──人で無い存在の跋扈する世界には、多くの場合、様々な“規範”や“法則”を司る者が存在している。
彼女たちは“女神”と称されることもあるし、“天使”と呼ばれることもある。特定の信仰や伝承に根差す存在では無い為、これらの呼称は正しくもあり、また間違ってもいる。
どちらにしても、彼女たちは己の担当している領分を粛々と守り、世界の運行が正しく進むようにと尽力をしているのが常だ。
ただし、その日──蒸気文明が根付くことで、私たちが知るのとは違う歴史を歩んでいる帝都・東京に降臨した女神は、年若い上にある種の情熱に憑かれており……要するに、またも“やらかす”前振りはあったのだった。
※
──帝国歌劇団のスタァ、真宮寺さくらの私室。
巴里から訪れている姉妹組織、巴里歌劇団のエリカ・フォンティーヌがそこを訪ねたのは、深夜を回ってからのことであった。
「エリカさん、どうぞ。ここまで、誰にも見られていませんね?」
「は、はい、多分。なんだか、スパイみたいで格好いいですね!」
「声、抑えて! 早く、部屋の中へ」
歌劇団員として忙しく働くその裏で、魔なる存在と戦うことで帝都を守る“華撃団”としても活躍する二人にとって、夜更かしは本来ご法度である。刃で以て悪を討ち、歌で人を癒す彼女たちにとっては、休むことも仕事なのだ。
しかし彼女達にとって、無視のできない変化が起きていることもあり、こうして二人は性急な夜の会合を行っているのである。
「それにしても、驚きました。まさか、グリシーヌさんと花火さんが、その、エスというんですか? そういう関係だったなんて……」
「エリカもびっくりです。マリアさんとカンナさんが、女の人同士でお付き合いをしているなんて」
さくらとエリカが想いを寄せている華撃団の隊長(そして歌劇団のモギリ)、大神一郎を巡るライバルであったはずの少女たち、マリア・タチバナと桐島カンナ、グリシーヌ・ブルーメールと北大路花火が、唐突にそれぞれ交際を宣言。
一気に四人のライバルが脱落したことで、俄かに大神を巡る争奪戦は様相を変えることになった。
勿論、残った女子たちも愛らしさや凛々しさを称えた美人揃いであり、これで自分たちの勝率が上がったなどと思う程、さくらもエリカも思い上がってはいないのだが、それでも動き出すには十分な契機だと言える。
二人は結託することで残りのライバルたちを出し抜き、その上で最後は自分たちで大神の恋人を決めようと算段するべく、こうして深夜に集まっているのであった。
「そう言えば、エリカさんはシスターなのに、同性同士の恋愛は大丈夫なんですか? 耶蘇教では厳しいと聞いたことがありますが」
「心から愛しあうことには、男女の別は関係ありません。私は、皆さんのことを祝福します。ソドムの街は、同性愛そのものよりも、堕落してしまったことが問題ですしね」
「まあ、その方がエリカさんらしいですけど。それじゃあ、私たちの輝かしい未来の為の会合を……」
「ぱんぱかぱーん! おめでとうございます!」
いきなり響き渡る女性の声。聞き覚えの無いそれに、さくらとエリカはぎょっとしながら顔を向ける。
そこには、あまりにも神々しい気配と、魔の者たちとは対極にある神聖なオーラを放つ、金色の髪と純白の装束を備える美女が立っていた。
強大な霊力を持つ二人は、一瞬でこれまで相対してきた全ての存在の中で、この美しくも清らかな女性が最強最大の存在だと察する。
「あ、あなたは一体……!?」
「も、もしかして、神様ですか!?」
「ざっつらいと! あなた方は私こと、百合の女神リリーティアによって選別されました! あなた達の恋心、私が見事に叶えて差し上げましょう!」
「百合の女神……」
「リリーティア……」
ふふん! と鼻を鳴らして見せるリリーティアを前に、さくらとエリカはこそこそと話を始める。
「百合の女神様ということは、お花の神様なんですよね? 恋愛成就のご利益なんてあるのかしら」
「さくらさん、百合は聖母マリア様に処女懐胎を告知した天使ガブリエルの象徴花なんですよ! だとすれば、相当に力の強い御方かも知れません!」
「そ、そうなんですか?」
太正の御代を生きる二人にとって、百合の花が同性愛を差すようになるのは、まだずっと先の話である。
二人はリリーティアが、大神への恋心を叶えてくれるものだと思い込み、美しい女神に再び向かい合った。
「ほ、本当に、私たちの恋を叶えてくださるんですか?」
「お任せください! 女神としてはまだまだ新人ですが、私は理想に燃えております!」
「わあ、心強いです! あ、でも……わ、私たちの恋は、道ならぬものになってしまうんじゃないですか? それでも叶えて頂けるんでしょうか?」
さくらに対してライバル心は持っているが、それはそれとして心優しいのがエリカという少女である。
二人ともの恋を叶えるとなると、大神に不貞関係を結ばせることになるのではないかと、心配したのだ。
「問題なんてあるはずないです! 今どき、それくらいは当たり前! 二人そろって、確実に幸せにしてみせます!」
「なんて自信に満ち溢れた言葉……! そ、そうよね、戦国時代の武将とか、複数人の奥方がいるのは当たり前だった訳だし」
「あ、でも、この前のお仕事で、よく確認しないで恋を成就させたら、女神の先輩と天使ちゃんに怒られたんですよね。ゆりようせい先輩は絶賛してくれたのに、けち臭い……二人とも、私が恋を叶えて良いですよね?」
「は、はい! お願いします!」
一応は確認を入れるリリーティアだが、根本的な部分で通じていないままに話を進めてしまったばかりに、さくらもエリカも“百合”が差すのが何なのかを理解しないままに承認してしまった。
直後、二人はいきなりベッドの上へと放り出されていた。さくらが使っているものよりも、かなり材質が良い。
そこは、寝台以外は何もないのに、不思議と殺風景な印象を受けず、穏やかで満たされたような気持ちが湧いてくる、奇妙な空間だった
音も何もしないのに、心臓の音だけが聞こえて不安になるということもなく、何かの快い音律は耳に響いているような気さえする。
これまで異世界に迷い込んだ経験が幾度かある二人だが、それらは大抵は危険な場所であったりした。なので、この空間の穏やかな空気には、却って圧倒されてしまう。
「ここは私が産み出した“百合空間”! この場でセックスを一発キメれば、たちまちに運命の恋へと昇華! 即座にカップル成立! ウェディングまでまっしぐらという、素敵で無敵な空間なのです!」
「えぇぇぇぇ~っ!? そ、そんな、いきなり三人でなんて、破廉恥な……!?」
「しゃ、シャワーは浴びてきましたけれど、下着にはこだわって来なくて……」
「エリカさん、どうして乗り気なんですか!? い、いえ、ここまで来たからには、私も覚悟を決めますけれど!」
さくらとエリカは急転直下の展開に、狼狽えつつも覚悟を完了し、大神がこの寝台の上に現れるのを待ち受ける。
しかし、リリーティアは何故か「もう仕事は終わった」と言わんばかりの眩しい笑みを浮かべて、二人に向かって決定的な言葉を投げかけた。
「それでは、存分にレズセックス! 同性同士の激しいセックス! 交わして愛情深めてくださいね! 触れあえば触れ合うだけ、体は気持ちよく、心は惹かれ合うようにしてあります! 最低でも一回はしないと部屋から出しませんから」
「は? ……は?」
「れ、レズセックスって……えぇぇぇぇっ!? め、女神様、何を仰って……!」
「大丈夫、私は百合の女神! すべて理解していますとも! 神様は何も禁止なんかしてない、愛してる×3です! あなたの宗派の神には、私から断りを入れておきますから! 存分に愛を深めてください! ではでは!」
虚空を切り裂くようにして、さっさと姿を消してしまうリリーティア。
後には、自分たちの短慮によって、とんでもない事態に取り残された二人の乙女の姿。
「……どうしましょう、さくらさん?」
「ど、どうしましょうと言われても、エリカさんがあんな風に力強く了承してしまうから!」
「あああ! ですよねぇ! エリカのせいですぅ! ごめんなさいぃぃっ!」
「あ、え、ちょっと……え、エリカさーん?」
これが例えば神崎すみれ相手であれば、丁々発止のやり取りが始まるのだが、エリカは善良かつ心優しい少女である。ついでに言えば明るい態度に隠しているが、自己肯定感はかなり低かったりする。
さくらに恋敵としては対抗心はあれど、歌劇団(=華撃団)員としては尊敬を抱いている為、彼女を巻き込んでしまったと本気で苦しんでいる様子に、当のさくらも慌て気味である。
「え、エリカさん、泣かないで……これじゃあ、私がエリカさんをいじめてるみたいじゃないですかぁ……」
「ふえぇぇぇんっ……さくらさん、ごべんなざいぃぃっ……」
「ああ、もう。落ち着いて下さい」
さくらも少し気は強いが、善良で他者想いであることは変わらない。事態は深刻なものだが、それでも目の前で泣いている相手を放置することはなく、優しくエリカの頭を撫でてやる。
「あっ……」
「大変なことになってしまいましたけれど、責任をどちらかに押し付けるのはやめましょう! 何とか二人で協力して脱出するなり、外に助けを求めるなりしないと!」
「あっ……♥ あぅ……♥ あぁ……♥」
「こんなことなら、荒鷹を持ってくれば良かったけれど……そうだ、エリカさんがもしかして、マシンガンを持ち込んでいたりしませんか? それを使って、この空間の何処かに穴を開けて……あの、エリカさん……?」
「はぁ……んっ、はぁぁ……♥」
膝枕状態で頭を撫でられていたエリカが、ゆっくりと顔を上げる。
その眼には爛々と……さくらがこれまで幾度も見てきた、恋する乙女の輝きが宿っていた。
さくらはリリーティアの去り際の言葉を思い出す──触れあえば触れ合うだけ、体は気持ちよく、心は惹かれ合うようにしてある……。
「ま、まさか……な、撫でるだけでもアウトなんですか!?」
「さくらさぁんっ♥ さくらさん、とっても優しいです♥ んっ、好き……♥」
「きゃぁぁぁっ!? ちょっ、ちょっとエリカさん、離して……あわわ、すごい力……!」
さくらは剣術をやっていることから、銃器に頼っているエリカのことを身体能力では自身に劣ると思っているところがあったが、実際のエリカは両手でマシンガンをぶっ放すという、霊力の補助はあるにしても飛び抜けた力の持ち主だ。
まして今は恋の暴走特急となっており、さくらの着物を優しく脱がせながら、その素肌に顔を埋めてぐりぐりと頬ずりしてくる。
「んぁっ……♥ ま、まずい、これぇ……え、エリカさん、胸に触れるのは……おほぉぉぉっ♥ ダメ、ダメぇぇっ……♥ え、エリカさんが、可愛く見えてきちゃうぅぅっ……♥」
「えへへ、エリカ、可愛いですか……♥ でも、さくらさんには負けます♥ んっ……さくらさんのお花みたいに素敵な匂い、ここにいっぱい籠ってますね……♥」
「やっ……そこはぁ……♥」
子犬のように鼻を鳴らして、エリカが顔を埋めてきたのは、さくらの腋である。血管が多く詰まっている、敏感で多汗な個所……さくらが平静ならば怒りに任せても死守するが、もう彼女もエリカに恋をし始めているので、抵抗は鈍い。
「ぺろっ……♥ えへっ、さくらさんの心臓に近い場所、舐めちゃいました♥ んっ、美味しいです……ぺしゃっ、ぺろっ……れるぅぅっ……♥」
「ひうぅぅっ♥ やっ、あはぁぁぁっ♥ ど、どうしてぇ……どうして、そんな……恥ずかしいところが、気持ちいいのぉ……♥ や、やぁぁっ……ふあぁぁぁっ♥」
「さくらさんの恥ずかしい場所、いっぱい舐めちゃいますね♥ んっ、んふっ……甘くて酸っぱいおつゆが後から後から出てきます♥ まるで、女の子のお大事みたい……♥ これで、さくらさんはエリカのモノですぅ……♥」
かりっと腋を軽く噛みながら、さくらに対して独占宣言をしてみせるエリカ。
しかし、腋を噛まれて軽く絶頂を迎え、ふんどしを愛液で濡らしながらも、さくらの中では生来の負けん気が燃え上がり始めていた。
「こ、このっ……好き勝手してぇっ♥」
「むぎゅぅぅぅっ♥ ふぐっ、むふぅぅぅっ♥ さ、さくらさん♥ お顔、腋で挟まれてぇ……ん、むぅぅ……苦しい……♥」
「苦しい? そういう割には、エリカさんの乳房は、ぷっくりと先端が膨れているじゃないですか♥」
「きゃふぅぅっ♥ ふごっ、ふもぉぉぉっ……♥ さくらさんの腋、嗅がせながらぁ……お胸触るの、ダメですぅぅっ……♥」
「ダメだダメだ言いながら、こうして指でカリカリしてあげると、気持ちいいってぷるぷる震えていますよ♥ なんて淫蕩なシスターなんでしょうね♥」
「あうぅぅっ♥ ごめんなさいぃぃ……さ、さくらさんの腋、甘くていい匂い過ぎてぇ……♥ 体中気持ちよくなっちゃうんですぅぅぅ……♥」
「可愛いこと言ってぇ……♥エリカさんこそ、私のモノになればいいんです♥ 一生、小猫ちゃんとして可愛がってあげます♥ あの猫の格好、すごく破廉恥で可愛かったですよ♥ そうです、エリカさんは私専用の猫ちゃんです♥」
さくらは腋にエリカの顔を拘束したまま、乳首を指で引っ掻いていたが、やがてその赤い修道服をまくり上げて、ぐっしょりとに濡れた下着と、透けて見える膨れた陰核を露わにする。
「(ああ……私で、こんなになってくれてるんですね、エリカさん……♥ 私のこと、大好きじゃないですか♥ 逃がしません♥ あなたが私のモノなんです♥ 私を独占しようなんて、甘いんですよ♥ エリカさんが私の恋人です♥)」
「きゃふぅぅぅぅっ♥ そ、そこはぁぁ……エリカのお大事、指で弄られてぇぇぇっ♥ は、恥ずかしいですぅぅっ♥」
さくらは秘所に手をかけたことで完全に勝ち誇っていたが、自分が敏感な腋マ〇コをエリカに預けっぱなしということを忘れていた。
じゅぞぞぞぞっ♥ と激しく腋をすすり上げられ、「んひっ♥」と思わず拘束を緩めた瞬間、エリカに脱出されてしまう。
そうしてエリカは、さくらのことを寝台に押し倒すと、激しい口づけで大和撫子を拘束した。
「んむぅぅぅっ……♥ んっ♥ んんっ……♥ は、あぁ……き、キスぅ……♥ エリカさんと、キスしちゃったぁぁ……♥」
「蕩けた顔をして、さくらさんがやっぱり、私のモノになるべきです♥ たくさん愛してあげます……さくらさんが舞台を終えて戻ってきたら、すぐに蒸れた腋をちゅってしてあげますからね♥ んむっ……キス、甘い……♥」
「あっ……あぅぅ……♥ エリカさんとの生活とか、幸せ過ぎるぅぅ……で、でもぉっ♥ ゆ、譲れません♥ 私が、エリカさんを責めるんですぅ♥」
「ふあぁぁぁぁっ♥」
さくらが褌をズラして、エリカの秘所へと自分のそこを擦り付ける。
二人は激しく自分たちの秘所を擦り合わせながら、互いへの愛と消えないライバル心を吠え合う。
「んきゅっ♥ んふぅぅっ♥ さ、さくらさんは、私のことが大好きなレズビアンなんですからぁぁっ♥ 私に可愛がられればいいんですぅぅっ♥ えいっ♥ えいっ♥ 私のこと好きでしょう♥」
「あふっ♥ んんっ♥ え、エリカさんこそ、生粋の同性愛者で♥ 私のことを愛してるんでしょう♥ 愛してるて言いなさい♥ 言えっ♥ 私はエリカさんのこと愛してるんだからぁぁっ♥」
「ひうぅぅぅっ♥ さくらさんからの告白、嬉しいですぅぅぅっ♥ は、はい、エリカもレズビアンで、サクラさんを愛してますぅぅっ♥ 結婚♥ 結婚してくださぃぃぃっ♥」
「ああぁぁっ♥ エリカさん、好き♥ 一生、離しませんからぁっ♥ 私のエリカさん♥ 好き、好きぃぃぃぃっ♥ あぁぁっ♥ 貝合わせでイク♥ エリカさんへの愛誓いながらイグぅぅぅぅっ♥」
二人の愛液が、互いの秘所の中に流れ込み、永遠の愛が誓われる。
条件は満たされた、この部屋を脱出することも、リリーティアに頼めば可能だろう。
「はっ……はっ……♥ エリカさん、可愛い……♥ こ、恋人になったエリカさんを、抱いてもいいですか……♥ いいですよね♥」
「さくらさん、えっちすぎです……♥ いいですよ、シスターとして受け止めてあげます……あなたの、心からの愛を……♥」
しかし、さくらとエリカは直後に二回戦に耽り始め、リリーティアへの呼びかけを行ったのは、実に六度の情事を終えてからだった。
※
──二人が秘密の会合の為に集まった夜から数えて、翌日。
「──さくらくんも、エリカくんも見当たらないなんて」
「あの二人が連れ立って何処かへ向かうなんて、珍道中の予感しかしませんわ」
「問題は、その珍道中の行き先さ。下手は打ってないだろうが……」
大神は華撃団の仲間たちと共に、さくらとエリカの姿を探していた。
二人はそれぞれ寝室から姿を消しており、外に出かけたにしては靴がそのままになっているなど、奇妙な点が多かった。
最初は劇の練習でもしているのかと思っていたが、劇場にも姿を見当たらない。今日は休みとは言え、何も言わずに姿を消すタイプではどちらもないのもあって、暗雲のようなものが立ち込めつつあった。
「あら、おはようございます、皆さん。何をしているんですか?」
「さ、さくらくん!? エリカくんも!」
「おはようございまーす。朝から、かくれんぼですか?」
散々に探し回った後、さくらの部屋へと戻ってきた大神たちだったが、なんとほんのさっき覗いた時はいなかったはずの二人が、腕を組んで姿を現した。
二人の様子はとても親し気で、ここ数日の間に華撃団内で起きている出来事を想起させるには、十分な甘い空気だった。
「そうそう、私たち、お付き合いをすることになったんです♥ ねえ、エリカさーん♥」
「はい♥ 私、さくらさんと病める時も貧しき時も、支え合って生きていくと決めたんです♥」
「え? えぇ?」
「それじゃあ、私たちはデートを楽しんでくるので♥ また夜にお会いしましょう♥」
「今日が、皆さんにとっても幸せな一日でありますように♥ おはようおはようボンジュ~ル♪」
警戒に歌いながら立ち去っていく二人を、呆然と見送るしかない大神。
せめて、この感覚を仲間たちと共有しようとしたのだが。
「ま、待って、お待ちになって、さくらさん! 女同士がアリなんでしたら、どうして仰ってくださらないの! わたくし、妾に立候補しますわ!」
「エリカ! お前、私と言うものがありながら……くそっ、このまま私もデートに参加だ! 日本女なんかより完璧にエスコートしてやる!」
「すみれくん!? ロベリアくんまで!?」
次々に自分の元を少女たちが去り、呆然とその場に立ち尽くす大神。
彼が正気に還ったのは、アイリスとコクリコの年少組が呼びに来てからのことであった……。