「──やっほー! 今日も遊びに来たよ!」
健康的な印象を受ける、スポーツウェア姿の背の高い少女。
何処か中性的で鍛えた印象と、その上にうっすらと乗った脂肪の丸みが演出する女らしさ。
モニカはその姿を見た瞬間に、喉がごきゅりと音を立ててしまい、慌てて視線を少女から逸らす。
けれど、文芸部の部室に明るい声が響き渡った瞬間、モニカ以外の三人の部員たちの顔つきが劇的に変化した。
「あぁ……♥ トーコちゃん……♥ トーコちゃん、来てくれたぁ‥‥♥」
感情豊かな文芸部のムードメイカー、サヨリはふらふらと立ち上がって少女──トーコに抱き着き、その胸に顔をうずめて深呼吸を始める。
文芸部では二番目に小柄なサヨリは、女性にしては長身なトーコと触れ合うと、自然と顔が胸の辺りに来るのだが、それでも少しばかり同性のスキンシップにしても濃厚な接触。
トーコはまるで嫌がる様子もなく、それをいいことにサヨリは深呼吸を続け、ふぅー♥ ふぅー♥ と唸りながら股を擦り合わせている。
「はっ♥ はっ♥ 嗅がせて♥ ここ、あたし専用だからぁ♥」
普段は感情を上手に表に出せず、とげとげしい対応になってしまいがちなナツキも、感情のままに……というか、欲望の赴くままにトーコの背中にはりつき、そのままお尻に顔を埋めて、ふごふごと鼻を鳴らし始める。
びくんっ♥ びくんっ♥ と小さな体が震える度に、蹲踞の姿勢になって下着を丸見えにしているナツキの股間から零れた汁で、足元に水たまりが出来ていく。
「はしたない女で、ごめんなさい……♥ ああ、うなじの汗、おいしい……♥」
ユリはトーコより少し高い身長を活かして、彼女の耳の後ろに鼻をうずめると、首筋に光る汗の玉を腐乱に舌で舐め取り始める。
トーコの背中へと豊満な胸をぐりぐり押し付けるのは、明らかに少女の体を使って快感を貪っていた。
トーコという少女の全身に群がり、その臭いを懸命に嗅ぎながら、甘えに甘える文芸部の少女たち。そんな風に少女たちに纏わりつかれているのに、トーコは嫌そうな顔一つしない。
モニカだけが視線を逸らして、小さく肩を震わせているのを見つめて、トーコが快活そうな笑みで話しかけてくる。
「モニカは、やらなくていいの?」
「そ、そんな破廉恥な行いは、私はしないわ……」
「そう? モニカなら大歓迎なんだけどなぁ」
目は逸らしていても、鼻はひくひくと動き続けてしまって、少女特有の酸っぱいような、甘いような汗の匂いを吸い込んでしまう。
生命の、匂い。ゲームの中には存在しないはずの、命の芳香。
「ほっ……おぉぉっ……♥」
「いつでも“諦めて”くれていいからね? あたしの本命は──モニカだけだからさ♥」
トーコがどこまでも朗らかに囁きかけ、それまでトーコに夢中になっていた文芸部の仲間たちが、ぐりんっ! と首を回して一斉にモニカを見つめる。
その目には……自身がかつて彼女たちに向けたような、嫉妬や憎悪は微塵も見当たらない。
誰もがモニカを認めている、彼女たちが溺愛しているトーコ、この文芸部には合わないようなスポーティな少女の最愛は、モニカだと納得し、祝福している表情。
モニカだけが、そのことをまだ受け入れていない。
「(ああ……何が、起きているの……?)」
何度自問しても、その答えは出ない。
この『ドキドキ文芸部!』というゲームの世界をメタ認識して干渉可能で、外の世界の存在に気付いている特別なモニカでも、トーコという更に異質な存在については理解はまるで及ばない。
そして、トーコにどうしようもなく惹かれてしまうことも、またモニカにはまるで理解が及ばない。
彼女は……最愛のプレイヤーの、アバターを抹消した相手なのに。
※
「こんちはー、遊びに来ましたー!」
トーコが現れたのは、モニカがじわじわとこの世界や文芸部員たちに干渉し、外の世界の住人であるプレイヤーに主人公越しに執着し始めていた頃だった。
「(……こんなキャラクター、知らないけれど)」
文芸部の部長という立場の特典として、この世界をゲーム内だと認識することが可能で、様々な干渉を行えるモニカは、当然ながらこの世界を最も詳しく把握している存在だ。
にも関わらず、ミナホシ・トーコと名乗ったこの少女のことを、モニカはこれまで認識したことが無かった。
とは言え、ここがゲームの世界であることを考えれば、アップデートによって何かしらの変化が起きたり、商業主義に流された販売元がコンテンツを追加することだってあり得る。
モニカは自分の権限と干渉の力が保持されたままなのを確認し、新しい変化を快く受け入れた。
しかし、そんなモニカのことを……トーコはもっと快く受け入れていたらしい。
「モニカ、やっと会えた!」
「えっ!? 私のこと、知っているの……?」
文芸部らしくない、どっちかというと運動部っぽい……と言っても、この世界は文芸部周り以外は最低限しか作り込まれていないので、そんなもの設定しか存在しないのだが……少女は、本当に嬉しそうにモニカの手を取る。
快活で明朗そうな顔立ちなのに、その目には軽く涙まで滲んでいて……まるで、生きているみたいな反応だった。
「(画面の外の、あの人と同じ……ううん、もっと鮮烈な感情の輝き)」
あり得ない、トーコだってゲームのキャラクターなのだから、こんなものはプログラムの範疇の反応のはずなのに。
その眩しいまでの感情表現に、詩作を趣味とするように設定され、この世界を厭世的に見ているモニカの心は、強く惹きつけられてしまう。
そんな風に目を奪われたせいで、ほんのひと時だけ、モニカの意識は主人公よりもトーコを優先してしまった。
「ああ、お前はいらない」
トーコの手が主人公に伸び、ぐしゃりと頭を握りつぶすと共に、巻き込むようにして全身を圧壊してしまう。
直後、モニカの認識できる外界から覗いていたプレイヤーの頭部も吹っ飛び、その体がバキバキと砕けて認識外へと倒れ伏していった。
「……え?」
──外の世界に、干渉した?
文芸部の部長として、神にも等しい権能を与えられたモニカでも出来ないことを、トーコはあっさりと実行して見せた。
それも、最愛のプレイヤーを殺害すると言う方法で。
「──ッ!」
咄嗟にモニカの内心を怒りや憎しみが支配し、トーコに干渉して存在を消し去ろうとする。
だが……出来ない。トーコへの干渉は、モニカの権限では許されていなかった。まるで、外の世界には干渉できないのと同じように。
「ど、どうしてっ……!?」
その時になって、モニカは異変に気付く。
基本は無言を貫く主人公はまだしも、部員たちがトーコの登場からずっと、何の反応も示していない。部室内で主人公が異常な手段で殺害されたのに、まるで騒ぎ出す様子もないのだ。ゲームの限界と言えば、それまでだが。
それどころか、サヨリも、ナツキも、ユリも……立ち上がるとトーコの全身に群がり、想い想いに匂いを嗅いだり、汗を舐めたり、ほおずりしたりと、愛しい相手にするような反応を示して見せる。
モニカが彼女たちの元々持っている要素を増幅して、豹変させたのとはまるで異なる、根本的な改変を受けてしまったように。
「それじゃあ、これからよろしく、モニカ♥ “仲良く”しようよね♥」
そう言って微笑むトーコの笑みは、どこまでも友好的なのに……まるで肉食獣の舌なめずりのように見えた。
※
──そうして、ゲームの世界はトーコの思うがままに改変されていった。
文芸部周り以外は曖昧模糊としていた場所に、無数の建物や施設、公共機関などがあふれだし、モブ程度の存在でなかったはずの名無しの登場人物たちがあちこちを跋扈するようになり、まるで外の世界のように拡張していく。
それはきっと、単にトーコにとって都合がいい改変に過ぎないはずなのに、まるでモニカに干渉できなかった外の世界を見せようとしているようにも感じられてしまい、必死に正気に返れと頭を左右へと振ることになった。
モニカの権限は消えていない。けれど、トーコが干渉した後はもう、モニカの力で消したり変えたりはできなくなってしまう。世界も、文芸部の部員たちも、もはやモニカの手を離れてしまった。
トーコは自分の作った世界で陸上部に入っているらしく、毎日楽しく走ったり、跳んだりしている。
そうして、汗でぐっしょり濡れると文芸部の部室を訪れて、モニカ以外の文芸部員たちと戯れ始めるのだ。
あの、濃密な女の匂い……生命の香りを部屋の中に充満させながら。
「ぴちゃっ♥ ぴちゅっ♥ はっ、はぁっ……トーコちゃん♥ トーコちゃんの、足ぃ……♥ 足の指、おいひぃぃっ……♥」
「汗、たまってるぅ……♥ 指の谷間舐めるの、たまらないのぉ……♥ じゅるるっ……こきゅっ♥ ああ、もっと踏んでぇ……♥」
サヨリとナツキは、行儀悪く文芸部の机の上に座ったトーコの足を舐め、ぐりぐりと自分の顔を彼女の足裏に埋めて、興奮した声を上げている。
ユリに至っては、トーコから与えられた脱ぎたての上着を抱きしめて、ちゅばっ♥ ちゅぶっ♥ と夢中でしゃぶりながら、ラッコのように床で体を丸めていた。
「モニカも、そろそろ混ざらない? 詩も落ち着いて作れないでしょ?」
「だ、誰のせいだと思っているの……んふぅっ♥」
「あはは。怒った風なのに、あたしの匂いで興奮しちゃうモニカ、可愛いよ♥」
その濃密な匂いは、どれだけ焦がれても触れられなかった、外を意識させるもの。
トーコが何者かは未だに分からないが、どうやら外から入り込んできた“生命”であることは間違いないようだ。
ゲームの世界で暮らしているから、見た目はモニカたちと同じ“絵”っぽいのだが、匂いがまるで違う。本当に、生きている匂いがする。
ゲームの世界のケーキや飲み物、あるいは自分も含めて、様々な匂いは纏っているが、いつも一定で代わり映えはしない。
トーコはその日の運動量や、体調なんかで匂いが変わる。それでいて、ある種の一貫性があって、モニカの心をさざめかせるのだ。
「(あの胸に、飛び込んだら……この匂いをもっと堪能できるの……? な、なにを考えてるの! 彼女は、大事な彼を消したのよ……!)」
自身と外の世界の接点を抹消し、世界を好き放題に改変する破壊者。
けれど主人公などという、結局はプレイヤーの操り人形を介しての、もどかしい外との交流とは段違いの濃密な生命の証左を鼻孔に嗅がされて。
自分にだけ攻略ルートのない牢獄で、管理者まがいの囚人をやらされていた場所が、どんどんと鮮やかに彩られて行って。
本当に自分がプレイヤーを好いていたのか、単に外との接点なら誰でもよかったんじゃないかというほど、モニカの想いは輝きを失って澱み、そうやって曇るほどにトーコの存在は眩しく、愛しく思えてきてしまう。
「い、いっそのこと、私もみんなみたいに、プログラムを弄ってしまえばいいじゃない。そうすれば、私も悦んであなたのハーレム入りをするでしょう?」
「分かって無いなぁ。モニカには、モニカにだけは、自分からあたしの元に堕ちてきてほしいんだよね」
今のトーコは、ユリに上着を与えたので、スポーティなブラジャーを付けただけの、格好良さと可愛さの混じった上半身を見せつけている。
健康的な肌の色の上を汗が垂れていくのを、モニカは一度注目してしまうと、目が離せなくなる。
それでも、何とか視線を逸らして、トーコは憎い相手なのだと思い込もうとするのだが、その日のトーコはモニカを放っておいてくれなかった。
「あんまり長い間、焦らされると寂しくなっちゃうや。ふふっ、もっと積極的にアプローチしちゃおうっと」
「な、なにを言って……ふあぁぁぁっ♥」
いつの間にか、自分の靴下を与えてラッコを二匹増やしたトーコは、モニカの側に近寄ってきており、その眩しい桃色の乳首が露わになっていた。
ごくんと唾を呑んだ瞬間に、モニカの顔がトーコの匂いに覆われる。
鼻先をスポーツブラで覆われたのだと気付いた時には、既に時間をかけてトーコの匂いに屈服させられていたモニカは、びくびくと体を震わせて達してしまっていた。攻略ルートは無いくせに、絶頂には達する体って、何なのだろう。
「ふぅー……♥ んふぅーっ……♥ や、やめ、れぇっ……♥ ふぐっ、ふーっ……♥」
「モニカの体の中の空気、あたしの雌臭ですっかり入れ替えちゃおうねぇ。体の中から犯したげる……♥ あはっ、ここ……モニカのここ、熱いよ♥ 生きてるみたい……♥」
「ふ、ほぉぉぉっ……♥ おふぅぅぅっ……♥」
トーコの指が色っぽくしなり、モニカの下着の上から秘所を何度も撫でまわす。
その度にモニカは軽イキを繰り返してしまい、息は荒くなっていき……トーコの匂いを、より深く多く吸い込むことになる。
「(あぁ……あぁぁっ……♥ 私が、私が壊れるぅ……♥ 彼へ向けてた恋心も……所詮はスクリプトの範囲だった自我も……消される……♥ ほ、本物の生命に、塗り替えられちゃうのぉ……♥)」
すんすんと懸命にブラの内側を嗅ぎ、もっと触ってほしいとでも言うように、股間をトーコの指に押し付けてしまうモニカ。もっと嗅ぎたい、もっとイキたい、本物の生命に……屈したい。
そう思っていたのに、トーコはパッとブラをモニカの鼻先から外し、指であそこを弄るのもやめてしまった。
「あっ……♥」
「はい、今日はおしまい。それじゃあ、サヨリたちとイチャつこうかなぁ」
「だ、ダメ……!」
一瞬、己の改変の力を使いそうになる。もう、サヨリたちはその範囲外なのに。
そして、その行いは……外の世界の彼への恋心故の暴走と、同じ行動だとモニカは理解してしまった。
「(わ、私……トーコに触れられたくて……もっと、もっと気持ちよくされたくて……文芸部を、壊そうとしたの……?)」
「駄目って言われてもなぁ、モニカはあたしに甘えてくれないし。こことか、他のみんなは夢中になって舐めてくれるのに……♥」
「う、あぁぁぁっ……♥ ふぅー♥ すんっ、すんすんっ……♥ こ、濃いぃぃっ……♥」
トーコが頭の後ろで手を組んで、見せつけてきたムダ毛一本すらない美しい腋。
そこに籠っていた、ブラも相手にならないほど濃密で、煮詰めたようなトーコの匂い。
へっ♥ へっ♥ と犬のように舌を突き出して涎を垂らし、腰を自然にヘコつかせながらも……なおモニカはトーコに甘えることができない。このままでは、トーコを他の娘たちに取られてしまうのに。
その思考がもう、恋する乙女のそれだと理解しないままに、モニカは懸命に解決策を探す。もう、彼女の改変が及ぶ場所はほとんどない。トーコを何もない世界に閉じ込める……などということも、不可能だ。
なら、もう。自分の権限の、及ぶ範囲と言えば。
「(あぁ……さようなら、私……さようなら、モニカ……生まれて、育って、歪んだ私……幸せの無いこの世界から、今……羽ばたくの……)」
「さてっと、じゃあユリをさっきから遊ばせてるから、まずはあの娘と……」
「──ちゅっ……♥ じゅるっ、じゅずずずっ♥ ふぅー♥ んふぅー♥ トーコ、トーコぉ♥ トーコの腋の匂い、好きぃぃっ♥ 味、濃いのぉぉっ……♥」
トーコがほんの一瞬、モニカから目を逸らした時には、文芸部の部長は、最後までハーレムに抵抗していた哀れな権利者は、トーコの腋にキスを堕としながら、腋芽に鼻先をぎゅっと押し付け、舌を這わせて汗を啜っていた。
最後の改変可能な存在、それはモニカ自身だ。
モニカはもう、とっくにプレイヤーなどという遊び半分でモニカに希望を与える存在より、トーコに惚れ込んでいるのに、素直になれなかった。芽生えてしまった自我が、自由の放棄を拒絶していた。
だから、自分自身を改変したのだ……単なるハーレムの一員へと。
無論、くだらない恋心の残滓など、真っ先に抹消した。新しい恋に、もっとも必要のないゴミだからだ。
「トーコ♥ トーコぉ……♥ ごめんなさい、私、ずっと素直になれなかった……んふぅっ♥ 腋臭でイク、イキそ……♥ もう、私のこと、嫌いになった……? いきなり都合が良いと思う……?」
「ふふー、そうだねぇ。あたしは──都合のいいオンナ、大好き♥」
「んふぅうぅぅっっ♥ ふあぁぁぁっ♥ いっ、ふぃぃぃぃぃぃっ♥」
ぎゅぅぅっ♥ とツルツルした腋を締めて顔を圧迫されながら、モニカの下着がズラされて、ぐちゅっ♥ ぐりゅっ♥ とトーコの指が、愛しい人の指が最奥を突く。
ぶちぃっ♥ と何かが貫かれる感覚があり、モニカは自分の一番大切なものを、トーコに捧げたことを意識する。それはなんて、幸せなことなのだろう。
ぶしゅっ♥ ぷしゃぁぁっ♥ と何度も潮吹きしながら、トーコのくれる快感に溺れ、生命の匂いを堪能し、改変された新しい自分の中身を、恋心で満たしていく。
それが向かう相手は、届かない相手じゃない。モニカに同じだけ……いや、モニカよりも遥かに多い好きを返してくれる人だ。
「(あぁ……イクっ、イクぅぅぅっ……♥ トーコの指でイクの……♥ トーコの腋臭嗅ぎながらイク♥ トーコの命感じながら……飛ぶうぅぅっ♥)」
ガクガクと体を揺らしながら潮を吹き、そこに小水が混じってじょぼじょぼと水たまりを作った。
不思議なことに、自分の作った水たまりからは、画一的でない匂いがする気がした。まるで、生命に選ばれたモニカもまた……命ある存在になれたかのように。
「ふ、あぁぁっ……♥ 私、イッちゃった……♥ 頭の中、ぐちゃぐちゃになっちゃったぁ……♥ もう、詩も作れないかもぉ……♥」
「それならそれでいいよ。あたしへの愛さえ、つづってくれればさ♥」
トーコが頬ずりして見せてから、自分の下着をゆっくり脱いで見せる。
こちらも動きやすい様に地味なデザインのそれは、モニカを愛しながらトーコも感じてくれていたのを示すように、じっとりと濡れていた。
まるで結婚指輪を嵌める時のように、トーコがそれをモニカの顔に被せてくる。
ちょうど鼻先と股間に当たっていた箇所が触れ合うように、くちぃぃっ……♥ と水音が響く。
「ふっ、ほぉぉっ……♥ じゅるるっ♥ じゅっ……おいしっ……おいしいぃっ……♥ あはぁぁっ……匂い、強いぃぃっ……♥」
「ふふっ、可愛いよ、モニカ。どんなに無様でも、モニカは一番可愛い……♥」
はたから見ればそれは間抜け極まりない光景だっただろうが、モニカとトーコにとってはまるで婚姻の儀式のように神聖だった。
それに、観客と言ってもよいサヨリもナツキもユリも、モニカとトーコのことを馬鹿にするような色は一切浮かべず、相思相愛となった恋人たちを祝福の目で見守っている。
これからの文芸部には、幸せだけが満ちることだろう。変化を続けながらも終わらない、真なる永遠の幸福が──。
今回の攻め役
ミナホシ・トーコ(水乃星 藤子)
・モニカたちの通う学校の、運動部に所属する明朗な少女、という設定の世界への介入者。モニカ以上の改変能力を持ち、今も愛しのモニカに飽きない世界を提供する為、拡張を続ける新たなる創造主。
・本来のプレイヤーがいる次元と同じ場所で生活していたが、友人を庇った事故で足を負傷し、更に保身を図った友人から「自分を車道に突き飛ばそうとして勝手に怪我した」という噂を流され、陸上部を辞めさせられた過去を持つ。
・失意の中で偶然『ドキドキ文芸部』に触れる機会があり、あまりにも大きな愛を向けてくるモニカに心酔し、彼女に愛情を返せないかと願うようになる。その後、何らかの理由で『ドキドキ文芸部』の世界へとやって来た。
・モニカが腕枕をしてもらっている時に聞いてみたが「なんか叔母さん、あっ、高校時代に自殺しちゃったらしいから、あたしより見た目年下なんだけれど。その人が夢に出てきて、四月に雪がどうとか突破がどうとか言われてる内に、こっちに来てた」と何にも説明してないのと同じことを言っていた。
・ちなみに、改変能力自体は与えられたものとかではなく、自前らしい。「モニカへの愛が成せる業」とは本人の談。
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