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夜空さくら
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ラバー着ぐるみメイド 序

■ タイトルそのまんま、ラバーで出来た着ぐるみで全身包まれたメイドさんが、雇い主であるお嬢様にエッチなことを含めたことをあれこれされちゃうお話ですーw-ウム

■ 着ぐるみとは書きましたが実際にあるような、頭の大きな着ぐるみというよりは、『全身みっちり覆うラバースーツで仮面を被っている』といった方が近いかもしれません。


■ 『序』は全体公開、この後は支援者様限定公開となります。ご了承ください。

■ この作品には着ぐるみ、完全拘束、呼吸制御などの描写が含まれます。苦手な人は回避をお願いします。

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 少し体を動かすだけで、ラバーが軋む音が響く。

 目の前に掲げた手をにぎにぎするだけでも、「ぎゅっ、ぎゅっ」とラバーが擦れる音が響いた。一見普通に肌が見えているようだけど、実はその手はラバーの手袋で覆われているためだ。

 本来の私の肌はもう少し日に焼けているけど、いまの私の手は白魚のような、という比喩が似合うほどになっていた。

 シミとかキズとかも覆い尽くされているから、そういう意味ではいいのかもしれないけれど、どうしても若干のラバーの弛みは生じているし、ぱっと見ならともかく、まじまじと見れば作り物の皮膚だということは明らかだろう。

(はぁ……っ、と!)

 思わず溜息と共に顔に手をやろうとして、それが叶わないまま手を下した。

 正確には顔には触れられたのだけど、いつもと違う感覚に思わず手を引っ込めてしまったのだ。

 いつもと違う感覚が生じたのは、手がラバー製の手袋に覆われているから――だけではなく、顔の方にも原因があった。


 いまの私の顔は、全く別の『顔』が覆っているのだ。


 要するに、精巧に作られた仮面のようなものが被さっているのである。ただしこちらの造形はリアルなものではなく、どこかデフォルメされた――マスコットキャラクターの着ぐるみのようなものになっている。

 結果、鏡の中に映っている私は、普段の地味な顔とは比べ物にならないほど、可愛らしい個性が強調された顔になっていた。

 ちなみに仮面には穴が一切開いていない。眼は外側からは内側が見えないレンズで覆われているし、鼻は出っ張っているけどそこに呼吸用の穴はない。

 当然口も開くものじゃなく、微笑みを浮かべた形の口元に固定されていた。

(ここまで徹底してるとは、ねぇ……お嬢様も大変だ……)

 そんなことを思いつつ、『着替え』の終わった鏡の中の自分を見ていると、メイド長が私を呼びに来た。

『安楽田さん、準備は出来ましたか?』

 メイド長も私と同じような顔――つまりは仮面で、私に呼びかけてくる。その声は彼女の特徴はありつつも、どこか機械音声のようなぎこちなさが拭いきれないものだった。

 私は左手で右手の指の付け根付近を探る。

(えーと、確か……これだっけ?)

 中指の付け根付近にあるスイッチの感覚を探りあて、そのスイッチを押した。手袋が二重構造になっていて、平たいスイッチがそこに仕込まれているのだ。

『おさげいたします』

 スイッチを押すのと同時に私の喉から――喉に巻き付けられている金属製の太い首輪から――事前に収録した私の声が響いた。

(あ、間違えた)

 慌てて今度は人差し指の付け根付近にあるボタンを押す。

『承知いたしました』

(あれ、これでもなかった。えーと、えーと、「出来ました」的な内容のは……ど、どれだっけ?)

 あわあわしている私を見かねたのか、メイド長が私の右手を優しく取り、人差し指と中指のスイッチを同時に押す。

『完了いたしました』

(あ、そうか。同時押しっているのもあるんだった)

 お礼と謝罪の意味を込めてメイド長に頭を何度も下げると、メイド長は今度は左手の方のスイッチを押す。

『ありがとうございます』

『感謝を示すときはこちらですね。しばらくは間違えても咎めませんが、早めに慣れてください。自室は防音ですから、夜に練習するのは問題ありませんよ』

 優しい。メイド長の表情は私と同じく微笑んでいる状態から変わらなかったし、声も機械音声のようなものだったから感情は伝わってこなかったけど、優しい手つきや物腰がメイド長の包み込むような慈愛を示していた。

 私は早速メイド長に教えてもらった通り、左手のスイッチを押す。

『ありがとうございます』

 メイド長はその都度喋る内容を入力しているようだけど、私にはそんな離れ業は出来ないので、決まったパターンの言葉しか発することが出来ない。

 メイド長が何年あのお嬢様に仕えているのかはわからないけれど、何年かかってもこのメイド長にみたいになれる気がしなかった。

 そんな風に思っていると、メイド長がスイッチの押し方をやんわりと注意してくれる。

『スイッチを押す時は、両手を前に揃えて、なるべく自然になるようにしてくださいね。最初のうちは難しいでしょうけど』

 そうだった。

(そのためにわざわざ両手の甲側の指の付け根にスイッチがあるんだもんね……)

 メイドの待機の基本姿勢は両手を前で揃えて重ねる、というものだ。

 指の付け根にスイッチがあることで、待機姿勢を崩さないまま、言葉を返すことが出来るというわけである。

 その各スイッチをどう押せばどういう言葉が出るのかは、頑張って覚えるしかない。

 頑張ろうと意気込んでいる私を、メイド長がちょいちょいと手招きする。

『まずはお嬢様にご挨拶致しましょう。ついてきてください』

 了解、はさっき押したっけ。

 両手を前で揃え、右手の人差し指の付け根にあるスイッチを押す。

『承知いたしました』

(よし! 出た!)

 ちゃんと意図通りの言葉を出せたことを喜んでいると、待ってくれていたメイド長が「フスス」と笑ったような息を吐いた気がした。

 嬉しいから思わず喜んでしまったけれど、向こうからすれば出来て当たり前のことを喜ぶ幼児のような振る舞いになってしまっていたのかもしれない。ちょっと恥ずかしい。

 顔が赤くなったことが伝わらないのは助かったな、などと思いつつ、メイド長の後に続いて部屋を出る。

 屋敷の中には私たち以外のメイドもたくさんいたけれど、皆静かに淡々と自分の仕事をこなしている。メイド長とすれ違っても会釈だけで、話し声の一つもあがらない。

 それはそのはずで、この屋敷にいるメイドは全員が私やメイド長のように、全身くまなく覆われた特殊な仕事着でいるためだ。

 徹底しすぎているほどに徹底して、肌のひとつも晒していない。ウィッグで髪型はそれぞれ違うものを選んでいるから、見分けはつくけれど、もし外見を揃えたら僅かな体格さ以外では違いがわからなくなるだろう。

 そんな風にメイドたちがなっている理由は、私たちの雇い主であるお嬢様にあった。

『失礼いたします。新人の安楽田を連れてきました』

 メイド長がお嬢様の部屋に向かってそう声をかける。

「入って頂戴」

 返ってきた声は、機械音声ではなかったけれど、どこかくぐもったものだった。

 メイド長が扉を開くと、部屋の中の様子が見えてくる。

 部屋は館の規模にしてはシンプルな作りだった。それがくまなく清掃するためだとは聞かされていたけれど、ここまで徹底してシンプルなのは予想外だった。

 お嬢様はその部屋に置かれた机で何やら勉強をしていたらしい。走らせていたペンを置いて、私の方に向き直る。

 さらり、と綺麗な長髪が翻った。

「よく来てくれたわね。メイド募集をしても中々人が入らないから、新しい人が来てくれたのはとても嬉しいわ」

 そう私に声をかけてくれたお嬢様は、見た目はまさしく深窓のお嬢様という感じの、儚げな見た目の美女だった。

 アルビノなのか白髪灼眼で、肌なんかもう病人みたいに白い。

 そんな彼女は口に大きなガスマスクのようなものを着けていて、それだけが彼女の全体的な『お嬢様』という雰囲気の中で浮いていた。

 それ越しに喋っていたから、肉声だけどくぐもった響きになっていたというわけだ。

(それにしても……聴いてた通りね)

 この仕事は、知り合いの子から紹介されていた。彼女は元々ここで働いていたのだ。

 すごく御給金がいいのになぜ辞めてしまったのかというと、この屋敷が、というか目の前のお嬢様がとある事情を抱えているためだった。

「私のアレルギーのせいで、皆には迷惑をかけるわ」

 お嬢様は、いわゆる『人間アレルギー』なのだという。

 人の吐く息、髪の毛、皮膚、汗などの体液、人間が落とすあらゆる老廃物がアレルギー物質になるのだとか。

 そんなアレルギーがあるのかと私は信じられなかったのだけど、ここまで徹底する辺り本当なのだろう。

 お嬢様自身の身体であっても、身体から離れてしばらくするとアレルゲンになるというのだから、相当面倒なアレルギーだった。

 だから日々徹底的に清掃が行われるし、お嬢様自身もガスマスクが手放せない。

 そして、館で働くメイドたちは肌も髪も生身の身体を一切晒せない、というわけだった。

『皆納得済みで勤めております。それは新人の安楽田も同じです』

(うん、それはまあ、そうね)

 超高額のお給金目当てで私もこの仕事に決めたのだから、文句はいえない。

 とりあえず私も納得済みであることを示すため、こくこくと頷いておいた。

(……でもまあ、新しい人が中々集まらないのは、どっちかというとこっちのせいじゃないかなぁ)

 そう思いつつ、私は自分が着ているメイド服の一部を指先で摘まむ。

 アレルギー対策で身体を露わにできないというのはわかる。でも、この衣装には明らかにそれとは関係ない趣味が入っているのだ。


 端的にいうと、ちょっとエッチなラバーメイド服なのである。


 身体にぴっちり張り付いて、腰回りや胸のラインをはっきりさせる構造をしている時点で、そういう主旨でないという言い訳は通らない。

 メイドらしいスカート部分も、ラバーで出来たフリル構造をしているのだけど、裾の長さが明らかにミニスカートのレベルだった。

 そもそも着せられた物の中に、アレルギー対策とは絶対関係ないであろうものがあったことも、これがそういう目的で作られたことを示している。

 明らかにお嬢様の趣味が、ぶっちゃけて言ってしまえば性癖が反映されているのである。

 特に、この部屋に入ったときから視界の端にちらちら入り込んでいる『モノ』なんかは、完全にお嬢様の趣味でしかない。

 仮面に覆われている私の視線は絶対にわからないはずなのに、私の意識が『それ』に向いたことを察したのか、お嬢様は笑みを浮かべる。

 口元はガスマスクで見えないけれど、目だけでも笑っていることはわかった。

「ふふふ。まずは普通のお仕事に慣れて頂戴ね」

 まずはということはいつか私にも『それ』の順番が回ってくるということなのだろうか。

 若干憂鬱な気分になりつつも、お嬢様の言葉に応えておく。

『承知いたしました』

 なるべく不自然にならないよう、頑張って発声してみたつもりだけど、お嬢様から見ればぎこちない動きになってしまっていたのだろう。

 上手くお箸を使えない子供を見るような、暖かな視線を向けられてしまった。

「期待してるわ。早く『傍仕え』を命じられるように――頑張ってね」

(頑張りたいような頑張りたくないような……)

 悩ましい気持ちになりながらも、私はお嬢様に向けて頭を下げ、そして改めて『それ』を見る。

 『それ』は、見た目は私と大差ないメイド姿だった。

 部屋の片隅に立って微動だにしないその様子は、まるで人形かなにかのようだ。

 けれど、それが確実に生きた人間であることを示すように、よく見ると小さく胸が動いているのがわかる。


 彼女は人形などではなく――全身を拘束され、動けなくされている人間だった。


 難儀なことに、人間アレルギーであるお嬢様は、同時にいわゆるSM的な趣向を持っているのだという。

 人と直接触れ合うことの出来ないお嬢様にとっては、そういう趣味で良かったのかもしれないけれど。

 集められたメイドには、お嬢様のそんな性的趣向に付き合うことも業務のうちとされているのだった。

(それさえなければ……もっと集まるんでしょうけどね)

 聴いた話だけど、この館でメイドとなる人には二種類あって、ひとつがお嬢様の趣味に賛同している人たちだ。

 これはもう天職といっても過言じゃないだろう。

 もうひとつは、私のようにどうしても纏まったお金が必要だったりして、変わった性癖くらいは我慢しようというタイプだ。

 私にこの仕事を紹介してくれた知り合いもこのタイプだった。十分お金は稼いだから、私にこの話を持って来てくれたわけだ。

 ちなみに、そんなめちゃくちゃな雇用形態が許されているのは、お嬢様本人がその類まれな先見の明と決断力によって、家の資産を何十倍にも膨れ上がらせた実情があるからだ。

 館から一歩も出なくとも、それだけのことが出来る才能があるのだから恐ろしい。

 雇うメイドをどう扱うか、くらいのことは本人が好きなように決められるというわけだった。

(似たような資産家は他にもいるって話だけど……世の中って広いわよねぇ……)

 平々凡々な一般人である私にしてみると、とても想像もつかない規模のお話しだけど。

(ともかく、私もメイドとして雇われた以上は、覚悟を決めないとね)

 幸いそういうことにも全く興味がないわけでもない。不安はあっても嫌悪感はないから、この館で働く上での最低ラインはクリアしているはずだ。

 『傍仕え』でなくとも、いつかお嬢様の趣味に付き合わされることもあるのかもしれない。

 普通のメイドの仕事を頑張って覚えながらも、その覚悟だけは決めて置こうと心に決める。

 ひとまず挨拶も済んで退室しようとした私を、お嬢様が呼び止めて来た。

「あ、安楽田さん。最後にひとついいかしら」

 何を言われるのだろう。

 基本的にお嬢様の言うことは絶対、というのが雇用条件にあったから、何を言われても大丈夫なように心構えをする。

 果たして、お嬢様は見えている目だけで笑ってこういった。

「出来れば、でいいけれど。スカートを捲って見せてくれないかしら?」

 ドクン、と心臓が大きく跳ねる。いきなり来た。

 いつかはそういう命令もされるんじゃないかと思っていたけど、まさか顔合わせの時に言われるとは思っていなかった。

 ごくり、と緊張で喉が鳴るのがわかる。

『お嬢様、それは……』

 何か言おうとしてくれたのだろう。メイド長が声をあげかけるのを、お嬢様が手を挙げて遮る。

「どうかしら? 無理ならいいのだけど」

 命令ではなく、お願いということだ。

 ここで拒否しても咎めない、ということだろう。

(……一瞬身構えてしまったけれど……スカートの下って、つまり『あれ』を見せろってことよね……)

 そう考えると、別に見せてもいいような気はする。下着を見られるわけではないのだし、お嬢様は同性だし。

 私はそう自分を納得させて、覚悟を決めた。

 恐る恐る、スカートに手を伸ばし――まだ手がラバーに包まれている感覚に慣れていなかったので、掴むのに苦労したけれど――裾を摘まんで、持ち上げる。

 ラバー製のスカートはずしりと重く、滑って離してしまわないようにするのが案外大変だった。

 そうして晒したスカートの内側。私の股間には。


 金属の貞操帯が堂々と輝いていた。


 体はラバースーツで覆われているのに、こんな大層な貞操帯を着ける理由はわからなかったけれど、それもお嬢様の拘りなのだという。

 スカートを捲り挙げてその下にあるものを見せる、という普段なら絶対にしないことをしている。問題ないとわかっていても、恥ずかしくて仕方ない。

(……た、短パンというか、アンダースコートが見られるようなものよねっ)

 そう自分を納得させた。そうやって意識を逸らしていないと、恥ずかしさが耐えきれなくなりそうだったのだ。

 私の行動を見て、お嬢様は目を細めて笑みを深くしてくれた。

「ありがとう。貴女は、とても良い子ね。――期待しているわ」

 そんな優しい言葉をかけてもらってしまった。

 改めてお嬢様の部屋を退室した私が、ほっと一息吐いていると、メイド長がじっと見つめてきていることに気付いた。いや、目の動きとかは見えないからそんな気がする、という感覚の話なのだけど。

『……お嬢様に気に入られたようですね』

(そ、そうなんでしょうか……)

 なんだろう。それは雇用主との関係という意味でなら悪いことではないはずなのに。

 メイド長はそれを歓迎していないような感じがする。

『頑張ってくださいね』

 機械音声だから、声自体にはなんの感情も籠っていなかったのだけど。

 だからこそ、どこか諦めたような、言ってしまえば突き放したような気配を感じた。


 そして私はほどなく、お嬢様に気に入られるということがどういうことなのか、身をもって体感することになった。



つづく


Comments

半分くらいは体質のせいとはいえ、半分くらいは完全にお嬢様の趣味ですからね^w^ まごうことなき変態だと思いますーw-ウム

夜空さくら

おおー、香しい変態お嬢様の匂いを感じる! ラバースーツでのメイドとかなんてエッチな響きなのか! 次回が楽しみですね~

ミズチェチェ


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