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夜空さくら
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アンドロイドになった幼馴染 前編

■ 唐突に書きたくなって書いた、幼馴染アンドロイド化ものです0w0クワッ! 前・中・後くらいで一区切りつけるつもりです。

■ 一応純愛で、ハッピーエンドの予定です。……もしかすると、ハッピーエンド?になるかもしれませんがーw-;

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 ボクの目の前で、幼馴染の心優(みゆ)ちゃんがピクリとも動かなくなった。

「み、心優ちゃん……?」

 試しにその目の前で手を振ってみたけれど、みーちゃんは瞬きひとつせずに固まったままだ。

 ボクは自分の喉がごくりと音を立てるのを自覚する。

「ほ、ほんとに止まっちゃった……」

 まるで時間停止したかのような言い方になっちゃったけれど、そういうわけじゃない。

 ちゃんと周りの時間は動いているし、外からバイクの通る音もする。

 心優ちゃんだけが、まるで石像になってしまったかのように、ピクリとも動かなくなっていた。

 ボクは自分の手に持つそれが、本当に『そう』だという確信を得て、動揺してしまう。

「なんでボクにこれを渡しちゃうんだよ……心優ちゃん……」

 思わずそう呟いてしまった。

 ボクは手にしているそれ――リモコンのような装置をまじまじと見つめる。

 それには小さな液晶画面がついていて、様々な設定がこのリモコン一つで出来るようになっていた。

 汎用的な矢印と決定ボタンの他に、電源自体の「オン/オフ」、動作の「オン/オフ」、思考の「オン/オフ」など、電気でいうブレーカーみたいな、大元のスイッチがある。

 いまはそのうち、動作と思考のスイッチが「オフ」になっていた。

 だから心優ちゃんはいま、何も考えられないし、何も出来ない、そういう状態になっている。

 僕は少し考えて、動作のスイッチだけを「オン」にしてみた。

 すると、中途半端な姿勢で固まっていた心優ちゃんが動き出して、直立した「気を付け」の姿勢になる。

 そして、その口を開いた。

『待機体勢です。指示を入力してください』

 それは心優ちゃんの声だけど、心優ちゃんの言い方じゃなかった。

 合成音声で作られたみたいな言い方で、心優ちゃんは告げる。

 普段の心優ちゃんはもっと快活で、声の響きも優しい。

 そんな心優ちゃんの口から出て来たとは思えないくらい、なんの感情も感じられない声だった。

「心優ちゃん……本当に、アンドロイドになっちゃったんだ……」

 ボクはそう呟く。

 見た目は完璧に人間である心優ちゃん。

 けれどその中身は、機械に置き換わってしまっている。

 そんな彼女の制御装置であるこのリモコン。

 本来であれば、もっとも信頼のできる相手にしか預けちゃいけないものだ。

 それを心優ちゃんはボクに渡していた。

 確かに、これから数日の間、心優ちゃんの両親は出張だとかなんとかで、不在になるとは言っていたけれど。

 まさかその代わりにリモコンを預けられることになるなんて。

 ボクはそのリモコンを手にしたまま、同じことをずっと繰り返している心優ちゃんの前で立ち尽くしていた。



 心優ちゃんは、幼い頃からなんでもできるヒーローみたいな子だった。

 見た目は普通に女の子っぽくて可愛くて、王子様ってタイプではないんだけど。

 下手な男の子よりよっぽど勇敢で、気風もよくて、何より優しかった。

 泣いている子がいればすぐ助けに入るし、気づいたら泣いた子を泣かした原因の子も含めて仲良くなってるし、皆心優ちゃんのことが好きだった。

 そんな彼女と、家が隣だというだけで他の子よりも少し仲良くなれたことは、ボクにとって人生最大の幸運だと思う。

 なにせ心優ちゃんに比べてボクは何の取柄もない。特別容姿が優れているわけでもないし、頭がいいわけでもない。

 機転が利くとか、閃きに優れるとか、交友関係が広いとか、そういうのもない。

 出来る限り誠実ではあろうとはしていたけれど、別に正義心が強いとかでもなくて、単にルールを逸脱するのが怖いだけだ。

 平々凡々な、ただの人間。

 そんなボクに。

 心優ちゃんは、自分の命ともいえるそれを渡してしまうのだ。



 そもそも心優ちゃんは昔からアンドロイドだったわけではない。

 ある日酷い事故にあった心優ちゃんを救うために、その体をすべて機械に置き換えたのだ。

 とある天才発明家が作り出したその装置は、人間の体を完全な機械に置き換えることが出来た。

 そうすることで破損した体を修理し、生身なら死んでいた傷からも復活させることが出来る、という理屈だ。

 この手法はいまでは割と一般的になっている治療法で、不治の病を患った人がこの手法で回復した例もたくさんある。

 ただ、心優ちゃんの場合大きな問題が起きてしまった。

 機械に置き換えた体が、元の生身に戻らなかったのである。

 結果、心優ちゃんはアンドロイドとして生きていくことを余儀なくされてしまったのであった。

 機械の体とは言っても、見た目上は生身の体とほぼ変わらない。

 よくよく間近で見れば目に違和感があるくらいのもので、その辺の道ですれ違っただけでは、人間かアンドロイドかはまずわからないだろう。

 だから心優ちゃんはほとんどの人には事故で大怪我はしたけれど、最新の治療法で傷一つなく再生したと説明している。

 ボクがその秘密を知っているのは、心優ちゃんが教えてくれたからだ。

 心優ちゃんはボクと違っていっぱい友達がいるけれど、どうも僕のことは少し特別に感じてくれているらしい。

 単に家が隣で、何かあった時のためなのかもしれないけれど、とにかく普通は教えないことを心優ちゃんは僕に教えてくれていた。

 特別な心優ちゃんからの特別扱いに、少し舞い上がらなかったかといえば嘘になる。

 舞い上がったのは事実なのだけど――まさか、こんな重要なものを渡されるとは思ってもみなかった。

「しばらくの間、親がいないから、万が一のことがあった時困るの。だから、渡しておくね」

 そんな風に言って渡されたリモコンは、心優ちゃんをコントロールできるものだった。

 もしも心優ちゃんが異常な動作を起こした時、それを使って止める役目だ。

 心優ちゃん曰く、常にアンドロイドでいる場合、緊急停止用のスイッチを身近な誰かが持っておかないといけない、と法律で定められているらしい。

「な、なんでボクに……?」

 心優ちゃんの全てを渡されたようなものだ。

 ボクは思わずそう聞いてしまった。それに対して心優ちゃんは。

「一番信頼してるから」

 とだけ答えてくれた。

 その無垢な信頼に、僕は答えなければならないと思った。

 思った、のに。


 気づけばボクは、心優ちゃんの思考のスイッチを切って、指示を待つだけの機械に変えてしまった。


 普段凛とした意志を持って生き生きとしている心優ちゃんが、無表情で淡々と同じ言葉を繰り返している。

『指示を入力してください』

 そんな彼女の姿を見て、僕はますますドキドキしてしまっていた。

 とりあえず、一端黙ってもらうことにした。

「喋らないで。静かにして」

 そう指示を出した途端、心優ちゃんは同じ言葉を繰り返すのをやめて、口を閉ざした。

 口を閉じたことで、より無表情が際立つようになる。

 ボクはドキドキしながら、久しぶりに彼女をじっくり眺めることにした。

 彼女とボクは幼馴染だけど、正直最近はほとんど顔を合わせることもなかった。

 心優ちゃんにはボク以外にもたくさん友達がいるからだ。

 だから、実はこうして顔を至近距離で見るのも久しぶりなのである。

「……ほんと、可愛すぎるよな」

 こんなに至近距離で見ても、全く乱れが見つからない。シミもなければ傷もなく、白くて滑らかな肌だった。

 アンドロイドだから、というわけではないはずだ。

 元々心優ちゃんはそれくらい綺麗だったのだと思う。

 無表情の今はわかりにくいけれど、涼し気な表情が似合うすっきりした顔立ちがわかる。

 こんな顔で笑顔を向けられたら、ほとんどの男性はイチコロだろう。ボクだって心奪われると思う。

 彼女の目をまじまじと見つめる。

「まつげ……長いなぁ……」

 同じ人種なのかと疑うほど、見れば見るほど心優ちゃんの顔立ちは完璧すぎる美人のものだった。

 アンドロイドは化粧する必要はないはずだけど、そもそも心優ちゃんに化粧なんて必要だったのだろうか。

 そんなことを考えながら、観察を続けていく。

 こんなに至近距離で顔を見つめることなんて、こんな状況でもなければ出来なかっただろう。

「………………」

 ボクは少しの逡巡を挟んだ後、その目線を下に向ける。

 心優ちゃんの身体の観察を始めた。

 直立不動で立っててもわかる、その胸の大きさ。

 決して年齢不相応なわけじゃないけれど、発育がいいとしか言えないその胸の膨らみ。

 ボクはその胸に視線を向けてしまうのを止められなかった。

「……にしても、こんなに大きくなってた、とは」

 前はそこまで大きくなかったと思う。

 意識して視線を外していたからある意味当然なんだけど、いまはもうかなりの大きさになっていた。

 心優ちゃんが着ている服は無難な柄のTシャツなのだけど、そのシャツの絵柄が歪んでしまっている。

 二つの丘があって、内側から盛り上がったそれは、ボクの目線を吸い寄せて離さない。

「……っ」

 触ってもいいんじゃないか。いや、触るべきだ。いましかないだろう。

 頭の中でそんな悪魔の囁きが響いている。

 確かに、今を逃せばこんな胸に触れられる機会なんて、ボクの人生には一度もないだろう。

 緊張と興奮で息が荒くなってしまう。

 もうすでに心優ちゃんを停止させてしまうということをやらかしてしまっているのだから、ここで日和ってしまったら一生後悔する。

 ボクは震える手をなんとか動かして、心優ちゃんの胸に向かって伸ばした。

 両手で掴むように、心優ちゃんのおっぱいを手の中に収める。

 思い切って握った手に、マシュマロみたいな感触が返って来た。

 想像していた通りの、柔らかな感触。

 指が沈み込んでいくような感覚が手全体を包み込んでいる。

 ずっと触れてみたかったものに触れられた感動がボクの心を震わせた。

「うわ……っ、すご……柔らか……ん? えっ? あれ?」

 感動しながらその感触に浸っていたボクは、ふとおかしなことに気が付いた。

 おっぱいが柔らかいのは当然だとしても、それにしたって柔らかすぎることに。

 だってまだボクは心優ちゃんの服を脱がしていない。

 それなら、心優ちゃんの胸はブラジャーで支えられているはずで、そのブラジャーは胸が大きいだけあって、かなりの存在感があるはずだ。

 心優ちゃんちの洗濯物が干されているのを見たことはあって、その際、やたらと大きくて鎧みたいなブラジャーだと感じていた。

 それに照らし合わせて考えると――その感触がしないのはおかしい。

 ボクは一端心優ちゃんの胸から手を離して、Tシャツの裾を握った。

 そして、思い切ってその裾をめくり上げる。

 思った通り、それだけで心優ちゃんの生のおっぱいが晒され、ボクは息を呑む。

「……ッ」

 Tシャツの裾はおっぱいの上に乗ってしまって、手を離しても落ちてこない。

 裾をめくり上げた時の余韻で、色鮮やかな乳首がプルプル震えている。

 心優ちゃんはノーブラだった。

 心優ちゃんはそんな恰好で、自分を止めてしまうリモコンをボクに渡して来たのだ。

 それが示すことは何なのか。

 そして、それとは別に、気になることがある。

 心優ちゃんが穿いているスカート。


 その下がどんな状態になっているのか――ボクは気になって仕方なかった。



つづく


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