み、頭頂部から細くなってフラスコの口へと引き寄せられていく。

 そして、小さな瓶の口にその身体が触れると、まるで掃除機で吸い込まれていくかのように、彼女の身体は丸底フラスコの、丸い部分に圧縮されながら収まっていった。

 もし物理的にそのようなことをすれば、瓶の中は肉も血も骨もぐちゃぐちゃになって混ざり合い、赤黒い物体へと変わり果て、彼女の命はたちどころに途絶えていただろう。いや、中途半端な今の段階で魔法を解くだけで、彼女は物言わぬ肉片へと一瞬で変わる。

 もちろん、そんなことはしない。

 魔法によって半液状化した彼女の身体は、あらゆる機能を失わないまま、瓶の中へと吸い込まれ切った。

 ぱさり、と彼女が着ていた服がその場に取り残され、落ちる。

 まるで中身だけが忽然と消えてなくなったように――実際そうなのだが――彼女が着ていた順番そのまま、床に山を形勢していた。

 そのままに放置しておくのは忍びなかったため、余は軽く指先を振って念動力を発揮し、服を綺麗に畳んで机の上へと置き直す。

 下着を一番上にしたのは大きなものから順番に畳んだためで、特に他意はない。後にあれは辱めに使えるかもしれない、とは思ったが。

 そうして片づけを済ませて置いてから、余は改めて手に持っている瓶に目線を戻す。

「……っ、……ぅ……!」

 瓶いっぱいに詰め込まれた彼女は、肌色の液体にしか見えなかった。

 場合によっては、飲み干そうとする阿呆もいるかもしれない。丸形フラスコに入っている液体を飲もうとする者がそうそういるとは思えないが、時に人間は知能があるかどうか疑うような愚行を平気で行う生き物だ。

 百万が一、もしそんなことをしたら、その者の体内で彼女の身体が元に戻り、飲んだ者も飲まれた彼女も無事では済まないだろう。

(念のため、保険をかけておくか)

 十分なスペースを得ない限りは、柔らかい半液状の状態から戻らないよう魔法をかけた。

 これで万が一誰かが瓶に口をつけて彼女を飲み干しても、十分なスペースが確保されるまでは魔法は解けない。

 とはいえ、その場合飲んだ者の体内を、液状化した彼女が通り抜けて下の穴から排泄されるまで、飲んだ側も飲まれた側も相当苦しむことになるとは思うが。

 そこまでは面倒を見切れん。命が助かるだけでもありがたいと思ってもらおう。

 最後の仕上げとして、コルクの栓を使って瓶を密閉する。

 彼女の体は瓶の口の縁ギリギリまで満たしているため、コルク栓は力を込めて押し込まなければならなかった。

 彼女は最後に、物理的にも圧縮される感覚を味わったことだろう。

「これで、良かろう」

 ふぅ、と一息ついた余は、完全に瓶詰めとなった彼女を机の上に置く。畳んだ彼女の服の横に置けば、『そういう嗜好』を持つ者には何が起きたか一目瞭然であろう。

 女学生の詰まった丸底フラスコは、微かに震えており、カタカタと音を立てた。

 現実にはありえない形で、狭い瓶の中に封じ込まれた彼女。

 通常であれば瞬く間に死に至るが、魔法によって彼女は死ぬこともできず、全方位から瓶によって圧縮される感覚を味わい続けることになっている。

 体の機能は通常通り機能しているため、当然五感も生きてはいるが、自分自身の体に埋もれているような状態だ。

 ほとんど何も見えないだろうし、音も自分の身体の動く音くらいしか聞こえないだろう。

 匂いも自分の臭い以外はしないはず。動こうとしても身体が複雑に絡み合っているため、ギシギシと軋んで震えることくらいしか出来ない。

 口も利けず。

 身も動かず。

 何も見えず。

 何も聞こえず。

 何も臭わない。

 ただ思考し、全身を圧縮され続けるだけの、哀れな存在。

 よほど拷問の訓練を積んだ者でも、数時間と持たずに発狂するであろうことは確実だった。まあ、発狂したところで、封印魔法には元の精神状態に戻す効果もあるので、発狂しても逃げられはしないのだが。

 延々と続く孤独で新鮮な苦しみは、人の心を折るには十分なものだ。そういう風に魔法を組んでおいてなんだが、まさしく悪魔の所業と言えるだろう。

 実際、かつての世界でこの封瓶の魔法を受けた者は、数日放置してから取り出すとなんでも言うことを聴くようになっていた。お手軽に心を折ることが出来るので重宝していたのだ。そういう状態になった者は、城の外に放り出して逃がしてやっても、余に挑んでくることは二度となかった。

(そう……普通はもう二度と経験したくないと思うものなのだがな……)

 余は微かに震えるだけの物体へと化した瓶詰の彼女を、軽く指先で弾いた。瓶全体が震え、内側からの動きが一時的に止まる。

 余はその瓶に対し――内容は半ば予想は出来ていたものの――読心魔法を用いた。

 体の機能が完全に生きているということは、当然彼女は通常通り思考できているということだ。声は出せずとも、読心魔法を用いれば声は聞ける。

 彼女の悲鳴が、余の頭の中に直接響いてきた。


『んにゅうううううう!!!!♡♡♡ しゅごいいいいいい♡♡♡ あたしぃぃぎちぎちのみちみちでぇっ♡♡♡ きもちゅいいいいいっっ♡♡♡』


 そっと読心魔法を解除する。

 机の上に置かれ、静かにカタカタと揺れている瓶。側から見ればそれだけの存在であるあり、読心魔法で聞こえたような声を発しているとは思えない。

 そんな瓶を見ながら、余はため息を吐いた。

「全く……度し難いものよな……」

 この世界の者の精神は、ちと特殊すぎるのではなかろうか。

 かつての世界では魔族死すべしと鼻息荒くやってきた聖職者が、数時間この魔法を使っただけで余に二度と歯向かわないと誓ったほどの苦しみのはずなのだが。

 なぜ魔法もないようなこちらの世界の人間がそれを受け入れーーあろうことか悦んでいるのか。それがわからない。

 これが彼女だけのことであれば、まあそういうこともありうる話だ。

 魔族の中にも一定の確率で、生まれの種族らしからぬ、普通とはまるで違う性質や性格を持った者が産まれていた。

 一種の特異個体と考えれば、彼女の性的嗜好もそれほど不思議がることはない。

 されど、だ。


 その時、教室の鍵をこじ開け、部屋の中に女生徒たちが流れ込んで来た。


 女三人寄れば姦しいとはよくいったもので、それが十人ともなれば、もはや騒音に等しかった。

「やっと、開いたー! あたしの手先の器用さを舐めないでよね!」

「羽桜ちゃんを独占なんてさせないんだからー!」

「あー! 封瓶の魔法使ってもらってるー! ずるいー!」

 部屋に流れ込んできた彼女らは、余を取り囲んでくると同時に、机の上に置いていた女学生詰めの丸底フラスコを霞め取った。

「これ、乱暴に扱ってはいかんぞ」

 一応、そう声をかけておく。

 彼女たちにとってその丸底フラスコの中にいる女学生は友人のはずなので、そう乱暴なことはしないだろうとは思ったが。

 それでも年長者――この世界での形式上は同年代だが――の責任として釘を刺す。

 瓶を手にした彼女は、忠告する余の頭を撫でながら微笑んだ。

「大丈夫だよ羽桜ちゃん。乱暴になんて扱わないよ。……みんな、あたしはちょっとこの子を家庭科室で湯煎にかけてくるね」

 いってらっしゃーい、と軽い言葉で送り出そうとする他の女生徒たち。

 余は慌てて止めた。

「待て、待て待て。それがどれほどの刺激になるかわかっておるのか。火炙りの刑に処すのとなんら変わらんぞ。火刑は前の余でもあまりの残虐さに禁止令を出したほどの処刑法で……」

「大丈夫だいじょうぶ! ちょっと死ぬほど苦しいくらいに気持ちいいだけだったから!」

 そうだ、此奴はすでに経験済みであった。

 経験者の言葉は強い。此奴が耐えられたからといって、其奴が耐えられるとは限らないのだが、そんなことは関係ないようだ。

(確かに精神が崩壊してもすぐ元に戻りはするが……)

 友人の精神を気安く壊すのはどうかと思う。

 そうは思ったのだが、彼女は我の制止虚しく、女生徒の詰められた丸底フラスコを持って走り去ってしまう。

(すまん……止められなんだ……)

 内心、連れ去られた女生徒に謝る余。いや、元はといえば彼奴(あやつ)が他の者を出し抜いて求めて来たことではあるのだから、文句を言われる筋合いはないが。

 余はこの場に集まった女学生のうち、一番体格の良い者に抱き上げられ、椅子の上に座った彼女の膝の上に座らされた。

 彼女たちはなぜか余をこの体勢にしたがる。余のことはちゃんと敬っているはずなのに、この扱い。それが両立する彼女たちの精神性は、ある意味とても異常であった。

 まあ女子(おなご)の体は全体的に柔らかいし、座り心地自体はそれほど悪くはないため、この扱いも許してやっている。

 ただ、やたらと余の腹やら胸やらに手を伸ばして悪戯しようとしてくるのは頂けない。

 強いて抵抗するはどのことではないため、好きなようにさせて大人しく抱かれてはいるが、服の中まで手を差し入れるのは控えて欲しいものだ。

「羽桜ちゃん、抜け駆けはなしって言ったじゃない!」

「そうそう! はおーちゃんにああいうお願いをする時は、必ず複数人でって決めてるんだから!」

「一人だけ羽桜ちゃんの力を独占するなんてダメなの!」

 ズケズケと元魔王である余に対して物を言う彼女たち。

 今世の余も、一応女というカテゴリーに分類されるし、かつての余も単一性の種族であったとはいえ、雌に分類されていたはずなのだが、人間の女性の持つ集団性の高さは一生身につかない気もする。

「……別に、余としてはお主たち全員の願いを一度に叶えてやっても構わないのだが?」

 魔法は確かに疲れる。大魔法になればなるほど消耗は激しくなるし、今世の余はそこまで魔力が多い方ではない。

 だがそれはあくまでもかつての余と比べての話だ。やろうと思えば彼女たち一人一人の願いを叶えることくらいは造作もない。少し疲れる程度で、半日もすれば消費した魔力や体力は元に戻るだろう。

 彼女たちは自発的に順番を決め、余に『お願い』をする回数を決めているようなのだが、別にそういう気遣いは不要だ。持ち去られたあの女学生のように自由にお願い事をすればそれでいい。

 そう思って、何度もそう伝えているのだが、彼女たちは頑なにそうしようとしない。

「それはダメ! 皆堕落しちゃう!」

「すればいいではないか」

 そもそも余に『お願い』を何度もしている時点で割と堕ちていると思う。

「偉大な悪魔の羽桜ちゃんにとってはその方がいいのかもしれないけど……私たちにも生活っていうものがあるの!」

「いや、余は悪魔ではないのだが……」

 別に契約で魂を持って行ったりはしない。

「一日中そのことしか考えられなくなっっちゃうじゃない! あたしたちが色欲に溺れて、路頭に迷ったら、責任取ってくれるの!?」

「お主ら全員、養ってやっても構わんと言っておろうが……」

 以前は何十万、何百万といた魔族の長だったのだ。それを考えれば、たかだか人間の娘数十人程度は大したことのない数である。

 この世界では前世ほど無茶はできないが、他に魔法を大々的に使っている者がいない以上、やりようによって数十人程度の人間を養う程度の資産は容易に確保できる。というか確保している。法に触れない形で調達した。

 余が普通の学生の身分に甘んじているのは、今世の双親が普通を望んでいるからというだけに他ならない。転生の秘術であの者たちの子の代わりに生まれてきた余には、あの者たちの想いを何より優先する義務がある。

 とはいえ、色々と必要なものは用意すべきであり、そのために秘密裏に資産は用意してあった。

 だから余を慕う女学生たちがそうなりたいというのであれば、余にはそうしてやる準備がある。

 それもずっと伝えているのだが、彼女たちは頑として首を縦には振らない。

「「「私たちはちゃんと自立した上で、羽桜ちゃんに弄ばれたいの!!」」」

 よくわからなさすぎる拘りである。

 人としての矜持と考えれば、余が一方的に無碍にするのも違うような気がして、結局いつも通り彼女たちの求めに応じるままにしているのだった。

 とはいえ、余の周りで喧々諤々騒がしいのは頂けない。

 今日はあの女学生が抜け駆けしたということもあってか、妙に全員が昂っていて甲高い声で騒ぎ続けている。

 騒がしいのも嫌いではないが、余はどちらかといえば静寂を好む。


 余は両手を広げ――鋭く一度、柏手を打った。





 羽桜ちゃんが手を打った、次の瞬間、私たちは真っ黒な不思議な空間に裸で放り出されていた。

「ひゃあ!?」

 思わず胸や股間を隠しながら周囲を見渡す。真っ暗な空間なのだけど、何故だか皆の姿ははっきりと見えていた。皆それぞれ恥ずかしがって身体を隠したり、しゃがみ込んだり、呆然と空を見上げたり、様々な反応をしていた。

「こ、これは……!? 羽桜ちゃんの固有結界……!?」

 アニメ好きを公言して憚らないオタクの子がそう呟いた。何それ。

『違うわ、このたわけ。単にお主たちを異空間に飛ばしただけだ』

 呆れ気味の羽桜ちゃんからツッコミが入った。

「えー、でもこの前公開された映画も、面白いって言ってくれたじゃんー」

『……別に、面白かったのは否定せんがな。次の三部は共に見に行くか』

「いくいくー!」

 こっそりガッツポーズを取っているのが見えてしまった。

 相変わらず羽桜ちゃんをオタクにしようとしているようだ。私は羽桜ちゃんにはスイーツ好きになって欲しいから、今度はケーキが有名なカフェに連れて行こう。

 全員が同じようなことを考えているのか、真剣な表情をしていた。

 なんとなく、羽桜ちゃんが溜息を突いたのが伝わってくる。

『……まあ良いわ。とりあえず余の周囲で姦しく騒いだ罰だ。甘んじて受けるが良い』

 そう羽桜ちゃんが告げると同時に、真っ暗な空間が急に狭くなった。

 他の子たちが壁に押しやられるように、私の方へと近付いてくる。

「わ、わわっ!」

 後ろから誰かがぶつかってきて、転倒する。床や他の人の体にぶつかるかと思ったけど、どうやら羽桜ちゃんの不思議な力が働いているようだった。思いっきり肘を打ち付けたのに、まるでサポーターか何かを巻いているかのように、全然痛くなかった。

 他の子たちの身体がぶつかって来ても、見えないダウンジャケットでも着ているかのように、柔らかく受け止められる。

 私たちは複雑に絡み合いながら、身体を押し付け合うことになった。

「んにゃっ! ちょっとお尻触らないでよ」

「そんなこと言ったって……っ」

「ひゃんっ! だ、だだ、誰よあたしの耳に息吹きかけたのっ耳は弱いのぉっ」

「だって距離が取れな……ね、ねえどんどん狭くなってない!?」

 気付けば私たちは朝の満員電車に押し込められたかのように、ぎゅうぎゅう詰めになっていた。視界が皆の裸で埋まっている。目の前に誰かのおっぱいが突き出されて、思わず赤面してしまった。

 いつのまにか私たちの身体を覆っていた緩衝材のような不思議な力はなくなっていて、身体と身体を直接押し付け合っている感触が全身から伝わって来た。

「あ、あつい……っ!」

「ふにゃ……っ、あせ、くさぁ……っ」

「み、みんなおなじだって、ばぁ……!」

 人と裸で抱き合う機会なんてそうそうなく、私たちは赤面しながらもぞもぞと蠢くことしかできなかった。

 空間内の温度はどんどん高まっていて、全身から汗が噴出している。

 べたべたする感触は本来気持ちの悪いものだったけれど、こう皆と裸で身体を擦りつけ合っていると思うと、嫌な気分というよりは妙な気分になっていた。

 ふと、鼻腔を甘ったるい匂いが擽る。

 それは誰かが感じている証だと気付き、一気に空間内の空気が変な雰囲気に包まれた。

 匂いに対して言及することは藪蛇になりかねず、私たちは呻き声と喘ぎ声だけをあげながら、奇妙な静けさに満ちた空間で、ぎゅうぎゅう詰めの感触を味わうしかなかった。





 余は小さな空間内に押し込めた女学生たちを片手で弄んでいた。

 さっきまで余を膝の上に乗せていた女学生が座っていた椅子に座った余の手には、肌色のボールのようなものがある。

 それは女学生たちを圧縮して作ったボールであり、ぎゅうぎゅう詰めにして縮小したものだ。女学生たちは自分たちの身体以外見えていないが、余には全てが露わになっている。

 密着してだんだん汗ばんで来たのか持っている余の手にもじっとりとした感触が伝わって来ていた。

「ふむ……」

 余は肌色のボールを舌でぺろりと舐め上げた。びくん、と痙攣する女学生の塊は、塩っぽい味と少しの甘みを滲ませていた。どうやら早くも感じて愛液を滲ませたものがいるようだ。

 本来愛液はそこまで甘いものではないが、そう感じるように少し弄ってあった。その方が自発的に彼女たち自身が絡み合うことも多かったし、都合がよかったのだ。

「さて、と」

 このまま翌日まで放置してやるのも手ではあるが、せっかく肉玉に変えたのだ。よりよい扱いをしてやろうと思う。

 余は自分の拳大ほどになった女学生の塊を両手で持ち――大きく口をあけた。





 生暖かくて濡れた感触が通り過ぎていって数十秒後。

 私は全身に生暖かい感触を覚えた。先ほどの感触よりも強烈な、生暖かいを通り越して熱いものの気配。

 直感で私はそれが羽桜ちゃんの口の中の気配だと気付いた。

(た、食べられる……!)

 ぞくぞくとする快感を覚えてしまったのは、決して私が本当は食われるのを望んでいるからではないと思いたい。そんな破滅願望を持ってはいないと――信じたい。

 そう考えはしたものの、すぐにそんなことを考えている余裕はなくなった。

 私たちの肉玉化している全身が、酷く滑っとした感触に包まれたためだ。

「「「ふあああああああっっっ」」」

 全員が嬌声交じりの悲鳴をあげる。

 唾液なのか何なのか、ぬめっとした液体が全身に浸透してくる。それによって私たちの身体は汗以上にさらにぬめり、擦れ合う感触がさらに気持ちよくなってしまう。

「の、呑み込まれてるぅ……っ!」

「たべ、たべられちゃったぁ……」

「ひあっ、ひあああああっ」

 色んな声が響く中、私たちの身体はさらに下へと堕ちていく。

 全体の外側に面した私の足の裏が、何か奇妙な柔らかい床を捉えた。

(これ……床じゃない……? まさか……肉壁……っ)

 羽桜ちゃんの胃まで私たちは運ばれたのかもしれない。

 捕食されてしまった恐怖もあったけど、羽桜ちゃんは人を殺すようなことはしない。

 その信頼があったので、たぶん疑似的な体験なんだろうと見当はついた。

(身体も溶けてないし……溶けてないわよね? それに、もし本当に胃なら、胃液があるはずだけど、それらしい感触はないし……)

 身体が徐々に解かされていくような、そんなことはなかった。

 けれど、代わりに、もっと激しい動きが起きる。

 私の足の裏に触れていた羽桜ちゃんの内壁から、無数の触手が生えて、足に絡みついてきたのだ。

「うひゃひゃっ!?」

 思わず笑ってしまって、皆から変人を疑う気配を感じたものの、すぐに皆も触手が体に絡み付いてきたのか、そんな余裕は吹っ飛んだようだった。

「ひゃんっ」「うひゃぁっ」「ちょ、ふぉこはだめぇぇ!」「んぅーっ!」

 体の色んな部分を触られたのか、色んな悲鳴が上がる。

 私は足の裏から足首までが完全に触手に絡み付かれ、足の指の間ひとつひとつに触手が入り込んでくるのを感じた。

「ふひっ、ひひっ、きゃはっ」

 くすぐったくて仕方ない。ぶるぶる身体が震える。

 触手はどんどん数と長さを増し、ぎゅうぎゅう詰めでほとんど隙間のない私たちの間を埋め尽くすように絡み付いていった。

 どろどろとした液体が触手からは分泌され、私たちはほとんど息も出来ない密集した状態のまま、その触手の責めを受け入れるしかなかった。





 お腹の中で、女学生たちが蠢く感触がする。

 余は膨れ上がったお腹を外から撫でつつ、彼女たちが蠢き呻くのを子守歌のように聴いていた。

「ふふふ……愛い奴らだ」

 飲み込んだ当初は捕食された事実に、反射的に恐怖心を抱いた者もいたが、いまやそんなことを抱いている者はひとりもいない。

 ただ余の腹の中で体内に生やした触手に蹂躙され、悶え乱れる女の塊でしかなくなっていた。

 当然、彼女たちが堕ちた場所は胃ではない。軽く体内構造を弄り、口から呑み込んだ彼女らは現在余の子宮内に収めていた。すでに体内構造は戻しているため、まるで最初から彼女たちが余の身体に宿って育った命のようだ。

 少し外側の圧縮を緩めたため、いまの余の身体は妊娠したかのように腹部が盛り上がっている。制服姿で妊婦の状態というのは、好む者ならとても好みそうだ。

 余がしばらくそうしておると、丸底フラスコに封印した女学生を連れていた女子が手ぶらで戻って来た。

「ただいまー! あの子は冷蔵庫に入れて来たよ! お仕置きだからね!」

 湯煎された上に冷蔵庫に放置されるとは。

 何度気を狂わせるのだろうか。まあそれはいいとして。

「あれ? みんなは?」

「余の胎の中だ」

 そういって余が自分の腹部を指さすと、其奴はなんとも複雑な表情を浮かべた。

「えー! ずるい! あたしだけ仲間外れじゃん!」

 不満を口にする其奴に、余は再び溜息を吐く。

「いまからこの中に加えてやってもよいが……お主の希望を尊重しよう。何をしてほしい?」

 余がそう問いかけると、その者は途端に顔を輝かせた。

 全く、変な意地を張らずに、皆それぞれの欲望を口にすればよいものを。

 余はそう思ったが、口には出さず、その者が望みを口にするのを待つ。

「え、っと……じゃ、じゃあ、あのねあのね! ……っ、は、はずかしいんだけど……」

 言いよどむ其奴。

 余は手を翳し、発現を遮った。

「口にせずとも良い。余が汲んでやればよいだけのこと」

 人の望むことを読むことくらい、余にとっては容易いことなのだから。





 どくん、どくんと激しい心臓の音が響いている。

 すぐ傍に羽桜ちゃんの強大な気配を感じていなければ、へたり込んで一歩も動けなかったに違いない。

「ではゆくか……」

 羽桜ちゃんはそういって、前に進み始める。その声がどこか呆れを含んでいたのは、あたしの変態さに引いたからだろうか。

 そうだとしたら申し訳ない。そう思った気持ちが表に出たのか、あたしの喉がくぅーんと鳴いた。

 それを聴いてか、羽桜ちゃんがあたしの方を見下ろす。

「ん……すまんな。いや、別に良いのだ。人の欲望とはそれぞれだからな……だがまあ、うん、全く呆れてないといえば嘘だが、別にそういう欲望があっても良いと思う。気にするな」

 フォローになっているんだかなっていないんだか。

 けれどもまあ、羽桜ちゃんがそういう風になってしまうのもわかるのだ。

 だっていまの私は。


 裸に首輪だけの姿で、四つん這いで歩いているんだから。


 羽桜ちゃんが魔法を使ってくれているので、地面についた肘や膝は怪我せずに済んでいた。頭頂部に生えた犬耳と、尾てい骨辺りに生えた犬の9尻尾はあたしの意思で動かすことが出来る。

 でも身体はほとんどそのままで、膨らんだおっぱいも丸いお尻も、秘部であるはずの割れ目も全てを曝け出している。

 首輪から伸びたリードは羽桜ちゃんが握ってくれていて――あたしは念願の、本物のヒトイヌになっていた。

 そして羽桜ちゃんの力で、周りの人からはあたしは本物の犬として認識されている。

 このまま駅前まで羽桜ちゃんに連れていってもらうのだ。

 どれほどの羞恥か。想像しただけで身が竦む。自分が獣と同程度の地位に貶める自分が、度を越した変態なのだと自覚してしまう。

 けれども、それ以上にあたしの身体は、今にも絶頂しそうなほど興奮し、快感を覚えていた。

 一歩手足を前に進める度に、身体が震えて崩れ落ちそうになる。そんなあたしを叱咤激励するように、羽桜ちゃんはリードを牽いてくれていた。

「ハッ……ハッ……ハッ……!」

 荒い呼吸は本当の犬に限りなく近いように思う。実際羽桜ちゃんも「まさに犬だな」と呆れながらも生暖かい視線を向けてくれていた。

 いつもは普通に歩いている通学路を、全裸で這いまわっている事実に、頭の神経が焼き切れそうなほどに興奮した。

 すれ違う通行人たちはあたしのことをただの犬として認識しているから、ほとんど視線を向けない。ただ、制服を来た羽桜ちゃんが連れているという光景は珍しいのか、ちらちらと視線は感じた。

 それでも十分恥ずかしくはあったけど、歩ける程度の羞恥に抑えられている。

(認識阻害……かぁ……本当にすごいなぁ……)

 皆を飲み込んだという羽桜ちゃんのお腹は、外から見ても大きく膨らんでいる。

 それは明らかに妙なことだったけど、そのことも羽桜ちゃんの力で誰も気にしていないようだ。

(羽桜ちゃんがその気になったら、世界なんてあっさり壊れるよねぇ……)

 何気なくそう思ったあたしに、羽桜ちゃんがニヤリと笑みを浮かべて見せた。背筋が泡立つ。

「そうだな。お主を永遠に犬として認識させることも可能だぞ? そうしてやろうか? 二度と人間には戻れない。犬として犬小屋に繋がれ、芸をして餌をせびるだけの飼い犬にしてやろうか」

 その気になればあたしの存在なんてあっさり崩壊させられると。

 普段は見せない羽桜ちゃんの魔王らしい気配がハッキリ感じられた。

 手足が震える。いまにも崩れ落ちてしまいそうになる。そんなことになったら、あたしは人間でなくなってしまう。

 なのに。

 けれども。

 心のどこかでそれを望んでいる自分もいて――あたしはぐちゃぐちゃになった心のまま、股の間から暖かな液体を漏らしてしまった。

「……こんな道のど真ん中で漏らして……すでに駄犬そのものだな?」

 羽桜ちゃんの揶揄に反論できない。心が、人間としての尊厳が、崩れ去っていく。

 いよいよあたしの心が砕け散ろうとしたその時――羽桜ちゃんは手を打った。

 ぽん、と音が妙に大きく響き、あたしはハッと瘴気を取り戻す。

 漏らしたはずの尿の感触はなくなり、何事もなかったように羽桜ちゃんが歩き出す。

 慌ててその横について歩いていくと、羽桜ちゃんは楽しそうに喉の奥で笑った。

「ククッ、冗談だよ。お主がそう望むなら叶えてやってもいいが、それはいままでの自分の全てを捨てることになる。そのことを深く考えて決めることだ。親のこともあるからな」

 彼女は前は魔族の王様だったというけれど、とても優しい。

 あくまでもあたしたちの意思を尊重してくれて、無理矢理何かをして来ることはなかった。

「くぅん……っ」

 そんな羽桜ちゃんが、あたしたちはやっぱり大好きなのである。

 信号で止まった羽桜ちゃんの足に身体を擦り付け、それをアピールする。

 心が読める羽桜ちゃんは、そうしなくてもあたしの気持ちなんて把握しているのだろうけど。

 優しい笑顔であたしの頭を撫でてくれるのだった。



 羽桜ちゃんは望むことを、なんでもシテくれる。

 それこそ、本当の意味で世界を変えてしまうようなことも、してくれるのだ。



つづく


Comments

頼んだら羽桜ちゃんはやってくれると思います!^w^ たぶん前世では敵の手足を異空間に飛ばして無力化するor心臓などの急所だけ別の場所に逃がす緊急措置、みたいな使い方をしてた魔法があるのでしょう。 で、その話をしたら「胴体だけ飛ばすことって出来る?」と乞われ、ドン引きしながらもやってあげるのではないかとーwーウム

夜空さくら

胴体疑似消失とか羽桜ちゃんは好むでしょうかね。。。? かつて魔王として君臨してた頃には敵の胴体のみを亜空間に転移して(残った部位は元の位置をキープされる(首と手が浮いていて足はしっかり自立してる的な)首と手足だけの状態にすることで精神錯乱を引き起こす方法にしてたけど、現世では究極の焦らしプレイ(胴体が無いから性感帯に触れられないからイケない的な←)に求められるっていう…

circle0bluesky

ありがとうございます^w^ 何らかの物に変えられてしまう物品化ものはいつか書こうと思っているので、参考にさせていただきます!

夜空さくら

人間家具お願いします

NoruKing


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