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夜空さくら
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人格ゼリーと化しても、抗う勇者 スライム勇者④

■ 人格排泄もののシリーズです。人格だけになった勇者はスライムと化しました。最弱モンスターとなった彼女は這い上がることが出来るのか。乞うご期待0w0クワッ!

■ 前回の更新から間が空いてしまって申し訳ありません。5月はちゃんと順調に更新していけるように頑張りますーw-ペコリ

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 スライムの性質に引っ張られ、女戦士に絡みついてしまった女勇者。

 その体内まで入り込んでしまったところ、彼女の人格は女戦士の身体に宿ってしまう。

 久方ぶりに感じる人間の身体に安堵しつつも、乗っ取ってしまった形になる勇者は焦っていた。

(まずい……っ、どうしよう、これ、元に戻れるの……?)

 勇者が女戦士の体を動かすと、ガチャガチャと戦士の体を壁に拘束している枷が音を鳴らした。

(そういえば拘束されてるんだった……! あ、でも……)

 身動きが取れない状態なのはまずいと感じた勇者だったが、その腕に取り付けられている枷の様子を見て、思い直す。

 勇者が何かをしようとする前に、部屋の扉が開いてゴブリンが顔を覗かせた。

 外で待機していたゴブリンたちは女戦士が暴れていると感じたらしく、奇声をあげながら勇者へと迫る。

 脅しのつもりか、手に持った短剣を振り回しつつ、空いた片手を勇者へと伸ばす。

 見張りの役得とばかりに、女戦士の体を弄ぼうというのだろう。

 その邪な意思を感じた勇者は、嫌悪感に堪えられなかった。

「触っ――るなっ!」

 渾身の力を込めて腕を振るう。

 一瞬枷によって動きが止まりかけたが、容易に鎖は引き千切れ、手首に取り付けられた金属製の枷で思い切りゴブリンの頭を強打する。

 ゴブリンの頭蓋骨が砕ける嫌な感触が勇者にも伝わってきた。

 頭を砕かれたゴブリンは、声も上げる暇もなく、そのままその場に崩れ落ちる。

(ふぅ……身体強化に回せるだけの魔力があってよかった……)

 この世界における勇者とは、世界で唯一の、類い稀な素質や運命をその身に宿した存在――というわけでははない。

 いわゆる戦士や魔法使いと同じく、条件を満たせば誰でもそう呼ばれることのある、一種の職業だ。

 ただ、戦士や魔法使いと違うのは、その基準がかなり厳しいもので、器用貧乏な万能手程度では勇者を名乗ることは許されない。

 勇者は高いレベルでありとあらゆる技能に秀でて、初めてそう呼ばれる。

 女勇者は、そんな勇者の一人なのだ。

 魔力を操作して行う身体制御くらいならば、本職の戦士並みに扱うことが出来る。

 どこにでもいるような、持って生まれた筋肉に胡坐を掻いているような、脳筋戦士とはレベルが違うのだ。

 枷を無理矢理引き千切るといった行為をしたが、女戦士の身体は全く傷ついていない。枷が食い込んだ肌も魔力で強化していたため、皮膚が破れるといったこともなかった。

 勇者はもう片方の枷も力で引き千切ると、手首にかかっている枷を掴み、無理矢理抉じ開ける。

 バキンという音が響き、手が自由になった。

「ギィ?」

 見張りに立っていたゴブリンが中を覗き込んで来た。

 そして仲間が死んでいるのを見ると、目を見開いて声を上げる。

「ギギッ! ギ~っ!」

 襲い掛かってくるのかと思いきや、ゴブリンは即座に踵を返し、その場から逃走した。

 勇者は急いでその後を追い、部屋の外の廊下に出る。

「にが、す、かぁっ!」

 手に持った手枷を振り被り、遠ざかるゴブリンの後頭部に向けて投擲する。

 投げられた手枷はとんでもないスピードでゴブリンに向けて跳び、その後頭部に当たって頭蓋骨を陥没させる。

 そしてそのまま崩れ落ちた。

 ゴブリンの逃走を防いだ勇者は、一つ息を吐く。

「ふぅ……良かった」

 投擲もお手のものである勇者は、ゴブリンを逃がさずに済んでほっとしていた。

(ゴブリンならいくら来ても負ける気はないけれど……こいつらの親玉が来たら不味いものね)

 さすがに素手では勝てないかもしれないため、仲間を呼ばれるのは避けなければならない。

 勇者は急ぎそのゴブリンを回収し、一端独房の中へと戻る。

 その途中で、やたらと揺れる自分の胸の感触に気付き、眉を潜めた。

「まずは着るものを確保しないと、ね……そんなものない、かぁ」

 残念ながら、その独房の中にそれらしいものは存在しなかった。

 勇者は溜息を吐きながら、女戦士の体に触れる。

 戦士といえば重い武器も振るう関係上、筋肉質な者が多いのだが、魔力で補助することが出来るこの世界においては、必ずしも戦士が筋肉ダルマになるわけではない。

 実際、勇者自身の身体も、オーガやサイクロプスに負けない力を発揮することが出来たが、体自体は細身で、女性らしい体つきなのだから。

「……おっきいと、こんな感じなんだ」

 同性であるがこそ、その戦士の大きな胸の感触にはつい注目してしまう。

 元々の勇者の胸も決して小さい方ではなかったが、いまの乳房の方が二回りは大きい。

 ドキドキして触れたくなるその感覚を、勇者は何とか振り切った。

(この人の身体は借りてるだけ……なんだから、大事にしないとね……)

 そう考えつつ、勇者はゴブリンの持っていたボロボロの短剣を手に――ゴブリンが身に着けていた腰蓑はさすがに身に着ける気になれなかった――部屋から出る。

 勇者は慎重に周りの気配を探りながら、魔王城のダンジョンの中を進んでいった。



 徘徊していたゴブリンを数匹仕留めつつ、勇者は雑多な物が放置されている物置のような部屋に腰を落ち着けた。

 部屋の扉を荷物で塞ぎ、ひとまずのセーフティゾーンを確保する。

「ふぅ……ふぅ……ふぅ……っ」

 勇者は荒い呼吸を繰り返しながら、壁に背中を預ける。

 そして、腰を突き出しながら、股を開いた。

「ううぅ……ッ、う……ウウウウッ!」

 とんでもない格好をしているという自覚はあるのか、羞恥に頬を赤く染めながらも、勇者は腰を突き出した珍妙な格好のまま、肛門に力を込める。

 その肛門から、ズルズルとゼリー状のものがひり出されていく。

 それは女戦士の排泄物ではない。彼女の体内に侵入していた、人格ゼリースライムとなった勇者だった。

 人格ゼリースライムが完全に外に出ると、女戦士の身体から力が抜ける。

 背中を壁に預けておいたおかげで、特に怪我をすることなく、そのまま壁にもたれかかった状態が保たれていた。

 一方、再び人格ゼリースライムの状態になった勇者は、女戦士の腸液でテカる体を感じつつ、女戦士から少し離れる。

(あぶな、かったぁ……っ)

 勇者は内心、深々と溜息を吐いていた。

 女戦士の体に憑依することが出来た勇者だったが、その人格が女戦士に吸収されてしまいそうになっていた。

(このままこの戦士さんの体を使わせてもらおうと思っていたけれど……これは、まずいわよね……)

 吸収され尽くされた時、女戦士の人格を塗り潰してしまいかねない。

 そもそも、勇者には自分の身体に戻るという目的がある。戻れなくなってはまずいのだ。

(人の体を使うのにも、時間制限があるってことよね……それに)

 勇者は力なく壁に背中を預けている女戦士に、簡単な命令を出してみる。

 しかし女戦士は微動だにせず、無気力にその場に座り込み続けるだけだった。

(人は操れないのか、それともこの戦士さんの精神が摩耗して働いていないせいか……どっちにしても、ゴブリンみたいに操ることは出来なさそう……)

 中々上手くいかないものだと、勇者は溜息を吐く。

(とりあえず、ある程度回復したら、また女戦士さんの体を使わせてもらって、探索を進めないといけないかな……その前に、手駒としてのゴブリンも確保しておきたいけれど……)

 勇者は女戦士が動かないことを確認し、するすると人格ゼリースライムの状態で動き始める。

 荷物を置いて塞いでいる扉の隙間をすり抜けて、外へと出た。

(この付近に危険がないか、マッピングもしておこう……やることが多いなぁ)

 城を攻略し、探索を進めるには随分時間がかかりそうだった。

 魔王に奪われた自分の身体がいまどうなっているのか、勇者には知る術がない。

(変なことに使われてなきゃいいけれど……早めに奪還しないといけないわね……)

 勇者は改めてそう考えを纏めつつ、天井へと張り付き、周辺の探索へと取り掛かる。



 ある程度探索を進めたところで、勇者はある部屋の前を通りかかった。

 その部屋の中からは、苦し気な人の声が漏れ聞こえて来ている。

(誰かが捕まってる……? この感じ、人以外にも何かいそうね……)

 勇者は気付かれないよう、天井に張り付いたまま、その部屋の扉の上部の隙間に体を捻じ込む。

 程なくして見えて来た部屋の中の様子は――実に悲惨なものだった。

 まず見えたのは、肉団子。部屋の片隅に放置されており、その物体は人間大の大きさで、丸くなっていた。

 次に見えたのが人の足。その肉団子は中心部分に穴が空いており、その穴から人間の足が生えていた。

 何も身に着けていない素足だったが、その骨格や肌の色艶などから、女性の足であることが窺い知れる。

 そして、人間の足が生えているように見えるその穴の縁からは、無数の触手が生えていた。

(……イソギンチャク、みたい)

 それは正に巨大イソギンチャクというべき存在だった。

 人間大の巨大なイソギンチャクが、触手を使って人間を捕食しているように見える。

 その穴の中から人間の苦しそうな声が響いており、中でその囚われている人間がどんな扱いを受けているかは想像に難くなかった。

 勇者は善良な精神性の持ち主であるため、出来れば人間を助けたい。

 しかし現状彼女が持っている手札では、とてもそのイソギンチャクを倒すことは不可能だ。

(あの戦士さんの体をもう一度借りたとしても……この手の魔物とは相性が悪すぎる……)

 まともな武器があれば話はまた違ってくるのだが、残念ながらゴブリンの使っているようなお粗末な武器しかない。

 女性がイソギンチャクに弄ばれているのを、黙って見ていることしか出来なかった。

(くぅ……それに、しても……どうしてこんなところで……?)

 勇者が部屋の中を見渡してみた限り、女性が身に着けていたような服や装備品の類は見当たらない。

 もしその女性がこの部屋に着て、そのイソギンチャクに捕えられたのだとすれば、あるべきものがないのだ。

(あるいはもしかし……この女性もさっきの戦士と同じように……この魔物を飼育している何者かに連れて来られた……とか?)

 そうだとすれば、何かしらの制御方法があるはずだと勇者は考えた。

 イソギンチャクから距離を取りつつ、部屋の中を物色する。

 それらしいマジックアイテムは見当たらない。

(当然か……そんなものがあるなら、本人が持ってるはずだし……ん?)

 微かな物音を聞きつけた勇者は、即座に部屋の天井へと再びへばりつく。

 部屋のドアが開かれ、外から怪し気なローブを着た者が入ってくる。

 女性を取り込んで弄んでいる魔物を見て、不気味な笑みを浮かべた。

「くくく……いい具合に熟成しているな……いいぞいいぞ……」

 その存在が口にした言葉は、驚いたことに人間の言葉だった。

 勇者は顔を顰める。人間の中にも、魔王側に寝返るものがいることは彼女も知っていた。

 非人道的な実験をするには、人間側にいるよりも魔王側についた方がやりやすいからだ。

 悪の道に踏み込んでしまった魔導士などにそれは多く、その男もその類のものであると思われた。

 なお、そういった存在は例外なく死刑であり、ダンジョン内などで見かければ魔物と同様に斬り捨ててしまって良しとされている。

 人間側のフリをして人間のパーティに助けを求め、油断させたところに奇襲を仕掛けるといった行為も平然と行う。

 そんな人類を裏切った彼らは、人間側に蛇蝎の如く忌み嫌われている存在だった。

 勇者はいますぐその魔道士の首を刎ねてしまいたかったが、さすがにうかつに手は出せない。

 まだまだ浅い階層とはいえ、魔王城にある程度の拠点を構えることの出来る魔導士だ。

 人格ゼリースライムの状態では、最弱の魔法を打ち込まれても倒されてしまう可能性がある。

 手が出せずに歯噛みして眺めている勇者の前で、魔道士は魔物に対し、指示を出す。

 魔物は咥え込んでいた女性の体を、少し外に押し出した。

 両足が完全に魔物の口の外に露出し、仰向けになっている腰が飛び出す。

 女性の股間は魔物の中で散々触手に嬲られていたのか、その性器がぱっくり開いてしまっていた。

 中に触手の体液を注ぎ込まれたと見え、ドロっとした液体がその割れ目から溢れ出している。

 男はその股間を満足げに眺めつつ、その割れ目に指を這わせる。

 女性の身体はその男の指先の刺激に反応したが、かなり体力が搾り取られているのか、動きは小さなものだった。

「くふっ……お前が悪いんだぞ……大人しく俺のものになっていれば、じっくり調教してやったものを……」

 好き勝手なことを呟きながら、男はズボンを下ろして自前のペニスを取り出す。

 女性の股間の具合を見てすでに興奮していたのか、そのペニスは固く勃起していた。


 人格ゼリースライムと化した勇者が天井から見ているとも知らず――魔道士の男は魔物の口から下半身を突き出している女性の股間に、そのペニスを挿入し、自身の欲望を満たすために犯し始めるのだった。


つづく


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