カゴノヒト 第10話③ 「火山龍の目覚め」
Added 2020-12-18 14:24:26 +0000 UTC■ あらすじ:拘束プレイ愛好者の十和野カゴメは、ある日自縛プレイのミスにより死んでしまう。その寸前、異世界の神によって加護を経て異世界転移を果たした。異世界で冒険しながらも、貰った加護で拘束プレイの追及に余念がないカゴメ。その周りには徐々にその意思に賛同する仲間が集まって行って――ありがちというにはあまりに異質な異世界冒険奇譚。
■ 本編は全体公開で連載していく予定ですが、それ以外で書きたくなった「おまけ」シーンは支援者様向けに公開予定です。そちらも合わせてお楽しみいただければ幸いです。
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冒険者グループ『三日月』の魔法使いサマンサが、カゴメの元を訪れたとき、彼女は別の冒険者グループのメンバーにその加護を付与した装備品を与えているところだった。
金属製のブラジャーとショーツのようなものが空中に生み出され、続けてラバースーツが生み出される。
しかしよく見るとそのラバースーツの胸と股間部分には穴が空いており、サマンサが着ているものとはまた別の仕組みのラバースーツであるようだった。
空中に生み出されたそれを、用心棒のナギが受け止め、冒険者へと渡す。
『穴あきラバースーツと貞操帯の上下セットです。防御力はそれなりですので、あまり過信しすぎないようにお願いします』
複雑そうな顔をしたその女冒険者は頷き、装備を抱えて去っていく。
ふぅ、とカゴメは一息吐いた後、サマンサたちが来たことに気づいて視線をーー目隠しで覆われているがーー向けた。
三人が渡した装備を着ていることに気づいたのか、声に嬉しそうな響きが混じる。
『皆さんお似合いですよ』
「嫌味じゃないところが、カゴメだよねぇ……どうもね」
サマンサはそういって受け流しつつ、要件を告げる。
「忙しそうだからさっさと聞くけど、この装備に宿っている加護はどういうものなんだい? それとついでに、これ用を足すときは全部脱ぐしかないのかい?」
街中であればそれでもいいが、冒険者としての依頼中にもそれでは不都合が多い。元々用を足す瞬間というのは危険な時間だ。それに手間取るようでは、放つ魔法が強くなっても意味がない。
そんなサマンサの問いに対し、カゴメはにこやかに応える。
『その心配は無用です。サマンサさんのものは特別性でして、手間取るどころか手間を省くことすらも可能です』
「どういうことだい? 私だけっていうのも気になるけど」
『正確にはサマンサさんだけではなく、魔力の扱いに秀でている方のものは全て同じような仕組みになっているんです』
魔法使いのサマンサは当然魔力の扱いに長けている。リオルやクルナエルもある程度扱うことはできるが、それは手に持ったマジックアイテムに必要な魔力を流すなど、最低限の話だ。
魔法を発動させることができるほど熟練しているのは、魔法使いのサマンサくらいだろう。
『ちなみに……というか、本来はこっちが主題なんですが、その装備に宿っている加護はサマンサさんが唱える魔法をより強くするものです。初級魔法でも中級魔法の威力が出ますので、リオルさんやクルナエルさんを巻き込まないように注意してください。なお――』
カゴメは少し申し訳なさそうに続ける。
『あくまで私の加護は拘束具を生み出すというものですので、代償はあります。サマンサさんの場合、魔法を使ったらその使った魔力が回復するまでの時間、ラバースーツが脱げなくなります』
「……まあ、それくらいはしかたないさね」
魔法の威力を引き上げることに対する代償としては、安いものだろう。
お洒落が好きなサマンサにとっては、他の服が着れないというのは正直辛いが、魔法の有用性には変えられない。
むしろ、代償として安すぎる気もした。
そのことをサマンサが指摘すると、カゴメは少し言いづらそうに告げる。
『そうですね……いずれわかることですので言いますが、そのラバースーツが脱げなくなるというのは結構辛い代償になると思います。それは先ほどサマンサさんからしてくださった質問……用を足すときはどうするのか、ということにも繋がるのですが……』
カゴメは少し考えてから、再度話をつづけた。
『強制的に脱げなくなる前に、実際に体験してみてくださるのが一番いいでしょう。サマンサさん。股間に……尿道がある辺りに魔力を集中してみてくださいますか?』
そう求められたサマンサは躊躇いを覚えたものの、カゴメが無暗に不利益を齎すことを言うことはないだろうという信頼から、言われるままに魔力を股間に集中させてみた。
「ん……こうかい? ――あっ」
サマンサが尿道に意識と魔力を向けた瞬間、彼女は思わず自分の股間を手で抑えていた。溜まった尿が漏れ出したような感覚がしたのだ。
幸い、現実には全く漏れてはいなかったが、サマンサの身体は溜まった尿が漏れ出しているような、微妙な感覚を覚えていた。
「こ、これは、いったい……どうなっ――てるぅ!?」
彼女が素っ頓狂な声をあげてしまったのは、彼女の股間から奇妙な丸いバルーン状のものが膨らんで出て来たからだ。
管状の物で股間に繋がっているそれは、徐々に膨らんでいき、サマンサの拳大の大きさに成っていく。
『それは溜まった尿を膀胱から出して溜めてくれる尿袋です』
「え、いや、これ、どうすればいいんだい!? 逆流はしないのかい!?」
『逆流の心配はしなくても大丈夫です。ある程度の大きさになったら自動的に外れます。その際もちゃんと水風船状になって、零れないようになってますのでご安心ください。ただ、一定以上の衝撃を受けたり、鋭いもので突いたりすると破れてしまうので、処理出来る場所にいくまでは、広めで丈夫なポーチか何かに入れておくことをおススメします』
ぶら下げたままだと不格好ですしね、とカゴメはのほほんという。
サマンサは心底呆れた顔で呟いた。
「……なるほどねぇ……これは……うーん……いや、確かに……むむむ……」
とりあえずバルーンを手に取ったサマンサは、ラバー越しに伝わってくる生暖かさに顔を顰め、苦悩して唸る。
「ど、どうした? サマンサ……大丈夫か?」
「いや……うん。びっくりはしたけどね。でも冷静に考えると有用なんだよ、この方式……尿意に心乱されることもないし、冒険中に一番危険な用を足す時間をなくすことが出来る。尿の臭いで存在がバレることもないし、水風船状になるなら、最悪目くらましや牽制に使うことも……使いたくはないけど……出来るしねぇ」
彼女たちはあくまで冒険者だ。生き残るために有用となれば快不快は脇において、実用性をまず考える。かつてサマンサが加護の付与されたラバースーツの着用を拒否したように、『出来ることなら避けたい』ことはなるべく避けるが。
『そうしなければならない』という状況になったのなら、それについては最大限利用することを考えるのだ。
サマンサは魔法使い用の道具を入れていたポーチの中身を出し、ポーチの中に尿袋をしまう。股間から伸びた管が繋がっていてなんとも奇妙な状態だが、ひとまず尿袋を隠すことは出来るようになった。
「試してみてわかったよ。これは確かに辛い代償だね。恐らくだけど、一度こうするとラバースーツを脱ぐまでは解除できないんだろう?」
『ご明察です。ちなみに、脱ぐときには自動的に尿道に挿し込まれた管が引き抜かれます。挿し込まれた時同様、痛みはないはずですのでご安心ください』
つまり、魔法を使ってしまい、脱げない時間が長く続けば、その間はずっとその形式で用を足さなければいけなくなる。
自動的に処理されるとはいえ、処理されるからこその弊害も起きる。
「あんまり長いこと着続けることになると、尿の出し方や止め方を忘れてしまいそうだねぇ……遙か昔の話だけどね、似たような方式で用を足す手間を省こうとした魔法使いがいたそうだけど……晩年、魔法を維持できなくなったその魔法使いの惨状は、そりゃあもう悲惨だったそうだよ。『人は魔法だけに頼って生きるべからず』って言われるわけさ」
『やはり似たようなことを考える方はいらっしゃるんですね……』
「ま、何事にも美味いだけの話はないってことさね」
しみじみと頷く一同。
そんな中、サマンサだけに聞こえるように、カゴメが囁いた。
『それとサマンサさん。これは貴女だけに伝えておきますね――』
カゴメの内緒話の内容を聞いたサマンサは、物凄く微妙な顔をしてしまったのだった。
パーティとして拠点を持っている冒険者以外の冒険者が普段どこに住んでいるのかと言うと、ギルドが運営する冒険者専用の寮か、それぞれの冒険者が稼いで買った持ち家か、あるいは冒険者以外の職についている両親や親戚の家など、冒険者によって様々だ。
『三日月』は冒険者グループとして中堅の位置にいるが、各々が家を持てるほど出世はしていない。それぞれ帰る家があるわけではないため、ギルドが運営する中でもそこそこのグレードの冒険者の寮で暮らしている。
この世界は性差に比較的寛容な方ではあるが、風呂・トイレ・寝所については男女別であることが望ましいという価値観がある。
ゆえにサマンサは一人部屋、リオルとクルナエルは二人部屋に分かれる。
「じゃあ明日はギルドに行って手ごろな依頼を受けてみるってことで」
「そうしよう」
「ああ。わかったよ」
夜、大方の活動を済ませた彼らは、いつも通りに分かれてそれぞれの部屋へと向かう。
部屋で独りになったサマンサは、部屋の鍵を閉め、念のため室内が荒らされていないか、妙な魔法が仕掛けられていないかを調べてから、ベッドに腰かけて息を吐いた。
「はぁ……なんだか妙なことになっちまったねぇ……」
自分の手をじっと見つめるサマンサ。その彼女の手は、当然ながらラバースーツに覆われていた。ラバーローブを摘まみつつ、再度溜息を吐いた。
「まさか魔法を発動したらああなるなんてねぇ……予想外だったよ」
実は夕刻、ひとまずラバースーツの性能を試しておこうと、ギルドの鍛錬場にてサマンサたちはそれぞれのラバースーツの性能を試してみていた。
その際、サマンサは初級魔法を唱えて見たのだが――魔法に反応してラバーローブが発光し、風もないのにめくれ上がるように広がってしまったのだ。
折角ローブによって隠れていたサマンサの上半身が衆目に晒される結果となり、様子を見ていたリオルとクルナエルにはバッチリ見られてしまったのである。
想定外の事態に魔法を暴発させなかっただけでも、サマンサは褒められてよかった。咄嗟に手でローブを抑えるなどしていたら、魔法が自分の方に向かって飛びかねなかった。
「別に……いまさら裸を見られたって恥ずかしくなるような間柄でもないけどねぇ……」
リオルたちとは冒険者として、共にそれなりの修羅場を潜り抜けて来た間柄だ。
ダンジョン探索が長期になれば見せたくないところや見たくないところも見ざるを得ない。
そもそも別にサマンサは初心な生娘というわけでもない。リオルたちと組む前や冒険者になる前に様々な経験をして来ており、男性に裸を――ラバースーツ姿を――見られたところで、そう気にすることはないはずなのだ。
「なのに……なぜかねぇ……リオルに見られるのは、ちょっと恥ずかしいんだよねぇ……」
ここでクルナエルの名前が上がらない時点で、もう答えは出ているようなものだが、残念ながらそこにツッコミを入れられる存在はこの場にはいなかった。
カゴメがもしもこの場にいたならば『典型的ラブコメですねわかります』などと嘯いていたことだろうが。
サマンサは頭を振って意識を切り替え、ラバーローブを取り外した。魔法を使ってから時間が経っており、すでに脱げない時間は終わっている。
腰に着けたベルトも取り外し、ポーチの中から尿袋も取り出す。一度外れたものを処理した後なため、いまは管の先端が僅かに膨らんでいるだけになっている。
ラバースーツだけの姿になった彼女は、そのままラバースーツも脱ごうとしたが、ふと動きを止める。無言で立ち上がり、部屋の姿見に自分の姿を映した。
「……」
着替える時にも見たが、落ち着いて改めて自分の姿を見つめるサマンサ。
股間からぶら下がっている管は少し気になったが、あえてそれを意識せずにラバースーツ姿の自分を眺めた。
「……うん……そんなに、悪くは、ない……よねぇ」
見た目はかなり奇妙ではあるが、熟れた身体がラバースーツによってより強調され、若い者に負けず劣らずの魅力を生み出している。
瑞々しさでは敵わないだろうが、色香という意味では十分なものが感じられた。
じっと見つめていたサマンサはこのままだとナルシストでしかないことに気付き、首を左右に振る。
その拍子に、股間からぶら下がる管が内腿に当たった。
「あ……そうだ。……あっちがどんな感じかも……試しておいた方がいいよねぇ」
カゴメからサマンサだけに告げられたことだ。
サマンサは立ったままか座るべきか少し悩んだあと、冒険中のことを考え、立ったまま行って見ることにする。
「ふー……いくよ……」
魔力を練り、その魔力を一点に集約させた。
その一点とは、肛門。
後ろの処理がどうなるのか、サマンサはカゴメから伝えられていたのだ。
曰く『尿道と同じように肛門に魔力を集中させれば、大便の処理も出来ます。ただ、結構な衝撃だと思いますので、初回は周りに誰もいない時に行うことを推奨します』とのこと。
そして実際にやってみた結果、サマンサはそのカゴメの忠告が正しかったことを知った。
「……ん、くぅ、ッ!?」
魔力を集中させた瞬間、肛門に異様な感覚が走ったのだ。排泄のために魔力を集中させたのに、実際はその逆。肛門から何かが入ってくるような、そんな感覚を覚えたのである。
「ゃ……っ!」
思わず肛門に手をやったサマンサの指先が感じたのは、ぽっかりと空いた穴の感触だった。ラバースーツが肛門の中に減り込み、丸い穴を生み出していたのだ。
サマンサの中指が抵抗なく入り込んでしまうほどに、ぽっかりと穴が空いていた。
その異様な感覚にサマンサが慌てて手を引っ込める。その間にもラバースーツの侵蝕は進み、サマンサはまるでお尻に長い棒でも突き刺さっているかのような衝撃を受けていた。
「……っ、はっ、あっ……っ!」
思わずその場にしゃがみ込んだサマンサだが、肛門が広げられている感覚は続いていた。
括約筋に思わず力を入れると、開きっぱなしの括約筋がラバースーツの抵抗に合い、まるで細長い棒を肛門に挿し込まれているような感覚だった。
彼女にその経験はなかったが、アナルセックスをしたらそんな感じになるのかもしれないという、そんな感覚だ。さらにその体内に入り込んだラバースーツは、まるで挿し込んだ指が内部を探ろうとしているかのように、ぐにぐにと動き回った。
その動きを感じ取ったサマンサは、思わずあげそうになった悲鳴を必死に飲み込まなければならなかった。
ラバースーツはサマンサのお腹の中を綺麗にするという目的を持って、暫くの間動き続けた。肛門内を弄られるという;経験したことのない感覚に翻弄されたサマンサは、前のめりに上半身を床に着け、お尻を突き出して喘いでいた。
やがて処理が終わったのか、体内に入り込んでいたラバースーツが抜けて行く。それもまるで挿し込まれたものが引き抜かれていくような錯覚に繋がり、開いていた穴が完全に塞がって通常のラバースーツの形を取り戻した頃には、サマンサは息も絶え絶えになって、喘ぐことしか出来なかった。
(お、お尻を弄られたのに……気持ち、よくなってしまう、なんて……)
それまで想像もしていなかった事実に困惑するサマンサ。
実際は『苦痛を与えないようにする』カゴメの加護の影響が大きかったのだが、サマンサがお尻を弄られて気持ちよくなってしまったと錯覚するには、十分なインパクトであった。
よろよろと力なくな立ち上がったサマンサは、ベッドの上に仰向けに寝転がる。
「ふぅ……ふぅ……ふぅ……」
肛門にまだ奇妙な感覚が残っていた。その感触に気持ちよくなってしまっていたサマンサは、顔を真っ赤にして意識を他に反らそうとする。
(そういえば……あそこの説明はしてなかったね……もしかして……)
尿道や肛門に魔力を集中すれば、そこに溜まった排泄物を処理してくれるということはわかった。
それならば、膣は、ついでに乳房などに魔力を集中したらどうなるのだろうか。
魔法使いに求められる素質のひとつは、高い探求心だ。
そんなサマンサが、そうしたらどうなるのか、という強い好奇心に耐えられるわけもなく。
サマンサは自分の性器の辺りに魔力を集中させた。
すると、サマンサが半ば予測していた通りに――性器を覆っていたラバースーツが中へと侵入を始め、狭い膣道を押し広げながら奥へと入っていく。
「んぅっ!」
思わず呻いてしまったサマンサだが、ラバースーツの進撃はそんなことでは止まらない。
一気に奥までラバースーツは到達し、まるで本物のそれを身体の中に受け入れているような感覚に、サマンサは陥ってしまった。
「~~~ッ!」
声をあげることこそ堪えたが、危うくとんでもない喘ぎ声をあげてしまうところだった。
膣道内に入り込んだラバースーツはすぐに止まったが、その時にはサマンサもすっかり『その気』になってしまっていた。
ドキドキしながらも、再度魔力を集中させ、侵入してくるラバースーツを何度も楽しんだのであった。
その翌日、サマンサは寝坊して待ち合わせに遅れ、リオルたちに呆れられることになる。
こうして冒険者たちの間に、ラバースーツ装備は広まっていき、カゴノヒトメンバーはさほど目立たなくなった。
火山龍の近くに住んでいた者たちが街にやって来て、ラバースーツ装備を見て驚いたが、数を増やした甲斐もあり、『この街独特の風習』だと認識され、大きな問題は起きなかった。
カゴメと冒険者ギルドの思惑が見事成就した形である。
だが――火山龍が目覚めた時、彼女たちの街は大混乱に包まれた。
第11話につづく