SamSuka
夜空さくら
夜空さくら

fanbox


身体だけ蛇化するスーツ

■ 毎度のように天才発明家・一条玲香に振り回されている幼馴染・森山美南。その日、玲香が着て来たのは、体を圧縮して変形させ、蛇のように変化させる『蛇化スーツ』だった。それを美南も着るように言われて……。

■ あけましておめでとうございます、ということで今回は巳年にちなんだお話を書いてみました。新年早々、なんだかだいぶマニアックな話に仕上がった気がしますが……大体いつもこんな感じなので問題ないですね!0w0クワッ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 私の友達であり、幼馴染でもある一条玲香は、非常に天才的な変態だ。

 幼い時から突拍子もない発明品を持って来ては、私を脅かせてくる。

 褒めて褒めてと言わんばかりにすり寄ってくる姿はとても愛らしく、私も別に悪い気はしていなかったのだが――。

「さすがにこれは突拍子もなさ過ぎて、どうかと思うのよ」

 いつも以上に玲香に絡みつかれてすり寄られた私は、必死に冷静さを保ちながらそう呟いた。

 その呟きを聞いた玲香は、しゅるしゅると私の体に絡みつかせて来ている体をくねらせながら応える。

「えー。巳年だから突拍子がないことはなくない?」

 なるほどだからこんなものを開発したということか。

 いや、やはりおかしい。


「この世のどこに、巳年だからって『蛇のように動けるようになる全身一体型のスーツ』を開発する馬鹿がいるのよ?」


 私の扱く真っ当なツッコミに対し、玲香はその細長い尻尾の先端を自分に向け、ここにいると言わんばかりのアピールをする。

 そういうことを言ってるんじゃない。

 私は新年早々頭が痛くなるのを感じていた。

 玲香と幼馴染として生きて来て十数年。

 今年も彼女に振り回される予感しかなかった。





 私、森山美南は、はっきり言ってただの凡人だ。

 ちょっとばかし周りより発育が良くて、女の巨人だの八尺さまだの心のない揶揄いの対象になることこそあったけれど、運動能力は下の上くらいで、頭もそんなに良くない。

 芸術とかそういう方向で突出した才能があるわけでもなく、特に打ち込んだ部活や趣味があるわけでもない。

 容姿に関しても特筆することがない程度で、体格以外は没個性の人間なのである。

 そんな私に対し、玲香はまあとにかく個性の塊のような人間だった。

 芸能事務所に勧誘されたこともあるほどの可愛らしい容姿に、程よく均整の取れた体付き。

 運動神経は上の中くらいで、突出してこそいないものの、活躍の機会はいくらでもあった。

 学生時代、玲香が男子から告白されているところを見たのは一度や二度ではない。

 自身満々、威風堂々。そんな言葉が似合う彼女は、その知能面が優れ過ぎていた。

 学業なんて彼女にとっては遊びにもならず、早々に大学だかそれ以上の勉強を自分でやり始めた。

 中学生だか高校生だかで何か大きなものを開発したとかで、潤沢な資金を得た後は、本格的な研究所まで借りて色々やり出したほどだ。

 そんな彼女の欠点というか、ほとんどの人が着いていけないところが、その実験に周りも巻き込むというところである。

 いつぞやの『快楽光線』なんていうものを開発した時には、私も酷い目にあったものだ。

 玲香は約に立つのか立たないのか微妙なものを作りまくる悪癖があり、それが完成する度に私はそれに巻き込まれて大変なことになる。

 それがいつもの流れだったのだけど――今回はまた、何の役に立つのだかよくわからないものを作ったようだ。





 一言で言えば、それは体を蛇のように細長くして、動くことが出来るようになるスーツだった。

「一体全体、何をどうすればそれを作るって発想になるのかしらね……」

「思いついたら作らなきゃ! それが研究開発者っていうものだよ!」

 ニコニコ笑顔で玲香はその細長くなった体をくねらせる。

 首から上はあえて蛇化していないため、なんというかちょっと不気味な姿になっていた。

 ろくろ首の首から上版というのか。

 とにかく普通ならありえないような状態だ。

「その胴体、どうなってるの……? 圧縮してるとしたら、内臓とか骨とか全部潰れてない?」

「そしたら私は死んじゃってるねぇ。大丈夫! 圧縮する前に、体を特殊な軟体化させてるから! 普通に喋れてるでしょ?」

「それが逆に怖いんだけどね……」

 一体どんな技術をどうしたらそんなことが出来るようになるというのか。

 考えても意味がないので、私は早々に考えることを止めた。

「……玲香の身長にしては、その蛇の胴体が妙に長いように見えるのは、圧縮してるからってこと?」

「そうだよ! 当たり前だよね?」

「当たり前では、ないかな」

 いや、確かに粘土とかならそうなんだけど。

 人体を粘土みたいに柔らかくして、細い筒状に伸ばせば長さが伸びるのは当たり前ではない。

「ふふふ……これには細くなってる以外にもいいことがあって……あっ、それはあとのお楽しみにしようかな!」

 玲香は楽し気にもったいぶる。

 その言葉から、私は大体彼女の言いたいことがわかった。

「……私の分も用意してるのね、いつものように」

 大抵の発明品で、私はテスターという名の実験台になることをお願いされていた。

 一応謝礼も貰えるとはいえ、とんでもない目に遭うこともあるから、出来ればあまり巻き込まれたくないんだけど――玲香は満面の笑顔で、その首を上下に揺らす。

 キラキラとした玲香の期待の眼差しに弱い私は、結局首を縦に振るしかないのだった。



 裸になるだけで準備は済むという。

 小学生の頃は一緒にお風呂にも入っていた仲なので、玲香の前で裸になることに躊躇いはない。

「準備できたよ」

 私が服を脱いで玲香に声をかけると、玲香はその体で私の体の周りをクルクルと回った。

「うん! 相変わらず美南はスタイルいいなぁ~。羨ましいよ。特にこのたわわに実った果実が……」

 そう言って、尻尾の先――理屈的には足先ということになるのだろうか――で私のおっぱいに触れてこようとする玲香。

 私はその玲香の尾の先を、掌で軽く叩く。

「セクハラはいいから、さっさとするよ。どうすればいいの?」

「ちぇっ……そこに円盤状の機会があるでしょ? その上に乗ってくれればいいよ!」

 玲香の尾の先が示す床を見ると、そこには確かに丸い形の平たい機械があった。

「……スーツを着るんじゃなかったの?」

「大丈夫大丈夫! いいからいいから!」

 有無を言わせない調子で話を先に進める玲香。

 私は仕方なく、言われるがままにその機械の上に乗る。

「乗ったよ?」

「気を付けの姿勢を取ってくれる?」

「こう?」

 言われた通り、両手を体の横で揃えて、足も真っ直ぐ伸ばして揃え、背筋も伸ばしてみる。

 背筋を伸ばした際、大きな胸が揺れてしまったけれど、気をつけの姿勢で抑えることは出来ないので我慢した。

 そうすると、玲香が喜びを露わにする。

「よーし、それじゃあいくよー。動かないでねー。動けないと思うけど」

(え? それって……っ)

 私は思わず玲香に尋ねようとして、体が動かないことに気付いた。

 喋ることも出来ず、瞬きすることも出来ない。

(うぐっ……! ゆ、指先一つ、動かない……! 快楽光線の応用か……!)

 快楽光線は照射された相手を、強制的に気持ちよくさせるものだった。

 快感が操れるのであれば、体の動作を操ることくらいは容易いだろう。

 私は全く微動だに出来ないまま、起きることを受け入れることしか出来ない。

 そんな私の足下から、異変は始まった。

 何か、生暖かい物が肌を包み込んでいく。

 足先から脹脛、脹脛から膝、膝から太腿、そして足の付け根。

 奇妙な感触はどんどん進んで来て、ついに私の股間にも触れて来る。

(んんっ……! こ、こそばゆい……っ!)

 股間を過ぎ、お尻全体にもその感触は広がる。

 腰の横に沿わせていた手の先も、その何かは覆っていく。

 私の下半身は完全にその奇妙な感触に覆い尽くされ、その感触は更に先に進み始めた。

(くぅうう……っ!)

 お腹、背中、そして胸。

 視線を動かせないから、何がどうなっているのかわからない。

 そんな私の気持ちを察したのか、玲香が私の前に鏡を持って来てくれた。

 蛇のような体で、細かい作業は出来ないはずなのだけど、玲香は何かしらの方法でその姿見を私の前に移動させてくる。

 その鏡に映っている自分の姿を見て、私は思わず目を見開いて驚いた。

 私の体が、無色透明なゴムのようなものに覆われて行っている。

 私が上った円盤状の機械から、スライムが這い出してくるみたいにそのゴムが伸びあがり、私の体を包み込んでいっていた。

(はぅうううっ……! あうっ! んぁああっ!)

 ぞわぞわとする感覚が、私の脳を震わせる。

(なんていうか……っ、これ、凄くエッチじゃない……!?)

 身体を覆うテカテカとしたゴムの輝きが、私の体を無駄に煽情的にしている気がする。

 ゴムに包み込まれたおっぱいなんかは特にそうで、妙に生々しい感じがした。

「うんうん、良い感じ! バキュームチューブっぽくっていいでしょ!」

 玲香は嬉しそうにいうけれど、私には全く意味が分からない単語だった。

(くぅうう……っ!)

 感触に悶え続ける中、私の首まで覆ったゴムの進行が止まる。

 私の首から下の体は完全にゴムで覆われてしまった。

 そして――私は急に動けるようになる。

「んっ……!? くっ……! ちょ、ちょっと、玲香……っ、なに、これ……!」

 身体がゴムで覆われていて、全く自由が利かない。

 気を着けの姿勢のま体が動かせないから、非常にバランスが危うく、グラグラする。

 私は転んでしまう前に、その場にしゃがみ、お尻を着くような形で床に座り込んだ。

 身体を曲げたり動かす度に、ギチギチ、ミチミチと全身から音がする。

(……胸が揺れたりしないのはいいけれど、それ以外の不自由さが酷過ぎる……)

 私の大きな乳房は、覆ってきているゴムのおかげでほとんど揺れていなかった。

 そのおかげで、胸が痛んだりはしなかったけれど、全然体がまともに動かせなくて、恥ずかしいことには変わりない。

 私が文句を言おうとしたら、玲香は楽し気に告げる。

「さすがは美南! 言う前にしゃがんでくれるなんてね! それじゃあ、本格的に『蛇化スーツ』を起動するね!」

「えっ、あっ、ちょっと、まっ……!」

 思わず止めようとした私だけど、玲香が止まるはずもなく。

 容赦なく私の体を覆っているゴム――『蛇化スーツ』が本当の機能を発揮し始める。

 自分の身体を、スーツが強く締め付けて来る。

「んひいいいっ!!?」

 ぎゅうううう、と体が締め付けられ、体が圧縮されていく感覚が生じた。

 ただそれは満員電車に押し込まれる時のような、苦しさを伴うものじゃなくて――体が定められた形に変わっていく、気持ち良さが伴うものだった。

「はぅううっ……!!」

 私は見下ろしている自分の体が、どんどんその形を細長いものに変えていくのを見ていた。

 肩幅がなくなり、大きな胸も胴体に吸収されるように平坦になり、腰の括れやお尻の膨らみ、そして体に沿わせた両腕なんかも全部一緒に圧縮され、細長くなっていく。

 そしてそれと同時に、私は圧縮されている体の感触が妙に強くなっていっているのを感じた。

 細長くなる際にその体の部位が伸びて、感じる感覚まで広くなっているのかもしれない。

「ふぎいいいいっっ!!」

 気持ち良過ぎて体が波打つ。

 仰け反って倒れそうになった時――玲香の体が伸びて来て、私の首を支えてくれる。

「頭部は変わってないからね。ぶつけたら大変!」

「それ、は……っ、もっと、はやくっ、言って……ッ、ええええっ!♡」

 下半身が伸び始めた時、私が覚える快感はさらに強力になった。

 たぶん性器が伸び始めて、その分の快感が私を襲ってきている。

 身体が勝手に波打つ。いまの私の体はかなり細長くなっていたので、それこそヘビかウナギみたいな形で大いに波打った。

「うわぁ……すごいよ、美南……! エロいよ!」

「なにがっ、すごいっ、のよおおおおっっ!!♡」

 思わずツッコミを入れてしまいつつ、私は体が波打つのを止められない。

 乳房も女性器も引き伸ばされ、異様に気持ちいい感触が延々と生じ続けている。

 やがてその感覚がひと段落ついた時――私の胴体は三メートル以上はある長大な蛇の体に変わり果てていた。

「ふあ、ぁああ……っ」

 気持ち良過ぎて頭が痺れている。

 そんな私に、玲香は体を絡ませながら、笑顔を向けて来ていた。

「うん、やっぱり透明のままだと変化が凄くエッチだったなぁ……最高に興奮したよ、美南♡」

「ば、ばかぁ……んっ♡ からだっ、絡ませて来ない、でっ……!♡」

 玲香の細長い身体が、私の細長い身体に絡み付いて、擦り合わせてくる。

 その結果、体から感じる快感がさらに強くなり、私は思わず体を震わせてしまった。

 そうすると絡み合っている玲香の身体と余計に大きく擦り合ってしまい、私は弾け続ける快感に悶絶する。

「ふぎいいいいいっっ♡♡」

 気持ち良過ぎて頭がどうにかなってしまいそうだった。

「んっ♡ んぅっ♡ 気持ち、いいでしょ……!♡ 一緒に、行きましょ……!♡」

 玲香がさらに激しく私の体に自分の体を擦りつけてくる。

 私は頭の中でバチバチと快感が弾ける感覚に振り回され、意識が飛びそうなほど強烈な快感を擦り込まれた。

「んひぃいいいっっ♡♡ んひぃっ♡」

「はっ♡ ああンッ♡ あんっ♡」

 人間の頭部に、蛇の身体。

 そんな奇妙な姿をした私たちは、その体を注連縄のように絡ませ合い、お互いの体を責め合う。

 引き伸ばされた性器を擦り合わせると、そこから生じる快感まで膨れ上がり、私たちは大いに悦び合う。

「ふああああああっっ!!♡♡」

「いくぅううううっっ!!♡♡」

 お互いの体を締め付け、擦り合いながら、私たちは揃って絶頂した。

 絶頂した後、私たちは絡み合ったまま地面に横たわり、暫くの間動けなかった。


 新年早々、とても特殊な方法でイってしまった私たち。

 今年も玲香に振り回されるのだと思うと――私は体の奥が疼いてしまうのだった。



おわり


More Creators