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夜空さくら
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レンタルご主人様 おわり

※諸事情により更新しない期間が続いてしまい、申し訳ありませんでした。

※またいままで通り、月・金に更新していく予定です。


■ マゾヒストのユーザーの希望通りのご主人様をレンタルすることが出来るサービス『レンタルご主人様』。成績優秀な大学生・九条優紀は、そのサービスを利用して自分の理想のご主人様にメス犬調教をしてもらっていた。レンタルのご主人様とはその時限りの付き合いというのが鉄則なのだが、ある日プライベートで『ご主人様』らしき人物と関わり合うことになってしまった優紀は……

■ 今回で『レンタルご主人様』は終わりです。ご主人様=アカネだったのかは、読んだ人の解釈に委ねますーw-ウム

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 両腕を吊るされ、抵抗することも体を隠すこともできない私を、ご主人様が振るう鞭が打ち据える。

 鞭は先端が複数に分かれているバラ鞭であり、いい音を立てる割には痛み自体はさほどでもない。

 それでも鞭を打たれているという事実が私を惨めな気持ちにさせ、興奮させてくれる。

「んゥウウウっ! んうううっ!」

 鞭が体を打ち、激しく反応してしまう。

 そんな私の様子を見て、ご主人様は呆れたような声を発した。

「全く……鞭で打たれてるっていうのに……興奮してんじゃないわよ、変態っ!」

 ピシッ、と鋭い鞭の音が私のお尻で生じる。

 反射的にお尻に力を入れて、爪先立ちになってしまう。

「ふぐうううう……ッ!」

「あら、随分気持ちよさそうじゃないの。そんなに打たれるのが嬉しいの? 鞭で打たれて喜ぶなんて、家畜以下ね!」

 ご主人様が言葉で私を責め立ててくる。

 私は惨めな気持ちになりながらも、やはりその言葉に興奮してしまうのだった。

「ふぅう……っ! ううっ! んぅうう……!」

 ラバースーツに包まれている私の体を、ご主人様の鞭が何度も何度も責め立ててくる。

 私はだんだんその鞭を打たれることだけに集中してしまい、何も考えられなくなっていってしまっていた。

「ンァぅ……あっ……んぁあ……っ」

 頭の中まで痺れて、自分が今立てているのかもよくわからない。

 そんな私の様子をみたご主人様は、その鞭をさらに強く振るった。

 体に鞭が巻きつき、回転する方向に引っ張られる。

「あうっ……うぅう……っ」

 促されるがまま、おぼつかない足取りでぐるぐると回ってしまう私。

「すっかり打たれて喜ぶだけの駄肉の塊ね。このまましばらく吊るしておけば、いい具合に熟成されるんじゃないかしら?」

 家畜の肉のようだと嘲笑され、ますます羞恥が湧き上がり、体に熱が籠っていく。

 そんな私の足を、ご主人様が掴んだ。足首に何か固いものが巻き付けられるのを感じる。

「いやらしい肉にもっと相応しい姿にしてあげるわ」

 その言葉と同時に、足首に巻きつけられたものがどんどん引き上げられていく。

 当然私の足もそれに伴って持ち上げられていき――私は足を開いて、ラバースーツに包まれた股間を無防備に晒す体勢になってしまう。

 いわゆるI字バランスというポーズだ。

 もっと柔軟性が高い人であれば、きっと綺麗にポーズを取ることができるのだろうけれど、私はそこまで柔軟性に優れていない。

 そのため、膝が曲がっている変な状態しか取れなかった。

 なんともみっともない姿を晒しているような気がしてして、ますます羞恥心が掻き立てられる。

 鞭が床を叩く鋭い音が響く。

 その鋭い音に、私は思わず身を竦めさせてしまう。

「さあ、しっかり耐えなさいね。漏らしたら悲惨なのはあなたよ」

 ご主人様は冷酷にそう告げると――その手に持っている鞭を軽く手首のスナップを効かせて振るう。

 ヒュン、と風を切り裂く不穏な音が、私の耳にもハッキリと聞こえた。

(……! まっ――)

 反射的に止めかけたけれど、言葉は形にならない。なっていたところで、ご主人様がそれを止めるわけもなかった。

 ご主人様の振るった鞭は、見事に私の無防備に曝け出した股間に命中した。

「んグッ、ゥおおおおぅ!?」

 頭の中がその衝撃に塗り潰される。

 何も考えられず、ただ体をガクガクと震えさせることしかできない。

 ご主人様の鞭は、私の一番大事で、一番敏感な場所を強かに打ち据えていた。

 漏らさないように注意してくれたご主人様の指摘は正しかった。意識して集中していたから助かった。

 もしも何も言われずに不意打ち気味に叩かれていたなら、あるいは本当に漏らしていたかもしれなし。

 それくらい、その場所を鞭で打たれるのは衝撃があった。

 その場所から発生した衝撃で全身が痺れ、まともに体を支えることもできなくなる。

 軸足にされてしまっている足がガクガクと震え、体を支えていられない。

 私の体を吊るしている手枷と足枷に体重がかかって、それぞれ手首と足首に食い込んでくる。

 いくらラバースーツ越しとはいえ、かなり痛い。

 だから頑張って足を突っ張って立ち続けようとするけれど、生まれたての子鹿みたいにガクガク震えるばかりで、全然安定しなかった。

 さらに足が震えるせいで、体上下に揺さぶられてしまい、結果、私の胸もブルブルと震えてしまう。

 ご主人様が若干冷めた目で、その様子をみているのがわかった。

「……ほんと、無駄に美味しそうな肉がついているわ、ねっ!」

 プレイの上での行動であるけれど、半分は私怨が混ざっていたような気がする。

 ご主人様の振るった鞭は私の胸を強かに打ち据えて――私は容赦のない激痛に見舞われた。

「ンォおおおおおおっっっ!!!」

 出せる限り声を張り上げて悶絶してしまう。

 ラバースーツの中が暖かい感覚で満たされていく。何が起こったのかは、いうまでもない。

 自分の体が悲惨な状態になっていくのを感じ、心が恥辱に満ちていく。

 それは普通の人なら、死にたくなるようなことだったのかもしれないけれど、浅ましい私にとっては、とても心地のいい感覚なのだった。



 ご主人様が去った後、私はラバースーツを脱いで、背中や胸を鏡に映してみた。

 あれだけ強かに、何度も何度も鞭に打ち据えられたのに、私の肌は綺麗なままだった。

(ラバースーツを着てた、っていうのもあるけれど……ちゃんと手加減してくれてたってことよねぇ)

 本気で傷つけることが目的の鞭ではないから、というのもあるのだろうけど、ご主人様の手加減の影響がゼロではないはずだ。

 漏らしてしまった下半身は酷いことになっているので、私はシャワールームに移動して、その汚れを洗い流しながら脱ぐ。

 後始末は大変だし、不快感も物凄かったけれど、その分実に興奮した。

 その時間がもう終わってしまったということに、なんとも悲しい思いが湧き上がる。

(ほんと……アカネちゃんがご主人様であれば、いいんだけどなぁ……)

 日常生活でも調教してもらえるのに。

(でも、仮にアカネちゃんがあのご主人様自身であったとしても……そういう素質を持っているかどうかは別なのよね)

 仕事としてご主人様を演じている可能性もあるし、その可能性の方が遥かに高い。

 プライベートでまで人を調教したいと思う人はそうそういないだろう。

 結局、今くらいの関係が一番いいのかもしれない。

 私はそんな現実的な思考に陥りながら、身支度を整えてホテルを後にする。

 基本プレイに使う道具は全て借り物だから、今の私はほとんど手ぶらに近い。

 色々準備して持っていくとなると大変だけど、全部行く先に準備されているというのは、とてもありがたいことだった。

「さて、と……どうしようかな……お腹すいたし、どこかに寄って……」

「あれ、ゆきっちじゃん。奇遇ー」

「ひゃわっ!?」

 いきなり背後から軽く声をかけられて、心臓が飛び出るかと思った。

 振り返れば、さっきまで私を調教してくれていたご主人様――と瓜二つのアカネちゃんがいた。

 ドキドキと心臓が激しく高鳴っているのを感じつつ、私は応える。

「な、なんだ、アカネちゃんかぁ……ほ、ほんとに奇遇、だね?」

「ちょうどよかった。ちょっと付き合ってよ」

「付き合う!?」

 突然の告白の言葉に一瞬どきりとしたけれど、すぐそういう意味ではないことを理解した。

「ご飯行こうと思ってるんだけど」

「あ、だよね……そうだよね……」

 漫画みたいな勘違いをしそうになっていたことに気づき、羞恥心が湧き上がってくる。

 そんな私の様子をみて、彼女は顔を顰めていた。

「は? 何言ってんの?」

「あっ。ご、ごめん、こっちの話」

 慌ててそう取り繕った。

 SMプレイをしているなんて言えないし、ましてやプレイ中のご主人様と彼女を同一視しているなんてことはもっと言えない。

「一応聞くけど、何か食べたいものとかある?」

「うーん、特にないかなぁ。アカネちゃんはあるの?」

「パスタ。美味しい店知ってたりする?」

「私が行ったわけじゃないけど、そこそこ有名な店は近くにあるよ」

 ついさっきまで鞭を打たれていたとは思えない、すごい日常感だ。

 私はふと、これはこれで美味しい状況なんじゃないかという気がしてきた。

 あれだけ変態的な姿で、変態的な行為をしている相手と、こうして極普通に、日常的な会話をしている。

 妄想の種としてはこの上なく上質なものを感じる。

(オンオフ切り替えるご主人様と一緒に過ごしているって妄想には……ぴったりじゃない?)

 私はそんな愉快な妄想ができることに気づき、ついほくそ笑んでしまった。

 そうやって笑っているところを彼女にみられてしまい、彼女は君が悪そうにしていた。

「ゆきっち、何ニタニタ笑ってんの……? こわっ」

「ご、ごめんなさい! ちょっと、思い出し笑いが……」

「そんな感じじゃなかったけど? まあいいわ」

 時折彼女に呆れられつつも、私は彼女とそれなりに良い関係を築けていた。



 彼女には、弟と妹がいるらしい。

 そのことを聞いた私は、あるいはもしかしたら、という思いで訊いてしまっていた。

「歳は離れてるの? 写真とかないの?」

「今二人とも高三よ。写真って、二人の? ないことはないけど……気になるわけ?」

 若干アカネちゃんの目が座っているように見えた。

 私は単なる知的好奇心からの言葉を装いながら、補足する。

「アカネちゃんの弟妹なら、すごく可愛いんだろうなって思ったから」

 本当はその二人のうちどちらかがご主人様である可能性を考えてのことだったけれど、そう言い繕っておく。

 幸い、そこまで不審に思われていたわけではなかったようで、携帯に保存されている写真を見せてもらうことができた。

 写真の中には、そっくりな顔をした二人が並んでいる。

「わぁ……もしかして……双子さん?」

「ええ。そっくりでしょ?」

「すごい……綺麗な子たちだね。弟さんは複雑かもしれないけれど」

「実際、学校で変なのに言い寄られることが多くて大変だってうちでぼやいてるよ」

 双子とはいえ、男女なら二卵性双生児のはずで、そこまで似るとは限らない。むしろ似ていない方が普通だろう。

 けれど、その二人はそっくりだったし、なんならアカネちゃんともすごくよく似ていた。

(いやでもさすがに……この二人のどちらかがご主人様ってことはなさそうね。高校生だし)

 あの店がどういう募集をかけているかは不明だけど、さすがに高校生を『ご主人様』として雇うのは考え難い。

 でもこれはこれでいい妄想の種になる。

(女の子だと思ってたご主人様は、実はアカネちゃんの弟で、男の娘だった、とか――すごい、いいじゃない)

 女の子同士で犯されることはないと高をくくっていたら、いきなり逞しい男のシンボルが取り出されて、挿入されて犯されるとか。

 また妄想に意識が持っていかれそうになる。

「……ほんと、ゆきっちってたまに変だよね」

 アカネちゃんに呆れられてしまった。

 私は取り繕いつつ、アカネちゃんと一緒に美味しいパスタに舌鼓を打ったのだった。



 その後も私は、時に『レンタルご主人様』を利用し、自分の欲望をすっきりさせ続けた。

 もちろん指名するご主人様はアカネちゃんにそっくりなご主人様だ。

 何十回指名したかもわからない。けれど、その甲斐あってご主人様にもしっかり私のことは認知されている。

「何度か指名してくるのはいるけれど、あんたみたいなのは初めてだわ」

 そんな風に呆れられてしまったのは、聞かないことにした。

 少なくともこれだけ指名しているからには、それなりの稼ぎになっているはずで、それを齎している以上、何か言われる筋合いはない。正当な取引ゆえの関係なのだから。

 ご主人様は私の弱いところや感じるところをしっかり把握してくれて、いつも充実したプレイ時間を過ごせていた。

 『レンタルご主人様』を利用していない、日常の時間も、アカネちゃんのおかげで随分楽しかった。

 ぶっきらぼうなところもあるけれど、彼女のそれはいわゆるツンデレで、私のことを相応に大事な友人として扱ってくれている。

 彼女と過ごす日常はとても楽しく、嬉しいものだった。

 相変わらず、アカネちゃんがご主人様かどうかはよくわかっていない。

 ご主人様とのプレイ後、アカネちゃんと出くわすことはそれ以降にもあったけど、たまたま活動圏が近いだけの可能性が高かったし、無理に彼女にご主人様になってもらわなくてもいいかなという気分にもなっていた。

 彼女とは普通に一緒に過ごしているだけでも十分楽しいし、いまの関係が下手に崩れるよりは、いまのまま仲良くやれて入れる方がいい気もする。

(いつか……どうしようもなくなったら……友達としてお願いしてみようかな……?)

 何十回とプレイを繰り返しているうちに、私は自分の性欲がどんどん高まっているのを感じていた。

 いまのところはプレイの時に大きく乱れるくらいで大した影響は出ていないけれど、いつかそれで我慢できなくなる日が来るかもしれない。

 暴走して変なことをする前に――アカネちゃんに頼んで、満たしてもらおう。

(その時に、もしかしたらご主人様ということが判明するかもしれないけど……その時は、その時ね)


 私はアカネちゃんと一緒に大学のキャンパスを歩きながら、淫靡な未来を想像して――アソコを濡らすのだった。


『レンタルご主人様』 おわり


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