百合学園の特別指導プログラム⑧
Added 2024-07-05 14:57:47 +0000 UTC■ 百合学園で、特に生活態度などが悪い生徒に対して行われる、特別指導プログラムに関するお話。
■ 学生寮を管理する寮母・西澤に中を案内される大葉。寮の中は、彼女が想像もしていなかった光景が広がっているのでした。
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最初に大葉が案内されたのは、食堂らしき部屋だった。
ただ、その部屋の様子は普通の学生寮の食堂とは大きく異なっている。
(なんだか……何かの実験室? みたい……)
一人ずつ座る箱形の椅子が等間隔で並べられており、その前に一人掛けの机と機械が置かれている。
機械は食券機のように、正面にいくつかのボタンがあって、ボタンにはメニューの名前が書かれていた。
(食券で注文するタイプなのかな……? でも、わざわざ各席に機械を置く必要ってあるのかな……その機械が机の上を占拠しちゃってるせいで、ご飯おくスペースがなさそうだし……)
大葉が不思議に感じていると、その席に座るように寮の管理人の西澤に促される。
「食事時にはちゃんと職員が控えてるから、その人たちにやってもらえばいい。岸がやるべきことは、どれを注文するか選ぶだけだ。今回は試しにそこの水を注文してみな」
「んぅ……?」
(選べと言われても……あ、そうか)
腕が拘束されているのにどうやって選べばいいのかと、大葉は一瞬思ったが、目の前にボタンがある意味にそこで気付いた。
水と書かれたボタンが下の方にあることに気付いた大葉は、体全体を動かすようにして、そのボタンに顔を近づけ、鼻でそれを選択する。
ぽちりとボタンが押し込まれ、機械上部にあるランプが点灯した。
すると西澤はその機械の横から飛び出しているホースのような物を手に取る。
「この作業は職員に任せればいい。いくぞ-」
(えっ、いくってまさか……っ、ん、むぐぅっ!)
西澤は大葉の口を塞いでいた蓋を取ると、口枷の穴に手にしていたホースを差しこむ。
かちりと音がしてそれが固定されたかと思うと、大葉の口の中に水が流れ込んで来た。
「んぅっ……んっ、んっ……!」
どうにかそれを飲み干していく大葉。コップ二杯分くらいの水を飲み干したところで、その水の供給は止まった。
ホースが取り外され、元のように蓋が差しこまれる。
「んぅっ……!」
「ほい、完了、っと。ご飯を食べる時はこんな感じだ。いろんな味のパターンがあるから、色々食べ比べてみると面白いぞ」
(ご飯もこういう形になるんだ……)
流動食のようなものが提供されると知り、大葉はそれで食べた気になるのか心配になる。
だがそのことを疑問に思っているのは大葉だけで、満里奈は特に気にする様子もなく、西澤の説明にうんうんと実感を込めて頷いていた。
この寮で暮らす満里奈にとって、それはよくわかっていることのようだ。
「次は大浴場……という名の洗浄室だな。そこに行くぞ」
西澤はそういって大葉を促して立たせる。
「んっ……ぅ……っ、んっ……」
(うー……よちよち歩きって結構大変……他の人たちもみんなこんな感じで歩いてるのかなぁ……?)
歩幅をなるべく小さくすることを意識しながら、大葉は先に立って歩く西澤の後をついて言った。
西澤が大浴場といったその場所は、まるで冗談のように人間洗濯機がずらりとならんている部屋だった。
人間大のカプセルが並んでおり、近未来的な雰囲気を醸し出している。
(ここが……お風呂……? 確かにこれは、お風呂っていうより洗浄室だなぁ……)
「洗浄パターンはいくつかあるんだが……そうだな。岸は初めてだし、全身浸かるタイプじゃなくて、首から上だけ出すタイプにしておくか」
そう言って西澤は大葉を一つの人間洗濯機の中に入るように促す。首輪は事前に外された。
首が少し楽になった大葉が大人しくその中に入ると、首から下を包むように、透明な箱が閉じた。
首の周りに強い圧迫感が生じ、隙間を塞いでいることがわかる。
(あれ、でも私普通に色々着けたままだけど……大丈夫かな?)
そんなことを大葉が思っていると、首の辺りから急にひんやりとした感触が広がって来る。
「んひゅっっ!?」
首は固定されても、声を塞がれているだけではなかったので、思わずその口から悲鳴が漏れる。
その首筋から、じわじわと冷たい感触が大葉の体を滑り落ちていく。
「んんんっ……!」
(な、なにこれ……っ! こんなの、知らない……っ!)
服の隙間からその冷たい何かが浸透し、下へ下へと流れていく。
身体中をナメクジが這いまわっているような、すさまじい感触が大葉を襲う。
(うわわっ……! なにこれ……っ、ただ、液体が体を伝っているだけなのに……っ)
「洗濯機はいくつかモードがあってな。いま岸が体験しているのは一番刺激の弱い奴だ」
(こ、これで……!?)
全身をくまなく刺激されているような感覚に陥った大葉は、その感触に身悶えていた。
「ちなみに、頭は別で洗うことになるから、その心配はしなくていいぞ」
(そ、そんなこと、より……っ、いまは、この、くすぐったさをなんとかして、ほしい……っ)
体中を特殊な洗浄液によってくまなく刺激され、大葉はますます体を捩らせ、悶える。
手枷も足枷もそのままであったために、カプセルの中に閉じ込められていることを考慮しても、もじもじと体を捩ることしかできないのだ。
(くぅぅ……っ! うぅっ……!)
顔を顰めて、異様な気持ち良さを堪える大葉。
暫く洗浄は続き、気付けばその液体は新たに分泌されなくなっていた。
身体の汚れがその液体と共に流れ落ちたような感覚。
お風呂やシャワーのようにすっきりしたかと言われれば、残念ながらそれほど快感は感じなかった。
ただ、その代わり洗浄液によって散々刺激された大葉の体は、少々興奮しているような状態に陥っていた。
(体が……疼く……っ、これ、やば……っ)
人間洗濯機が開き、その中から大葉はよろよろしながらも出る。
数歩歩いたところ、大葉は自分の体を伝って行ったはずの洗浄液が、ほとんど体に残っていないことに気付く。
(あれ……あれだけ体を伝って行ったのに……思ったより、濡れてないというか……足先に垂れて行ったはずの洗浄液は、どこにいったの……?)
大葉は不思議に感じて足を踏みしめてみたものの、その足裏が濡れているようなことは全くなかった。
「汗もそうだけど、液体とかは色んなところから抜けるようになってるんだ。じゃないと、体の中が蒸れてしまって大変なことになるからな」
(そ、そうだったんだ……知らなかった……)
よっぽど汗を掻いた時は別として、比較的常に問題ない状態になっていたのは、それが理由だったのかと大葉は一人頷く。
「さて、次は部屋に案内しよう。今回は体験用の部屋を使うが、まあ大体どこも同じようなもんだ。余計な私物を置く余裕はないしな」
(そうなるよねぇ……うーん、刑務所とか、そういうところの方がまだ自由がありそう……)
「別に私物を持つのがダメってことはないぞ。寮内はともかく、授業に出ている間は拘束を解除するわけだしな」
日中は特に拘束され続けなければならないというわけではない。
例えばこの場にいる満里奈とて、大葉が問題を起こし、連帯責任で拘束が施されるまでは、昼は普通に、夜は寮に帰って拘束を受けていた。
「まあ、それは逆に言えば常に拘束され続けているわけじゃないから、慣れることができずに大変だっていう奴もいるけどな」
からからと嫌味なく笑う西澤の言葉に、大葉は冷や汗を流してしまう。
(な、なるほど……そう言う考えも出来るのね……でも、もしかして超重大な校則違反とかしたら、昼も夜もずっと拘束されきったまま過ごさなきゃいけないってこと!?)
自分で行ったその想像に、ぞくりと悪寒を覚える大葉。
実のところ、彼女が現在指導役として慕っている満里奈も、かつては昼も夜もなくずっと完全拘束状態で学校生活を送っていたものである。
その経験があるからこそ、大葉と連帯責任で拘束されても、特に不満は感じなかったのだ。
大葉が自分の想像に戦慄しつつも、西澤についていくと、ある一つの部屋に辿り着く。
そこは机とベッドがあるだけの、超殺風景かつ狭い部屋だった。
机は極普通のもので、タブレットのようなものが食道と同じ要領で触れるように固定されている。
ベッドのほうは、普通のベッドではなかった。
「百聞は一見に如かず……寝転がってみな」
西澤にそう促され、大葉はそのベッドの上に横になる。
(マットレスがかなり柔らかいけれど……そこまで変わったベッドでもないような……?)
沈む込む体に苦労しながら、どうにかベッドの上に寝転がる大葉。
(枕もないし、拘束された腕が圧迫されてちょっと苦しいかも――ひゃあっ!?)
「んうううっ!?」
多少沈み込んでいた大葉の体が、突然深く沈み込んだ。
まるで自分の形に合わせて抉り取られた発泡スチロールの方に嵌め込まれたような、そんな気分になる。
(腕は……あ、少し楽になったかも……でも、これ……全然、動け、ない……ッ)
綺麗に体の型を抜かれたようなもので、大葉は体をほとんど動かせなくなっていた。
型に体が嵌り込んでしまい、微動だに出来なくなっていた。
ギシギシと音を立てることしか出来ない大葉の視界に、西澤の楽しそうな顔が映り込む。
「すごいだろ。。これのすごいところは、ただ型を取るだけじゃなくて、血行が悪くなったり床ずれを起こさないように、型になっている部分が蠢いて自動的にメンテナンスしてくれるって点だ。一晩中どころか、三日三晩閉じ込められっぱなしでも問題ないらしい」
(そんな滅茶苦茶な!?)
三日三晩も詰め込まれたら、同じ姿勢を取らされ続ける体に問題がなくても、他の部分で問題ができてしまう。
その疑問視する気持ちが滲み出たのを察した西澤は、カラカラと楽しそうに笑う。
「信じてないな? そこにいる黒田が証人だ。こいつは以前、三日三晩このベッドで謹慎処分を受けたことがあるからな」
「食事や排泄もすべてチューブを通して行ったので、その三日間はかなり苦しかったですね。そんな罰を受けてしまうような私でしたから、文句はありませんけれど……全く、若気の至りでした。」
「いや、いまも十分若いだろーが」
クスクスと笑いながら、西澤はさらに説明を続ける。
「さて、この状態でさらに蓋をするわけだ。上からも圧迫を受けて、体をがっちり固定するから、かなり安定して気持ちいいらしいぞ」
(それは本当にそうなのかなぁ……?)
大葉はそう思わざるを得ない。少なくとも閉所恐怖症のものにとっては、地獄の環境であることは間違いないだろう。
西澤がベッド脇のスイッチを操作すると、大葉が沈み込んでいたマットの凹みが元に戻っていき、大葉はベッドの拘束からようやく解放された。
(ふぅ……とんでもない学生寮だなぁ……体験だから、あれだけど、これを強制的に加えられるのかと思うと……)
大葉はこれ以上罰を受けないようにしなければならないと、改めて強く感じたのだった。
「さて、あとはトイレか。立ってついてきな」
部屋を出てトイレに向かった大葉が見たのは、普通の女子トイレとはまるで違うトイレの姿だった。
壁際に数本の棒が並んで立てられており、その棒の先端には三日月状の装置が設置されていた。
「これがトイレだ。この上に跨ると、自然とトイレの処理が始まる。実際に乗ってみな」
(ええ……丸見え……!? あ、でもそうか、股間はそれで隠れることになるから、見えないのか……いや、普通に恥ずかしいけど!?)
誰かに見られながら用を足すなど、ある程度成長した女子がやることはまずない。
立ちションが出来る男子とはまるで違うのだから。
それでも大葉は、西澤に促されるまま、その奇妙な形をした器具の上に、自然と乗ってしまうのだった。
つづく