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軟体怪盗リィンツリーの受難 リィンツリーの軟体身体能力③

■ 現代の義賊・黒猫怪盗リィンツリー(本名:鈴木志保)は、とある資産家・渡部亜希子の罠に嵌って捕らわれの身となってしまっていた。体が訛らないよう、ストレッチやトレーニングの時間が取られるが……?

■ パイプ迷宮に挑戦するリィンツリー。イメージとしては、ダクトを通って色んな部屋に移動するスニーキングミッションタイプのゲームでしょうか。ある意味怪盗の得意分野です。


■ この作品には極端な軟体の描写が含まれます。苦手な人は回避をお願いします。

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 囚われの黒猫怪盗リィンツリーは、彼女を捕えた張本人である渡部の提案により、パイプ迷宮に挑むことになった。

 パイプ迷宮は、いわゆる舞台セットのようなものだ。複雑に入り組んだパイプ通路と、それらによって繋がる複数の小部屋によって成り立っている。

 パイプの種類は太い物から、明らかに細いものまで多岐に渡っており、それを通って移動するようになっているようだった。

 リィンツリーはそんなパイプ迷宮を改めて眺めつつ――呆れる気持ちを隠しきれなかった。

「ほんと、あなたは……あれですよね」

『お褒めに預かり光栄だよ』

「褒めてないです」

 溜息を吐くリィンツリー。

 彼女が呆れている原因、それはパイプ迷宮の大半が、透明度の高いパイプで出来ているためだった。

 明らかに普通のパイプとは違い、その中に入っている者がよく見えるように作られている。

 つまりそれは、その中を移動するリィンツリーの様子が良く見えるようにという、渡部の拘りなのであった。

(……こういう狭いパイプのようなルートを使うのは、確かに怪盗の十八番ではありますけれど)

 透明なパイプの中を通ることはない。当たり前だ。

 気付かれないように侵入するために通るルートがスケスケでは、何の意味もないだろう。

 リィンツリーは再度溜息を吐いた後、渡部を見上げる。

「ところでこのまま始めろというんですか?」

『このままで、とはどういう意味かな』

 渡部はわざとらしくそう応え、リィンツリーは顔を顰めた。

「とぼけないでください。……この格好のまま、やらせるつもりなんですかと言っているんです」

 リィンツリーは生まれたままの姿で、少し頬を赤く染めながら言った。

 普段、リィンツリーが怪盗行為を働く際には、当然ながら裸で行うことはない。

 その体を特注のラバースーツで覆っていた。

 それは様々な体勢を取っても、体が傷つかないようにするために必要な衣装だった。

 リィンツリーは人並み外れた身体能力を持っているが、別に人の身から完全に逸脱しているわけでもない。

 刃物で刺せば当然血が出るし、地面や壁に体を擦りつければ肌が傷つく。

 怪盗として忍び込むためには、地面に伏せたり壁に張り付いたり、あるいはそのまま張っていく必要もある。

 そうなれば当然、何の備えもない生身では相応の怪我をしてしまう。

 それを防ぐ、そして行動を阻害しないための装備として、ラバースーツは欠かせない物だった。

 ラバースーツさえ着ていれば、大抵の障害物は平気になる。

 また彼女の場合、豊かな胸を程よく抑え、動きやすくするという意味も大きかった。

 もしリィンツリーがラバースーツを着ずに、そのままの姿で行動すれば――その豊かな乳房は引っ張れるは擦れるはで大変なこととなるだろう。

 痛い思いをするのは避けたいリィンツリーは、ラバースーツを着る必要があったのだ。

 しかし、渡部はそのある意味扱く真っ当なリィンツリーの望みを一蹴する。

『残念だがそれは無理だ。ふふっ、意地悪しているわけじゃないぞ。パイプ迷宮の中のアイテムの一つがそれだからね。パイプ迷宮をクリアすれば、ラバースーツが手に入るから、いま渡すわけにはいかない

 始まる前から渡しては、意味がないのだから当然だ。

『だが、安心して欲しい。私が君の体を傷つけるようなことをすると思うかい? ちゃんと対策は用意してあるのさ』

 そう渡部がいうのと、床から机がせり上がってくるのはほぼ同時だった。

 せり上がって来た机の上には、固定された容器と、その中に入っている透明な液体があった。

 リィンツリーはその机に近付き、その容器の中に入っている液体に指を触れさせてみる。

 ぬるりとした感触がリィンツリーの指先に伝わって来た。

「これは……ローション、ですか」

『その通り! 潤滑油として活用してくれ。道具は渡せないから……両手で掬って、体に塗りたくるように』

 その言葉を受け、リィンツリーは実に嫌そうな顔をして、渡部を睨み上げた。

「……なるほど、こういうことですか」

『パイプ迷宮は名前こそ危険だが、万が一にも君の体を傷つけるわけにはいかないからな。徹底的にチェックがしてある。僅かな突起もないことは確認済みだ。安心して挑戦してくれ』

 胸を張って断言する渡部に対し、リィンツリーはどこまでも苦々しい顔をしていた。

「本当に……趣味がいいことで」

『お褒めに預かり光栄だとも』

 嫌味であったが、渡部には届かない。

 平然と受け流されてしまうだけだった。

 リィンツリーは大きな溜息を再度吐きつつ、気持ちを切り替える。

「はぁ……やりますかぁ」

『うむ、がんばってくれたまえ』

 渡部もの無責任な応援に、リィンツリーは若干の怒りを覚えたが、呼吸をすることでなんとかその怒りを静めた。

 そして、改めてパイプ迷宮の全体図を眺める。

(かなり複雑な構造ではありますが……なんとなく構造がわかるところはありますね)

 パイプ迷宮を外から見た時の、パイプ同士の繋がりを一つ一つ記憶していくリィンツリー。

 見ただけで行う正確なマッピング技術は、怪盗にしてみれば出来て当然のことだ。

 各小部屋の中がどうなっているかまではわからないものの、ひとまずどこをどう移動すればいいのかは、すぐに把握することが出来た。

 脳内マッピングを終えたリィンツリーは、改めてローションがなみなみと注がれた容器が置かれている小机の傍に立つ。

 ローションを掬い上げてみると、ひんやりドロドロしたものが、リィンツリーの手の動きに伴って糸を引いて垂れる。

(……これ、自分の手で自分に塗らないとダメじゃないですか……)

 筆も刷毛もないとなると、そうするしかない。

 リィンツリーがちらりと渡部の方を窺うと、渡部は実に楽しそうな笑顔でリィンツリーの動向を眺めている。

 あえて道具を用意しなかったのは間違いない。

 リィンツリーは再度深々と息を吐いた後――そのローションを掬い上げて、自分の身体に塗りたくっていく。

 ひんやりぬるぬるした感触が、体中に広がっていった。

「ん……っ」

『おぉ……! 素晴らしい! ただでさえ素晴らしいリィンツリーくんの身体が……! テカりが増して、とてもエロティックに……!』

「……うるさいです」

 リィンツリーは自分の体を意識しないようにしながら、渡部に対してそう吐き捨てる。

 ローション塗れになったリィンツリーの身体は、ぬるぬるテカテカしていて、実に煽情的な姿だった。

 どうしても反応してしまうようで、リィンツリーの乳首は硬く尖ってしまっている。

 その恥ずかしさを堪えつつ、リィンツリーはパイプ迷宮の入口へと移動する。

(入口から、明らかに狭いんですよね……)

 リィンツリーが四つん這いになってようやく入れる狭いパイプの口が、リィンツリーを誘うように、ぱっかりと開いている。

 そのパイプの中に、リィンツリーは体を滑り込ませた。

 四つん這いで、赤子が這い這いをするように、パイプの奥へと進んでいく。

「ん……っ、くぅ……っ」

 リィンツリーは進み始めてすぐ、普段の潜入では感じない感覚を胸に覚え、顔をしかめた。

 四つん這いになって進んでいる彼女の胸が、異様によく揺れている。

 普段はラバースーツで抑え込んでいるため、気にしたこともなかったが、四つん這いという姿勢はかなり胸が揺れてしまう体勢である。

 リィンツリーが手足を一歩先に進める度に、乳房がゆらゆらと揺れるのを感じ、彼女は異様な感触に悶えてしまう。

(平常心……平常心……っ)

 透明なパイプ越しにその様子を眺めている渡部が興奮しているような気配は伝わって来ていたが、あえて意識の外に追いやって、リィンツリーは先へと進む。

 それなりに余裕のあったパイプが、さらに狭くなっていく。

 リィンツリーは這い這いではなく、匍匐前進のような姿勢を取った。

 胸を地面に着け、両腕を片方ずつ前に出しては、少しずつ体を前に進めていく。

「んっ……! んんっ……!」

 当然そんな動き方をすれば、胸がパイプに擦りつけられ、かなり強烈な刺激になってしまう。

 パイプにべったりと乳房が張り付き、押し潰されているのが、透明なパイプ越しにもよくわかった。

 リィンツリーは恥ずかしさのあまり、普段よりずっと熱を感じていた。

 普段もほぼ空気の流れのない場所を移動するわけだから、蒸し暑さや息苦しさは感じるのだが、今回はその時以上の熱を感じていた。

 早く済ませようと、無心でパイプ迷宮を進行していく。

(……っ、しかし、進みにくい……ッ、ですね……っ)

 体を傷つけないために塗布したローションのせいで、滑って仕方ないのだ。

 上手く力を分散させたり、握力を上手く使って前に進みはしているものの、その移動速度はいつもの半分も出ていなかった。

 動きが遅いということは、その分だけその姿を晒して渡部を悦ばせてしまうということでもあり、出来ることなら避けたいことである。

 絶妙な力加減などを駆使して、リィンツリーはどんどん先へと進んでいった。

 そして、パイプの先が直角に上がっている場所に辿り着く。

 その先に小部屋が繋がっているため、どうしても通らなければならない場所だ。

「ふー……っ」

 息を細く長く吐き、体をそのパイプに沿って移動させていくリィンツリー。

 彼女がそのパイプの中に立つ。

 その様子は外からみると、まるで美術品が、円筒形のガラスケースの中に飾られているかのように見えた。

 渡部がそのリィンツリーの姿を幾枚も写真に収め、後に部屋に飾ったのは、いうまでもない。


つづく



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