(やった……!!はじめて先輩に勝った…!!) ―――――――――― 国内屈指の人気を誇る女子プロレスのリング メインイベントは星名みきvsアンナの先輩後輩対決 新弟子時代からリング外ではいびられ、リング内では歯が立たずに投げられ極められ……。 みきにとってそんなアンナは高い壁、ファンをはじめ周囲にすら手の届かない相手と思われていたが… 新人の通過儀礼である海外への武者修行で覚醒。 現地のチャンピオンとも互角に戦えるだけの実力を身につけたみきは華々しく日本へ帰国し 凱旋試合の相手にアンナを逆指名 「海外修行なんて新人なら誰でもすることでしょ?ちょっと強くなったからって調子に乗らないでよ」 時期尚早――アンナが会見の場で言い放ったコメントはファンの総意でもあった 下馬評はアンナの圧倒的優勢。 しかしいざ試合が始まると ファン、実況アナウンサー、裏方スタッフ、控え室で見守る選手たち、そしてアンナ… その場にいる誰もがみきの成長ぶりに驚いた。 パワーもスピードも新人時代とはまるで別人。 1発のエルボーでアンナの足元がフラつく。 それからはラリアットにブレーンバスター、さらに関節技の腕ひしぎ十字固めであれよあれよと追い詰められていった。 (なっ…なによこのくらいっ…!!) 脳裏に敗北の2文字がチラつき焦燥と不安に駆られるも 先輩としての意地で食らいつき、得意の蹴り技や投げ技で何度か反撃を加える。 現役トップ層に位置するアンナの攻めで、みきにもそれなりのダメージは入る、が…すでに勝敗は見えていた。 みきのローキックが脚にクリーンヒットし、体勢が崩れたアンナはみきの前で膝まづく形に。 すかさずみきはアンナの背後に回り、無防備な尻にカンチョーをねじ込む。 尻を抑えながら飛び上がって、へたりと倒れふすアンナ。 そして……これまでの仕返しと言わんばかりに、なんとみきは脚を絡めて拘束するとアンナに屈辱のお尻ペンペン攻撃を見舞う。 何度も、何度も、何度も、会場にアンナの艶やかな悲鳴と渇いた音が響き渡る。 もはや抵抗する力も残っていない彼女は、楽しげに自分の尻を引っぱたく後輩を涙目で睨みつけることしかできない。 そして、その時はきた。 最後にはトドメに、みきの渾身のジャーマンスープレックス。 ピクピクと痙攣し完全に戦えなくなったアンナにみきが覆いかぶさり、レフェリーの3カウントが入る。 「勝者、星名みきーーーっ!!」 試合終了を告げるゴングと、興奮気味にシャウトする実況の声とが一斉に聞こえると、続けざまに観客も大歓声をあげ…… トラウマともいえる相手を打ち倒した喜びを爆発させたみきは 気絶したアンナを肩に担ぎ、無様に腫れ上がった尻をトロフィーのように高く掲げた。 翌日―― スポーツ紙の一面はその写真が飾り、後輩・星名みきと先輩・アンナの力関係が逆転したという衝撃的な事実は多くのファンの知るところとなった。