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夜空さくら
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ヒトイヌ公園の裏事情 ~ヒトイヌ公園が繋いだ縁②~

■ ヒトイヌ公園シリーズです。今回は利用者ではなく、ヒトイヌ公園で働く職員側のお話となります。姉妹の視点を交えつつ、ヒトイヌ公園の裏事情を描いていきます。

■ ヒトイヌプレイに興じることになる姉妹。姉はヒトイヌになるのはいつもの仕事だと割り切って考えているようですが……?


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 ヒトイヌ公園でヒトイヌに扮する際、絶対に外せない装備がいくつかある。

 一つはラバースーツ。丹念に整備されているとはいえ、野外を移動することになるため、体を保護するためにも絶対に必要だ。場合によっては透明なラバースーツにすることもあるが、基本的には色付きの厚いスーツにすることが多いようだ。

「……お姉ちゃんの着てるラバースーツは、結構薄めだね」

 あたしがそう指摘すると、お姉ちゃんはその頬を赤くして恥じらいを見せる。

「こ、これは私が選んでるんじゃなくて……ほら、一応私は、自分が楽しむためじゃなくて、お客さんの目を楽しませるためにヒトイヌになるわけだから、さ……」

「あー、そうか、お客さんたちは自由に決められるけれど、制服って言われたら、着ない訳にもいかないのかぁ……」

「最初はそれこそ恥ずかしすぎて動けないくらいだったけど……もう何百回と着てるし……」

 さすがに慣れも少しはあるみたいだった。

 いま少し恥ずかしそうな様子なのは、あたしが見ているからだろう。

 見ず知らずの他人に見せるのと、一時期とはいえ姉妹として仲良く育ったあたしに見せるのとでは、感覚が違って当然だ。

(まあ、恥ずかしいのはあたしもあんまり変わらないんだけど……)

 お姉ちゃんの着ているラバースーツよりは多少分厚いとはいえ、あたしの着ているラバースーツもタイツみたいに肌に張り付いて、その体のラインがかなり強調されている。

 それでも体の強調具合としてはまだマシな方で、お姉ちゃんのそれは薄さが全然違う。

 お姉ちゃんの体のラインどころか、お臍の窪みとか、鎖骨の凹凸とか、かなり細かいところまで露わになってしまっている。

 特に乳首とか股間周りの強調度合いは、あたしのそれとは比べ物にならない。

(エッチだなぁ……でもタイツみたいに柔らかすぎるってこともないのよね)

 お姉ちゃんのお胸は、何も支えがない状態だと物凄く揺れるくらいには大きい。

 下着は必須というか、形を整えるためにも必要なものなのだけど――いまのお姉ちゃんのおっぱいは綺麗な形を保っている。

 体を動かすと多少揺れはしているけれど、薄さに反して驚くほどしっかり保持されていた。

「……ほんと、すごいよね、公園で使われてる技術って」

「ほんとにねぇ……」

 結構長く働いているお姉ちゃんでも、ヒトイヌ公園の技術力には呆れざるを得ない様子だ。

 あたしたちは気を取り直し、改めてヒトイヌ拘束の準備を進める。

「さて、と……もうラバースーツも首輪もついているから……あとは、これかな」

 そう呟きながら私が手を伸ばしたのは、尻尾飾り付きのアナルプラグだった。

 お姉ちゃんはその場で四つん這いになり、あたしの方にお尻を向けて来た。

「も、もう準備は済ませてあるから……入れて、くれる……?」

 ラバースーツに包まれた、お姉ちゃんのお尻が目の前で揺れている。

 かつてのお姉ちゃんだったら、あたしに向かってそんな格好はしなかっただろう。

 ヒトイヌ公園に何年も務めて、だいぶ毒されているみたいだ。

「ん……わ、わかった……」

 あたしはそう応えて、お姉ちゃんの側に膝を突く。

 より間近になると、お姉ちゃんのお尻の存在感がより一層強まった。

(わ、わぁ……こういうの、安産型……っていうんだっけ)

 決して太っているというわけではなく、物凄い安定感を感じる。

 そんな視線を向けていることに気付いたのか、お姉ちゃんが振り返って首を傾げた。

「……美海? その、恥ずかしいから早くして欲しいんだけど……」

「あ、え、ご、ごめんね。すぐ、するね」

 あたしは改めてお姉ちゃんのお尻に視線を向ける。

 お姉ちゃんのお尻の中心、アナルがある場所に、僅かに穴が空いている。

 ぴっちり体にラバーが覆っている中で、その場所にピンポイントに穴が空いているというのは、それだけお姉ちゃんの体にぴったりジャストフィットするレベルで、そのラバースーツが作られているということだ。

(よ、よし……この穴に……っ)

 あたしは手にしたアナルプラグの先端に、軽くローションを塗った。

 どろりとしたローションがアナルプラグの先端に纏わりつき、艶めかしく光る。

 思わずごくりと喉を鳴らしてしまった。

(これが……いまから、お姉ちゃんのお尻の穴に入っちゃうんだ……っ)

 アナルプラグはあたしの目から見るとかなり太い。本当にこんなものを挿入してお姉ちゃんの穴は大丈夫なのか。

 心配になったけれど、いまさらやめるという訳にもいかない。

 あたしは覚悟を決めて、そのアナルプラグの先端をお姉ちゃんのお尻の穴に押し付けた。

「い、いくよ……お姉ちゃん」

「……っ」

 あたしもかなり緊張していたけれど、お姉ちゃんはあたし以上に緊張しているみたいだった。

 声もなく、こくりと頷くお姉ちゃん。

 あたしは慎重に、ゆっくりと指先に力を込めていった。

「んん……っ、んっ……!」

 声を殺して呻くお姉ちゃん。それはあたしがいままで聞いたことのない質の声だ。

 異物をお尻の穴に挿入されているのに、お姉ちゃんは気持ちよくなってしまっている様子だ。

(そ、そんなに気持ちいいの……?)

 あたしはなんとも変な気分になりながらも、少しずつ力を込めて、お姉ちゃんのお尻にアナルプラグを押し込んでいった。

「はぅ……っ」

 お姉ちゃんが背中を反らして、悶える。

 もっと力を込めた方がいいのか、それともこのまま一定の力で押し込んでいくべきなのか。

 あたしは迷いながらも、手に力を込め続ける。

 ゆっくりと、アナルプラグがお姉ちゃんの中に入っていく。

「ふ、ぅうう……っ」

 ぷるぷる震えていたお姉ちゃんが、長く細く息を吐く。

 すると、抵抗感が一気に薄まり――アナルプラグがお姉ちゃんの中にぬるりと入ってしまった。

「ひゃっ……!」

「はうぅっ!」

 こっちも驚いたけれど、お姉ちゃんはお姉ちゃんで大変のようだ。

 ビクビクっ、と体が震え、暫く小刻みに痙攣し続ける。

 アナルプラグはすっかりお姉ちゃんの中に入り――それに繋がっている尻尾飾りがプラプラ揺れた。

(えーと……た、確か……アナルプラグは入れた後に……)

 この公園にやってきてから、まだ短いけれど、一応一通り基本的な衣装やら道具やらの説明は受けている。

 アナルプラグはヒトイヌ公園内で必須とされる衣装の一つなので、その扱いも学んでいた。

(確か……こう、尻尾飾りを捻るんだよね……)

 あたしはそう反芻しながら、尻尾飾りを捻って、そのギミックを起動させる。

 そのギミックは、挿入したアナルプラグを膨らませる、というものだった。

 お姉ちゃんがびくんと腰を震わせる。

「……っ!」

 声もなく呻くお姉ちゃん。本当に大丈夫なのか若干不安になったけれど、もう引き抜くわけにもいかない。

 恐る恐る、お姉ちゃんの様子を窺った。

「……ど、どう、かな……?」

「だ、だいじょ、大丈夫……ヒトイヌに、成る時は……いつもの、ことだから……っ」

 息を荒げながらお姉ちゃんはそう言う。

 本当に大丈夫なのか不安になったけれど、大丈夫というからには大丈夫なのだろうと信じた。

 そのお姉ちゃんのお尻から生えている尻尾飾りが、ぴょこんと動いた。

「わっ」

 ピンと立ち上がったかと思うと、左右にゆっくり揺れる。

(そ、そうだった……こういうギミックがあるんだった……)

 アナルプラグについている尻尾飾りは、お尻の穴を締めたり緩めたりすることで、尻尾飾りが動くようになっている。

 それによって意思表示をするというのが、ヒトイヌ公園ではお決まりだ。

 ただ、尻尾飾りが動いているということはつまり、お尻を締めたり緩めたりしているということ。

 それをはっきりとした形で知らしめてしまうことになる。

 お姉ちゃんは恥ずかしそうに俯きながらも、その尻尾飾りの動きを確認していた。

「だ、大丈夫、そうね……っ。それじゃあ、次の……次の道具を、着けてくれる?」

 あたしはお姉ちゃんに言われるがままに、道具を手に取り、お姉ちゃんの体に取り付けていった。



 手足を半分に折り畳んだまま動かせなくする、手足の拘束具。

 袋状になっていて、底にはクッション。手足の付け根と、手首や足首を引っ付ける形で拘束する。

 それにより、お姉ちゃんは四つん這いでしか動けなくなるわけだ。

 さらにヘッドセットと一体型の犬耳も取り付けた。

 ヘッドセットは周囲の音を頭頂部側にある犬耳の飾りから取り込んでいるようにする仕掛けがあり、今回は使っていないけれど、人の言葉を理解不能な音に変えてしまう機能もあった。

 そして、口枷。口枷は横向きのバーを咥えるタイプのもので、口元を覆うタイプのマスクと一体化している。

 マスクはちょっと特殊メイクじみた構造で、犬の口先のフォルムを模した見た目になる。

 外側のパーツは口に咥えたバーと連動していて、バーを噛む力によって、口が開いたり閉じたりする仕組みだ。

 それらに加えて、首輪、ラバースーツ。

 全ての道具を身に着けたお姉ちゃんは――まさに、ヒトイヌだった。

「……わぁ」

 思わず感嘆の吐息が出てしまう。

 お姉ちゃんは短くなった四本脚でよちよち歩いて動きを確認していた。

 あたしはそんなお姉ちゃんの姿を見下ろしながら、言いようのない感情をそのお姉ちゃんの姿に覚えていた。

(ドキドキする……なんでだろ……?)

 大好きなお姉ちゃんが犬のような姿に身を堕としているというのに、あたしはそれに対してネガティブな感情は一切感じていなかった。

 むしろ、ひょこひょこ不格好に動くお姉ちゃんが、とても可愛らしいというか。

 とても愛らしく思えてしまっていた。





 美海に手伝ってもらって、いつものようにヒトイヌになることは出来た。

 出来たけれど――いつもの倍は恥ずかしい気がする。

(身に着けているもの自体は、普段と全く変わらないんだけどなぁ……)

 普段はこれに加えて個体の特定防止のための全頭マスクを被ることはある。

 ただ、他の一般入園者とかと違って、私が全頭マスクを被るのは、あくまで『特定のヒトイヌ』だと人に知られないようにするためだ。

 時には胸を潰してサイズを変えたり、逆に大きくしたりするようなこともある。

 いつも同じヒトイヌがいると認識されては、『野良』として存在している意味が薄れてしまう。

(まぁ……常連さんの中にはそういうのも全部きちんと認識出来てる人もいるけど……)

 僅かな所作や癖から、ヒトイヌを見抜く真贋を持つ人もいるのだ。

 そういう人はお得意様という奴で、こちらの事情も斟酌してくれるので、問題にはならない。ありがたい話だった。

 それはさておき。

 美海に手伝ってもらって装備品を身に着け、私はヒトイヌとなった。

 あとは美海と一緒に公園内で遊んだり、歩いたりするだけでいい。

(そういえば、美海ってヒトイヌ適性はどれくらいあるのかしら……なんとなく、高そうな気はするけれど……)

 子供の時のイメージかもしれないけれど、美海はとても人懐っこくて可愛らしい子だった。

 犬っぽいといえば、とても犬っぽいイメージではあった。

 そんな美海は、私の首輪にリードを取りつけ、立ち上がる。

 横に並ぶと、視点の高さの違いもあって、美海に見下ろされるような形になる。

 一緒に暮らしていた時は美海はまだ成長しきってなくて自然と私が見下ろす状態になっていたから、見下ろされるのは変な感じだ。

「……じゃ、じゃあ、いこっか、お姉ちゃん」

 そう言って、美海が誘導してくれる。

 私は自分の首に巻かれたリードが引かれる感触に、不思議な気持ちを覚えていた。

(いままでとは……何か、違う……?)

 これまでにも、誰かにリードを引いてもらうことはあった。

 手の空いている職員や、『野良』して触れ合ったお客さん。

 犬扱いでリードを引かれ、撫で回され、可愛がってもらった経験がある。

 そういう人たちと、ちょっとエッチな『触れ合い』をしたことさえあった。

 だから正直、美海にヒトイヌとして接されても、いつものことだから問題ないと思っていた。

 いつものように、公園内の賑やかしとして、私はヒトイヌぶればいいのだと思っていたのだ。

 だけど――やっぱり、そういう『仕事』で引っ張ってもらういつもの感覚とは、美海にリードを引かれる感覚は違った。

 背筋に不思議な感覚が纏わりついて来る。

(過剰に変な気分にならないようにしなきゃ……! 私は、お姉ちゃんなんだから……!)

 そう心に誓い、美海にリードを引かれて歩いていく私。

 私はこの時、周りを見るほどの余裕がなかった。


 だから、私のリードを引いてくれている美海が、どんな風に感じているかなんて――想像も出来ていなかったのだ。


つづく


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