黒髪まじめ女子と金髪ギャルが入れ替わる話
Added 2023-07-09 08:30:00 +0000 UTC私の名前は「中村 徹」。 生徒会会計で、2年生だ。 今日も学校に登校する。 教室に入るや否や、 私はクラスメイトの女子から声を掛けられた。 「おはよう・・・」 彼女は生徒会長の「清水 真由美」さんだ。 口数は少なく、感情は余り表に出さないが頼りになる人だ。 黒髪のロングヘアでついでに美人だ。 正直、つきあって欲しい。 「あ、おはようございます!真由美さん!」 そんな彼女に挨拶を返す。 「うん・・・」 そう言うと、席に着いた。 (はぁ~。今日もかっこいいな) そんな事を思いながら、自分の席に座る。 しばらくして授業が終わり休み時間になった。 その時、教室の前のドアが開いた。 「遅刻しちゃった~」 皆またかと思いつつ彼女を見る。 彼女は「田中 香織」。 金髪ツインテールのギャルで、 かわいい系の顔で性格こそ明るいが、 下品な上、おバカである。 服装もだらしなく、隙間から下着が見えることもある。 ついでにいつも遅刻してくる。 私は注意したかったが我慢して様子を見た。 すると彼女が言った。 「ねーねー聞いてよ~」 私に声をかけてきた。 「昨日さ、変な夢見たんだよね~」 彼女の話によると、 あるゲームの世界のような場所で ドラゴンと戦っていたらしい。 「でもさ、その世界ではあたしって勇者なんだって!」 「え?」 思わず声が出てしまった。 この子大丈夫かな? 「それでね、その世界の魔王を倒したら元の世界に帰れるんだって!」 「そ、そうなんだ」 どう反応すれば良いのか分からなかった。 そんなことより遅刻のことを注意したかった。 しかし、彼女は話を続ける。 「でさ、魔王を倒すためにレベル上げしようと思って、ダンジョンに行ったんだけどさ、モンスター強くて全然ダメだったわ」 彼女は笑いながら話す。 私は少しイラっとしてしまった。 だが、それをぐっとこらえて話を聞いていた。 「あなた!いつも遅刻ばかりしてますね!」 突然真由美さんが割って入ってきた。 私が言いたかったことを言っている。流石生徒会長だ。 「ん?何あんた?」 「あなたの遅刻について言っています」 「だからそれが何だって言うの?」 「あなたは何故遅刻をするんですか?」 「いや、朝弱いし面倒だし」 「じゃあ学校に来る必要ないですね」 「それは困るな~。友達と遊べなくなるじゃん」 「あなたには友人がいるのですか?」 「いるし!てか話してるのぐらい見てるでしょ! それにしても、なんでこんな奴に注意されないといけないわけ?」 「注意している訳ではありません。ただ質問をしているだけです」 「ふーん、まあいいわ。とりあえずもう話しかけないでくれる?」 「分かりました」 そう言って、二人は睨みあったまま動かなかった。 そしてチャイムが鳴り、授業が始まった。 「次の問題、『イベリア半島に王国を立てたのは何人か。』田中答えろ」 先生に指名され、香織が答える。 「えっとぉ・・・アメリカ人?」 その言葉にクラス内から笑いが起こる。 私は呆れていた。 「はい。西ゴート人です」 代わりに真由美さんが答えた。 「正解だ。よく勉強してるな」 私は思った。 (凄いな、真由美さん) 「ありがとうございます」 真由美さんはそう言うと席に座った。 私は彼女を尊敬していた。 放課後になり、帰る準備をしていた時、 後ろの方で何か騒いでいるようだったので振り向くと、 香織が真由美さんの机に足を乗せているところだった。 正面から見るとスカートの中のパンツが丸見えで、 クラスの男子たちが興奮していた。 「うおおお!!白パン!!」 私は心の中で言った。 (あ~あ。またやってるよあの子) 私は、香織を注意しようとした その時、 香織は真由美さんに言った。 「ねぇ、あんたさっき私の事馬鹿にしたでしょ」 香織の言葉を聞いた瞬間、私は怒りを覚えた。 私は真由美さんと香織の所へ行こうとした。 その時、香織が言った。 「無視するんじゃねえよ!!!」 彼女は真由美さんの髪の毛を掴み、持ち上げようとした。 しかし、真由美さんはびくともしなかった。 「やめてください」 真由美さんは静かにそう言い、香織の手を掴んだ。 「痛っ!?」 香織は手を放した。 彼女はそのまま立ち上がり、香織を見下ろした。 「私はかわりに答えてあげただけですよ」 「なにそれムカつく」 「あなたがまじめに勉強しないのがいけないんですよ」 「なにそれウザいんだけど」 「なら、私に構わず勉強すればいいじゃないですか」 「うるさい」 香織は真由美さんを殴ろうとした。 「やめて下さい」 しかし、拳は空を切り、香織はバランスを崩した。 ズコーッ! 派手に香織は転んだ。 「いったぁ・・・」 「大丈夫ですか?」 「ちょっとふざけんなよ!」 真由美さんが手を差し伸べるも、 その手を振り払う。 「触らないで!」 「すみません」 「てかさ、いつもあたしの事見下してるけど、本当はあたしのこと嫌いなんでしょ?」 「そんなことありません」 「嘘つけ!」 「本当です」 「じゃあ証拠見せなさいよ」 「どうすれば信じてもらえますか?」 「そうだね・・・キスとかしてくれたら信じるかも」 「・・・正気ですか?そんなことできません」 「できないんだ!やっぱり嫌いなんだ!」 「違います!どうしてそういう発想になるんですか!レズですか?」 「レズって何?」 「あなた本当におバカですね」 「バカって言う方がバカなんだよバーカバーカ!」 「あなたの方がバカです!」 「ああ!もう怒った!絶対許さない!」 「何でそうなるんですか!あなたが悪いんでしょう!」 真由美さんも声を荒げる。 「はぁ・・・はぁ・・・」 「ぜぇ・・・はぁ・・・」 二人は息切れを起こしていた。 「もう疲れたわ」 「私もです」 「はぁ~。なんかやる気失せたわ」 「そうですか」 「もうあんたには関わらないから」 「そうしてもらえると助かります」 「じゃあね」 そう言って、香織は教室を出て行った。 私は真由美さんに駆け寄った。 「大丈夫ですか?」 「うん、ありがとう」 「でも、あんな奴ほっときましょう」 「そうですね・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「とりあえず生徒会室に行きますか?」 「そうしましょう」 私は真由美さんの荷物を持ち、一緒に生徒会室に歩いて行く。 道中、私たちは一言も話さなかった。 生徒会室に入ると、 私達は書類 整理を始めた。 しばらくして、私は聞いた。 「真由美さんってさ、いつも香織に絡まれてるよね?」 「そうですね」 「大変だね」 「慣れました」 「そっか」 私はそれ以上何も言えなかった。 そして書類整理が終わると私は先に帰った。 帰り道、私は真由美さんのことを考えながら帰った。 翌日、私は学校に登校すると、 真っ先に真由美さんの席に向かった。 「真由美さ・・・ん・・・?なんであなたが真由美さんの席に座ってるんですか?」 本来真由美さんが座っているはずの席に香織が座っていた。 しかも普段なら毎日遅刻しているはずなのにこんなにも早く教室にいるなんて。 だらしなかった服装も校則どおりに制服を着ていて、 髪もツインテールではなく降ろされ、 整えられていた。 (今日は雨かな?) そう思いつつ、私は彼女に話しかけた。 「おはようございます。朝から真由美さんにちょっかいかけて楽しいですか?」 「なんのことですか・・・?ここは私の席ですけど?」 「何を言ってるんですか?ねぇ昨日から私この席でしたよね?」 香織は隣の席の男子に話しかけた。 「ああ、田中さんはこの席だよ」 「ほら、やっぱり私の席ですよ」 隣の男子は悪乗りに付き合うタイプじゃない。 どういうことなんだろう・・・ 私は自分の席に行くと机の中をあさり始めた。 「・・・これだ・・・」 私は少し前に配られた座席表を取り出した。 「・・・嘘だろ・・・」 座席表を見ると真由美さんと香織の座席が入れ替わっていた。 「何が起こってるんだ・・・それに真由美さんもまだ来てないし・・・」 普段なら一番早く教室にいるのに しばらくして朝のホームルームが始まった。 しばらくしてホームルームが終わったときだった。 「遅刻しちゃった~」 「・・・真由美さん・・・?」 そこにいたのはまぎれもなく真由美さんだった。 しかし昨日までとは打って変わって、 真由美さんはだらしない格好をしていた。 制服を着崩していてスカートが短かった。 しかも黒髪をツインテールにしている。 ついでに派手なメイクもだ。 「えっと、誰?」 真由美さんは不思議そうな顔をしていた。 「いや、私ですよ!同じクラスの!」 「ああ、ごめんねぇ~ちょっと寝ぼけてて」 「…本当に真由美さんですか…?」 顔は確かに真由美さんだが話し方もまるっきり違う。 「うん、真由美だよぉ?」 「いや、でも、真由美さんはもっとしっかりした人というか、真面目な人で・・・」 「あはは、あたし頭いいからねー」 「・・・」 私は、目の前で起こっている出来事を理解できなかった。 「遅刻してきてなんでへらへらしていられるんですか?」 香織が真由美さんの席に来て言った。 「ん?なんのこと?」 「遅刻してきてなんで余裕ぶってられるのか聞いてます」 「いや、あたしいつもこうだけど?」 「例えそうでも遅刻なんてありえないです」 「ありえるよ?」 「なら今ここで遅刻理由を言ってください」 「あはは、面白いこと言うね。そんなことよりさ、その髪なんなの?」 「…いいから答えてください」 「金髪なのにツインテにしないとかセンス無いんじゃないの?」 「・・・もういいです・・・」 香織は呆れた表情を浮かべて自身の席に戻った。 「はははは、馬鹿ね~」 真由美さんは笑った。 「・・・何があったんだ・・・」 私は混乱しながら授業を受けた。 休み時間になり、私は真由美さんに聞いた。 「あの~真由美さん?」 「ん~なにか用~?ていうか君だれ~?」 「・・・」 「あははは!冗談だって!そんな怒らないでよ!」 真由美さんは笑いながら言う。 「はぁ・・・それで・・・香織さんと何かあったんですか?」 「別に・・・そういえば昨日、君と別れた後だけど廊下であいつとぶつかったんだよね~」 「ええ!?」 「そしたらあいつ転んじゃったんだよ!もう超ウケる!」 「そうですか・・・」 「でもその後、あたし・・・なんか派手なメイクとかしたくなったというか真面目に生きるのめんどくなったというか・・・」 「・・・」 「まぁそういうわけだからよろしくぅ!」 真由美さんはそう言って席を離れた。 もしかしてぶつかった時に2人の性格が入れ替わってしまったのだろうか。 そう思いつつも私は真由美さんの後姿を眺めることしか出来なかった。 次の授業が始まった。 ふと真由美さんの席を見ると よだれを垂らして眠っていた。 昨日までの真由美さんとはまるで別人だ。 「ZZZ・・・」 真由美さんは先生に注意された。 先生は教科書で真由美さんの頭を軽く叩いた。 「いったぁ・・・」 「清水さん・・・起きてください」 「う~ん、あと5分だけぇ~」 「はぁ・・・」 先生はため息をつく。 しばらくして真由美さんは目を覚ました。 「ふぁ~よく寝たわ」 「清水さんこの問題に答えて下さい」 「えっとぉ~・・・132ですかぁ?」 「・・・清水さん今は現代文の授業ですよ?」 「あれ?そうでしたっけ?」 「まったく・・・ちゃんとしなさい」 「は~い」 「では田中さんこの問題分かりますか?」 「はい!○○○です」 「正解。難しい問題をよく解けたわね」 「ありがとうございます!」 香織は笑顔で言った。 「・・・」 私は雰囲気の変った二人をただ見つめていた。 昼休みになった。 私は弁当を食べながら真由美さんの方をチラリと見た。 先に弁当を食べ終わったらしく、ギャル系の友人と話していた。 「変顔自撮り動画撮ろう~」 「え~やだやだ~恥ずかしいしぃ~」 (・・・) 真由美さんの変わりように私は唖然としていた。 あんなの私の知っている真由美さんじゃない。 ふと香織の方を見ると、香織も弁当を食べ終えたようだ。 私も弁当を食べ終えた。 香織と目が合ってしまった。 私はすぐに視線を逸らす。 「・・・」 気がつくと香織が私の席の前に立っていた。 「・・・何か用・・・?」 「生徒会に入りたいんだけど」 「え?」 「入りたいって言ってんの」 「・・・どうして?」 「だって生徒会長があんなんじゃん?」 香織は真由美さんの方を見た。 「・・・それは私も同感だけど・・・」 「だからあたしが生徒会を変えてあげたいの」 「・・・」 「お願い。入れて」 「いいですよ・・・」 「やった!」 私は内心ホッとしていた。 これで真由美さんが元に戻るかもしれない。 「じゃあ放課後、生徒会室に行くから」 「はい」 「あ、そうだ。これあげる」 そう言って彼女はポケットから飴玉を取り出し、机に置いた。 「・・・なんですかこれ?」 「アメだよ」 「なんでくれるんですか?」 「生徒会に入れてくれたお礼です」 「あ、ありがとう・・・」 私は彼女の態度の変化についていけなかった。 午後の授業が始まった。 真由美さんはクチャクチャとガムを噛みながら授業を受けている。よだれを垂らしているところまで一緒だった。 私は呆れながら真由美さんを見ていた。 しばらくすると、真由美さんがこちらを向いた。 そしてニヤッとした。 「・・・」 私は顔を背けた。 その後、真由美さんに何度も目線を送られたが無視し続けた。 やがて、真由美さんはつまらなそうな表情をして前を向いてくれた。 私は安堵のため息をついた。 「はぁ・・・」 授業が終わり放課後となり生徒会室に向かう。 生徒会室に入った私は驚いた。 そこには仕事をテキパキとこなす香織がいた。 「仕事早いね・・・」 「バイトで慣れてるから」 香織は書類にサインをしながら答える。 「・・・」 私は呆気に取られていた。 「あ、あのさ・・・」 「なに?」 「その・・・口調とか雰囲気変ったね・・・」 「そう?」 「うん・・・」 「そういえば、あなたって生徒会長と付き合ってるんでしょ?」 「え!?」 「隠さないでいいわよ。みんな知ってるし」 「いえ・・・好きですけどまだ告白してません」 「あら、意外ね」 「はい・・・」 「まあ、頑張って」 「はい・・・」 「よし、こんなもんかな」 書類のサインが終わったようだ。 「すごいね・・・香織さん・・・」 「別にすごくないわよ。それより、あたしのこと香織でいいわ」 「分かりました・・・」 「敬語も禁止」 「う、うん・・・」 私はぎこちなく返事をした。 私は香織のことを見ると顔を赤らめるように した。 「何よ?そんなに見つめられると照れるんだけど」 「ご、ごめんなさい・・・」 「謝らなくていいわよ。ところであなたのことも名前で呼んでもいいかしら?」 「う、うん」 私は少し緊張しながら答えた。 数年後・・・ 私と香織は同じ大学に通っている。 相変わらず私たちは一緒にいる。 でも変わったこともある。 私は香織に好意を抱いている。 もちろん友達としてではなく異性としてだ。 香織も私に気があるのか、よく目が合う。 私たちが恋人になる日は近いだろう。 一方真由美さんは当初目指していたよりもかなりレベルの低い大学に入った。 本人曰く、「勉強する気が起きなくなった」らしい。 今ではすっかり金髪ツインテとなりちゃらちゃらとした格好で日々を過ごしている。 これからどうなるか分からないが、きっと大丈夫だと思う。 だって私には香織がいるから。