女子リーグのチャンピオンにミサさんが挑むお話になります。
フィジカル・テクニック共に圧倒的な実力を誇るレイに対してミサに勝ち目はあるのか!?
挿絵は立ち絵や差分など含む全5枚、内2枚はFANBOX用の新規描き下ろしです!!
またSSは約11200文字となります。(pixiv基準で読了まで約22分です)
■Content of the match
This will be a story about Misa's challenge to the champion of the women's league.
Does Misa have a chance against Rei, who boasts overwhelming physical and technical prowess?
There are a total of 5 illustrations including standing pictures and differences, two of which is newly drawn for this plan!
★最後にアンケートがあります。プラン内容の方針を決める要素になりますので、よければ皆さんのご意見を教えていただけると幸いです。
There is a survey at the end. This will be a factor in deciding the content, so if you would like to give us your opinion, please do so. (Japanese)
★For non-Japanese users★
Please take a moment to translate and read this short story on sites such as https://www.deepl.com/translator m(_ _)m
▼ミサ登場のプロレスゲームはPC/Android版両方あります!
▼The wrestling game featuring Misa is available for both PC and Android! (Includes scenario text for the translation purpose)
PC版:https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ241463.html
Android版:https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ246156.html
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Return of the Queen - Misa VS Rei
週末、都内某所にある地下リング。
非合法の格闘技団体であるUBCの特設会場では、今宵も一級品の美女たちによる熱い闘いが繰り広げられていた。
「さぁお待たせしました!! それでは只今より、UBC女子ボクシングのタイトルマッチを執り行いたいと思います!!」
「まずは青コーナー、UBC女子ボクシングリーグ現在3位。
カウンタークイーンことミサ選手~~~!!!」
銀髪に紅い瞳を浮かべたボクサーへスポットライトが当てられる。
ミサと呼ばれたその女は、いつも以上に闘志を滾らせながらコーナーへと身体を預けていた。
”カウンタークイーン”の二つ名で呼ばれている彼女であるが、ランキング的に女王と呼ばれる立場にはない。
本物の女王は諸事情でUBCのリングから離れていたのだが、本日その女が再び舞い戻ってきていた。
「続きまして赤コーナー…………久しぶりにこの女が帰ってきました!!
UBC女子ボクシング現チャンピオン、”女王”ことレイ選手~~~~~!!!」
全てを見透かす様な冷徹な瞳に、恐ろしく整った顔立ち。
そして鍛えられつつも女としての魅力に溢れた肉体は、強さだけでなく、そのルックスにおいても観客を虜にしていた。
半年ぶりの女王の闘いが待ちきれないと、会場が今まで以上の熱気に包まれていく。
「デビューから無敗の絶対王者であるレイ選手の牙城を崩し、本物の女王になる事が出来るのか!? それとも女王の力を前になすすべなく屈服させられてしまうのか!!? タイトルマッチ、まもなくゴングです!!」
ミサが女王に挑むのは今回が二度目となる。
前回は王者の力に蹂躙され3Rで失神KO負けという完膚なきまでの惨敗を喫してしまったのだが、ミサの瞳に不安の色は見られない。
「久しぶりねレイちゃん。 海外はどうだった?」
ミサは仲のいい同僚と話す時の様な感じで、王者へと気軽に声をかけていく。
無様な敗北を喫した相手ではあるが、ミサは試合が終わればノーサイドの精神で誰とでも気軽にコミュニケーションを取っていく性格であるため、レイともそれなりに親交を深めていた。
「えぇ、お陰様で。 色々と勉強させて貰いました」
王者ではあるがまだ大学生であるレイは、年上のミサに対して敬語で言葉を返していく。
「それは何よりね。
……それじゃ復帰早々悪いけど、今日は勝たせて貰うわよ」
気さくな雰囲気は鳴りを潜め、ミサは獰猛な笑みを浮かべていく。
「へぇ……随分な自信ですね。
前回あんなに無様な姿を晒したの、もう忘れちゃったんですか?」
復帰戦だというのにも関わらず、レイは特に緊張する素振りもない。
半年ほど海外留学していたために日本では久しぶりの試合となるのだが、向こうの地下格闘技団体で度々試合を重ねていたのでブランクも一切ない事が彼女にいつも通りの冷静さを与えていた。
「忘れてないわよ。 でも大丈夫、今度はそうならない様に鍛えて来たから」
それに、と付け加えた後にミサは一呼吸おいてから、
「チャンピオンのファイトマネーは魅力的だし、やる気も出るってものよね♪」
王者に向かってとても気持ちの良い笑顔を向けていった。
「ふふっ、相変わらずですね……
私、ミサさんのそういう所結構好きですよ」
冷たい表情を和らげ優しげな瞳を浮かべるレイ。
試合中では絶対拝めない彼女の顔にミサは一瞬だけ意外そうな表情を見せた。
「へぇ……ありがと、それじゃそろそろ始めましょうか」
「えぇ、いい試合にしましょう」
そして、女王の復帰戦の始まりを告げる鐘がリングに鳴り響いていった。
カーン!!!
「さぁ待ちに待ったタイトルマッチの幕開けです!!
果たして我らが女王の強さは未だ健在なのか!?」
(さて……どうしたものかしらね)
フィジカル・テクニック共に一級品であり、アリサやエリカとは異なりおよそ弱点と呼べるものが存在しないレイ。
名実共に女子リーグで一番の実力者であるこの女をどうやって攻略しようかと、ミサが頭を悩ませている中、レイが甲高い音を立てながらマットを踏み込み、一気に間合いまで詰め寄ってきた。
(疾っ!! ……でも)
余りの速度に驚きの表情を浮かべるミサだが、彼女も伊達に上位ランカーの座についている訳ではない為、眼前へと迫る女に対して冷静に迎撃の拳を打ち込んでいく。
「そこっ!!」
相手の突進を止める事のみを目的に放たれたコンパクトな振りのジャブ。
だがレイは冷静にその拳を正確に見切り、顔を少し横に反らして皮一枚の所で回避していく。
そしてお返しとばかりに、左の3連打を挑戦者の顔面へと打ち込んでいった。
「あう、ぶっ、んぁっっ!!!」
「ファーストヒットはレイ選手~~~~!!
ジャブの嵐がミサ選手の顔面を弾き飛ばしていく~~~!!!」
「ぅっ……あっ…………」
(これっ……どう考えてもジャブの威力じゃないでしょ)
瞬時に三発打ち込まれた拳のスピードもさることながら、何よりもその疾い拳へ込められた威力にミサは動揺を隠せない。
「まだまだいきますよ」
ジャブで態勢を崩されてしまったミサに対して、王者は表情一つ変えず容赦ない追撃を仕掛けていく。
「ぶひゅぅっ、っぷぅっ、んぁぁっ!!!」
「またしてもチャンピオンの高速ジャブが炸裂~~~~!!
ミサ選手、完全に主導権を握られてしまったかぁ!!?」
「んぷぅっっ、ぶひゅっ、つぅぅ…………」
漆黒の弾丸が整った顔を弾く度、リングには女の色気を伴った嬌声が響き渡り、紅いコスチュームに包まれた乳肉はその存在を激しく主張する。
(レイちゃんのパンチ、疾すぎるっ……反撃する隙させ見いだせないなんて)
なんの工夫も捻りもない、基本に忠実なただのジャブだけでミサは圧倒されており、リング中央で蜂の巣にされてしまっていた。
「ほらほらミサさん、反撃しないと試合にならないですよ」
たわわに実った胸の果実を揺らしながら、挑戦者を煽っていくチャンピオン。
その顔には未だ汗一つ浮かんでおらず、既に体中に玉の様な汗が浮かび上がって来ているミサとは対称的な姿となっている。
「くっ、言ってくれるわね……って、かひゅっ…………」
「あ~~~~っと、ミサ選手の顎にジャブがヒット!!
当たり所が悪かったのか、完全に動きをとめてしまったぁ!!!」
「ぅ……んぁ…………」
虚ろな瞳を浮かべた挑戦者はダラリと両腕を下げ、フラフラと千鳥足でリング中央を彷徨ってしまっている。
「いい顔ねミサさん……そろそろ”こっち”も欲しくなって来たんじゃない?」
この試合、一度も振るわれていなかった右拳を握りしめながらそう語りかけるチャンピオン。
そしてミサの意識が戻るのを待つことなく、王者の右が無防備な顔面を打ち抜いていった。
「ぶぇぁっっ…………」
強烈な一撃を受けたミサは情けない声を発しながら吹き飛ばされていき、そのままロープ際でダウンを喫してしまう。
「チャレンジャー、チャンピオンの一撃を前にダウ~~~~ン!!!
レイ選手、久しぶりの試合ですがその強さには微塵の陰りも見られません!!
我々の女王が帰って来ました!!!」
圧倒的な強さを誇る女王の帰還に、会場が大きな盛り上がりを見せるも、当の本人は相変わらず冷たい表情のまま、ニュートラルコーナーに身体を預けていた。
「んがっ……ぁ……ぶひゅっ…………」
未だ余裕の王者に対して、その白い肌を細かく震わせながら大の字でダウンを喫してしまっている挑戦者。
ランキング上は1位と3位ではあるものの、数字以上の圧倒的な力の差がそこには存在していた。
(レイちゃん……前闘った時よりも更に強くなってる……これは厳しい試合になりそうね)
派手に吹き飛ばされたにも関わらずミサの意識はまだはっきりとしており、冷静な思考が出来る程度には余裕がある。
(やっぱり……いつもの様にカウンターを決めるしかなさそうね)
”カウンタークイーン”の二つ名の通り、自身が最も得意とするカウンターに全てを託す覚悟を固めたミサは、カウント一杯まで身体を休めてから立ち上がっていった。
「ボックス!!」
「結構良いの入っちゃったけど……ミサさん、貴女まだやれるの?」
感情の見えない表情で、王者は挑戦者に問いかけていく。
「大人を舐めてもらっちゃ困るわね。 こう見えてもタフさには少しばかり自信があるのよ」
ファイトマネーの高さから男性相手の試合も好んで行うミサは、女子リーグでも有数の耐久力を誇っている。
「そう、なら良かった……それじゃ遠慮なくっ!!」
まだ十分闘う気力が残されている対戦相手を見て薄く笑みを浮かべた後、レイは猛スピードで対角線上にいるミサへと駆け出していった。
「お~っと、チャンピオン再びの突撃~~~~!!
チャレンジャーを休ませる気などないという事でしょうか!!」
瞬く間に間合いへと入り込んだ王者は、踏み込んだ勢いのまま大振りな右ストレートを放つ構えを見せていった。
(来たっ、絶好のチャンス!!)
これまでのコンパクトなジャブとは違い、付け入る隙があると判断したミサは即座にカウンターの態勢に入り、全力で拳を打ち込んでいく。
「そこっ!!!」
--------だがミサが拳を振りかざした次の瞬間、レイの動きは急停止し、突き出した拳を引っ込めていった。
(しまった、誘われた!!)
整った顔に薄く笑みを浮かべている王者を見て、自身が嵌められた事に気づいた挑戦者。
(……でも今更引っ込められない、このまま打ち抜く!!!)
「やぁぁぁぁぁぁ!!!」
だが既に後戻り出来ない所まで来てしまっていたミサは、そのまま全力で拳を振り抜く事を選択していった。
その一方、一度は拳を引っ込めた王者もクロスカウンター狙いで再びその漆黒のグローブを振るっていく。
カウンタークイーンと女王、両者の誇りをかけたカウンター対決は--------お互いの拳がそれぞれの顔面を貫く結果となっていった。
「ぶひゅっ……」
「がびゅぅぅぅぅっっっ!!!!」
「ここに来て綺麗な相打ち~~~~~!!!
カウンター合戦は痛み分けか……いや、これは!!?」
形の上では一発ずつの相打ちではあるものの、それで互いが負ったダメージは互角ではない。
筋力や握力を初めとした打撃力では完全にレイに軍配が上がっており、それ故、拳を受けても微動だにしないチャンピオンに対して、チャレンジャーは身体ごと派手に吹き飛ばされてしまっていた。
「ミサさん……貴女カウンターは上手だけど、それに頼りすぎてるから狙いがバレバレなのよね」
相打ちとはいえミサ渾身のカウンターをその身で受けたにも関わらず、平然とした表情を保ったままのレイ。
「んがっ……ぅ……んぁぁぁ…………」
ダウンこそ避けられたもののミサは完全にグロッキー状態になってしまっており、女王に対して無防備な姿を晒してしまっている。
「がひゅっっっ…………」
当然そんな絶好のチャンスを逃す程レイは甘くない為、ガラ空きの顎にアッパーカットが突き刺さっていった。
「無慈悲なアッパーが炸裂してしまったぁ~~~~~!!
チャレンジャー、またしてもダウンしてしまうのか~~~!!?」
対戦相手の拳の勢いで垂直に浮かんでしまった肉体は完全に脱力しきっており、そのまま重力に従って自由落下していく。
誰もが挑戦者のダウンを疑わない状況。
だが、ミサ本人だけは辛うじて残された意識でその未来を拒んでいった。
「ぁ、ぅ…………まだ……やれる…………」
身体が崩れ落ちる寸前、両腕で目の前の女の身体に抱きつき、辛うじてリングの上に立ち続ける事に成功していく。
「あ~~~っとチャレンジャーここでクリンチ!!
何とか連続ダウンを防ぎました!!」
「はぁ……はぁ…………」
立ってこそいるものの身体は先程のアッパーで効かされてしまっており、揺れる視界の中ミサは足をガクガクと震わせていた。
(頼みのカウンターも通用しなかったし、このままじゃマズい…………何とかして流れを変えないと)
圧倒的劣勢の最中、ミサが選択したのは--------相手の唇に自身のそれを重ねていく事だった。
「チャレンジャー、ここでチャンピオンの唇を奪っていく~~~~!!
いつものアレをやるつもりなのか!!?」
「ちゅぱっ……ちゅぷっ……んんぅっ…………」
見目麗しい二人の女による公開接吻は、観客たちの情欲を刺激していき会場は大いに盛り上がりを見せていく。
”いつものアレ”と言われる様に、クリンチ中に口づけを行うのはミサが度々使う作戦であり、相手の身体から力が抜けた所でボディブローを連打する所までがお決まりの流れになっていた。
「うぅんっ……んぅっ……じゅるっ…………じゅるるっ………………」
媚薬なしの試合であっても自身の美貌によって、特に男性相手には必殺の戦法となっている。
「じゅっ……ちゅぷっ……じゅるっ…………んぅっ………………」
もちろん女相手にも効果があるのは実証済みであり、女子リーグの試合でもミサは幾度となくこの技を使って窮地を脱してきたのだった。
(この子、ボクシングは鬼の様に強いけどこういった事は慣れてなさそうだし、このまま……)
彼女に一つだけ誤算があるとすれば、無敗の女王に不得意な分野があると考えてしまった事だろう。
「ちゅっ……じゅる…………ん、んんんぅぅぅぅ!!?」
今までミサにされるがままだったレイだが、お返しとばかりにミサの口内を舌で責め立てていく。
「んっ、ちゅぷっ……じゅるっ……じゅるるる」
(やばっ、この女キスも上手いっ!! このままじゃ……堕とされっ……)
身体は急激に熱を帯び、頬は紅色に染まっていく。
汗や時折漏れる嬌声と相まって、ミサの肉体はリングの上にあるまじき淫靡な雰囲気を醸し出していた。
「じゅっ……んっ……はぁっ…………じゅる……んんぅっっ!!」
レイの舌が良い所を刺激する度にミサの身体がぴくっと跳ね、色気のある吐息が零れ落ちる。
「じゅる……じゅぷっ…………ちゅぱっ……じゅっ…………っぷはぁっ…………」
長きに渡る口づけが終わりを告げた時、瞳に色欲を浮かべ蕩けそうな雌の顔をしていたのは、仕掛けた側であるはずの挑戦者だった。
「ふふっ……ミサさん、これ好きだよね。
もちろん、この後どうなるか分かるでしょ?」
レイは頬を紅潮させ瞳を潤ませているが、瞳の奥底には隠しきれない嗜虐心が浮かんでいる。
「ぁ、ぅ……ふぁ…………?」
王者の舌技で堕とされてしまった挑戦者には、残念ながらこの後に行われる無慈悲な展開を予想する事が出来ない。
それ故、完全に力の抜けた無防備な腹筋に、チャンピオンの強力な拳が突き刺さっていった。
「お゙え゙え゙っっ!!!!!!」
インパクトの瞬間、ミサの身体がビクっと大きく跳ね上がっていく。
先程のキスの時とは身体の跳ね方が明らかに異なっており、レイのボディの威力が容易に察せられた。
「ミサ選手のお株を奪うキスボディが炸裂~~~~~!! チャレンジャー、チャンプの拳で完全に悶絶させられてしまっております!!!」
「あ゙っ……あ゙あ゙っ……」
力なく開かれた口からは涎が止めどなく流れ落ちていく。
キスの興奮も相まって、通常よりも大量の唾液がリングに零れ落ちていった。
「次、いくよ……」
冷徹な声でそう囁くと同時、王者は追撃の拳を振り下ろしていく。
「お゙ぶぅっっ……ん゙あ゙あ゙っ…………ぼひゅぅっっっ!!!」
追加の三発目を腹に打ち込まれた瞬間、ミサの身体は膝から崩れ落ち、そのまま身体を丸め、だんご虫の様な体勢でキャンバスに転げ落ちていった。
「ミサ選手またしてもダウ~~~~ン!!!
キツい連打を貰ってしまいましたが、果たして立つ事は出来るのかぁ!!?」
「お゙っっ……ん゙っあ゙ぁ…………がひゅっ…………」
キスで蕩けてしまった意識は皮肉にもボディの痛みで完全に覚醒しており、ミサは地獄の様な苦しみの中でキャンバスをのたうち回っている。
(何なのアレ……男よりもよっぽどエグいボディ打つじゃない……ホントふざけてるわ)
瞳に大粒の涙を浮かべながら少しでも痛みを和らげるべく身体を震わせる挑戦者に対して、余裕の王者が声をかけていく。
「早く立ちなよミサさん。 これで終わりじゃないでしょ?」
冷めた口調で挑戦者を煽る王者の身体には未だ汗一つなく、試合前と変わらない白い肌が、ライトに照らされて輝きを放っていた。
「ふぅー……ふぅー…………言ってくれるわねレイちゃん。
もちろん、勝負はこれからよ」
王者の言葉が響いたのか、ミサは膝をガクガクと震わせながらもカウント内に立ち上がりファイティングポーズを構えていく。
ボディのダメージは依然として内蔵の奥深くまで響いており、ミサにとって圧倒的不利な状況で試合が再開されるかと思われたのだが--------甲高い鐘の音がそれを阻んでいった。
カーン!!
「ここで第1ラウンド終了です!!
挑戦者、ゴングに救われました!!」
「1RでKO出来ると思ってたんだけど……ミサさん貴女、以前より打たれ強くなってるのね。やるじゃない」
さほど残念がる素振りも見せず、涼しい顔で王者が挑戦者に声をかける。
「それはどうも……でも、次は打たれ強くなってるだけじゃないって所を見せてあげるから、覚悟しなさいよね」
身体を震わせながら、それでもなお精一杯の虚勢を張っていく挑戦者。
「ふふっ……楽しみにしてるわよ、ミサさん」
整った顔に少しだけ笑みを浮かべて、女王は赤コーナーに足を進めていった。
(これ……腹筋、完全にオシャカになっちゃってるわね)
スツールに腰掛けながら、ミサは未だ小刻みに震えている自分の腹を見てため息をつく。
(それにしても……レイちゃん、前回よりも明らかに強くなってるわ。
海外帰りは伊達じゃないって訳ね)
(カウンターも通用しないとか……かなり状況は絶望的だけど、このままやられっぱなしってのも気に食わないしね。 次のラウンドで挽回しますか!!)
女王の弱点や付け入るべき隙さえ見いだせないまま、ミサは残りの時間、ただひたすら身体を休めていった。
カーン!!!
「さぁ始まりました第2ラウンド!! 先程は女王の強さを見せつけるラウンドとなりましたが、果たしてミサ選手逆転なるか!?」
(まぁ挽回も何も、アタシのやる事はいつだって”これ”しかないんだけど……)
ボディのダメージを引きずったままのミサは、重たい足を動かしながらリング中央へ移動し、レイの動きを注視する。
「へぇ……懲りずにカウンター狙い、ね。
良いわよミサさん……それじゃお望み通り!!」
自分から拳を出さない様子の挑戦者を見て、そう判断した王者は至近距離まで近づくとコンパクトな振りの右フックを振るっていった。
(来たっ!!……今度はちゃんと合わせて)
先程は相打ちに終わってしまったのだが、格上の王者に勝つにはこれしかないと、ミサは再びカウンターを試みる。
だが--------
「んぅっ……」
「ぶひゅぅぅぅっっっっ!!!」
「再びの相打ち~~~~~!!
しかも……またしてもミサ選手の身体だけが吹っ飛ばされてしまったぁ!!!」
結果は前回のリフレイン。
無策で自分の得意技に縋っただけのミサは、レイの拳で盛大に吹き飛ばされていき、ロープで身体を弾ませた後にふらふらとリングを彷徨う羽目になってしまっていた。
「んぁ…………ぅ……んぅ………………」
「挑戦者、開始早々グロッキー状態に陥ってしまったぁ!!
これは万事休すかぁ!!?」
「貴女との試合、結構楽しみにしてたのだけど……残念、これで終わりね」
一段と冷え切った表情でレイがそう呟き、死に体の挑戦者に引導を渡すべくゆっくりと歩みを進めていった。
(また失敗した…………アタシにはこれしか無いのに)
半ば朦朧とした意識の中、ミサはリングを揺蕩いながら思考の海に潜り込んでいく。
(チャンピオンになれないのは別に良いんだけど、アタシのカウンターが通用しないってのはムカつくわね)
お金の為に初めた地下ボクシングではあるが、ミサはそこで開花した自分のカウンターに自信と愛着を持っており、それが通用しない事に悔しさを覚えていた。
(あーーーもう勝敗とかどうでもいいや……今はこの女に、最高のカウンターを叩き込んでやる!!)
そして王者の黒い拳が眼前へと迫る中、ミサの瞳に光が戻っていった。
「舐める……なぁぁぁっ!!!」
雑念がなくなった事により、より一層鋭さを増した”カウンタークイーン”渾身の一撃。
その紅い拳は女王の顔面のド真ん中を捉え、豪快な音を立てながら振り抜かれていった。
「ぶぎゃっっっっ!!!」
「ミサ選手の拳が女王の顔面をぶち抜いていく~~~!!
カウンタークイーンの本領発揮だ~~!!!」
強烈な一撃を受け動きを止めてしまった王者。
それを見て、ここぞとばかりに挑戦者は渾身のラッシュを繰り出していった。
「あうっ、ぶぐぅっ、っがはぁっっ!!!」
「ミサ選手が止まらない~~~~!!
女王が滅多打ちにされるまさかの展開になってしまったぁ!!!」
(この女を倒すには……ここで決めるしかない!!)
ダメージが溜まった身体にムチを打ち、ミサは力の限り拳を打ちこんでいく。
「ぶべっ……ぶひゅっ、ごふっっ!!!」
女子リーグの上位ランカーに恥じない攻撃力を備えた挑戦者のラッシュが王者を蹂躙していき、顔面のガードがガラ空きになったのを見て、ミサは全身の力を込めたアッパーカットを繰り出していく。
「これで……沈めぇぇ!!!」
「かふっ……」
そして挑戦者のアッパーで弾き飛ばされた王者の肉体は、綺麗な放物線を描いて力なくキャンバスへと崩れ落ちていった。
「チャンピオンダウ~~~~ン!!! なんという事でしょう。 ミサ選手、あの女王から見事ダウンを奪いました!!」
無敗の王者がリングで大の字を描いている光景に、実況だけではなく会場中が驚きを隠せずにいた。
「はぁっ……はぁっ……やってやったわ」
肩で息をしてはいるものの、カウンターを見事に決めた高揚感でミサの闘志は最高潮に盛り上がっている。
(ここまでブチのめしてやったんだから流石にあの子も…………って、嘘……)
ミサが驚くのも無理はない。
全力のラッシュで痛めつけてやったと思っていたのにも関わらず、カウントが4を数える頃にレイは何事もなかったかの様に立ち上がってきたのだから。
そして相変わらず無表情を保ったままの女王は、ミサに対して語りかけていく。
「ミサさん貴女、ここまで強くなってたなんて……これは嬉しい誤算ね」
それに対して乾いた笑いを浮かべながらミサは言葉を返す。
「ははっ……アタシの全力、全然効いてないってか」
「いえ、貴女の拳……結構効いたわよ。
でも……チャンピオンだから、この程度で負ける訳にもいかないのよね」
そして王者は試合開始の時と全く同じ構えを取り、レフェリーに試合再開を促していったのだった。
「ボックス!!」
(見た目は普通にしてるけど、確実にダメージは与えてるハズ……アタシの体力もそんなに残ってないし、ここで勝負をかけるしかない!!)
勝機は今この瞬間しかないと判断したミサは、試合再開と同時、レイに向かって一気に詰め寄っていく。
「やぁぁぁっ!!」
そして無表情でダメージが残っているのかどうかわからない王者に向かって体重の乗ったストレートを放っていったのだが--------
「お゙お゙っ……ぼひゅっ…………」
ミサの放った真紅の弾丸は軽々と見切られてしまっており、気づけば彼女の腹部には王者の拳が深々と突き立てられていた。
「あ゙っ……ゔあ゙あ゙っっ…………」
正確に鳩尾を抉り取ったそのカウンターによってミサの肉体は強制停止させられてしまい、未だ余力を残している王者の前で無防備な姿を曝け出してしまっている。
「お゙ゔっ……ん゙あ゙っ……あ゙え゙っ…………」
拳がグリグリと奥深くに捻り込まれる度、整った女の口からは醜いうめき声が漏れ出し、粘度の高い液体がマウスピースの嵌められていない口内からとろとろと零れ落ちていく。
「駄目じゃないそんな唆る顔したら……決めたくなるでしょ?」
焦点の合わない瞳を浮かべて痛みに打ち震えるだけの挑戦者には、王者の発した言葉の意味はもはや理解する事が出来ない。
それ故なんの抵抗も出来ず、その後に続く拳の嵐を身体で受け入れる事になってしまったのだった。
「あぶっ、ぶげっ、あがっ、ぐびゅっっっ!!!」
女王の蹂躙が始まってから既に1分以上が経過しており、その間ミサは反撃どころかクリンチすらさせて貰えず、ただひたすらレイのサンドバックとなってしまっていた。
「チャレンジャー、反撃すら出来ず滅多打ちだ~~~!!
チャンピオンの猛攻を前に手も足も出な~~~い!!!」
「ごひゅっ……かふっ!! ……んぁ、ふぁぁ…………」
一撃一撃が意識を刈り取る程に強烈な威力を持った王者の連撃により、ミサは何度も意識を失い、そして--------
「ぼびゅっっっっ!!!!」
その度に腹を打ち抜かれて、強制的に意識を覚醒させられていた。
「あがっ……お゙っ……お゙あ゙ぁ゙っ…………」
ボディに叩き込まれた拳の衝撃が背骨を伝い脳天まで響いていき、その度に身体が大きく跳ね上がり、口からは意味を成さない音が吐き出されていく。
「もはや完全にチャンピオンのサンドバッグに成り下がってしまっております!!
果たしてまだ彼女に闘う力は残されているのでしょうか!?」
「ぐぶっ……ぶひゅっ……がふぅぅっっ!!」
(も……もう1発……カウンター、を…………)
一方的に殴られ続けているミサであるが、彼女はそれでも必死に反撃の機会を窺っていた。
そしてレイの攻撃が大振りになり始めた瞬間、隠し持っていた牙を突き立てていく。
「そこだぁぁぁっ!!!」
先程反撃の狼煙を上げた時と同様の集中力を持ってして放たれた渾身のカウンター。
絶対女王だろうと関係ない、僅かな勝機を手繰り寄せる不可避の一撃になるハズのそれは--------
「残念……今の貴女のカウンターじゃ、貰ってあげられないかな」
王者から放たれた冷たい声と共に、呆気なく躱されてしまう。
「そ、んな…………」
ミサの希望を込めたカウンターは、積み重なったダメージにより身体の動きが鈍ってしまっていた事で先程の一撃には遠く及ばない代物になってしまっており、それ故レイは簡単に回避する事が出来ていた。
そしてボコボコに腫れ上がった顔で呆然自失としている挑戦者へ向けて、王者は躊躇なくトドメの一撃を放つ。
「さようなら、ミサさん」
「あがっ……」
レイの放ったアッパーカットはミサの顎を捉え、そのまま彼女を空中へと打ち上げていく。
「ぁ…………んぁっ………………」
意識を断ち切られてしまった哀れな挑戦者の肉体は、空中で綺麗な放物線を描いていき、そのまま盛大な音を立ててキャンバスへと墜落していった。
「チャレンジャー、またしてもダウ~~~~ンっっ!!
完全に失神している様に見えますが、果たして立ち上がれるのかぁ!!?」
「ん゙っ……あ゙っ……ゔぁ゙ぁ゙っ………………」
ビクビクと大きく身体を痙攣させ、口からうめき声を漏らすだけの挑戦者。
無様な姿を晒している雌の肉体が震える度、形の良い尻肉がぷるんと柔らかく揺れていき、観客たちの瞳を楽しませていた。
そしてそのまま意識が戻る事なく、10カウントが数え上げられていく。
カンカンカーン!!!
「試合終了~~!!! タイトルマッチを制したのはレイ選手!!
我々に”女王”の圧倒的な強さを見せつけてくれました!!!」
以前と変わらない、むしろそれ以上の強さを秘めた女王の帰還に会場中が大いに盛り上がりを見せる。
「私がいない間にこっちの選手の質も大分上がってるわね……これからも愉しめそうで安心したわ」
そんな熱狂の渦の中心では、試合で出来た頬の傷を愛おしそうにグローブで撫でながら、レイが少しだけ表情を緩めていった。
ナッツが主食
2023-02-21 14:30:04 +0000 UTCリリへ
2023-02-21 06:05:08 +0000 UTCナッツが主食
2023-02-19 06:29:07 +0000 UTCwsd
2023-02-19 05:39:03 +0000 UTCナッツが主食
2023-02-18 13:07:38 +0000 UTCナッツが主食
2023-02-18 13:07:14 +0000 UTCMaster-TuT
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