──露わになった腋に、じゅっ……と音を立てて吸い付くと、いつも格好良くて頼りになる、お姉さんのようにも親友のようにも思っていた相手の喉から、甘い喘ぎ声が漏れる。
自分がその人を喘がせているということに興奮して、くちゅくちゅと大事なところを弄りながら、じゅるるっ……と柔らかい腋を舐め続ける。
「そ、こ……♥ 何にも、出ないからぁ……♥」
「いいんです♥ 舐めると落ち着きますから……♥」
そう言いながら、激しめに吸って自分という存在を相手の体に刻み込む。
もしもこれから、少しでも刺激を受けたら自分を想いだすように。
ぴちゃぴちゃと音を立てて舐めながら、望む答を求めて問いかける。
「ねえ、好きですか、わたくしのこと……♥ 片思いじゃ、嫌なんです……♥ 好きって、言ってください♥」
「あぁぁっ……あ、アイムぅ……好き、だよぉ……♥」
返ってきた答があまりにも理想的過ぎて、指についた愛液を舐める。
酸っぱい味の中に……ミルフィーユのような甘みを感じた気がした。
※
──ここは宇宙の辺境、遠い昔に放棄された居住惑星の廃墟。
ゴズマやザンギャックの侵略で滅びた訳ではなく、恐らくは単純に住人の高齢化などで遺棄されたと思わしい、寂れた無人の街並みにうごめく影があった。
ミディアムショートの茶髪に、黄色のジャケットと白のインナー。下履きはデニムのミニスカートに、黒タイツとヒールブーツ。女性らしさと快活さが備わった、麗しい外見の乙女である。もっとも、二刀流に用いるのであろうシミターを佩いている様子から、ただの観光客や迷い人という空気はなかった。
訳ありと思わしい、うら若い乙女が亡霊でも出そうな廃墟で何をしているのか……探し物をしているらしいが、その様子にそこまで焦りのようなものは見られない。
「ルカさーん! 見つかりました!」
そんな彼女へ届く、吉報の声。
ルカと呼ばれた女は「でかした、アイム!」と朗らかに告げると、声の主の元へと駆けていく。
黒のポニーテールに、桃色を基準としてロリィタファッション姿。一見して気品のようなものと穏やかな空気が感じ取れて、ルカとは対象的に見える乙女……アイムは、しかし並んでみると姉妹のように親し気な調和が感じられた。
アイムの手には鍵のようなものが握られており、ルカはそれを見つめて「間違いない、“ワルドキー”だね」と確認の言葉を継げる。
……ルカ・ミルフィとアイム・ド・ファミーユは、宇宙海賊であり地球の特化戦力──スーパー戦隊にも数えられる、ゴーカイジャーのメンバーである。二人で行動するときは、誰が呼んだかゴーカイガールズと称されることもある。
そんなゴーカイジャーの面々が現在、宇宙に散って探しているお宝……それがこの“ワルドキー”だ。
ワルドというのは、とある並行世界に存在するキカイトピア王朝・トジテンドが生み出した、いわゆる“怪人”の名称である。
しかし、例えばゴーカイジャーが戦ってきたザンギャックの尖兵、行動隊長たちもかなり厄介な連中だったが、このワルドというのはそれらとは次元が違っている。
何しろトジテンドが“封印”してしまった平行世界の力を、そのまま戦闘に使えるというすさまじい連中であり、中には歴代スーパー戦隊が戦ってきた敵組織・その首領クラスの実力を持つ者までいるのだ。
結局トジテンドはゴーカイジャーにとって後輩に当たるスーパー戦隊ゼンカイジャーによって滅亡し、更にその裏で手を引いていた“ある存在”との和解もあって、並行世界は解放されたのだが……ワルドたちはあまりにもその力が強すぎた為、レンジャーキーと似た形で力の痕跡が宇宙に散ってしまった。
元のワルドのように世界そのものを書き換えるとか、概念レベルで破壊や浸食をするということはないが、それでも一怪人としては破格の力が活用できてしまうのもあって、ゴーカイジャーはこの回収を現在行っているのである。
……もちろん単なる善行という訳ではなく、ザンギャックの残党を始めとした、ゴーカイジャーと敵対する者たちがこれを手に入れたら、おちおちとお宝探しもままならないというのも大きいが。
「これで三つ目……マーベラスたちの回収がどれくらい進んでるかは分からないけど、結構いいペースなんじゃない?」
「けれど、これまでの二つは確かに恐ろしい能力を持つキーでしたが、どちらも影響範囲は非常に小さいものでした。お宝探しとしては問題ありませんが、スーパー戦隊としての治安維持として考えると、役に立てているのでしょうか?」
ゴーカイガールズがこれまで回収してきたワルドキーは“スシワルド”と“カタツムリワルド”の二つ。
“異なる物質を癒着させ離れなくする”、“特定空間内の物理現象を遅くする”という、決して侮れる能力ではないのだが、他の怪人たちと次元が違うというほどのものでもないという印象だ。
マーベラスたちに接触してきた、カイゾクトピアの海賊一家によってもたらされた情報によれば、中には時間遡行を可能とするものや、世界そのものを抹消してしまう恐ろしいものもあると聞いており、それらが野放しになっていることに心優しいアイムを胸を痛めているのだった。
そういえば、ルカたちが「地球なんてどうでもいい」と思っていた……今は地球を守ることに誇りのようなものをキチンと感じている……頃から、アイムは地球人にも優しかったりと、自分からいろいろ背負い込むタイプだった。この辺はギブアンドテイクを徹底しているルカとは対象的と言える。
「真面目だなぁ、アイムは。危険なものなのは変わりないんだから、強弱に区別するほうがおかしな話になるでしょ? ちゃんと、アイムは役に立ってるって。今回だって、見つけたのはアイムじゃん」
「そう言っていただけると、多少は心が休まります……ところで、今回はどんなワルドなんでしょう?」
「まあ、確認してみることにしよっか。警戒は忘れないように……」
レンジャーキーの力によって、歴代スーパー戦隊へと変身することができるゴーカイジャーの面々だが、ワルドキーを使ってもワルドに変身することは出来ない……出来てもしたくないが。
代わりに、一時的だがワルドを実体を伴って召喚することが可能で、大抵の場合はワルドは言葉の語尾に自分の出身世界にちなんだものを付ける習性があるため、一発で正体を確かめることができる。
危険を感じたらキーを抜けば、すぐにワルドは消滅してしまうので、キーの見た目からは判断が難しい時は……スシワルドなどは、まんまスシの頭部なので見ただけで分かる……これを正体確認の手段としてゴーカイガールズは用いていた。
「──ゴーカイチェンジ……チェンジしないのに、この掛け声も変だよねぇ」
ルカがワルドキーを回すと、二人の前にキューピッドが弓を構えているのを横から見ているような、珍妙な頭部を持つ怪人が姿を現す。
「なに、こいつ? キューピッドワルドとか?」
「ユミワルドかも知れませんよ」
「むむ、ここは……人気のない廃墟に乙女が二人! 百合か!? 百合なのかレンアイ!?」
「ゆ、百合?」
なんで植物の名前が出てくるんだとルカが戸惑った為、咄嗟にキーを抜くのが遅れる。アイムの方が語尾をしっかりと聞いており「あなたは、レンアイワルドなのですね?」と確認の言葉を放っていた。
「その通り、私こそ果て無く与え永遠に奪うこと……愛の伝道者レンアイワルドだレンアイ! この私の力を用いれば、道ならぬ恋であろうとも即日成就! 恋愛と友情の狭間なんでまだるっこしいものにはかまけさせないレンアイ!」
「え……る、ルカさん!?」
「あ、し、しまった、すぐ消して……!」
「この私が教えてやる…もっとも清らかなる愛をなレンアイ―ッ!」
ルカが呆気に取られていたせいで、レンアイワルドは各所にハートの意匠のあしらわれた“アイシアロー”を既に引き絞っていた。これでアイムが狙われていれば、ルカも素早く対応できたのだが、レンアイワルドは周囲に何かピンク色の輝きを拡散させるばかりであり、危機感がそこまで煽られなかったのも大きい。
とにかくワルドキーを引き抜き、レンアイワルドは「百合に挟まるのは大罪レンアイ……」の言葉を残し、虚空に消え去った。しばらくの間、周囲がピンク色に光っていた気がしたが、すぐに収まり消えていく。
「あ、危なかった……いや、危なかったのかな? それすら分かんない。アイム、無事!?」
「は、はい、お陰様で」
「お陰様でって……あたしのミスのせいなのに。ごめんね、アイム。あたしが、ちゃんと守るから……」
「はうぅぅっ……!?」
ルカは自分が思うよりもアイムに対して過保護になっていること、そしてアイムはルカの行動がいつも以上に格好よく見えてしまっていることを、それぞれ理解できない。
百合というのは、地球(と恐らくはレンアイトピア)において、女性同士の同性愛を意味するということも……既に二人は、レンアイワルドの術中にハマっていたのである。
この件で本来のワルドと違い、ワルドが消えても能力影響が解除されない、あるいは一定期間残存する可能性が判明するのだが、それを報告する前に、ルカとアイムには熱い夜が待ち受けているのだった。
※
──廃墟の中でも比較的にきれいな建物の中、アイムと一つの寝台を共有しながら……母船においては時どきやっている行為である……ルカは悶々としていた。
「(──な、なんなの、これ……♥ なんか、いま……すごく“シたい”……♥ アイムが、隣にいるのに……ううん、隣に、いるから……?)」
そう、明らかにルカの体はアイムを相手に発情している。アイムを、欲している。
守銭奴のルカは恋愛感情にはどちらかと言えば疎いが、取り敢えず自身を異性愛者であろうとみなしていたところはあり、アイム相手に自分が発情してしまっているのは、大いに戸惑うことであった。
というか百合の意味が分からない上に、恋愛=異性愛という決めつけがあることから、却ってレンアイワルドのせいであるというのをまるっきり考えず、自分が突然にアイムへ恋してしまったと思い込んでしまっている始末だ。
「(た、確かに今日、アイムを守るって約束したけれど……それって、やっぱり一番近くで守るのが効率的だよね? う、宇宙は広いんだし、女同士のカップルが居たってなにもおかしくない……というか、なんなら可愛いアイムの守護者には、それなりに見た目の整ってるあたしが相応しいんじゃない?)」
レンアイワルドは元々性別や種族を超えた愛を芽生えさせる力もあったが、明らかにルカの恋愛脳は過剰なものである。元々ルカはアイムに対して好感を抱いているのだから、それがどんどん恋愛方向に後押しされているのだ。
そもそも、某「僕と握手」なショーの際に、メンバーが一人取り残される演出の際、男性陣だと「早く来ないと料理食べちゃうからね?」なのに対して、アイムが残された場合は「アイムの分は残しておくからね?」になるのは、ゴーカイガールズ推しにとっては常識である。元より愛の萌芽はあったのだ。
「(いやいやいや、ダメだって! アイムに手を出すとか、守るって約束した日に傷つけてどうする!? ……でも、アイムも実は期待してるんじゃない? 両想いじゃない? むしろ、手を出さなかったら『わたくしに恥をかかせましたね』って怒られたりしない?)」
どんどん思考が暴走していくルカ。そんな彼女の背中に……そっと、アイムが抱き着いてきた。
「ひゃっ!? あ、アイム、あんたまだ起きて……!」
「ルカさん……本当に、ずっと守ってくれますか……?」
アイムは元が王族で、ゴーカイジャーには飛び入りというのもあり、メンバーの役に立とうと空回っていた時があったほどだ。だからこそ、彼女はただ守られることを望むお姫さまではない、強さを持った乙女である。
そんなアイムが、ルカが口にしたからとはいえ、自分から「守ってほしい」と言い出すことに、ルカは少し困惑する。
「あ、アイム……その、どういう意味で……」
「……ガイソーグに連れていかれてしまった時、マーベラスさんに任すことしか出来ませんでした……ルカさんが遠くに行ってしまったらどうしよう、お父様やお母様のところに行ってしまったら……そんな不安からも、これからは守ってくれますか……?」
それは、苦い記憶。意思のある鎧に乗っ取られ、仲間たちを傷つけた、ルカの忘れえない醜態だ。
助けに来てくれたキャプテン・マーベラスに対してすら“ワイルドな”照れ隠しをしてしまったので、アイムたちには簡単な謝罪で済ませていたのだが……もしかしたら、あれからずっと気にかけられていたのだろうか。
「ごめん、アイム……もう、そんな不安な気持ちにさせないから」
ルカは、アイムの方を振り返る。
……そこには、布団の中で器用に服を脱いで見せたアイムの姿があった。
「あ、アイムっ……こ、こんなえっちな誘い方して♥ あたし以外にもしてないでしょうね♥ この、確かめてやる♥」
「あぁぁっ♥ ルカさん……♥」
裸になった体を抱きしめられ、指が秘所の周りを円描くように撫でまわす。首筋に、頬に……そして唇にキスを落とし、もどかしげにルカも服を脱いでいく。ゴーカイチェンジで、裸にもなれたら楽なのに。
「あっ……あぁっ……好き……♥ ルカさん、好きです……♥ きっと、ずっと好きだった……♥ 初めて会った時から、ルカさんのこと……んんっ♥ ひ、ひとめぼれだったんですぅ……やっと、想いが叶うのぉ……♥」
「ごめん、あたしは何時好きになったか分からない。で、でも、アイムのこと好きなのは間違いないから……守るから……♥ んっ……アイムの大事なところ、すごく熱い……♥ あたしの指、締め付けてくる……♥」
「あぁぁっ♥ あはぁぁぁ……♥ もっと、深くぅ……わ、私のお宝……♥ ルカさんが奪ってください……♥ もう誰にも奪われないように、ルカさんの手元に置いてください……♥」
甘えるような懇願で、理性も言い訳も吹っ飛んだ。
ルカはアイムの膝に自分の秘所を擦り付けながら、くちゅくちゅとアイムの奥へ……女性の芯へと指を伸ばし、じゅこじゅこと突いていく。互いの唇が重なり合い、じゅるるるっ……唾液が交換される。興奮は、高まっていくのが止められない。
「んっ……くぅぅっ……♥ アイムの一番深いところに、届いてる……♥ こりこりって、指で触れてるよ……♥ このまま少しでも指を進めたら、アイムはあたしのモノになるんだよ……♥ い、いいんだよね……アイムのこと、奪うよ♥ あたしのお宝にするっ♥」
「は、いっ……♥ 遠慮なく、奪ってください……♥ わたくしを、ルカさんのモノにぃぃっ……♥ あぁぁっ♥ じゅこじゅこって、ルカさんの指が深くまで来てますぅぅぅっ♥ あっ、あっ、あーっ♥ ルカ、さっ……好きぃぃぃっ♥ お父様ぁ、お母様ぁ♥ あ、アイムはルカ・ミルフィさんに嫁ぎますぅぅぅっ♥」
ぷつんっ……♥ と何かが破けた感触があり、指に温かい何かが滴る。
一瞬だけ痛そうな顔をしたアイムは、すぐに幸福で表情を満たし、ルカの体に強く抱き着いた。
「ルカ、さぁん……♥ わ、わたくし、ルカさんのお宝になれましたぁ……♥」
「……そうだよ♥ でも、まだ終わりじゃない♥」
ルカの手が、アイムの細い指に触れる。そうして、自分の股間へと導くと、くちっ……と既に濡れているそこへ、指を触れさせた。
「あたしのことも、アイムのお宝にしてもらわないと……ね♥」
……こうして、二人は宇宙でも最大級のお宝を互いに得て、意気揚々と仲間の元へと帰っていく。
レンアイワルドキーが、どこか誇らしげに鈍い光を放っていた。
屋根が高い
2023-10-05 09:01:35 +0000 UTCソウシップ
2023-10-05 08:51:18 +0000 UTC屋根が高い
2023-10-05 08:44:10 +0000 UTC邪バレンスタイン
2023-10-05 08:36:38 +0000 UTC