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紅葉屋あーく
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女幹部、魔法少女に完敗【完全版】

玉座の間にたどり着くには避けて通れない最後の砦、大聖堂。 首領ベノを守る最後にして最強の盾に選ばれた悦びをかみしめながら ビオラはアイリスたち”小娘ちゃん”の到着を待つ。 さきほど部下から連絡が入り、己を除くすべての幹部を打ち倒し、 ここへ向かっているという。 「うふふっ…あなたたちともこれで最後…楽しみね、アイリスちゃんたち♡」 自身の麗しい肉体をじっくりと見つめながら呟く。 防御を捨て、ボディラインを強調し、 胸元や腹を大胆に露出したその戦闘服は強さと美しさへの自信の表れ。 鎧や衣服を多重に着込むことは、醜いものや弱者がすることである というのがビオラの持論であり、この姿こそ誇りなのだ。 自分よりも後から生まれ、体の成長もいまだ発展途上にあるような 小娘たちに敗北するなど想像もしていない… 女としても戦士としても自身の方が格上であり、 負けるはずはないと高をくくっていた。 「あら…きわたね♡」 「やっぱりここにいたのね、ビオラ!」 「ここを抜ければベノ様と戦えるわ…でもあなたたちはここでおしまいよ♡」 「さ、かかってらっしゃい?いつも通り、3人まとめてボコボコにしてあげるから♡」 「マリン、ミライ…先に行って」 「アイリス…!」 「ビオラは私が止める!」 「お願い、行って!あとで必ず追いつくから!」 「わかった!約束だよ!」 「うん!」 「…ずいぶん強気ねぇ、アイリスちゃん♡」 「お友達を先に行かせて自分ひとりで私の相手をするなんて… 今まで私に何度ボロボロにされてきたのか、忘れちゃったの?」 「忘れてなんかいないわ!でも恨んでもいないっ…! ようやくあなたを止められるわ、ビオラ!」 「止める…?ふふっ♡やってごらんなさい?」 「そのつもりよ!」 「はぁっ!」 シュッ!! 「ゔっ…!!」 アイリスのパンチが腹にめり込み、ビオラはよろける。 「や、やるじゃないのっ…」 「やぁっ!」 ドムッ!! 「ぐふっ…」 「はぁぁっ!」 ドゴッ!! 「うあっ…!!」 次いで右わき腹、左ももを目にもとまらぬ速さで蹴られる。 (速い…でもこの程度なら、集中すれば目で追えるわ…!) シュッ…! 「ひっ…」 ぴたっ だがビオラの予想に反し、今度はさらに超スピードの拳が放たれた。 アイリスはそれをビオラの眉間にヒットする寸前で止めたが、 あまりの速度にビオラは情けない声を漏らす。 それは精神やプライドの奥底で眠る生物としての本能。 アイリスの、年下の小娘の超速パンチに脳が恐れをなしたのだ。 (~~~~っ!!!!) 弱弱しい悲鳴の主が己であることに気づき、ビオラは悔しさと恥ずかしさから赤面する。 (待って…落ち着きなさい…速さは慣れよ、目が慣れれば必ず…) そう分析した次の瞬間、アイリスの姿が眼前から消失する。 「!?消え…」 「こっちよ」 「しまっ…」 ずぼっ!! 「ふぎゅ!?」 またまたスピードをあげたアイリスはビオラの背後に回り込み、 強烈なカンチョーを食らわせた。 ほどよく鍛えられた肉付きの良い尻をかきわけるようにして、その割れ目に女の子らしい細い指がねじこまれる。 とっさの反応で尻がキュッと締まり、脚がピンと伸びる。 「どう、ビオラ!私強くなったでしょ?」 「くっ…やってくれるわね…!!」 恥じらいから顔を真っ赤に染めながら、殺気のこもった目で 後ろに立つアイリスをにらみつける。 そうしてそのまま間髪をいれずに背後に向けてターンをしながら 怒りの乗った回し蹴りをアイリスに打ち込む。 ビュンッ! ガッ!! 「っ!」 だがその蹴りを、アイリスは拳を握った右腕1本で受け止める。 (そんな…!今までなら吹き飛ばされていたはずでしょ!?) 「やあっ!」 ドスッ!! 「っ…いぎゃああああああっ!!」 アイリスは片脚があがってガードが皆無になったビオラの女性器に、つま先蹴りを叩き込んだ。 思わぬ激痛が全身を走り、両手でそこを抑える。 「今度は後ろが留守よ、そーれ、もう1回!」 ずぼっ!! 「ひぎぃっ!!?」 そして急所蹴りに悶えて背面への配慮を忘れたビオラの背後に回って、もう1度カンチョーをねじこむ。 プライドの高いビオラの神経を逆なでする、子供らしくそれでいて容赦のない攻撃の数々。 さきほど真っ赤になった顔はさらに熱くなっていき 冷静さは早くも失われつつあった。 アイリスは実力差を見せつけて自分の戦意を折るつもりだ--- 怒りと屈辱に両肩を震わせながらも、その意図を理解する。 むしろ、その意図に反して闘志が燃え上がっていく。 「あくまで私を、倒す気はないのね…!?」 「ええ!言ったでしょう、私はあなたを止めるの!殺したくないからっ!」 「生意気な…!!」 (こんな甘ちゃんな小娘に私が負けるわけないっ…!!) 「いくら強くなったからって、全力の私は止められないわよ…!」 床を踏み込んで、パンチの予備動作をとる。 「ふんっ!はぁっ!やぁぁぁぁっ!!!やぁっ!ふっ!!」 すかっ… しゅんっ… ぶんっ… さっ… すっ… 「なっ…!!」 勢いよく放たれたビオラの打撃ラッシュを、アイリスはすべて綺麗に避ける。 パワーもスピードも一切の加減をしていないアクセルを踏み切った連打、 だがいずれも虚しく空を切るばかりで、肝心のアイリスにはかすりもしなかった。 「…そう…なら…」 ビオラはめげずにアイリスにもう一度打撃ラッシュを敢行する… と見せかけ、今度はその途中で拳を開いて攻撃手段をエネルギー波に切り替える。 (負けるくらいならっ…!!) しかしアイリスはそれすらも完璧に避けきり、 一番力のこもった最後の1発は素手で受け止めた。 有り余るほどのプライドの持ち主であるビオラにとっては、この奇襲作戦も 本来であればしたくなかった攻撃だったのだが… まるで通用しなかった。 爆発音とともに、視界の向こうで大聖堂の壁がモクモクと煙を立てて崩れ落ちる。 (避けられた…!手加減なんてしてないのにっ…!!) 動揺するビオラの腹に、アイリスは急ぎもせずゆっくりと平手をつける。 「はっ…!」 それに気づいた時にはすでに遅かった。 「ビオラ、あなたの攻撃は避けることも受けることも簡単なの…!」 バリッ…ビビビビビビビビビビッ!!! 「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 屈辱的なセリフと共にゼロ距離でのエネルギー波がおかえしとばかりに放たれ ビオラの体中に強烈な電流と激しい熱が走る。 「ぐっ…がふっ…」 口から煙を吐き、ビオラはびくびくと痙攣しながら倒れた。 「ふぅ…」 「…さ、行かなきゃ」 力の差を見せつけ、大ダメージも与えた…もう充分だろうと アイリスは一息ついて先に行こうとする。 だが、数秒で意識を取り戻したビオラは執念で立ち上がった。 艶のある髪は乱れ、ボディラインを引き立たせる黒のレオタードはすでにボロボロになっている。 それでもなおアイリスを見つめ、肩で息をしながらもその表情からは戦う意思を伺える。 「…さすがね、ビオラ」 「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」 「でもこれ以上戦えばあなたの身が危ない」 「それが…どうしたって言うの…」 「あなたが私より強ければ…!降参するとでも思ったの…!?」 「もう実力差はわかったでしょう?お願い、そこで寝てて…私行くから…」 「…させないわよ」 「私にここまで屈辱を与えておいて、タダで済むわけないでしょう!?」 激高したビオラは、魔力を限界まで高めてアイリスに向け両方の手のひらを突き出す。 「これで終わりよっ!!食らいなさいっ!!」 辺り一帯を包み込むほど巨大なエネルギー弾をアイリスに向けて発射した。 弾頭にはベノムローズの紋章が刻まれている。 「…!それは…」 紋章のほかには何の変哲もないシンプルな外見だが、 アイリスはそれがどういう技なのかを知っていた。 以前倒した別の幹部も、戦いで追い詰められ、最後の技として使用したからだ。 それは女神いわく「命を削って放つ禁断の技」 使用自体はその気さえあれば末端の戦闘員でもできるのだが、 生命エネルギーを媒介にするこの技は生半可な力のものが使えば、発射と同時に息絶える。 それゆえ部下の殉死による戦力の低下を恐れたベノが部下たちにいかなる状況下でも 使用してはならぬと命じた禁術。 だがその幹部はアイリスたちに敗れて逃げ帰るくらいならと、 命のすべてを投げうって禁術を使い、石となって砕けたのだ。 「…っ!」 「やあっ!」 ばしゅんっ… いかに禁術といえど、使用者のビオラとアイリスの間には 戦闘力に大きな差がある。 まして満身創痍の体で打つ技がアイリスに通じるはずもなかった。 アイリスは右腕のひと振りでビオラの希望ともいえる弾頭を弾き飛ばす。 「……そんな…嘘でしょ…これも…これもダメなの…?」 「嫌…嫌よ!こんな小娘に…っ!!!!」 「…うくぅっ!うっ…体が…」 最強の幹部であるビオラは、禁術を放ってもなお命を保っていたが ダメージの蓄積と技の反動で立っているのが精いっぱいの状態だった。 かすむ視界の向こうで、アイリスが悲しそうな顔をしているのがわずかに見える。 「いやな顔ね…私に勝って…嬉しくもないわけ…?」 「…ビオラっ!」 アイリスは哀しさの中に怒りの混じった声で叫ぶと、フラフラと立ち尽くす ビオラの前に駆け寄る。 そして、助けたくても助けられなかった幹部のあまりに悲惨な散り際を思い出し、 目に涙を浮かべながらその右頬をぶった。 ぱぁんっ! 「…っ!?」 「やっぱり…あなたは戦いで懲らしめるだけじゃダメなのね」 そういうとアイリスはビオラの腕をとって近くに散乱する瓦礫のなかから 手ごろな大きさのものを探した。 「…おいで!」 「ちょっと…な、なによっ!?なにする気っ!?」 近くの瓦礫に腰かけて、力いっぱいビオラを引っ張る。 吸い寄せるように強引に膝に乗せ、腹ばいになったビオラに対し 左手にひとつ、ハァッと息を吹きかけて折檻を宣告した。 「自分の命を大事にしないわるい子は…」 「お仕置きよっ!」 「ビオラ…お尻ペンペンでたっぷり反省なさいっ!」 「なっ…!?ふ、ふざけ…ないでよっ…!」 お尻ペンペン…幼稚極まりないその言葉の響きに ビオラの頬は赤く染まる。 「ふざけてないわ!悪い子は”お尻”よっ!」 そういうとアイリスは右手をビオラの腰に置き、左手を振り上げる。 「や、やめなさ…」 パシィィンッ!! 「ひぃっ…!」 バシッ! 「あうっ…!」 バシッ! 「いっ…!」 バシッ! 「ひぐっ…!」 バシッ! 「あっ…!」 一打一打、アイリスのパーの手が尻たぶに炸裂するたびに ビオラはのけ反り、声を漏らす。 まるで子供向けアニメの尻叩きのシーンのようだった。 「悪い子っ!悪い子っ!自分の命だって…粗末にしちゃだめなのよ!」 「う、うるさいわねっ!!」 ピシャンッ!! 「いった…!!」 自分のしたことを叱られながら尻を叩かれる。 ビオラは自らの幼少期…母親に同じようにされた日のことを思い出す。 尻がムズムズとかゆくなるような恥ずかしさと強烈な痛さ。 まさか大人になってまた同じことをされるとは思ってもいなかった。 すぐにでもアイリスの膝から逃れたいが、体は言うことを聞かない。 まして動けたところですぐに捕まってしまうだろう。 今となっては、ただ尻叩きを受けるしかなかった。 (こんなの…まるで子供じゃないのよっ!) (私が…ベノムローズの最強幹部の私がっ…!) 情けなさから歯をギリギリと噛みしめ、目には悔し涙が浮かぶ。 だがその間も、アイリスの平手は雨のように容赦なく尻に降り注ぎ大聖堂に渇いた音がこだまする。 バシィンッ! 「うっ…」 パァァン! 「あぁっ…!」 バシッ! 「んくっ…!」 (痛っ…早くやめなさいってば…!!) さきほどの反動を引きずって満足に体が動かせないビオラは せめて痛みから少しでも逃れようと熱を帯びた豊満な尻を右に左に振るが、 自身の官能的な様を際立たせるだけでなんの効果もなかった。 ぷるんっ… ばるるんっ… 尻を叩かれるたびに尻頬が虚しく揺れる感覚が伝わってくる。 その感覚が、ビオラの恥ずかしさをますます激しくする。 「抵抗のつもり?無駄よ、ビオラ!」 ピシャッ! 「あうっ…そんなんじゃ…ないわよっ!」 バチン! 「ひぐっ…!」 尻叩きがはじまり、もう数も忘れるほど尻を叩かれた。 罰が終わることを祈りながらひたすら耐えたが、 平手も説教も終わらない。 もしや自分の謝罪を聞くまで、アイリスは”これ”をやめないのではないか。 そんな考えがビオラの頭によぎる。 「ううっ…」 「い、嫌…やめてぇ…やめてよぉ…」 終わりの見えない尻叩きの痛みと恥辱に ビオラの精神はすり減っていき、口調もどんどん子供のように幼くなっていく。 だがアイリスの平手は依然としてやむ気配がなく、ビオラは ただひたすら年下の少女に許しを乞い続ける。 バシィッ! 「うぐ…」 パァン! 「ひぅっ…」 バシィィィン! 「あうぅっ…」 「ビオラ?お尻が下がっているわよ…しっかりあげなさいっ!」 一旦手を止め、ビオラの尻をピシャピシャと軽めに連続で叩く。 「…」 歯を食いしばりながら、無言のまま言われた通りにさがった尻を高く上げる。 (お願い…もうおしまいにしてっ…!) 今までは圧倒できていた年下の少女に戦いで敗れ 幼いころを思い出させる母親のような口調で叱られながら 延々と続くお尻ペンペンの罰… 痛み、屈辱、恥ずかしさ… アイリスの言葉を聞くうちにビオラには徐々に罪の意識が芽生え始め 身をよじりながら反省の言葉が喉を通ろうとしている。 そして…ビオラは幼いころ、母親にそうしたように、お仕置きの最中に 悪い子が言う「あの言葉」をアイリスにかけた。 「ごめんなさいっ…!」 「あっ、アイリスちゃん…ごめんなさいっ!」 「私にだけ?」 「マリンちゃんとっ…ミライちゃんと…」 「うん…それから?」 「うううっ…ぐすんっ…」 ピシャンッ! 「あうぅっ…!今まで苦しめてきた…みんなにっ…」 弱った声でアイリスの仲間たちの名前を挙げる。 次いで今までベノムローズの悪行に苦しめられてきた多くの人間たちの 顔が脳裏に浮かび、言葉を続けるほどにその声は震えていく。 「そう、あなたはたくさんの人を苦しめて、最後は大切な自分の命まで投げ捨てようとした…」 そう言うとアイリスはビオラの尻にぴたりと手を置き、静かに、膝で泣きべそをかいている”悪い子”を諭す。 「ビオラ…あなたはとても愚かなことをしたの…わかるわねっ!」 バシィッ! 「っ…!うっ…ううっ…ひぐっ…」 「うわぁぁぁぁぁぁんっ!ごめんなさぁぁぁぁい!!もう悪いことやめるからぁっ!!!お願い許してぇぇっ!!!もうお仕置きやだぁぁぁぁっ!!」 ついにビオラは心身ともにアイリスに屈した。 ベノの寵愛を受け、部下や人間たちを相手に女帝のごとく振舞っていたビオラのプライドはアイリスの愛のムチを前にダムのように崩壊し、大粒の涙を流しながらアイリスに向けて精いっぱい思いのたけを叫ぶ。 「ひぐっ…えぐっ…ごべんなざいぃっ…」 「ビオラ、やっと言えたわね…」 「じゃあ最後の仕上げいくよっ!」 「…そ…そんなっ…い、嫌っ…」 「だめっ!うんと強くぶつからね!」 うんと強く…戦闘で自分を圧倒した少女のいうその言葉は絶大。 いったいどれほどの痛みが尻を襲うのか、 すでにアイリスを格上の相手と認識しているビオラはその語感に恐れおののく。 「いやぁぁぁぁ!!やだやだやだぁぁぁっ!!許してよぉっ!!」 首をぶんぶんと横に振り、すらりと伸びたセクシーな生脚は 子供のようにバタバタとせわしなく動く。 おおげなさ動作をとったおかげで大きく実った胸も尻も虚しくぷるぷると揺れ、 汗と涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔からは妖艶なメイクもすべて綺麗に落ちきっている。 その様は悪の組織として隆盛を誇ったベノムローズの大幹部とは到底思えず…”無様”というほかなかった。 「これでおしまいよ、ビオラ…」 「今までしてきたことたっっっぷりと…」 「いやぁっ!!やめてっ!!お願いしばすぅぅぅぅぅぅ!!!」 「反省しなさいっっっ!!!!」 「もう悪い子しないからぁぁっ!!やだぁっ、ごめんなさいぃぃ!!許し…」 バッチィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!! 「っっっっあっ………」 魔法少女の全霊を込めた平手打ちが真っ赤に腫れた尻たぶに とどめの一打を振り下ろしたその瞬間… ビオラはあまりの痛みと恐怖から気を失った。 「ビオラ…」 「怖かった?ごめんね…」 「待っててね、あとはベノを倒すだけだから」 アイリスは自身の膝の上でぐったりとしたまま動かなくなったビオラを ゆっくりと抱き上げて優しく床に寝かせると 首領ベノのもとへ向かう仲間たちに追いつくべく、背を向けて駆け出した。 ----------------------------------- 「…ここは…」 目が覚めると、ビオラの目に澄み切った青空が飛び込んでくる。 「…そう…そういうことね…」 絵に描いたような美しい空と、あたり一面に広がる緑豊かな草原。 加えて仲間たちの魔力も、首領ベノの魔力も感じない。 ビオラはベノムローズが魔法少女に敗北し、壊滅したことを察した。 さきほどまで組織の本拠地があったこの草原は もとは「女神の庭」とよばれる聖地。 ベノが女神を封じ込めて邪悪な魔法の力で巨大な城を築いたため、 城も、自身がアイリスと対峙した大聖堂もベノの魔力によってその形を保っていた。 いわばベノと一心同体の城だったのだ。 それが今、本来の美麗な景観を取り戻している…彼が討たれたことの他らなぬ証拠だった。 「ベノ様…お許しください…」 大幹部たる自分は、魔法少女のリーダーであるアイリスを止めることができずに無様に敗北を喫し、子供のように泣きわめきながらあろうことか尻叩きで気を失ったのだ。 組織の一世一代の戦いにおいて何の役にも立てなかった己を恥じる。 「体が…動かない…誰かがきたらいよいよ私もおしまいね…」 先の戦闘のダメージから、いまだに体は動かせない。 首だけはかろうじて動かせることを確認しているところに… アイリスたち3人の魔法少女が駆け寄ってきた。 「あっ、いたいた!」 「っ!」 「ねえアイリス、ビオラおびえてるけど…」 「!おびえてなんかっ…」 「いえ…確かにおびえたかもね…」 「さあ…好きにしなさいよ…」 「?なにが?」 「なにがって…とどめを…刺しにきたんでしょ…」 「違うよ!ほら、あれ見て!」 アイリスが遠くを指さす。 だいぶ遠くから、白衣に身を包んだ老婆がのそのそと歩いてくるのが見える。 ビオラもうっすら見覚えのあるその人物は、幾度となくアイリスたちの戦いの傷を回復魔法で癒してきた、見かけによらず凄腕のドクターだった。 「どういうこと…?」 「まだわかんないのぉ!あなたのこと、治してあげるのっ」 「服もボロボロだしねっ」 「どうして…私はベノムローズの幹部なのよ…?あなたたちを何度も痛めつけて…」 「そうだけど…もうベノもいないし…」 「そうそう!だからビオラももう悪いことしなくて良いんだよ?アイリスは何度も言ってたの、”ビオラは心から悪い人じゃないから倒したくない”ってね!」 「…!!」 「本当に甘いのね…私が回復したらまたあなたたちを襲うかもしれないのよ…?」 「悪いことしたら…そのときはまたお尻ペンペンしてあげる!」 「ちょ、ちょっと…!!」 唐突な暴露に、ビオラは顔を真っ赤にさせてたじろぐ。 「えっ、アイリス、あなたそんなことしたの…!?」 「ぷぷっ…おしりぺんぺんって…」 「えへ、だって悪い子を反省させるにはそれが一番でしょ?私もよくママにされてるから…効き目はこのオシリで実感してるんだ!」ぱんっ! 「えぇ…!あなた14歳にもなってまだ…」 「あれ?言ってなかったっけ?」 「初耳よ…」 「ぷっ…くひひっ…」 「もう、ミライ!笑わないでよぉっ!」 「…っ…」 現役で尻を叩かれているような女の子に手も足も出ずに敗北し、 そんな小娘の平手を恐れて泣き叫んだ… さきほどの自分を思い出し、あまりの恥ずかしさにビオラは何も言葉がでなかった。 「あなたの言っていた”ビオラを改心させる秘策”がまさかそんなことだったなんてね…」 「そんなことって、ちゃんと効いてたんだよ!お仕置きするときのママってほんっとに怖いんだから!ビオラにお尻ペンペンするときもママみたいな叱り方になっちゃったの」 「アイリスのママって優しそうだけどなぁ~…怒ると怖いんだね!」 「それで、効き目はどのくらいあったの?」 「そりゃもうバッチリ、ビオラは泣きながらきちんとごめんなさ…」 「やっ…やめなさいってば…!」 それ以上言わせてなるものかと、ビオラはズキズキと痛む体に鞭打って 懸命に少女たちの話を遮る。 「2人とも、もうやめてあげなさい…けが人を興奮させちゃだめよ」 「ごめんごめん…あっ、おばあちゃんきたよ!」 「おばあちゃん、遅いよぉ~!ほら、ビオラここ!」 「あの人ね、どんなケガでも治してくれるの、だからもう大丈夫だよ、ビオラ!」 「……ありがとう…」 (このコたち…私がかなう相手じゃなかったのかもね…) ----------------- 老婆の治療はあっという間に終わった。 患部に手をかざすと青い光がビオラの傷ついた体を包み込み、 それまで全身を襲っていた痛みが嘘のように引いていったのだ。 だが、体の前半分の治療が終わり、体を裏返して治療を続けようとした老婆を、 アイリスが遮る。 「待っておばあちゃん!ここからは私たちに任せて!」 「?そうかい…まあこれだけ治してあげりゃ心配はないかのう…」 「ど、どういうことよ、あなたたちが治すって…」 「だって、おばあちゃんにお尻見せるの恥ずかしいでしょ?」 「だから”そこは”…私たちが治療してあげるね!」 「おばあちゃんはそっち向いててね~」 「そういうことかい…はいはいっと」 「え…ちょ、ちょっと…!」 「さ、うつ伏せにするわよ」 ぐるんっ 「~~~っ…///」 「うわぁ…手形びっしり…どれだけ叩いたのよ…」 「えへへへ…やってる最中はママの気分だったから…」 「ぷっ…かわいいお尻だね、ビオラ」 「や、やめなさいよっ!もう体動くから、このくらい自分で…」 「だーめ、私たちがやりたいの!」 「そうよ、あなた私たちに散々ヒドイことしてきたんだからひとつくらい言うとおりにしなさい?」 「そうだよ!何回も何回も、ヒールのかかとでグリグリ踏みつけて高笑いしたじゃないっ!あれすごく痛かったんだから!」 「”お嬢ちゃんたちは戦場なんて似合わないわよ♡さっさと魔法少女なんてやめちゃいなさい?”とか言ってたわねぇ…」 「うっ…そ、それは悪かったけど…」 「あ、でも今思えばビオラなりの心配だったんじゃない?」 「そっかぁ…やっぱりアイリスの言う通りビオラはそのときから本当に悪い人じゃなかったのね!」 「ちがっ…」 ビオラが3人の魔法少女の手玉にとられながら思い出話は続く。 レオタードの尻を包んでいた部分は戦いの中でボロボロになり Tバックにも等しい状態になっていた。 常に丸出しに近い状態の、手形まみれの真っ赤な尻を見られながら 過去の悪行について色々と言われるのは羞恥心をくすぐられ、なんともいえない気持ちになる。 ビオラは思わず尻をもじもじとさせてしまう。 「おっと…そろそろ治してあげないとね」 「私たち回復魔法は得意じゃないけど…このお尻くらいならなんとかできるから安心してね!」 「じゃあいくよ~」 … … … 少女たちはビオラの尻に手をかざすが、なにも起こらない。 「あれ、全然できない…」 「よく考えたら、得意じゃないどころかやったことなかったわね…」 「え~!どうしよう!」 アイリスたちを見かねた老婆は、白衣の懐から小さなビンを取り出す。 「しかたのない子たちじゃのぅ…この薬を塗ってあげなさい」 「はーい」 「結局お薬に頼ることになるのね…もっと練習しておけばよかったわ」 「しょうがないよ、私たちには回復より戦いの魔法の方が大事だったから…」 「じゃあみんなでこの薬手につけて…」 「じゃあ私が右のほっぺに塗ってあげるから…マリンは左のほっぺお願いね」 「ええ、わかったわ」 「じゃあミライは両方!」 (その言い方もやめなさいよぉっ…!!///) 「今度こそいくよビオラ、それっ」 ぴちょん… 「ひゃうっ…!」 冷たいしずくが赤みを帯びた尻頬に落ち、ビオラは魚のようにぴくんと跳ねる。 「冷たいけど我慢してね~」 ぬりぬり… ぬりぬり… 「あは、お尻柔らかい♪」 「揉んであげようよ、治るの早くなるかもしれないよ?それ、もにゅもにゅ~」 もにゅっ♡ もにゅっ♡ 「んっ…くぅっ…///」 「そ、それやめて、くすぐったいからっ…」 「だめ♪楽しいからもっとやらせて!」 もにゅっ♡ もにゅぅぅぅ♡ 魔法少女たちは塗り薬をまんべんなく広げた手のひらでビオラの尻を 優しく撫で、揉みしだく。 すぐにでもやめさせたかったが、アイリスひとりに手も足も出なかった以上 どうすることもできない。 少女たちの優しさが嬉しくも、されていることはくすぐったくて恥ずかしい。 ビオラはただじっとして、されるがままだった。 そんななか、ミライが質問を投げかける。 「ねえビオラ、アイリスのお仕置きって痛かった?」 「……」 「こたえてよぉ♪答えないと、こうだよ?」 こちょこちょこちょ… 「ひゃぁぁっ!わ、わかった答えるからっ!」 「い、痛かったわよ…すごく…」 「そっかぁ~!やっぱお尻ペンペンって大人にも効くんだね♪」 「っ…///」 「ミライ、あなたそれ聞いてどうするつもりよ…」 「ん~…弟がやんちゃな子だからさぁ、ミライもお姉ちゃんとしてお仕置きしてあげるべきなのかな~って」 「ビオラにも効いたんだから弟くんもきっと反省していい子になれるよ!」 (私を引き合いに出さないでよ・・・!!////) 彼女たちは優しさから治療していると分かっていても、 尻を揉む手はこそばゆく、質問攻めは恥ずかしい。 ビオラの心中はまた別のお仕置きをされているような気分だった。 その間も、塗り薬と少女たちのしなやかな平手による治療は続く。 もにゅっ…♡ むにゅむにゅ…♡ むにゅん…♡ 「んんっ…あっ…//」 「ビオラ気持ちよさそう♪」 「なんか、えっちなことされてるみたいな声ね…」 「ち、ちがうわよっ!くすぐったいだけだから…!」 「ふふ、ミライたちはお尻治してあげてるんだからね~♪」 ぬりぬり… ぬりぬり… 「そういえばさぁ、アイリスはなんでビオラが悪い人じゃないってわかったの?」 「うーん…なんとなくかなぁ」 「え、それだけ!?」 「そういう直感は意外と当たるものだけど…すごいとしか言いようがないわね」 「それでほんとに改心させちゃうんだから流石だよねぇ」 それを聞いてビオラも図らずも少女たちの会話に割って入る。 「改心なんて…!」 「してないの?」 「え、それじゃまたおしりぺんぺんだよ!ぷぷっ…ね、アイリス!…ぷくくっ」 「うっ…!し、した…したわよ…」 「あ~!ビオラのいい子宣言だぁ!」 「っ!!くぅぅっ…!!/////」 「こらミライ、からかっちゃだめよ」 「ごめん、なんか可愛いんだもんビオラ…」 「かわっ…!」 「ほらぁ!反応が可愛いじゃん?」 「はぁ…でも、今までのビオラよりずっと素敵かもね」 「……//」 「でしょ?私はビオラがこんな風になってくれるって信じてたもん!」 ビオラの尻をむにゅむにゅと揉みながら、アイリスは言葉をつづける。 「私ずっとお姉ちゃん欲しかったからさぁ…ビオラと姉妹みたいに仲良くできたらいいなぁって、思ってたんだ」 「絵にかいたような悪女だった今までのビオラを見て、そこまで思えるのがすごいわよ…」 「そう?実は女神様も言ってたの」 「なんて?」 「”ビオラからはベノのような純粋な邪気を感じません…あなたの行動次第では分かり合えることもあるかもしれませんね…”って」 (女神までそんなことを…) 「たくさん戦ったけど、これからは仲良くしてね、ビオラ!」 「…ええ…」 「あれ、素直になったぁ!」 「っ…黙ってたらまたなにかするでしょうっ!?//」 「バレた!」 「2人の連携でビオラがどんどん素直になっていくわね…」 「よし、そろそろ良いんじゃない?」 「どう、おばあちゃん?」 「うむ…もう充分じゃろう!」 「うんっ、良かったねビオラ!」 (結局見られてるじゃないのよっ…!!) 「じゃあご褒美あげる!」 「えっ…?」 ミライは耳を真っ赤にして顔を伏せるビオラの頭を太ももに乗せると ぎゅっと抱きしめてその頭を優しく撫でる。 「じっとしてたね、偉い偉い!ビオラいい子いい子~♡」 「やめっ…///」 「あ、それ私もやる!はい、いい子いい子♡」 「うふふっ…じゃあ私も…よく頑張ったわね、いい子よ、ビオラ♡」 「~~~~~~~~~っ///////」 ミライが頭を撫で、それを見たアイリスとマリンは尻を撫でる。 その感触はやはりこそばゆく、恥ずかしさから全身がむずがゆくなったが 力の差がありすぎてやめさせることもできない、 ビオラのその様はまるで奔放な3人の妹に翻弄される姉のようだった。 甘ったるいご褒美の時間は、そのあともしばらく続いた。 ----------------------------- その後すっかり心を入れ替えたビオラはアイリスたちの住む街に スイーツカフェを開業した。 名物はいちごのパンケーキ、アイリスの好物と伝え聞いたビオラ直々のチョイスだった。 そしてカフェの人気を支えるもうひとつの名物… 三角巾にエプロン姿のキレイなお姉さん、 かつてビオラと名乗っていた女はたちまち街の話題となり、 甘くて美味しいスイーツを味わうため、あるいは店主の美貌を研究するべく 店は日夜を問わず年頃の乙女たちで賑わい…そのなかには武装を解いた 私服姿の魔法少女たちも見えたという。 「儲かってるねぇ~ビ・オ・ラ♪」ヒソヒソ… 「ふふっ…こら、その呼び方はやめてって言ったでしょう?アイリスちゃん♪」 「あぁっ!ちょっと…その呼び方もやめてってば!」 店には今日も笑い声が響く。

女幹部、魔法少女に完敗【完全版】

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