ふたりで過ごす、全裸の夏 お神輿と丸出しハプニング
Added 2023-09-01 13:22:12 +0000 UTC■ 再び、全裸の夏が始まる――。
■ ちなみにこの動画投稿者は性別不詳の『両声類』で、色んな意味でコアなファンがついている、とかいうどうでもいい裏設定があります。今後メインの作品を書きたい気もしているーw-ウム
※20230920追記:途中、キャラ名を間違えるという超大ポカをやらかしていましたーw-; 今は修正済みです。
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その動画投稿者は、各地の祭りを巡って、その内容をライブ中継したり、動画に編集してわかりやすく紹介したりすることで、一定の支持を受けていた。
「村の人に呼ばれて来たんで、今回は案件動画ですね! まあいつも通りギャラは一銭も貰ってませんけど! そうじゃないとありのままの姿をお届け出来ないですからねー!」
ぺらぺらとよく回る話しぶり、なんだかんだ言いつつリスペクトは感じられる姿勢など、多くのリスナーを獲得している動画投稿者なのである。
ギャラ云々の話も、一切受けないことを公言している。
お金を貰うと仕事になってしまい、趣味でやってる体が崩れるから、という理由だ。
「しっかし、いままで似たような村のお祭りにはお邪魔してきましたが……ここのお祭りは本当に活気があっていいですね! とても村のお祭りとは思えない規模ですよ!」
カメラを回して賑やかな境内の様子を撮影する。
老若男女が溢れていて、皆楽しそうな様子だ。
『おおー、すげー人』
『ここの祭りこんなだったんだ』
『ポスターみたことある!』
『浴衣美人映して』
『懐かしなー、こういう祭りの雰囲気』
『最近は自動的に人の顏にモザイクがかかるようになって凄いな』
『いい時代だー』
『裸祭り取り上げて欲しい』
『通報した』
視聴者もかなり多い様子で、画面上をコメントが流れていく。
「近くに住んでる人もいるのかな? だったらいまここに来たら私と握手できるよー!」
『それはちょっと』
『遠慮しとく』
『それ罰ゲーム?』
『アイドルじゃあるまいし』
『ガンバレ。家から応援してるぞ!』
「皆酷くない!?」
動画投稿者とリスナー独特の距離の近さも発揮しつつ、お祭りの様子を捉えていく。
境内から少し離れ、祭りのために装飾された街並みを撮影していたところ、大きな太鼓の鳴る音が神社の方向から聞こえて来た。
「おや? これは確か……村の人に聞いた話だと、神輿の練り歩きが行われるようですね」
『神輿って担いだことないなぁ』
『なんか男臭いイメージだわ』
『女神輿ってのもあるぞ』
『なにそれ素敵』
『まさかいまから見られる!?』
『褌女子登場か!?』
欲望に忠実なリスナーたちが盛り上がる。
「はいはい、残念だけどここの神輿はそういうのじゃないみたいですよー。普通の神輿っぽいです」
『なんだ期待して損した』
『解散。閉廷。』
『いい夢だった……』
『なんで女神輿じゃないんですか!?』
「そんなこと言われても困るからね!? 一応、聞いた話じゃ、それなりに大事な神輿らしいですよ? 大人神輿と子供神輿があって、なんでもこの村の子供は必ず一度は子供神輿の上に乗るとかなんとか」
『じゃあロリが見られるのか!』
『おまわりさんこいつです』
『まじで洒落にならんからやめろそういうのは』
『ほんとうに、申し訳ない。でもお前らだってみたいだろ!?』
『それは……まあ……どうせなら可愛い子の方が』
『おまわりさんこいつもです』
『通報! 通報です!』
ぎゃあぎゃあと好き勝手に盛り上がるリスナーたち。
「はいはい、この村では真面目な神事なんだから、あんま李変な方向に盛り上がりすぎないよーに」
そう盛り上がりを抑制していると、祭囃子が大きくなって、動画投稿者に近づいて来る。
すかさずあまり人が立っていない場所を陣取り、画面の中に自分も映り込みながらカメラを向けた。
「そろそろですね……賑やかな掛け声が近づいてきて――」
曲道の向こう側から、立派な神輿が現れる。
「――あっ、来ました来ました! あれがこの村の祭りで行われている練り歩きの神輿のようですね! 女の子……らしき人が神輿の上に乗っているのが見えます!」
カメラの映像にしっかり映しながら、動画投稿者はそう告げた。
神輿の上には、確かに法被を着た女の子が載っている。
『おお! 思ってたよりでかいな!?』
『子供神輿、っていう割には大人が担いでるんだ』
「あー、説明不足でしたね。大小の神輿を区別して呼んでるだけで、別に大人神輿だから大人が担ぐとかそういうのはないらしいです。さっき話した通り、子供神輿の方には村の子供が乗るっていう伝統はあるみたいですが……」
改めて神輿にカメラを向ける。神輿の上に乗った女の子は、それなりに大きな旗を手に持っており、必死にそれを振っていた。
『思ってたよりデカいな』
『ああ、デカいな』
『高校生くらいか? それにしては立派な気が』
『法被女子最高! 法被女子最高!』
『見えないけど、この子もふんどしなんじゃね?』
『いまだけ顔のモザイク取れねぇかなー!』
『馬鹿め俺の目にはモザイク越しでもわかるぞ。この子がかわいいってことが!』
『どうなんですかその辺!』
リスナーに問われた動画投稿者は、少し唸ってから答えた。
「あんまりいうとあれだけど……お前ら、今日ここに来られなくて人生半分損してる」
『マジで!? そんな可愛いの!?』
『いまからでも行けば間に合うかな!?』
『現凸はやめとけ。芸能人相手じゃないんだから』
『しかし、暑そうだな』
『めちゃくちゃ汗かいてるっぽいしな』
『水分補給とか出来てるのかな?』
そんな理性的なコメントが続けて投稿されている中――ライブ配信でその姿を何千人もの視聴者に晒されてしまったその法被女子――綿部鈴は、暑さとは違う理由で、その顔を真っ赤にしていた。
ふんどしが脱げてしまって、股に食い込んで来る丸太の感触が余計に感じられるようになった。
そのせいで、ただでさえ気持ちよくなってしまっているというのに。
カメラを向けられていることを明確に意識させられてしまった私は――物凄く興奮してしまっていた。
(はふっ……あふぅ……!)
強い視線を感じて、体が火照って熱くなる。
そんな私を、その人のカメラはまっすぐ捉えて来ていた。
「どうした嬢ちゃん! 旗振って! 声出して!」
神輿を担いでくれている人たちが、そう声をかけて来る。
担いでいる人たちは、私の状況が見えていないからだ。
「はっ、はひぃっ!」
私は変な声をあげてしまってさらに恥ずかしい思いをしながらも、それを堪えて旗を振った。
シャランシャランと音が鳴り、周りの人たちの視線がまた集中する。
皆から見えているのは私の顏や上半身だから、下半身が丸出しになっていることには気付かれていない。
気付かれていないとわかってはいるのだけど、視線を感じて恥ずかしく感じるのは止められない。
(あうう……っ! ま、まずい……頭が……くらくらしてきた……っ)
ただでさえ暑くて体が火照っているのに、羞恥による興奮もあって、顏が物凄く熱い。
でももし倒れでもしたら、それこそ皆の前で下半身丸出しだったことに気付かれてしまう。
(あ……っ、と、というか、このままだと不味くない!?)
神輿は最終的に境内に戻って下ろされる。
そうなった時には当然担いでいる人たちに見られることは確定しているわけで。
私はどくんどくんと心臓がうるさい音を立てているのが、まるで耳元でしているような気分になっていた。
(実は下半身丸出しで神輿の上に乗ってた、なんて知られたら……!)
どんな視線を向けられてしまうことだろう。
露出狂の変態女子として、一生言われ続けることになるのかもしれない。
ここの村の人たちは皆気のいい人たちだけど、田舎の情報網自体はあるみたいなので、一気に村中に知られてしまうかもれない。
私は自分の性癖を会う人会う人全員に知られてしまうことを考え――ますます焦燥感が増し、絶望的な状況に興奮してしまう。
(うぅう……! みんなにみられちゃう……!)
頭の中で思考がぐるぐる回ってよく考えられない。
ひたすら悶えていると、さらに動画を撮っている人が近づいてくるのがわかった。
「すごい熱気です! 神輿の上に乗っている子も、かなり興奮している様子で――」
(ひあぁっ!?)
危うく声が出るところだった。
普通にある言い回しだからおかしくないのに、まるで私が「そういう意味で」興奮しているのがバレたのかと思った。
(大丈夫、大丈夫、大丈夫……! 気付かれてない、気付かれてない、気付かれてない……!)
どくんどくんと、心臓が張り裂けそうなほど鳴っているのがわかる。
カメラのレンズが私をばっちり正面に収めている。
少なくとも、顏が赤くなっているのは見られているわけだ。
(うぅううう……! もう、ダメ……っ)
カメラの目の前で倒れたりしたら、それこそその姿を撮られてしまうかもしれないのに――私の手から力が抜け、体がぐらりと傾ぐ。
まさに、その瞬間だった。
「大二おじちゃんっ、膝曲げて腰を落として!」
鋭いその声が響いたと同時に、神輿を担いでいる人の中で、一番ガタイのいい人のところから、なっちゃんが神輿の上まで駆け上がって来た。
なっちゃんは大二おじちゃんと呼んだ人が曲げた膝を踏み、まるで猫か猿のようにその人の体を駆けあがったのだ。
そしてそのまま担がれていた神輿の上に――つまりは私の前に飛び上って来た。
法被にふんどし姿でどんと仁王立ちになるなっちゃん。
周りからは、彼女の軽業めいた動きにどよめきと歓声があがった。
私がぼーっとしていると、なっちゃんは私の手から離れそうになっていた旗を手に取る。
「ごめんなぁ、れい。水分補給のボトル渡すの忘れとってん。ほい、これ」
そう言ってなっちゃんは私にスポーツ飲料のボトルを渡してくれた。
「それ飲んで……ちょっと休んどき。その間はうちが祭りを盛り上げたるけん!」
そう言いつつも、なっちゃんは旗を器用に操って、神輿の上に落ちていた褌を私の傍に寄せてくれた。
上るまでは気付いていなかったのかもしれないけれど、私の様子を見てすぐに察してくれたようだ。
なっちゃんが神輿の端に足をかけ、旗を高々と振るう。
「ほな、いくでぇ! まだまだへばってへんやんなぁ!?」
鼓舞するなっちゃんに、神輿を担いでいる人たちが応えるように盛り上がる。
「なにを生意気な!」
「なぎさいうようになったやないか!」
「まだまだ若いもんには負けへんでぇ!」
ノリのいい担ぎ手の皆さんは、なっちゃんの鼓舞に乗る。
なっちゃんもまた、楽し気に笑っていた。
「ほな、いきましょか! よいしょー!」
「よいしょ! こらしょ! よいしょ! こらしょ!」
いきなりスピードがあがって、私は慌てて丸太をぎゅっと足で挟み込む。
振り落とされるんじゃないかとだいぶ焦った。
「まだまだ祭りはここからや!」
なっちゃんの掛け声と共に、神輿は物凄い盛り上がりを見せたのだった。
ちなみに、一連のなっちゃんの姿も、動画投稿者にばっちり撮られていたようで、なっちゃんの法被に褌姿は多くの視聴者に見られてしまった。
そのおかげか、動画の感想や印象は全部なっちゃんの方に行ってしまって、私は全く目立たずに済んで助かってしまった。
なっちゃんの助力もあって、どうにか境内に帰ってくることが出来た私。
ようやく神輿が地面に降ろされ、私は長らく続いていた浮遊感が治まるのを感じた。
「お疲れ様ぁ、れい。大丈夫やった?」
「だい、じょうぶ……」
そうなっちゃんが呼びかけて来るのを、私はなんといっていいのかわからず、とりあえず頷いた。
少なくともなっちゃんがあの時来てくれなかったら、間違いなく私は恥ずかしいところを皆に見られていた。
「ありがと……なっちゃん」
「いやぁ、そもそもボトル渡し忘れたんうちやし……」
申し訳なさそうに頬を掻いているなっちゃん。
そこまでは本当に助かったと思う。
「それは、助かったんだけど……あそこまで、盛り上げなくても……」
なっちゃんが旗を持って以降、神輿の揺れはそれはもう酷かった。
荒波に放り出されたボート並みに揺れまくって、別に意味で危なかった。
生来の三半規管の強さに感謝しなければならないだろう。
「すまんかったのぉ、鈴」
「なっちゃんに乗せられて張り切りすぎたわ」
担ぎ手の人たちもやりすぎた自覚があるようで、申し訳なさそうにしていた。
私はなんとかその人たちに向かって笑顔を浮かべる。
「だ、大丈夫です……ありがとう、ございました……っ」
「れい、社ん中に飲み物用意してくれたみたいやからいこっ」
あれだけ盛り上げ回ったにも関わらず、なっちゃんはまだまだ元気な様子だ。
私は苦笑しながら、そんななっちゃんに言われて神輿を降りる。
そして――褌が脱げた。
あんなめちゃくちゃな揺れの中で履き直した褌がちゃんと履けているわけなかった。
一瞬、私は何が起きたかわからず固まり、瞬時に顏が真っ赤になるのを感じる。
「きゃああああっ!?」
「れいっ! これで隠しい!」
悲鳴を上げてしゃがみ込む私に、なっちゃんが脱いだ法被で腰を隠してくれる。
けれどそうなると今度はなっちゃんが露出過多な姿になってしまい――周りの大人たちが盛大に慌てたのだった。
神輿で散々揺らされたこともあって、私の褌が脱げたのは完全な事故として捉えられたのは、不幸中の幸いだった。
こうして私は、物凄く恥ずかしい思いをしながらも、無事村の一員となる儀式を乗り切ったのだった。
つづく