すごくチョロいお兄さんが好きです 後編
Added 2022-12-20 16:50:48 +0000 UTC「群司~肩揉んで~?ポケモンのレベル上げして~!!」 真夏の草むしりに比べればマシとはいえ、家に帰ってシャワーを浴びてからもご主人様の数々の命令に付き合わされた。 アニメ映画を見ていた侑李にジュースを持ってきたところで、腕を取られる。 「クーラー、ちょっと寒いから郡司、おれの椅子になって?」 それまでの命令とは毛色の違う、S度の増した命令に眉をしかめる群司。 「クーラー上げればいいじゃねえか。」 「クーラー上げるほどじゃないんだよ、ほら、早く。」 見上げながらソファの隣にぽんぽんと手を置く弟に、家来である群司は仕方なくソファの上にどかっと尻を落とし、膝の上に弟を乗せる。 流石にもう小学5年生の弟はそれなりの体重があったが、侑李の方はご機嫌の笑顔で兄の胸板に小さな背中を預けて再びアニメ鑑賞を続けていた。 他にやる事も無く、仕方なく弟の見ているアニメを一緒に鑑賞している。 椅子になれなんて言って、本当は自分と一緒にこのアニメを見たいだけだったのかもしれない。 そういう可愛いところも時々はあるのだが。 男の子とはいえまだ10歳か11歳かそこらの子供からは大人の寵愛を誘うためか馨しい体臭がする。 自分からも抱っこしてうなじの辺りに鼻先を押し付けてやると、侑李はくすぐったそうに身を捩り、それでも兄にされるように任せていた。 子供らしくすべすべとキメ細かい腕と触れ合ったあたりで、ちょっとヤバイと感じ出す自分がいた。 弟とはいえ一応肉体関係のある相手と触れていくうちについついそういう欲望が首をもたげてくる。 まして、今は諸事情で禁欲状態にあった。 まずいまずいと思いつつも、弟の尻の下でぐんぐんと逞しくなっていく自分自身を意志では止められなかった。 「ん~~?どしたの?兄ちゃん?」 その事を気付いてないはずがない侑李がニヤニヤ顔で囁いてくる。こんな時に限っての兄ちゃん呼びをいやらしく感じながら、群司はとぼけるのが精いっぱいだった。 「べ、別に………なんでも。」 「ふーーーん?」 この弟の流し目は群司も自覚している弱点でもあった。 キュートだが、同時に生意気そうとも評されるやや切れ長の目。 女の子相手限定でのちょいMを自称する群司にとって、そんな弟の目線はダイレクトに股間に来る。一言でいえば好みのドストライクだった。 ちょっとシャツを捲って中に手を滑り込ませれば、肉付きの柔らかい弟の上身を欲望のままに弄れるだろう。弟も今日はそれを止めないに違いない。 時折感じる弟の尻の感触も手伝って、生殺しというには甘ったるく、イタズラというには度し難い苦役に兄は耐えなければいけなかった。 映画のエンディングが終わってようやく解放されるまでその時間は続いた。 この後すぐにトイレにでも駆け込んですっきりすることが出来ればいいのだが、禁欲はまだ続けなければいけなかった。 一緒にお風呂に入れ、背中を流せ、という命令が無くて群司は心底安堵していた。 流石に風呂で全裸を晒していれば言い訳のしようがない。 「群司~~~ご飯食べさせて~!」 まるで恋人のようにあーんと口を開ける弟にステーキを食べさせ、ほどほどに命令をこなしたところで今度は全身マッサージを要求された。 侑李のベッドは子供用で狭いので、わざわざ兄の部屋に来てベッドに寝転がる弟の体を揉み込んでいく。 「もっと、背中強く揉んで~。うんっそうそうっ」 「へーへー、お客さん凝ってますね~~。」 全く、まだこんなちっこいガキのくせに大人を振り回しやがって。 「ん、…ふー……ふぅ………ん……っ…んっ…………。」 色んな愛憎を込めて両手を動かしていくうちに、心地よさそうな弟の吐息にまたもムラムラが襲ってきてしまう。ベッドという場所が悪い。 適当なところでお開きにした方がよさそうだ、と思ったところで侑李は仰向けに向き直って言った。 「群司、このまま一緒に添い寝してよ。命令~~~。」 「あ?うん……わかったわかった。」 ただ隣で寝るだけでいいのだったら、楽ではあった。状況的にそれが最後の命令であろうし。 「ほら、ねーむれ~~~ねーむれ~~~~~。」 子守唄はいいから、と口をふさがれるとそのままお望み通りに無言でただ隣で弟の寝息を聞き続けた。 そうしてる間に、群司も今日の激務の疲れがあってすぐに睡魔が襲ってくる。 時間的に、このまま寝落ちしても朝には起きれるだろう。 侑李にも伝えた通り群司には明日、決して譲れない重要なイベントが待ち受けていた。 そう、明日こそ出来て間もない年下の彼女の誕生日であり、初めての誕生日デートが控えているのだ。 今日の色々な理不尽に耐えていたのも、すべてはその為の資金維持の為。 今日から月曜にかけては世間はみんな3連休。 頼りがいのある年上の彼氏として、ゴージャスなデートを演出し夜はそのまま一気に…。 1人で鼻の下を伸ばしながら群司もまた微睡みに落ちていった。 楽しい一日になるといい、と心から願いながら。 ─── 下半身で物を考えてる、とまで言われれば腹も立つが、実際女の子は好きだし、女の子とするあんな事やこんな事も群司は好きな方ではあった。 女の子に好かれる努力を惜しまなかった結果、今それなりに社会人としてしっかりした自分がいるという事も出来る。 その割にはなぜか一人の女の子と長続きしない。 そんなに中身の無い人間であるつもりはないし、男としての機能も充実しているはずなのに。 群司にもそういう悩みがあった。 だからこそ、今度こそはと新彼女との初デートに対する意気込みも並々ならないものがある。 何も、女の子とそういう事がしたいだけではっちゃけているのではない。 決してそういう事だけが目的じゃない。 二人で濃密な時間を過ごすことでより一層お互いの事を知り合って、絆を深める事が一番の目的であって。 そんな修学旅行の建前のような自己弁護をしつつも、夜のお楽しみの為にしっかりと禁欲をしているというのが群司という男だった。 自分もそうだが、莉々ちゃんも着痩せするタイプだと見ている。 優しく触れてあげたいな。 意外と身持ちが硬いみたいだから、こっちがリードしてあげないと。 そういう時でもちゃんと大人の余裕は維持しなければかっこ悪い。 あれ、でも意外と、莉々ちゃんの方が積極的なのか? 俺のそんなとこを、そんな慣れた手つきで…。 でも、確かにそういうのも嫌いじゃない。 今どき処女厨なんてみっともないし、過去に経験があったとしても全然かまわない。 いやちょっ………それにしても俺のイイところを、ちょっと知りすぎてないか? あ、そこでそれされたらヤバイんだって。マジで。マジで知りすぎじゃない? このままじゃまずい…年上としての威厳が、俺の方も莉々ちゃんを触ってあげたい。 触ってあげたいのに、なんでか体が動かない。 え?今これってどういう状態? ─── 「はぁ……はぁ………あっ…あれぇっ!??…り、りりり…ちゃんは?」 暗闇の中で謎の葛藤に襲われていた群司が現実に戻るや目に飛び込んできたのは、彼女ではなく弟の侑李の顔だった。 「あ、起きちゃった。おはよ。」 混乱している兄に対して、侑李の方は至ってお気楽そのものといったところで、そのせいで群司は余計に度肝を抜かれた。 なにせ、今の弟の手には寝起きのせいか、すっかりお元気になった群司自身がまるで人質、いや棒質に取られたかのように強く握られていた。 そこで群司は自分がまだ自宅の自室のベッドの上にいて、さらに弟の前で下半身を露出している事を知った。 シャツのボタンもはだけて、上半身も露出していてほぼ全裸に近い状態だった。 「おはよ………て!!何してんだお前っ!?」 「んなの……見りゃわかるじゃん……こうやってにいちゃんのチンチンを~……っ……んむ…っ……ちゅ……っ……」 あどけない顔で兄の大人の肉棒の先端に舌を這わせてはセンシティブに動かして、さらにぶっとい先っぽを口内に受け入れていく。 「うわっ…っ…わっ…ちょっ…やべーやべーっ!!!!やめろって!!!!」 あむ…………っ……くちゅ………れろ………っ……ちゅぷ、ちゅぷ…っ…。 竿を扱かれ、カリの張った亀頭だけを執拗に咥えられてざらついた舌でまるで磨くように舐めまわされるのが、群司は大の苦手だった。その弱点を知っているのは現状で弟だけだ。 今はパンパンに精を貯め込んだ陰嚢もぐわしと揉みしだかれると、意思とは無関係に背は仰け反り、腰を大いにビクつかせてしまう。 今すぐにでもやめさせたいのに、さっきから両腕が動かない理由に少し遅れて気が付いた。 そして、今度はその理由に驚かされることになった。 日常目にする事なんてない銀色の金属製の拘束具、いわゆる手錠が自分の両腕と、ベッドの背もたれの柱にフックをかけるようにして繋がれていた。 そのまま、ベッドの上でバンザイをするような形で固定されてしまっている。 「オイなんだこれッ!?」 自分の竿を可愛がっている弟に唾を飛ばしながら問うと、兄の味を堪能していた侑李は舌を覗かせながら平然と答えた。 「通販で買った。あと、こんなのも。」 おそらくはネットで購入したのだろう手錠と、さらに侑李の手に遭ったのは勃起した男性器を模したのであろういわゆる大人の玩具だった。 「でも、兄ちゃんの方がデカかったよ?うれしい?」 ただでさえ立派なそのオモチャよりも自分の方が立派と評価され、一瞬喜んでしまった自分が悔しい。 「ん……なことより…っ……つか、そんなもん子供だけで買えねえだろ!!どうやって買ったんだよ!!!」 「…?…普通に、兄ちゃんのアカウント使った。」 なんでお前が俺のakmazonアカウントに入れるんだ!! そもそもなんだ、この状況は、と聞きたい事は他にも色々あった。 自分の購入履歴を汚されたことにも腹が立った。 しかし、今はそんな憤りよりも、一刻も早く弟の行為をやめさせる必要があった。 今も、自分の唾液で泡立った兄の肉棒を扱き、先っぽれろれろをやめない弟にとてもじゃないが冷静な思考を維持できず、苦し紛れに弟の体を両の脚で挟み込んでも、さしたる抵抗にもならなかった。 「へへへっ……兄ちゃん、気持ちいんだろ~??ちんぽ、すっげーでっかくなって、ビクビクしてるね?ウナギみてー。」 そのまま携帯でパシャリと、撮影までされてしまうと、例によってM心が刺激される。 それでも、なんとか歯を食いしばって官能に耐えながら言葉を紡いだ。 「な、なぁ?他の事ならなんでもいいから、これはやめてくれっ!!!今出したらヤバいんだって!!!」 侑李は知らないが、今日は彼女とのデートが控えていて、そのためにこの数日禁欲を続けていたのだ。 「だめだよ~。ほら、そのままじっとしてる!命令だよ、群司。」 両脚や動かない両腕を懸命にバタつかせて抵抗していた群司だが、侑李の言葉で今日がまだ土曜日であることを知って愕然とした。 とはいえ、命令通りにじっとしていればそう遠くないうちに、弟の手管にハマって射精を迎えてしまう。 それだけ兄をたやすくイかせるテクニックをこの弟は既に身に着けていた。 侑李に初めてこういう事を教えてからまだ1年ほどだというのに、ネットという便利なものがある昨今、侑李の優秀な頭脳は着実に知識と技能を深めていた。 兄のガタイに寄り添うようにのしかかってくると、侑李も興奮してるのか、血色の良い頬を色づかせているのがじっくりと見える。 そして、手では兄を激しい勢いで扱きたてながら、もう片方の手で、侑李は兄の膨れた胸板の上の尖りを悪戯した。 以前に付き合ったSっ気の強い彼女に軽く開発されていたそこを、侑李も目ざとく発見している。 「あっ……ちょっ……乳首(そこ)は、やめ…っ………。」 「兄ちゃん、こんなの気持ちいいんだ。ヘンなのー。」 年の離れた弟からの嘲笑も、本来なら群司をぞくぞくと興奮させる良い材料にしかならない。 弟に乳首を食まれ、舌で擽られ。 肉棒の先にある割れ目からだらだらと溢れてきた先走りを指の腹でまるで擦り付けるように可愛がられると、亀頭は茹でられたように赤く腫れきって、今にも暴発してしまいそうだ。 もはや群司には諦める選択肢しかなかった。 陰嚢から濃厚な体液がぐんぐんとせり上がってくるのを体感していた。 大の大人が幼い弟に嬲られながら見られながら大量のザーメンを噴き出す未来しかなかった。 「あっ…ああぁっ…も…っ…イくっ…イくっ…いグッ!!!!!!!!!」 諦めてしまえば、いっそ潔く大量射精を迎え、それに伴う猛烈な快感を享受するのも一興であった。 驚くほどの切り替えの早さで群司は訪れるはずの強制射精を待ちわびていた。 だが、弟の手は全く止まっていないにも関わらず、どれだけ待っても想定していたような快感が弾ける様子が無かった。 「へ……?…なんだ…?……へっ…?…えっ…はれ?………」 「おっ……やっと気づいた~~~~。」 どういうつもりかにやにやと笑っている侑李の顔のすぐ傍でビクつき震え、暴発寸前の自分の竿。 その根元に蛍光の緑色をした輪のようなものが嵌って、キツく射精を堰き止めていた。 侑李の用意したギミックは、手錠だけではなかったのだ。 細めの腕時計以下と思われるそのリングに、今の今まで窮屈を感じなかったのはおそらく材質のせいだろう。 シリコンのような柔らかいリングは普段その存在をひそめながら、いざ勃起を高めて今にも射精しようというペニスの動きに合わせて中に組み込まれた金属が全力でそれを妨害する。 このリングのせいで射精が出来なかったのだ。 このリングのおかげで、と言い換えてもいいが。 「そ、それも買ったのか…っ…?!」 「そうそう、高かった~~~。でも兄ちゃんに付けたら面白いかなって。」 「カンベンしてくれ…っ……。」 これが他人の女の子だったら、理想通りのちょいS系、ちっちゃくて可愛い系彼女なのだが、残念なことに彼は実の弟だ。物事というのはどうしてこう上手く運ばないのだろう。 宣言通り、兄にこんなものを装着して面白がっている弟に底知れないものを感じる。 まさか、これを外すのと引き換えにまた無茶なワガママを要求してきたりするつもりではないのか。 恐々としている群司をよそに、侑李の方は今にも鼻歌でも歌いそうなご機嫌な様子で、兄の前で上からパジャマを脱いでいく。 おっぱいの尖りの色素の薄い粘膜や、生来の滑らかな肌の質感はこんな状況でなければ眼福ものなのだが。 実際、侑李の子供らしく中性的な体つきを前に、群司は思わず唾を飲んでいた。 兄にいたずらをしながら侑李自身もすっかり気分が盛り上がっていたようで、ズボンを下ろすと侑李の男の子の部分も立ち上がって、濃い桃色の頭が生意気に軽く飛び出していた。 ベッドの上で兄弟仲良く素っ裸になるや、久しぶりの兄との行為に侑李はすっかり期待満々だ。 群司の方も、現在彼女持ちでさえなければ無償でこの弟とセックスを楽しむのはやぶさかではないのだが。 実際、弟のあられもない姿を前にして少なくとも下半身は素直な反応を示していた。 「おいぃっ…!!…いい加減にしねーと…っ…ガキのいたずらにしちゃタチが悪すぎるぞ…っ…」 「へへん…っ……んなこと言って、ちんぽガチガチじゃん。ほんとは早くおれのお尻に入れたいんだろ~~~?」 兄の腰に跨りながら、無邪気ともいえる所作で大きく左右に開いた脚の間で、自身の愛らしい肉孔が物欲しそうにつやめいているのを子悪魔チックに見せつけてくる。 他を見たことが無いから何とも言えないが、子供の尻の粘膜というのはみなこんなに健康的で鮮やかな光沢をしているのだろうか。 侑李の誘惑は確かに半分は的を射ていた。 ここまで散々焦らされ嬲られ、いっそとびっきり激しいセックスで気持ちよく射精したいという衝動は否定できない。 だが、明日の事を思えばそれが実行し難い欲望であることを理性は理解していた。 「だ、だめだって!!!!…ぜってーヤバいってっ!!!…それっ…………ッ!!!!」 そして、今はそんな些末な事よりも、よほどのっぴきならない事態に差し掛かっていることを群司は深く察し、恐れていた。 そんな兄の事情を知ってか知らずか、兄の肉棒に擦り付けていた自身の後ろの窄まりに、構わず先端を宛がっていく。 「ほらぁ、兄ちゃん…っ…見て~?…入れるよぉっ…?」 そう言う間に侑李の腰は静かに、ゆっくりと、それでいて確実に兄の腰へと降りていく。 後ろの口がさっきの侑李のように兄の肉棒の先端を食んで、そのまま呑み込んでいくうちに次第に増していく径に合わせて柔軟に拡がっていった。 「あはっ…ぁ……あついぃ………………あー…っ…あぁぁ…っ……ぅ…ぅ……」 既に何度も経験していて、侑李は自分のお尻で兄の熱をより強く感じる事が出来る場所が穴の入り口であることを知っている。 そこは神経がいっぱい張って、兄の幹の太さによって何度も割り拡げられることでそこから立ち上る何とも言えない愉悦が電気となって侑李の秀でた脳髄を突き抜けた。 我慢できなくて、後ろ手を付いたまま、動けない兄の代わりに夢中になって腰を上下すると、そのたびより一層兄の形と熱さ、固さを強く味わえて、浅ましい姿を晒さずにはいられなかった。 「あ……あはっ…ひゃは…っ…やっ…やぁん……これ…すきぃっ………にいちゃぁん…っ……!!」 おそらく事前に準備はしていたのだろう、明らかに自身の体液以外の潤いと思われる強い滑りを帯びた透明な蜜が、出し入れのたびに侑李のそこから溢れて兄の下腹へと飛び散っていく。 それだけ、侑李の腰の動きは、快感の享受の為になりふり構わないものだった。 たとえ子供であっても、いや、むしろ子供だからこそ恥じらいや矜持など無く肉体的な快感を貪る事が出来るのだろうか。 だが今の群司はそれどころではない。 「おあ゛あぁあっ…ああ゛ぁぁっ!!!!ゆ…っ…りっつ…ち゛ょっまっ…あ゛っ…ぬおぉほほっおぉぉっ…!!!!!!」 それはとてもただの「キモチイイ」を堪能している声ではなかった。全身の筋肉が強張って、声の上ずり方も尋常ではない。 無理も無かった。 只でさえ暴発寸前臨界状態だった勃起を、子供体温の熱々粘膜で潤った窄まりで咥え込まれたのだ。 感度の最大限に達した竿や亀頭粘膜に絡みついた侑李の肉壁は侑李自身の腰の動きに合わせて情け容赦なく大人の雄からミルクを搾り取ろうと躍起になって擦りついてきた。 「にーちゃぁん……っ…おれ…きもちいい~~っ……あんっ…っ…あんっ…にいちゃんはっ…?」 「はっ…はひっ!!んひゃっ!!!…んほぉっ!!!…お゛ぉっ…ゆーり゛っ……!!チンぽ…っ…ごわれる゛ぅっッ!!!!」 群司が慄くのも無理は無かった。 キモチイイかそうでないかと言われればそんなのは応えるまでも無い。 けれど、キモチイイを明確に自覚しながら楽しむ余裕のある侑李に比べ、群司はキモチ良すぎてこれ以上は耐え難いというアンビバレンツともいえる状況に晒され続けていた。 今の群司は絶頂寸前で最大限の勃起と風のひと吹きで暴発しそうな感度を維持しながら、決して射精を許されないという状態にある。 弟によって取り付けられたコックリングは、悪魔のような高性能ぶりを発揮して、尿や先走りは通しながらもザーメンのような粘調度の高い体液は決して通してはくれなかった。 おかげでどれだけ弟と激しく交わろうとも、群司自身の猛りきった欲望は外へ放つことを決して許されず、貯め込まれ、彼の股間で燻り続けるしかない。 両の拳を爪が食い込むほど握り、両脚の背は限界まで反り、頑丈さが自慢の歯は食いしばりすぎてギリギリと音がする。 こめかみに浮いた太い血管は今にも切れてしまいそうだ。侑李に喰われているチンポの血管がはち切れるのとどちらが早いだろうか。 「あっ…いぃっ…いいっ…いいよぅ…っ…!!あぁっ…あぁっ…あぁんっ…!!…」 一方、地獄の快楽に悶絶中の群司とは違い、いつまでもぶっとくて硬い理想の兄ちゃんに侑李の方はすっかり満悦していた。懊悩と評してもいい兄の雄叫びと吐息がBGMとして耳に心地よい。 お尻の穴だけでなく、お腹の内側をごりごりされたり、奥の奥まで兄を咥え込んだ時の圧迫感に今では病みつきになっている。 「あっ…でちゃう…っ…でちゃうっ……うぅっ…」 ひと際甲高い媚声と共に、一心不乱に扱いていたオチンチンから、侑李はこともあろうに今の群司の見ている前でこれ見よがしにミルクの迸りをぴゅぴゅっと吹き出す。 「おっ…お゛おぉお゛ぉ…ッ!!!!!」 その瞬間、中でも絶頂を迎えた侑李の肉孔は強く強く収斂してラストスパートとばかりに生理的な動きだけで搾りにかかってきた。 それだけの凄まじい瞬間風速を記録した快感を以てしても、決して射精の許しを与えられなかった。 「はーーっ………はーーーっ……はーーーー……っ」 「も……もぉ、気が済んだろ……そろそろ……これ………。」 絶頂の余韻のために震えて腰を止めている侑李に、戒めを解くように持ち掛けるも、休息を終えた侑李にそのつもりは無いようで。 「はーーー…はーーーー…っ…え~?やだ。まだだめ。もっと、したいもん。」 そう言って侑李はなおも腰を使い始めたので、再び快感地獄に堕とされつつあった群司は思わず引きはがそうとしたが、やはり腕は繋がれたまま動かせない。 自分の腹筋に手を付いて侑李が再び腰を上下前後に揺らしてくると、さらに股間から伝わってくる快感の津波、あるいは絨毯爆撃。 タチが悪い事に、侑李自身も男の味わい方を覚えただけでなく、肛門の筋肉を使って巧みなリズムで扱きたててくる。 イかせ方だけでなく兄の悦ばせ方もこの年にして既に習得している。 確かにそうさせたのは自分だが、まさかこんな子供が1年足らずでここまでの好きものになるだなんて想像出来るわけもない。 元々は生意気な弟を少し分からせてやるだけのつもりだったのに。 「あっ…ぐっ…ぐぅっ…っ!!!」 相変わらず射精は出来ないが、群司は侑李の中で微かに放尿時のような奇妙な漏出感を感じ始めてきた。 あまりに射精が出来ない事に耐えられなくなったチンポから、先走りその他精液以外の粘調度の低い体液が漏れだしているのだろうか。 「あんっ…あんっ…あんっ………はぁっ…にいちゃんっ…やっぱ、ほんもののにいちゃんがいいよぉ…っ……。」 もはや肛門から快楽しか享受できなくなって、侑李は謡うように口走った。 ほんもののにいちゃん、ということはにせもののにいちゃんもいるわけで、それはつまり、さっき手に持っていた下品なオモチャの事だろうか。 自分はディルド―の代わりか。 確かに今のこの状況は兄弟のセックスというよりは、弟による兄の体を使ったアナニーといった方が正しい。 兄貴をディルドー扱いしやがって。 ブチンッと、何かが千切れる耳障りな音が聞こえた。 残っていた膂力を振り絞って群司は自分の腕を戒めていた手錠の金具を片方文字通り腕づくで破壊してしまっていた。 考えてみれば、いくら金属製とはいえ通販で手軽に買えるような代物だ。ちょっと鍛えた大人の男が本気でかかればこんなことも出来なくはない。 「あっ………それも、結構高いのに…っ…。」 そんな呑気な侑李の言葉など構わず、自由になった片手も使ってもう一方の腕の戒めも破壊した。 完全に自由になった両腕を使って群司がまず最初にしたのは弟への制裁、ではなく、上身を起こしてそんな弟との繋がりを腰を浮かせて解くことだった。 いきなりお預けを喰らって名残惜しそうな声を溢す弟にも今は構っていられなかった。 色んな体液でぬらぬらとてかった自分の強直の、その根元を縛るブツに必死になって指をかける。 けれど、どんなにいじくりまわしても、そのリングは解けるどころかその構造すらも理解できなかった。 「取れねえ~~~~…っ…!!!!!!」 「はぁ……はぁ………うん、それ、暗証番号入れないと外れないよ。だから高いの。」 「それ早く教えてくれよ!!」 「やーだ、続きしてくんなきゃ、おしえないもん。」 縋りつく群司だったが、お楽しみを中断された侑李がそうすんなり教えてくれるはずも無く。 そのまま自分から仰向けにでんぐり返った侑李は、汗ばんだ顔を切なくして両脚を抱えて拡げる。 群司によーく見えるように、いやしん坊な自分の後ろの孔を向けて。 はやく、はやく、と逆に急かしてくる弟に一度は優位に立ったつもりだった群司は膝立ちのまま立ち尽くした。 侑李の事だ。 言うとおりにしないと本当に教えてくれないに違いない。 ヘタをしたらこんなものを着けられたまま明日のデートに。それだけは決して出来ない。 何よりさっきまでと違って自分の好きなように弟を犯せる。 ここまで溜まりに溜まった欲求を一刻も早く発散したかった。 「続きしたら、教えてくれるんだな…っ…?」 今にもぶち込んでしまいたい欲望を隠しきれずに鼻息を荒くする兄に、侑李はうんうんっと頷いた。 「だからぁっ…はやくして~?群司~。」 こんな時だけ素直な弟のおねだりに、今度は無理やりにではない自然な形で興奮を煽られる。 確かに、ご主人様の命令には逆らうわけにはいかない。 こうなったら、この生意気なクソ坊ちゃまがやめてと言っても止まらないぐらいに、ブチ犯して差し上げよう。 侑李が息を呑む間もなく、その脚をやや強引に割り開くと、群司は侑李のいやしい窄まりにこれまでになく無遠慮に自らの肉棒を突き入れていく。 おねだりから、再び根元まで兄弟が繋がるのにものの数秒もかからなかった。 ここまでの行為ですっかり熟れつくしていた侑李のそこはそんな不躾な挿入も快感にしか変換できない。 むしろ、もっと乱暴にされても嬉しいぐらいだった。 兄に突き入れられるたび、触れてもいないオチンチンが兄に犯される動きと合わせてぷるぷると運動する。 「あっやっやっ…やぁんっ…にいひゃっ…ぁんっ!!!!!」 「兄貴を散々嬲りやがって…お前なんか、こうだっ…!!」 まるで逃すまいとするように侑李の小さな体に被さり、しっかりとマウントを取った群司は、子供相手に大人げないまでの勢いで尻を執拗に振り続けた。 侑李が兄を気持ちよくさせるやり方を熟知しているように、群司だって侑李の分からせ方はよく知っている。 自分の根元の太い部分を使って弟の入り口をごりごりと拡げては閉じを繰り返し、そうしながら亀頭の先っぽではお腹の裏をはじめとした弟の好きなところを甚振っていく。 息を突かせる暇など決して与えない。 「やっっ…やンッ!!!そこ、ぐねっちゃっ……やだぁっ…あむッ……ンぐっ……」 さっきの自分と同じように自分では抗いようのない耐えられない快感に喘ぐその口を、兄は自分の口で塞いでやる。 ただ塞ぐだけでなく、驚くほど小さな舌を捕え、猫のそれのようにざらざらした感触や、唾液の味を楽しむ。 兄弟揃ってキスは結構好きなようで、侑李も普段キスだけはサービスにしてくれることが多い。 もはやどちらの体液かも判別の無くなった互いの唾液の混じった糸を引かせ、それでも互いの舌を吸い合うのをやめなかった。 「やぅっ!あんっ…!にいちゃ……!!やっぱにいちゃんが、するのがいいよぅっ…!!!!」 「ふふんっ……そーだろ、そーだろ…っ……。」 にせものにいちゃんで自分を慰めるよりも、ほんものにいちゃんを使って自分でするよりも、やっぱり侑李は兄自らに愛してもらうのが一番気持ちいい事を分かっていた。 そんな侑李のなんとも殊勝な反応に、群司は妙に征服欲が満たされていくのを感じる。 元々色白な侑李の体が良い具合に色づいてきたのを見計らって、侑李の小さな丸いお尻を抱え上げると、不快繋がりを維持しつつも、自身の逞しい腰を叩きつけるような勢いで打ち付けていった。 「あっ…ひゃうっ……あっ…あぁんっ……にいちゃ…っ……いくぅっ…おれっいっちゃうぅ…!!」 今度は後ろで先に絶頂を迎えた後、勢い余った兄に突かれながら、ぴゅうっと控えめな射精を数回繰り返して自身の白い下腹をさらに白く濁ったミルクで濡らした。 まんまと弟をイかせたのを確認すると、未だ逞しい勃起を維持したままの肉棒を弟から抜き出していく。 もはや我慢に我慢を重ねた自分の性器の姿は、群司は自分で引いてしまうほどだった。 熱い血潮を貯め込み続けたせいか、亀頭は赤いを通り越してもはや黒ずんで、血管はこれまで見たことも無い程何本も太く腫れあがって今も脈打っている。 「ふーーーー………っ…ふーーーーっ………おい、約束だぞ………暗証番号とかいうやつを教えろよ?誰かの誕生日とかか………?」 うつ伏せに蹲って本日二度目の絶頂を楽しんでいた侑李は、兄に言われるや、まだ震え気味の手を自分の携帯に伸ばした。 「んーーー…いま、入れる。」 そう言って携帯画面にぽちぽちと触れた。 弟の不可解な返事に首を傾げていると、股間でカチッという確かに何かが外れる感触がした。 「えっ……ちょっ……待てよ……それってっ…?」 見た目には変わりは無かったが、リングの中の金属の結合が緩んだのか、さっきまでの拘束力を感じられなくなっている。 それは確かに群司の望むところではあったが、今このタイミングでそれはまずかった。 群司の脳内プランでは、暗証番号を聞き出した後部屋に戻ってある程度股間の腫れが収まってから丁重に外すつもりだったのだ。 そうすれば、何とか禁欲を維持したまま明日を迎えられるという希望がまだ残っていたのに。 出来る限りの最速で群司は自身の根元を握り締めたが、それでもあと一歩足りなかった。 散々にお預けを喰らっていた群司自身は、彼の意思に反して見た目通りの逞しさで濃くて熱い飛沫を解き放った。 その勢いは、射精した本人である群司が思わず腰を引いてしまうほど彼の尿道を瞬時に圧迫し、擦り上げて普段の射精とは比べ物にならない程の痛快感で群司を懊悩させた。 「はっ…ひゃはっ!!…はぁっ…!!!」 それも一度や二度ではなく、同じような量と濃度の射精を変わらない勢いで何度も繰り返しながらベッドだけでなく侑李の頭を飛び越えて机や床を汚してしまうほどだった。 侑李のように後ろを犯されたわけでもないのに質より量の快感の乗算に、群司はしばらく思考を手放して自身の射精に支配されていた。 「はぁ…はぁ……はぁ……くそっ……くそ……ぉ…っ…。」 折角の禁欲生活もこれでとうとう台無しになってしまった。 けれど、今はもうどうにでもなれという気持ちの方が強い。 それぐらい、堪えに堪えての大量射精の快感はすさまじいものがあった。これもオスだけの特権かもしれない。 そんなのを、よりによって実の弟に味わわされるとは。 「うええぇ……にが…っ……。」 一方その弟の方は自分の体にも散々ひっかけられた兄の体液を指ですくって、呑気に口に含んだりと一人で戯れていた。 そんな弟を呆れながら見ていた群司はようやく一息つくと膝立ちになって。 「これで気が済んだか…………?俺、明日用事あるから、もう寝るわ…。」 「え~~~っ…やだ……もっとしたいよーー。」 「おまえ……っ……なあ~~っ…。」 頭のいい人間は性欲も強いとはよく言うが、侑李は子供のくせに性欲も物欲も強すぎる。 まさか待ったがかかるとは思っていなかった群司が目を剥いていると、侑李はむくりと起き上がって、そんな兄の股間で未だ前を向いている肉棒をやんわりと扱き立ててきて。 「兄ちゃんだって、まだぜんぜん元気じゃんか。ね~?それにお前じゃなくて、今日一日は侑李様だろ?」 「今日一日って言ったって…」 そろそろ今日も終わりだろう。そう言いかけたところで侑李が携帯の画面を見せてきた。 そこに表示されている時刻に群司は愕然とした。 画面には、デジタル表記で「21時30分」と示されていた。 「くじはん!??」 今日一日が終わるまで、あと2時間以上残っている。 それは群司の体感時間的には容易に受け入れられない事実だった。 確か夕飯を食べて、入浴して、侑李にマッサージをして、添い寝をして、起きたらこんな目に遭っていた。 そろそろ今日という日が終わるころ合いだと、群司は勝手に認識していた。 今頃は時刻の確認などPCや携帯で事足りるので、群司の部屋には置時計の1つも無かったことが彼の時間の感覚を狂わせていた。 つまり、今までの小一時間のやり取りから逆算して、自分が一度眠りについてから起きるまでに5分ほどしか経っていなかったことになる。 「そうそう、群司はまだ、おれの家来なんだぞ?」 えっへんとしたり顔で放たれたそんな侑李の言葉に、ぐうの音も出なかった。 今日一日は自分は侑李の家来。 たとえあと残り僅か2時間であってもここで自分がその条件を蔑ろにしたら、侑李はその時点で契約破棄と見なすだろう。 折角返ってきた十万円を再び献上しないといけなくなる。 禁欲を破った上に十万円とはさようなら。 その最悪の事態から逃れるにはこのままご主人様と家来ごっこを続けるしかなかった。 「わかったか?群司?返事は?」 ん?と自分を見上げてくる弟の顔に、泣く泣く返事を返すしかなかった。 「……………はい………侑李様………。」 その答えに満足した侑李は、そのままベッドにうつ伏せに飛び込んだと思えば、子犬のように四つん這いの格好でふりふりとお尻を振る。 「じゃ、続きしよっか?『群司』!!!」 もはや群司に出来るのは求められる通りに残った自分の精力で侑李の要求通りに彼を満足させることだけだった。 数少ない救いは、弟とのセックスはとても気持ちがいいことぐらいだ。 前述のようにお互いに兄弟の好きな事やいいところは知り尽くし合っているし、体の相性もいい。 それに、まだ子供の弟のおしりまんこは、これまでに付き合ったどんな女性とも比べられない程具合が良かった。 今も自分を誘ってくる弟の発情した横顔と蜜孔を前に、彼をたっぷりと啼かせてやりたい欲望がふつふつと湧き上がってくる。 所詮、相手は子供。 大人である自分の精が尽きる前にたっぷりと体力を使わせて満足させてやれば、なんとか明日のデートの分の体力も精力も確保出来るかもしれない。 懲りずにそう意気込んで、弟の桃のお尻を掴んで捏ねて、撫でまわす。 彼の戦いはまだまだこれからだ。 そして、その戦いは2時間経っても3時間経っても終わる事は無かった。 禁欲のおかげで一度や二度の射精程度ではどうという事の無い余力は確かに残していた。 が、それが却って裏目に出てしまったのだろう。 あらゆる戒めも解かれて自由になった体で堪能する久々の弟とのセックスは、途中で理性を飛ばしてしまうには充分な刺激と快感があり、気が付けば日付を跨いだことも忘れて弟と繋がり続けていた。 仕方なかった。 こんな時に限ってやけに素直に兄ちゃん兄ちゃんと甘えて自分を求めてくる弟を蔑ろに出来なかったし、そんな可愛い弟を満足させられないようじゃ大人として男として色々廃るというものだ。 途中からは精の余力を残すことなど完全に諦めていた。 兄に気の済むまで可愛がられて満足した侑李は疲労のままにさっさと意識を手放してしまい、その隣で群司ももう何を考える気力も失ってそのまま力尽きていた。 ─── デートの待ち合わせ時間は14時だった。 なんとかそれなりに清潔感のある身なりを保って家を出ると、群司はちょうどそれとは入れ違いに夜勤から戻ってきた母と出くわした。 「あら、群司。どっか行くの?おしゃれしちゃって………うん……?」 母が怪訝な表情をするのも無理は無かった。 群司のその顔はこれから可愛い彼女とのデートといった面持ちでは到底無かった。 母の言葉にも聞いているのかいないのか、虚ろに首を振るだけで、目には生気を感じられない。 それも無理も無かった。 精も根も昨夜の弟に搾り尽くされて、もう搾りかすも出ないような状態だった。 それでも彼女の誕生日デートの約束をすっぽかすわけにはいかない。 大賢者モードの理性でそれだけはしっかりと認識していた群司はまるでロボットのように弟の体を洗い、自身の身繕いも済ませて出てきたところだった。 一方、日曜日である今日は侑李には何の用事も無く、二度寝をしたって誰に怒られることもない。 羨ましい。 いや、そんな事を思ったらまるで自分は夜のお楽しみだけを目的に女の子と付き合っているみたいだ。そんな事は無いつもりなのに。 とにかく今日は彼女を楽しませることだけを考えてエスコートすればいいだけだ。 1人自問自答しながら門を出ていく長男の背中に首を傾げつつ、母は自宅に戻っていった。 夫はまだ出張中のはずだが、玄関の靴で次男はまだ家の中にいることが分かる。 「侑李~~、アイスもなか買ってきたから食べない~~~?」 一階のリビングもダイニングも灯りは点いておらず、となると部屋で宿題でもしているのだろうかと二階に上がる。 次男の部屋を覗いたところで、母はあらあらと肩を竦めた。 自室のベッドの上で、次男は肌着姿のままくぅくぅと寝息を立てていた。 侑李が昼寝をしているのを見るのは珍しい事だった。 なにせ、普段は寝るのが嫌いと公言するほど働いている事が好きな男児だ。 「うゅ…………にぃ…ひゃん………しゅき……ぃ………」 兄と一緒に楽しく遊んでいる夢でも見ているのか。 母も群司ほどその性格を理解しているわけではないが、日頃こまっしゃくれた次男の罪の無い笑顔は夜勤疲れの身には大いに癒しを貰っていた。 「もう、なんだかんだ言って、ほんとはやっぱりお兄ちゃんが大好きなのよね~~。」 風邪をひかないよう、布団を綺麗に欠け直してやると、母はなるべく物音を立てずに静かに部屋を後にした。 時間の都合上、昨夜の痕跡を殆ど処理出来ていない長男の部屋に、母が立ち入らなかったのは兄弟にとって実に幸運な事だっただろう。 ─── 苦労の甲斐あって、群司と彼女である「莉々ちゃん」とのデートは最後までほぼ計画通りに進んだ。 プレゼントを買ってあげた時や一緒にディナーを楽しんだ時に見せてくれた彼女の心躍る笑顔からも、群司は確かな手応えを感じた。 そのまま夜のお楽しみ、なんてなくともこれはこれで彼女に最高の誕生日デートをプレゼントした、と思えば悔いは一切無かった。 その一週間後。 群司は「莉々ちゃん」から「本当の運命の相手を見つけたから」という理由でお別れを告げられた。 自分の心にウソは突けないの、とすすり泣く彼女を前にして群司は言葉を失うしかなかった。 ここで激情にかられて怒鳴りつけるようななりふり構わない性分でもなかったし、むしろ町中のオシャレなカフェでそんな事をして耳目を集める事を嫌がる体裁を気にする性分が群司を黙らせていた。 泣きたいのはこっちの方だ。 一つだけ浮かんだのはそんな言葉である。 あまりにも一方的な破局宣言を容易に受け入れる事も出来なければ人前でみっともなく縋りつく事も出来ない。 そこから一度別れて以降、向こうからは一切の音沙汰も無く、こちらが送ったメッセージにも応える様子は無かった。 考えてみれば、自分は彼女の住むアパートの場所すら知らず、通っている大学しか知らなかった。 玉砕覚悟で大学に突撃したりするやけっぱち根性も、流石に無い。 ほぼ泣き寝入りに近い状況にあった。 「兄ちゃん、今、ヒマ~?ヒマだったら、一緒にスプラトゥーンしない?」 両親ですら長男の表情に立ち込めている暗雲を察して遠巻きにしていたのに対して、侑李はそんな事は一切意に介さずけろりとした顔で兄の部屋に突撃していた。 「………うるせーな、今そんな気分じゃねーんだよ。」 そう言って手で払いのける仕草をする兄に、侑李は構うことなく傍のベッドに腰掛ける。 「彼女にフラれたから?」 「なんで知ってんだよお前!!!」 誰に打ち明ける事も出来ない状況でしばらく貯め込んでいた感情を露わに取り乱す。 「うーん………ナイショ!」 なんとも気の抜ける返答に、軽く舌打ちをする。 まさかあの時の別れ話のやり取りが街中で噂になって…なんて群司もそんな心配をするほど自意識過剰ではない。 おそらく適当にカマをかけたら当たった。そんなところだろう。 「元気だしなって~~~~。兄ちゃんイイ男なんだからさっ…兄ちゃんを振っちゃうような見る目無い女の事なんか、忘れちゃいなよ。」 「お前なぁ、ガキのくせにまたそんな知った風な口を………。」 そう言いつつも、これまでずっと一人で落ち込んでいた分、優しい言葉を掛けられるのは悪い気はしなかった。 それでも失ったものは返ってこないが。 せめて「莉々ちゃん」の運命の相手とやらが一週間前に現れてくれてたら10万円だけでも無駄にすることはなかったかもしれないものを。 そんな風に思っているのだろうな、と兄の苦々しい表情を見ながら侑李は含み笑いを浮かべていた。 この間、兄からあの10万円の入った封筒を渡された時、侑李はその封筒の裏側の隅に「デート軍資金」と小さく書かれていたことに受け取ってすぐ気が付いた。 こんな大金をつぎ込むくらいだから、相当今の彼女にのめり込んでいるのだろうなと察した侑李はあえて兄に恩を売る目的で10万円を返し、情報を収集した。 兄のアカウントを使ってネットで買い物が出来るぐらいだ。 ちょっと携帯でも弄れば、今の彼女が「莉々ちゃん」という名である事や、兄の彼女との今後の予定を知る事など侑李には造作もない。 そして、彼女との誕生日デートの前日が、たまたま戯れのつもりで口にした「兄ちゃん一日家来」の土曜日であると知ったのだった。 前日に、めいいっぱい兄ちゃんとエッチしちゃえば、彼女とはエッチ出来なくて兄ちゃん困るかも。 そんな程度の子供なりのジェラシーの混じった、いたずらな思い付きだった。 彼女がどんな人となりをしていて、兄の彼女として認められるか、弟としての審査はそれからのつもりだった。 かと思いきや、それから一週間で破局。 それも、どうやら兄からではなく向こうから言い出した様子。 わざわざ誕生日デートに出来て間もない彼氏に散財させ、その後は用済みとばかりにフェイドアウト。 もうその時点で、侑李からするとタチの悪い女に搾取されただけとしか思えなかったが、兄本人はまるで気が付いておらず彼女の言い分を鵜呑みにしている様子だ。 10万円返しておいたのは良かったのかもしれない。 兄には良い薬になっただろう。 まぁこれで簡単に懲りるような兄とは思えないが。侑李からすればそこが兄の可愛いところなのだが。 「なんで俺には運命の相手がやってこないんだよ~~~~。」 項垂れる兄の姿に侑李はにやつきを必死でこらえながら、その肩を抱いてやった。 「しょうがないなぁ、兄ちゃん。今度の土曜、またお母さん夜勤だから、そん時に、いっぱいエッチしようよ。特別にタダでいいよ!可哀そうな兄ちゃんの為だもん。」 「お、マジかっ!??そ、それは、まぁ………わるくねーな……っ…。」 幸か不幸かフリーになった今、弟との情交の邪魔になるような条件は何もなかった。 それに、普段なら金を取られる弟との行為をタダで楽しめるというのは実にお買い得。 可愛いなあ。 目の前で現金に身を乗り出す兄。 その頭には犬の耳、後ろでは尻尾がパタパタ振れているように、侑李の目には見えていた。 そうだ、今度兄ちゃんが何かを壊したら、その時は弁償の代わりに一日ペットになってもらおう。 部屋の中に、価値は高いけど壊れてもいいものは他に無かっただろうか。 兄ちゃんに似合いそうな首輪とリードも、ヒマな時にネットで探してみよう。 兄の膝に乗り、軽いスキンシップを取らせてやりながら、侑李は自分のペットになった兄とどんな事をして遊ぼうかと今から楽しみで仕方がなかった。 「すごくちょろいお兄さんが好きです」 END