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(R-18)冬優子も千雪と同じくらいプロデューサーのことが好きなのに

(R-18)冬優子も千雪と同じくらいプロデューサーのことが好きなのに


◆内容

冬優子は珍しく朝早くから事務所に。すると、今日はプロデューサーと千雪も朝早いご様子で、冬優子はあることに気付いてしまって....?(全文:約4900文字+約1000文字)

※黛冬優子、桑山千雪、プロデューサー

ーーーーー


─時刻は21時30分頃。


冬優子『あとは除光液に......コットンに.........シャンプーの詰め替え.....っと』

(.....スッ.....スッ.....スッ)

冬優子は自室のベッドに寝転がってクッションを抱きしめながら、スマホを操作して買い物リストを作っていた

明日の日中は事務所で用事があり、それが終わったら忘れずに買い物をしてから帰宅予定

最近、学校関連は上手いこと回っているし、アイドルとの両立に慣れたもので立て込むことが減って来た


冬優子『ん~~っ!』

(....ドサッ....)

冬優子はスマホを持ち、クッションを掴んだまま手足を伸ばし、ベッドの上で体を伸ばし始めた

まだ、この時間からなら溜め込んでいた〇児向けアニメを観てもいいのだが、せっかく早く眠れるのだから、早寝もいいかと思っている

何も、お金をかけることだけが美容ではないし、寝るだけで美肌効果が期待できるならこんなに楽なことは他にない

冬優子『寝よっと♡』


「冬優子ちゃん、寝てばかりじゃ太るっすよ?」


不意に、あさひの声が聞こえたような気がした

が、それは冬優子の脳内にいるあさひが、そう言いそうな気がしただけだ

冬優子『うっさいわねー?いいのよ今日は、余計なこと言ってないで、あんたも寝なさい?』

(......パサッ.....ギッ.....ギッ....)

冬優子は枕の横にスマホとクッションを置き、掛け布団を捲ると器用に転がりならベッドの中に収まっていった

こうして、冬優子は早めの就寝となった


明日は何もかも、いつもと変わり映えの無い1日になる予定─だった。


P「お疲れ様でーす」

(.......カチャッ)

朝早く、事務所にプロデューサーがやってきた

始業時間というやつがあるせいで、朝早く来るのはいつものことだ


冬優子『あーい、おつかれー』

しかし昨晩、早寝をした冬優子はもっと早かった

早朝、事務所に来るのがプロデューサーだけと分かっているのか、ソファーの上で寝転がりながら挨拶してくれた

P「わっ!?冬優子じゃないか!?こんなに朝早くからどうしたんだ??」

冬優子『どうしたもこうしたも無いわよ。ただ、早く来ただけなのよ』


P「やあ、居るのがはづきさんかと思ったら、冬優子だったから驚いたよ」

冬優子『何言ってんのよ。今日、はづきさんが来ない日って言ったのあんたでしょ?』

P「あっ...そうだった」

てっきり、事務所が開いていたからはづきが来ていると思ったプロデューサー

前日、プロデューサーは自分で"はづきは休み"と連絡していたことをすっかり忘れていた


P「ま、それはそれとして、俺は仕事の準備でも始めるか~」

冬優子『ええ、あんたは真面目に働いてる姿"だけ"はかっこいいから、せいぜい頑張りなさいよねー』

P「んだよそれ?俺はいつだってかっこいいんだぞ?」


冬優子『あんた、ちょっとは鏡でも見た方がいいんじゃないかしら』

P「鏡...?そんなの見てもかっこいい俺が映るだけに決まってるだろ?」

冬優子『さあ、どうかしらねー?』

一見、仲が悪そうに聞こえる言葉があったりなかったり

2人は冗談でそんなことが言えるほど、仲が良かったりする


P「冬優子にも、俺のかっこよさに気付く日がいつか来るって」

P「俺も芸能界にスカウトされるかもしれないし、今のうちにサインが欲しいなら特別に書いてやってもいいんだぞ?」

プロデューサーは冗談を言いながら、ソファーの上で寝転がっている冬優子の目の前までやってきた

そしてテーブルの上から、飲み終えて空になった冬優子のコップを取ると流しに持って行こうとしていた

(.....コトッ.....)

冬優子『そんな暇があるなら先に、ふゆ達をどうにかしなさいってのよ』


プロデューサーは冬優子に背中を向け、流しの方へと歩いて行った

冬優子のコップを片手に、まるで、"俺に任せておけ"と言うように手を振って、何も言わなかった

冬優子『...............』

冬優子は今のやりとりとは全く別の理由で、プロデューサーを目で追っていた

プロデューサーは優しいと思う以外、他に何も感じないように思えるが、プロデューサーの去り際に冬優子はあることに気付いてしまった


冬優子『......あら、あんたにしては、たっかいわね?』

冬優子は、誰にも聞こえないような声で、"プロデューサーにしては高い"と、そう言った

戻って来たプロデューサーは自分のデスクに向かっている

これからパソコンに電源を入れ、溜まっているメールをチェックしたりするのだろう


(......カチャッ.....)

千雪『おはようございまーす?』

冬優子『あっ、おはようごさいまーす♡』

プロデューサーが来てから5分、10分ほど経っただろうか?次は千雪がやってきた

冬優子は、さっきのプロデューサーへの挨拶は何だったんだ?と思うくらい別人のように挨拶をした

しかもいつの間にか、冬優子はソファーにスッとした姿勢で座っているし、さっきまでダラけた姿をしていたとは誰も思わないことだろう


千雪『えーっと、冬優ちゃんのお隣、座ってもいいかしら?』

冬優子『はいっ♪もちろん構いませんっ♡座ってください♡』

千雪『じゃあ、失礼して.....よいしょっと♪』

千雪が隣に座りたいと言うと、冬優子は千雪が座るスペース以上にソファーを空け、千雪を座らせた

何も冬優子の隣を選んで座らなくとも、いくらでも座る場所があったのに、これが仲の良さというものだろうか


冬優子『.......あれっ』

そして、隣りに千雪が座った瞬間、冬優子は─。


千雪『.....え?どうかした?』

冬優子『う、ううん!?何でもありませんっ♪』

千雪『そう?それならいいんだけど』

冬優子が何か言いたそうだったので、千雪は首をかしげながら質問した

だが、冬優子は"気のせいだった"とか"大したことじゃない"と言いたそうに、手と首を振った


P「来たばかりのところ悪い。千雪、ちょっとこっちに来てくれないか?」

千雪『あっ、はーい♪』

(.....ギッ....)

プロデューサーに呼ばれた千雪は、反射的とも言える速さでソファーから立ち上がった

千雪『せっかく空けてもらったのに、ごめんね?』

冬優子『いいんですっ♪気にしないでください♡』

千雪は、冬優子に謝るとすぐさまプロデューサーが待つデスクへと向かった


冬優子『.........ふーん?やっぱり、そうなんだ?』

冬優子『やっすい香りね?』

冬優子はまた、誰にも聞こえないほどの声でそう声を漏らしていた

それからというもの今日一日、冬優子は機嫌が悪かった

珍しく、何をやるのも雑だったし、特にプロデューサーには態度が悪かった


P「なあ冬優子?今日は何があったんだよ?」

P「朝はいつもと同じだっただろ?俺よりも早く来てたこと以外は」

夕方、いつまでも機嫌が治らない冬優子に痺れを切らしたプロデューサーは、とうとう、冬優子に直接聞いてみることにした

冬優子『さあね?今日に限らず、ふゆは元からこんなじゃなかったかしら』

P「いや.....」


即答したが、やっぱりいつもの冬優子じゃない

もっと冬優子は冬優子らしいと言うか、今日が冬優子らしくないと言うか

でも、"機嫌が悪い時の冬優子"で間違いなかった


冬優子『ま、あんたにしては高いモノを使ったわね?って思っただけのことよ』

P「高いモノを....使った?なんだよそれ。俺が何を使ったんだ?」

冬優子『いーのよ別に、あんたが知らなくったって』

冬優子『それより今日はもう帰るわね?買い物あるし』

P「えー?ちょっとくらいいいだろ?何が高いのか教えてくれって」


冬優子『さあねー?おつかれさまー』

P「あっ!?ちょっと待てって冬優子!?」

機嫌悪そうに、プイッとした冬優子は手を振ってバイバイと言う仕草を見せながら事務所を出て行った

プロデューサーは何が何だか分からないまま、帰っていく冬優子を見送った

話をしたことでようやく、冬優子の機嫌が少しくらい良くなった─ような気がした


(......コトッ)

棚から詰め替え用シャンプーを手に取った冬優子

帰り道、忘れずにドラッグストアに寄って買い物をしていた

冬優子『これこれっと』

冬優子『....................』

目的のシャンプーを手に取った冬優子は、いつものシャンプーをじっと見つめたまま動かなくなった


(......コトッ)

と思ったら、詰め替え用シャンプーを数秒ほど見つめた後、冬優子はそれを棚に戻していた

冬優子『....................』

シャンプーコーナーに寄ったのは当然、必要だったから

それなのになぜ、買うモノを見つけたのに棚に戻してしまったのだろうか?


冬優子『....................』

冬優子はこのまま、買わずに帰ろうとしているわけではなかった

今の場所から数歩ほど、棚を眺めながら横に歩いていた

そして足を止めると、冬優子はまたシャンプー棚に手を伸ばしていた

今度は、詰め替え用ではなくボトルを手に取って

(......ゴトッ.....カタンッ)


冬優子『はぁ、やっすいわねぇ...?』

冬優子が手に取ったのは、"お徳用シャンプー"と書かれてあり、通常量の2倍ほど入っているシャンプー

それなのに価格は他のシャンプーと変わらずで、それを睨みつけるように表裏を確認しながら、"安い"と文句を言った

なのに、冬優子はそのシャンプーを買い物かごに入れていた

(.......ガタッ!)

そしてそのまま冬優子は買う予定だったシャンプーは買わず、レジへと向かうのであった


(.......ピッ.......)

「990円がおひとつ」

冬優子『..............』

冬優子はレジを通るシャンプーを見つめ、改めてこれが990円であることを確認する

結局、いつもと違うシャンプーを購入し、自分で買っておきながら不満ありげな顔を見せた


(.......バサッ.....)

帰宅した冬優子は、ベッドにシャンプーが入ったビニール袋を投げ、自分もベッドに倒れ込んでいた

冬優子『はぁ.....何やってんだか.....』

冬優子は両手で顔を覆い、今日の自分の行動は決して、満足いくものではなかったと反省した

何をどうしていたら、冬優子はもっと上手く立ち振る舞うことができただろうか

その答えが分かっていて、やらなかった自分を咎めるべきか、それとも褒めるべきか


(.....ドサッ.....ガサガサッ...)

冬優子『は~、今日は疲れた~っ!』

冬優子はベッドの上で回転するように転がり、レジ袋の中から買ってきたシャンプーを取り出した

一般的なモノと比べて2倍量もあるお徳用シャンプーは重く、両手でシャンプーボトルを掴み、天井に掲げるように持って見つめた

それから、鼻に近づけて匂いを嗅いだ


冬優子『.....やっすい香りね?』

(.......ドサッ....)

改めて冬優子に、安っぽい容器に安っぽい香りを確認されたお徳用シャンプーはベッドに投げられた

決して、990円が安いと言うわけではないのだが、状況が状況だけに、そう言わずにはいられなかった

これは、美容代に何万もかけているから─、と言う話でもなかった


冬優子『あ~、もうっ!何なのよこれーっ!?』

あれだけ文句を言っておきながら、お風呂に入った冬優子はお徳用シャンプーを使っていた

やはり、いつものシャンプーを買えばよかったと思ったし、冬優子の髪はサラサラだったのにとてもよく絡まった


P「なんか....今日の冬優子ってゴワゴワしてないか...?」

P「急にどうしたんだそれ?笑いを取りに来たにしては、体を張り過ぎ...じゃないか?」

ところどころ、爆発した寝ぐせのような髪形になっている冬優子を見たプロデューサー

笑えないくらい可哀想だったのでどうしたものか?とも思ったが、普段通りに接することにした


冬優子『ふんっ!知らないってば!』

P「ははっ、いつもの冬優子も可愛いけど、今日の冬優子もなんだかんだで可愛いよな」

プロデューサーは照れているのか、恥ずかしそうに頭を掻きながらそういった

冬優子『....ッ♡"ば"、馬鹿っ!♡"』

冬優子は顔を真っ赤にして、プイッと横を向きながら嬉しそうだった


ーENDー


それではここから、補足や解説を、上から順番に行っていきます

最初に冬優子さんが買い物リストを作っているシーンも、最終的には意味があります。今は何かあると思っていてください

少し読み進めていくと、プロデューサーが冬優子さんのコップを片付けてくれるシーンがあり、これが重要なシーンの1つになります


プロデューサーは冬優子さんの近くまでコップを取りに来ました

そこで冬優子さんは、目の前まで来たプロデューサーの匂いを嗅いでいました

その香りは、プロデューサーから今まで1度も嗅いだことのないシャンプーの香りだったのです

いつも、プロデューサーが使っているシャンプーの香りとは違ったのです

しかし、香りが違うと思いましたが、この時点ではただそれだけでした


そのあと千雪さんが来て、冬優子さんの隣に座ります

すると千雪さんもまた、いつもと違うシャンプーの香りでした

そして、千雪さんとプロデューサーは今日、全く同じ香りだと冬優子さんは気付きます

朝早く事務所に来たプロデューサーと、"わざと少し時間をズラしてやってきた"ように見える千雪さん

2人が朝帰りだと冬優子さんは見抜きます

何しろ、2人は同じシャンプーを使っているのですから間違いありません


ラブホテルのお風呂場に置いてあったシャンプー

いつもの千雪さんはもっと高価なシャンプーを使い、いつものプロデューサーはもっと安いシャンプーを使っている

だから冬優子さんはプロデューサーに、「あんたにしては高いシャンプーを使ってるわね?」と言いました

千雪さんに対しては、「安いシャンプーに変えたのね?」と言いました

千雪さんがわざわざ美容関連の質を落とす理由もなく、そんな日にプロデューサーと同じ匂いなのだから....ともなります。


諸々の話が確信に変わると、冬優子さんは2人の関係を知って悔しい気持ちに

今からでもプロデューサーに近づきたい冬優子さんは、今だからこそプロデューサーに近づきたい冬優子さんは、買う予定ではなかったシャンプーを手に取ります

選び直して買ったシャンプーこそ、千雪さんとプロデューサーがラブホテルで使ったモノと同じだから

冬優子さんも、プロデューサーとラブホテルに行った気持ちになりたくて、プロデューサーと同じ匂いになりたくて、冬優子さんもまた安物を選びます


そのおかげで冬優子さんの髪はバサバサになってしまいましたが、可愛いと言われたことで、冬優子さんの心は何かと救われたといった感じです

千雪さんとプロデューサーの関係はさておき

これはこれ、あれはあれみたいに割り切る感じになりまして、大きな争いは無く終わります


~~~

たまにはと思って軽めのストーリーになりました。この先の投稿はまた、いつもの感じ(?)になる予定です。


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