いつもお世話になってます!うたかいこです!
~ラブクラフトの話~
最近ワタクシ、クトゥルフ漫画にハマっておりまして、田辺剛氏のラブクラフト傑作集をシコシコ読み漁っております。
数ヶ月前、NHKの「ダークサイドミステリー」というオタッキーな番組にて、ラブクラフトが紹介されておりました。
「おお!ラブクラフト…今、来てるぜ…!」
と感じた折、私がそもそもラブクラフトに興味を持ち始めたキッカケとなった、あるゲームを思い出し、現在ヒマを見つけては教養と称してシコシコ遊んでおります。
今回は、そのキッカケとやらをちょっと語ってみようと思います。
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二年ほど前にPlayStation PlusでPS4ソフトの『Bloodborne』というゲームが配信されておりました。
ただでプレイ出来る、という事をさし置いても、以前から目を付けていたタイトルだけに、即効でダウンロード!ハァ♡ハァ♡と息を弾ませながら、数ヶ月の間、どっぷりとその世界ににはまり込んだのでした。
では、この『ブラッドボーン』というゲーム。一体どんなゲームなのでしょうか。
「ダークソウルシリーズ」と言えばピンと来る方もいらっしゃるでしょうか。
もともと2009年にPS3ソフトとして『デモンズソウル』というゲームが発売さた事に端を発する、世界的に有名な”死にゲー”シリーズの一作です。
私はこのシリーズのファンでして、特に初代のデモンズソウルは2009年次点で、最もプレイ時間をカウントしたゲームになった程、遊びこんだものでした。
時系列的にいうと、『デモンスソウル』『ダークソウル』『ダークソウル2』『ブラッドボーン』『ダークソウル3』という順だったと思います。
この『ブラッドボーン』という作品、ゲームのシステムやプレイアビリティは”ソウルシリーズ”と共通点が多いのですが、タイトルで唯一”ソウル”という単語が付いていないことからもお分かりの様に、他の作品と比べても、世界観的に大分毛色が違います。
単刀直入に言うと、『クトゥルフ系』の世界観を内包したダークファンタジーなのです。
そうです。この「Bloodborne」こそ、ワタクシをクトゥルフの世界にイザナってくれた作品なのです。
しかしその特徴はちょっと変わっていて、つまりはそのまんまクトゥルフ物という訳ではなく、あくまでクトゥルフ”的”な作風なんです。
では、クトゥルフ”的”とはドウイウことか…。
共通点を幾つか列挙してみますと…。
・目に見えない、”そこ”にある恐怖。というテーマ性。
・コズミックホラー(宇宙的恐怖)と称されたクトゥルフ神話に準じた、コズミック(宇宙的)でダークホラーファンタジーな世界観。
・物語が進むに連れ徐々に徐々に、明らかになってくる”狂気”の世界。
・ヌメッとした質感とドロドロとした湿り気が伝わってくる様な独特のストーリーテリング。
等でしょうか。
ちょっと文章だけでは伝わりにくいですよね。
まあ、クトゥルフってそういうものなので、よくわからなかった人はあまり深く考えず、ふ~んて感じで読んで下さい。
クトゥルフのメディア化って最近特に流行ってますけど(あるいはもっと昔から?)この『Bloodborne』ほどクトゥルフ的世界観をじょうずに再現した作品って無いんじゃないでしょうか。(いや!あるぞ!っていう方いたらごめんね♡)
それも、ちゃんと自分たち独自の設定と、解釈に変換してるところもスゴイです。
私自身がお話を完璧に理解している訳ではなく、考察サイトさん等の秀逸な解釈を読んで、ふむふむ…うお~…!すげ~な~!そういう事か!…って思ってるだけなんですけどね。
まあ、原本のクトゥルフ自体が大変難解な構造になってるんで、クトゥルフ初心者のワタシにはしょうが無いってもんです。
先程、”狂気”というワードを上げましたけど、この作品、ホント”狂気”の演出がグッドなんですよ。
私、以前のブログで、「ホラー耐性が強い」なんてイキリました。でも、本来ホラー自体は大好きなんですよ。
最初はよくあるゴシックホラーなんだなァ~と思ってゲームを進めていくのですが、徐々に異物感が……。
出てくるんですよ…。物語のそこかしこにジワジワと狂気が…!
上手いんですよ、そのジワジワ感が。
なんともゾクゾクする展開がタマラナイ…。ハァ♡ハァ♡
作品の登場人物も多数居るわけですけど、どいつもこいつも皆クセのあるやつばかり…。
ただでさえ何考えてんだか分からないキャラ共なのに、彼らの語り口調が妙に文法レベルが高く、教養のある喋り方をする。
つまり、普段ワタシらが用いない用法の喋り方をするもんで、ただでさえ難解な設定が、より難解に……。
まあこの演出、ディレクターの「宮崎英高」さんのお約束でして、彼の手掛けたもう一つの傑作シリーズ「アーマードコア4」および「アーマードコア・フォーアンサー」でも用いられた手法です。
「もうちょっと知的レベルを下げてくれぇ~い」と思うところも、無きにしもあらず。なのですが、このキャラクター性が、作品の世界観を匠に補強しているんですね。
~恐怖とはナニか?~
ホラーというか、怖さって、結局慣れるんですよね。
化け物が出てきて人を殺す、とか、いかに残虐な手口で人を殺すか、って。
むしろホラー映画って、人の死を楽しむ娯楽なので、当然なんです。
じゃあ、飽きないホラーってないものか…。
いやいや、もっと言えば、人の本能に刻まれた根源的な恐怖って、なんなのか…。
そういう事を突き詰めていくと、実は割と簡単に答えって出てくるんですよ。
人間は理性と理知を発展させて、自然と対峙してきました。
理解する。と言う事は、人間が人間として生きていく上での、最大にして最高の防衛術なのです。
人は恐怖に打ち勝つために、理性=理解する。というチカラを進化させてきたわけですね。
ところが、世の中には理解出来ないこともたくさんあるわけで…。人はそれを神や悪魔の業であると解釈して心の平定を保ってきたわけです。
つまり、理解出来ないという状態は『不条理』であり、不条理は人間にとって耐え難い不安を与えます。
実は恐怖の正体は『「不安」という不条理な状態』の事なのです。
ラブクラフトはこの『不条理不安』の原理というホラーの根源を、当時にしてすでに見抜いていたのではないでしょうか。
~ラブクラフトについて~
ちょっと話がトリビア的になりますが、ラブクラフトが活動していたのは20世紀の初頭のアメリカです。
彼がホラー小説を発表していたのは、パルプ・マガジンと呼ばれる書籍物なんです。
パルプ・マガジンというのは簡単に説明すると「安い紙質で大量生産された、バカでも分かるオトナ向けの低俗娯楽雑誌」の事です。
「バカでも分かる」ってところがミソです。
よくあるパターンとしては、(何故か)半裸のセクシー美女が悪いヤツらに拐われ絶体絶命の危機に陥ったところを、正義のマッチョマン(ファンタジー世界の蛮族。スパイ・カウボーイ・探偵)が助け出す。という死ぬほどアメリキャンなもの。
ちなみにこの手の類型パターンを「ダムゼル・イン・ディストレス」と呼ぶらしいです。わざわざ名前がついてるとは知りませんでした(笑)
物語のジャンルとしては、ファンタジー・SF・ミステリー・西部劇・探偵ものなどなんでもアリだったようで、もちろんラブクラフトの得意ジャンル、ホラーも含まれていました。
ところが彼の描いた小説は、知っている方は知っての通り…あのクトゥルフです。
現代人の我々が読んでも斬新な発想、深い教養を下地にした舞台設計、そして何より「恐怖の本質を見抜いた、不条理的な不安感を煽る秀逸なストーリーテリング」。
”バカでも分かる娯楽”である事が最大の魅力であったパルプ誌において、やはり彼の作品は異質であったとしか思えません。
(ワタシは当時のパルプ誌を、それも英文のまま読んだことなどないので、どれほどの特異性を持っていたのか比較は出来ませんが…)
彼の作品はパルプ・マガジンという媒体の性質に合わず、彼の才能が読者に認められる事は残念ながらありませんでした。
彼は生涯貧困のまま、若くして世を去りました。
~本題へ戻る~
さて、話をワタクシ側に戻します。
私がこの「Bloodborne」及びその原点であるラブクラフトに興味を持ったのは、もうお分かりのように、ホラー耐性強めの私でも十分通じる怖さを持っているから。であります。
正確には恐怖とは若干違います。
先程も触れたとおり、ラブクラフトの作品が持つ不条理的不安に酔いしれることが、私にとっての快感なのです。
快感って言ってる次点で、恐怖とちょっと矛盾してるんですよ。
しかし、解明できない謎って、いつの時代もこの上ない魅力では無いでしょうか?
クトゥルフ神話はその成り立ち自体が複雑で、それ自体の難解性もありますが、本来的な物語性も非常に神秘的で狂気的で、未解明性の高い変わった作品です。
しかし、この”未解明性”こそが、この作品群の最大の魅力なのです。
この物語郡には決して結末は無いのです。
読者の我々は、こう思います。
クトゥルフって実際どんな姿だろう?
あの主人公が見たものは本当にダゴンだったのだろうか?
しかし、作中のそれらの出来事は、つねに朦朧としていて判然としないまま物語は終わってしまいます。
我々読者は、見たい物が見れない。知りたい真実をはぐらかされて、納得のゆく結末を与えてもらえない。といった不条理を永遠に味わい続けるのです。
にもかかわらず、ラブクラフトのマニアは現代でも減ることは無いのです。
それはきっと読者の皆が、私と同じように、この不条理に酔いしれる快感を味わい、不安という恐怖すらも、楽しんでいるからなのでしょうね。
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さてさて、そろそろ文章を書くのにも疲れてきました…(笑)
私は文筆家ではないので、文章を書くことに慣れていませんもので。
Bloodborneを再プレイ中なのですが、そのあまりのクトゥルフ再現度の高さに驚き、感動したものですから、ちょっと語りたくなったのでございます。
長めの文章に最後までお付き合いくださった読者の皆様、ありがとうございました!!