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夜空さくら
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ラバー着ぐるみメイド 口編

■ タイトルそのまんま、ラバーで出来た着ぐるみで全身包まれたメイドさんが、雇い主であるお嬢様にエッチなことを含めたことをあれこれされちゃうお話ですーw-ウム

■ 今回そんなにエロくない……っていうか、よく考えたらこの構造じゃ液体を飲むのはかなりきついのでは……?-w-; きっとなんかこう、上手く出来てるんです(オイ


■ 『序』は全体公開、この後は支援者様限定公開となります。ご了承ください。

■ この作品には着ぐるみ、完全拘束、呼吸制御などの描写が含まれます。苦手な人は回避をお願いします。

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 首から下の準備が終わった後、最初に渡されたのは不思議なボールだった。

 握ってみると弾力はありつつも潰れるほど柔らかくはなく、中心部分に何か硬い芯のようなものがある感じもしていた。

「これは……どうすれば?」

 見ただけではどうすればいいのかわからなかったので、着付けを手伝ってくれているメイド長に訊くと、即座に返事があった。

『咥えてください。少し頑張れば咥えられる程度の大きさになっているはずです』

「ええ……。わ、わかりました」

 ここまでの『着付け』で感覚が麻痺しているのかもしれない。

 麻痺してもおかしくないくらいに凄い『着付け』だった。

 それを受け入れてしまっているのだからボールを咥えるくらい、という気持ちになってしまっている。

 私はそんなことを思いながら、大きく口を開けてボールを咥えこむ。

 確かにメイド長のいった通り、少し頑張ればボールは私の口の中に入り、そして少し力を入れると、口内にフィットするように変形しながら私の口に収まった。

「んぅ……」

 マウスピースでも嵌め込んでいるかのように、ボールが口の中を完璧に埋め尽くしていて、ぴくりとも動かせない。

(私専用のメイド服を作るって言われた時に、口の中の型まで取ったのはこれのためかぁ……)

 その時に妙なことに気付きなさいよ、と後からだと思うのだけど、当時はとにかくたくさん測定項目があって、言われるがままに従っている間に、その辺りの疑問は吹っ飛んでしまっていた。

『ちょっと失礼します』

 一人納得していると、メイド長が私の顔を両脇から手で挟み、私が咥えたボールを外から触って来た。

 メイド長がボールに触れた感触が口内に伝わってきて、なんだか変な気分だ。

『向きも間違っていませんね。問題なし』

(向きとかあったんだ……)

 適当に咥えやすいように咥えただけだったのだけど、どうやら無意識に正解を選んでいたようだった。

 その上から穴の空いていない仮面を被せられることになり、結局どんな仕組みがボールにあるのかはわからなかった。

 ボールは私の口を完全に塞いでおり、唾液が零れだす隙間すら完全に埋め尽くしてしまっている。

 私の口は被せられた仮面と咥えさせられたボールの合わせ技で、完全に塞がれてしまったのである。



 弦王園文華。

 それが私を雇ってくれているお嬢様の名前だ。

 もっとも、メイド長ならともかく、私のような普通のメイドは自由に喋ることができないから、お嬢様の名前を呼ぶことはほぼない。事前に録音した音声の中にも「お嬢様」はあっても名前を呼ぶものはなかった。

 それはまあいいとして。

 人間アレルギーという、人の世界で生きるにはあまりにも難儀な体質であるお嬢様は、一日中館から出ることはできない。

 そんなお嬢様の健康に配慮してか、この館は『口』の形をしている。館の中をぐるりと巡回して、運動が出来るようになっているわけだ。

 少しでも景色が変わるのを楽しみたいというお嬢様の希望で、館には窓が多く、館をぐるりと取り囲む庭の草木も、熟練の庭師が丹精込めて仕上げられている。

 そのおかげで私たちメイド――要はお掃除係である――の仕事はとても多い。

 ただ、マスクを被って全身をラバーで覆うという、ある意味過酷な仕事環境であるため、ゆっくり動いて間に合う程度の仕事量しか回って来ないようになっている。特殊な服装に慣れてさえしまえば、それなりに楽しく、のんびりと働ける職場なのかもしれない。

 そんなお屋敷で働き始めて三日。今日の私はお掃除ではなく、お嬢様と一緒に館内を歩く役割を命じられていた。

(別に喋れるわけでもないし、なんで私もついていかないといけないんだろう)

 そう不思議に思いはしたものの、お嬢様の指示である以上従わない理由はない。

 ガスマスクをつけたまま、廊下を静々と歩くお嬢様の後ろについて、私は歩いていた。

「ふーっ……ふーっ……」

 お嬢様自身、ガスマスクをつけている関係上さほど激しい運動はできない。

 だからついていくのにそう苦労はしなかったのだけど、仮面をつけて呼吸が制限されている状態には変わりがない。呼吸を荒くしても鼻に通されたチューブが広がるわけではないので、空気が抜ける音だけがうるさく響いてしまう。

 この館にいるものはお嬢様も含めてほとんど喋らないから、呼吸音でも十分に響く。

 現にお嬢様がガスマスク越しに呼吸する「フシュー、フシュー」という音が後ろを歩く私にも聞こえて来ているくらいだ。

 私の呼吸を通しているチューブは背中側、うなじのあたりに出入り口が通されているから、前を歩くお嬢様には聞こえにくいと思うけれど、聞かれていても不思議ではない。

 なるべく音を立てないよう、浅く長く息をしながら、私は懸命にお嬢様の後をついて歩いた。散歩がどれくらいで終わるかはお嬢様の体調次第なので、あとどれくらいで終わるかわからず、精神的には結構辛いものがある。

 不意に、お嬢様が立ち止まり、私の方を振り向いた。顔の下半分はガスマスクに覆われていて見えなかったけれど、目だけでも微笑んだのがわかった。

「安楽田さん、大丈夫かしら?」

 まだメイドとして日が浅い私を気遣ってくれているのだ。

 私は慌てて首を縦に振った。朝挨拶をする時とか、自分から声を発するのがわかっている時はともかく、咄嗟に正しい言葉を選んですぐにスイッチを押せるほど、私はまだこのラバー着ぐるみメイド状態での発言方法に慣れていなかった。頷くか首を振るかでの意思を示すことがまだ多い。

 幸い、お嬢様はそんな私を特に咎めることなく、励ましてくれる。

「もう少し歩いたら中庭で休憩するわ。それまで頑張って」

 いつ終わるかわからないで不安になっていたのを見抜かれたのだろうか。

 いずれにせよ、朧げながらも終了のタイミングが示されたことで、私の気持ちはずいぶん楽になった。

(中庭で休憩……時間的にも、多分ティータイムってことよね?)

 お嬢様の日課としてこれ以上ないくらいこれ以上ないというか、ここだけ貴族社会だった頃の時代に戻ったのではないだろうか、というくらいにはすごい似合いすぎていた。

 ファンタジー世界には似合わないガスマスクやらラバースーツやらがなければ、異世界転移でもしたのかと勘違いしてしまいそうだ。

 そんなくだらないことを考えつつ、私は再び歩き出したお嬢様に送れないよう、その後ろをついて歩く。

 歩くので精一杯だった私は、前を向いたお嬢様がどんな表情を浮かべていたのか、知ることはなかった。





 三日前から働いてくれている新人メイドの安楽田ランさんは、健気でとても可愛らしい子だった。

 それは外見的な話ではない。

 デフォルメされた仮面はともかく、雇用主である私は彼女の素の顔も当然知っている。

 客観的に言って、彼女はずば抜けた美貌の持ち主ではない。街を歩けば――わたしは実際に街を歩いたことがないけれど――いつでもたくさん見ることができる、言葉は悪いが群衆顔、というところだろうか。

 だからそれが可愛いとか可愛くないとかではなく。

 我ながら特殊で変態的にすぎる雇用条件に、頑張って順応してくれようとしているその心意気が健気で可愛い、という話だった。

 性癖を同じとする同類とも違う。

 雇っているメイドにもそういう子は何人かいるけれど、彼女たちはわたしと同じ性癖をしているだけあって、ラバー着ぐるみメイドの扱いもむしろどんと来いという感じだった。最初からラバー着ぐるみ状態を楽しんでいた。

 それはそれでありがたかったし、彼女たちにとっても天職と言えるこの場所を失わないよう、一生懸命働いてくれるので、能力的にも非常に優秀だった。

 一方、高い報酬に釣られてやってきた子達は、ラバー着ぐるみ状態を我慢して受け入れてくれている感じが強かった。離職率が高いのもこの類の子達だ。

 それ自体は無理もないし、しっかり働いてくれている以上、そこに文句を言うのは筋違いというものだから気にはしていないけど。

 そういう子たちにはなるべく無理はさせずにいるけれど、どうしてもラバー着ぐるみ状態で居続けることがどこかのタイミングで辛くなり、辞めて行ってしまう。安楽田さんを紹介してくれた子も、その類だった。

 そういう二種類のパターンが大勢を占める中、今回雇った安楽田さんはそのどちらでもないパターンだとこの三日でわたしは確信していた。

 つまり、元々そういう趣味で受け入れているわけでもなく、賃金のために仕方なく受け入れているわけでもない。

 そういう素養は滲ませながらも、まだ完全に受け入れるには至っていない――そんな絶妙な位置にいる子なのだ。

(お仲間との触れ合いはもちろん嬉しいけれど……こういう、初々しい子を導く楽しみは、何物にも変え難いのよね……♡)

 願わくば、彼女にも同じ気持ちになってほしい。

 こっちの世界に引き込んでしまいたい、と考えてしまうのは、特殊な性癖を持つ者の性だろうか。

 一刻も早く彼女をこちらに堕としたくて、はやる心を押さえつけるのは、それなりに忍耐力がいることだった。

(相手は雛鳥を通り越して、生まれる前の卵のようなもの……急いては事を仕損じる、ものね。……まずは穏便に、優しく導いてあげましょう)

 まだ歩き回ることには慣れていないらしい安楽田さんの、荒い呼吸音を聞きながら、わたしは彼女をどう『こちら』に導こうか考える。

 まずは穏やかに、気持ちいい感覚を覚えてもらうのが大事だろう。

 ガスマスクで口元が隠れていてよかった。


 安楽田さんとのティータイムが楽しみのあまり、はしたなく口角が持ちあがるのを隠せたのだから。





 中庭には、広いテーブルが展開されていた。

 一人がけにしてはやけに広く、紅茶やクッキーを用意するにしても、明らかに広い。

 それこそ人が一人寝転がっても大丈夫なほどの広さがあるテーブルだ。

(それにしても絵になるなぁ……)

 お茶の用意などを手伝いつつ、お嬢様の様子を横目でちらりと確認する。

 さすがにお茶を飲むときはガスマスクをつけていられないので、お嬢様は素顔を晒している。白髪灼眼のお嬢様は、顔の下まで全部含めて、お人形さんを遙かに超えた美の持ち主だった。この世のものとは思えない――という表現が実に適切だった。

(これだけ綺麗な人なのに、人とほとんど触れ合えないって、勿体ない気もしちゃうなぁ……ある意味、そういう立場だからこその美しさでもある気はするけれど)

 儚げ、という言葉がこれほど似合う人もいないだろう。

 私がそんな益体もないことを考えていると、ティータイムが終わったのか、お嬢様が再びガスマスクを付ける。

お嬢様の顔が、お嬢様らしからぬ無骨なガスマスクで覆われてしまうのを、私は少し残念な気持ちで眺めていた。

 そんな私を、お嬢様は軽く手招きする。

「安楽田さん、ちょっと傍に来てくれるかしら」

 急になんだろう。とりあえず言うことは聞かないといけないので、お嬢様の近くに行く。

「わたしの隣で膝を突いてちょうだい?」

 何を目的としているのかはわからなかったけれど、私は言われるままにお嬢様の傍に膝をつく。ちなみにこの中庭は掃除しやすいようにか全面タイル張りだったし、天窓はあるけど透明な屋根もあって雨ざらしにならないようになっていたので、屋外めいていても膝を突くことに抵抗はなかった。

 デッキチェアに腰かけているお嬢様の傍に膝を突くと、私の視線はお嬢様より下に来る。 お嬢様が私の顎に手をかけ、顔をあげるように促してきた。

 言ってしまえば、顎クイ、という奴だ。

 いまはガスマスクをつけているとはいえ、美貌の塊とも言えるお嬢様にそんな仕草をされ、お嬢様の顔を至近距離で見つめることになってしまい、ドキドキしてしまう。

(うわぁ……まつげながぁ……瞳が綺麗……)

 本当にどこの絵画から迷い出てきたのかと突っ込みを入れたくなるほど、お嬢様の顔は浮世絵離れしていた。

 お嬢様の目が優しく微笑む。

「安楽田さん、仕事を頑張ってくれているみたいだから……ご褒美をあげようと思って♡」

 甘い言葉と共に、お嬢様の手が私の顔を擦る。

 するとその部分にぽっかりと穴が空いた。

「んぅっ!?」

 ただの仮面じゃなく、何か仕掛けがあるとは思っていたけれど、まさかそんな仕掛けがあるとは思わなかった。

 仮面を着ける前に噛まされたボールが露わになった。それは私の口の中をみっちりと塞ぎ、唾液などが外に零れないようにしているものだ。

 そのボールにも穴が空いて、空洞が生じる。お嬢様からは喉の奥が見えてしまっていることだろう。

「ふしゅー、ふしゅー」

 久しぶりに口から呼吸が出来て感動するけれど、それでいいのかという疑問があった。

(アレルギーのお嬢様に、私の吐く息はよくないんじゃ……)

 その心配が顔に出てしまったのだろうか。お嬢様が嬉しそうに微笑むのがわかった。

「わたしの心配をしてくれているの? ありがとう。安楽田さんは本当に優しい子ね。ますます気に入っちゃったわ♡」

 なんだかドツボにハマっているような気がしたけれど、心配するのは仕方ないと思う。

 アレルギー持ちであることを事前に訊いていれば、普通は心配するだろう。

「直接口と口を合わせるようなことをしたら、すぐにでも反応が出ちゃうけれど、さすがに吐く息だけじゃそう簡単に反応は出ないわ。ガスマスクも着けてるしね」

 それもそうかと納得する。もし吐息にさえすぐ反応してしまうとしたら、そもそもメイドたちが近くで呼吸するだけで反応してしまうことになる。チューブ越しにしか呼吸できないようにしてあるとはいえ、フィルターを介している訳でもないし。

 ひとまず安心した私の顔に空いた穴に、お嬢様は良く冷ました紅茶を注いでくれた。歩いたことで少し喉が渇いていたから、それ自体はとてもありがたいことだった。

 けれど。

「んっ……んぅ……」

 私が咽ないように、お嬢様は少しずつ紅茶を注いでくれた。だから咽たりして苦しくなることはなかったのだけど、誰かに飲ませてもらう、ということ自体がなんだか奇妙でおかしく、変な気分にさせられてしまうことだった。

 まるで介護されているような……いや、赤ん坊になってミルクを与えられているような、そんな背徳的な気分にさせられる。

 お嬢様はコップ一杯分の紅茶を飲ませてくれた。そして、優しく私の頭を――マスクが覆っているから、それ越しの感覚ではあったけれど――撫でてくれるのだった。

「美味しかったかしら?」

「ん、ぅ……っ」

 私はどこか夢見心地のまま、こくりと頷く。

 お嬢様は満足したように、私に立ち上がるようにいい、その後はそのまま普通に執務へと戻っていった。

 お嬢様の部屋を退室した私は、ひとつ息を吐く。

(……はぁ……ご褒美……かぁ。うん、正直味はわからなかったけれど……)

 口の中は噛まされたボールが覆いつくしていて、舌が紅茶に触れることはなかったからだ。

 でも優しく注がれ、飲まされ、撫でられた感覚はよく覚えている。

 綺麗すぎるお嬢様の顔が近かったことも、慈しみの視線を向けられていたことも、はっきりと記憶に残っていた。

 私は普通に男の人が好きなノーマルなのだけど、お嬢様クラスの美女にまっすぐ見つめられるとドキドキするし、勘違いしてしまいそうだった。

(向こうはあくまで新人のメイドを労った、程度の感覚なのだろうし……あんまり気にしないようにしないとね)

 これだけたくさんのメイドを雇えるくらいに財力も権力も持っている人だ。

 一般市民の私が特別に扱われるなんていうことは有り得ない。

 少し寂しいような気もしつつ、分をわきまえている私はそう改めて自覚し、調子に乗らないように注意しながら仕事に戻るのだった。

 ただ、世の中、何事も例外なことは起きるのだと。

 一般市民のはずの自分が、どれほどお嬢様に気に入られているのか。

 この時の私は、まだ理解していなかった。


 それを理解させられたのは――館で働き始めて一週間経った夜のことだった。



つづく


Comments

ある意味天職ならぬ天癖なのかもしれませんーw-ウム 実際たまのプレイ時だけならともかく、ずっとガスマスク付け続けなきゃいけない状況とか、そういう性癖でもなければ辛すぎますよねぇ……ーw-; 名前の読みですが、お嬢様の方はそれであってます! 安楽田は「あらた」と読みます。新たな卵……そのまんまです!ーw-ウム

夜空さくら

閉鎖的な環境は人を魔物に変えるとよく聞きますが、まさかアレルギー抑制のための対策で呼吸制御プレイが好きな変態お嬢様が誕生するとは神様でも思うまいw いったいどのようにこの卵こと安楽田さんを堕としていくのか楽しみです♪ ちなみに弦王園文華さんと安楽田ランさんの名前が読めませんw ゲンオウエン フミカさんかな? アンラクダ ランさんかな?

ミズチェチェ


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