※こちらのお話の続編となります。よろしけばご参照ください。
・分かたれざる姉妹嫁~中野二乃・三玖姉妹、催眠女に操られてレズウェディング
(https://fallen02side.fanbox.cc/posts/5958975)
「そういう訳で、私、三玖と結婚するから♥」
「うん、私はもう二乃のモノ……♥」
──その日、中野家の次女と三女が、姉妹同士で結ばれた。
大切な話があるということで集結した中野家の姉妹たちと、四女の四葉と婚約中の上杉風太郎、そして義父の中野マルオが揃った場での近親百合婚カミングアウトに、全員がしばらくの間は硬直したが、ともあれめでたいことだと赤飯が用意されることになる。
「二人が仲良しなのは知ってましたけれど、本当にお付き合いするなんてびっくりです」
「最近はドラマや舞台でも同性愛は受け入れられてきてるけれど、実姉妹となると珍しいのよね……まさか、身内からカミングアウトする子が出るなんて」
特に風太郎へと二乃や三玖が想いを寄せていた頃、自身も彼を思っていたことから“悪役”として振る舞うことのあった一花としては、そんな二人が結ばれることに一入の衝撃があった。
しかし、二人は急な話ではあれど幸福そうな様子で、マルオが滾々と同性で生きていくことの難しさと、それでも自身は彼女たちをサポートしていくのを語っている時も、静かに話を受け入れている様子は成長して見えた。
「女の子同士って、やっぱり色々大変なんでしょうか……?」
「アイドルなんかには、結構カミングアウトしてる人も多いし、舞台で最近一緒になった七海さんっていう女優さんも、高校時代から付き合ってる同性の恋人がいるって話だから。簡単ではないと思うけど、一昔前みたいに“禁断の”とか“罪深い”って感じは無いわね」
「やっぱり、一花は知識豊富で頼りになりますね!」
五月が目を輝かせてくれる様子に、一花は苦笑する。一時期、姉妹仲が……完全に自業自得だが……悪化した際に、五月は己の支えになってくれた。本当に頼りになるのは、この末っ子かもしれない。
四葉と風太郎が協力して赤飯の準備をしているのを見つめながら、ふと五月にもいずれは新しい想い人ができるのだろうかと思う。一花はしばらくはもう恋はいいと思っているが、五月の相手が男性であれ女性であれ、二乃と三玖のように応援したくなる二人になってくれればと思う。
「(そう考えたら、二人が付き合ってよかったのかもしれない)」
一花がそう結論付けた頃、マルオが話を終えてキッチンにやってきて、珍しくワインを冷蔵庫から取り出していた。
きっと、今日は飲みたい気分なのだろう。それが“父親”らしい所作に見えて、なんだか少しうれしかった。
※
──そんな風に、家族の交際は上手くいっているのだけれど。
現実で幸せな同性カップルが身近に生まれたのに、虚構の世界の方で上手くいかなくなることもある。
「(私がどうだっていう話じゃないんだろうけど、ちょっとヘコむかな……)」
一花が主演を務めているドラマの撮影現場にして、今は完全に撮影がストップして、スタッフが駆けまわったり、プロデューサがどこかに怒鳴ったりしている。
正に撮影が開始されようとした今日、W主演を務めるはずだった後輩女優が「やっぱりできない、やりたくない!」と控室で籠城を始めてしまったのだ。
タイムリーと言おうか、それとも既に世の中にはありふれているのか、今回のドラマは年の差の姉妹が性別と出自を乗り越えて恋人になっていくという内容なのだが……妹役の女優は撮影直前で「レズの役なんて嫌だ! 男にモテなくなる!」と騒ぎ出したらしい。
「(無性愛者を演じようが、殺人鬼役を演ろうが、モテてる人なんて幾らでもいるでしょうが。はあ……)」
もしかして自分も、あんな感じの恋愛脳だったのかと思うと、少しだけクラッと来る。
現場では今日はいったん中止して、キャストを改めて再撮影という雰囲気になりつつあった。妹になるはずだった女優の子とは、結局顔も会わさずにお別れとなりそうである。
「──愚かなことですね。真理の教導を行う機会を手にしておきながら、悪疫の如く異性愛主義に毒されて、多くの人々の営みを阻害する……やはり異性愛は悪です」
「いや、それは言い過ぎだけど、正直なところ分別は付けろって気持ちにはなるかな……ん?」
丁寧な口調ながら親し気に話しかけてきた相手を、一花は最初は撮影スタッフだと思った。
しかし、女性にしては異様と言ってもいいような長身と、真っ黒な髪の先端が青く染まって輝いているという奇抜なファッションに、売り出し時代の長かったことからスタッフの顔や名前は必ず記憶する一花は覚えがない。過激な主張と言い、脚本関係の人か、あるいは実際に同性愛者のアドバイザーとかだろうか。
「分別、そう分別が必要です。あなたの妹さん達には、それがありました。女神ソラの目指す理想を解する素養。あなたと籠城中の愚かしい誰かさんを結び合わせようなどと、下らないことを考えた私をお許しください。ですが、その素養はあなたにもあると私は信じたい」
「あ、あの……え、スタッフが気にしてないってことは、関係者でいいんですよね? 本当に……? ま、まさか、あなら不審者──!」
「いいえ、伝道者です、中野一花さん。あなたの中の素養を見せて下さい。それはゆっくりと芽吹き……大輪の百合を咲かせるでしょう」
チカッと目前で何かフラッシュのようなものが焚かれ、一花の目が眩む。
とっさに両手を組んで身を守っていたが、目を開くともう、あの奇妙な長身の女性は居なくなっていた。
「一花さん、すいません。あの娘、完全にやる気なくしてるみたいで……申し訳ないですけれど、今日の撮影は中止で」
「あ、はあ……あの、さっきまでここに座ってた人って……」
「ああ、ショウコさん? 変わった人ですよね」
コーヒーを持ってきてくれたADの女性に言われて、やっぱり変わり者の関係者だったのだと納得した一花は、苦めのコーヒーをぐいっと煽る。元より地頭はあまりよくない一花は、それだけで複雑怪奇なショウコの物言いを、半分ほど忘却してしまっていた。
「……あれ? そういえばショウコさんって、何やってる人だっけ?」
「ちょっとこっち来てー! もう、限界!」
ADの女性は、先に一花に聞かれた女性がこの番組でどんな役割をしているのかを思い出そうとしたが、すぐに女性プロデューサーに呼び出され、セットの裏で恋人である彼女に胸をさらけ出し、授乳手マンを始める頃には忘れていた。
※
──それから、一花は新しいキャストが決まるまでの間、家にいる時間が一時的に増したのだが……そうすると、風太郎と四葉・二乃と三玖がそれぞれに二人暮らしを始めるための部屋を探しているということで、自然と五月と一緒にいることが増える。
「(……五月ちゃんって、こんなに可愛かった?)」
そうすると、妹の秘めている魅力にどんどんと気づかされ、一挙手一投足から目が離せなくなっていく。
日課の腹筋やヨガをしている時など、その肢体をじっ……と見つめている自分に気付き、思わず頭を左右に振って落ち着こうとする。
「(もしかして、ドラマの役に入り込み過ぎてる? そりゃあ、自分でもある程度は調べたりして、そのお陰で妹たちが付き合い始めても受け入れられたところもあるけど……私は、風太郎くんが好きだったんだよ? そんな、変わり身の早い……)」
「一花、ご飯にしましょう! 一花と一緒だと、少しくらいは食べ過ぎても怒られないから好きです!」
「好き!?」
「はいっ! 大好きです!」
……落ち着かなければ。ご飯の話である。食いしん坊の五月に他意は無いはず。
しかし二乃と三玖だって、風太郎を好きだった時間は一花とそう変わらないはずだ。それでも互いを好きあったのなら……一花が五月を好きになったとしても、何もおかしくない。
既に姉妹で付き合っている相手がいるという事実は、一花の精神的な負担を驚くほど軽くしていた。
「(か、仮にそうだとしても! 五月ちゃんの方に選ぶ権利はあるでしょ! 私のこと、絶対にそういう目で見てないから! 私はもう、姉妹を傷つけることはしないって誓ったの!)」
「う~ん、美味しいです♥ 何を食べるかも大事ですけど、誰と食べるかも食事だと大切ですねー♥」
顔をほころばせながら食事する五月の罪なき顔を見つめながら、一花は内心で「美味しそうなのは五月ちゃん」と考えかけて、あまりにもおっさん臭い思考に頭を抱える羽目になるのだった。
……これで仕事の方に没頭できれば良かったのだが、替えのキャストが決まる様子はなく、ドラマの撮影の為に多めに確保されていた時間はまるまる五月とのお家デートに費やされていく。キャストが決まれば即再開の為、別の仕事を入れる訳にもいかない。
結果として、五月は一花の愛をたっぷりと(主に食物の形で)注がれて、その分は全ていつも通りに胸へ向かう。そうなると、ムチポヨ可愛い五月にさらに翻弄されることになる。
いっそ二乃と三玖に相談を……とも思ったが、こういう時に限って二人の帰宅時間と、何とか隙間にねじ込んだ他の撮影が重なって、まともに話もできない。
そんな悶々とした日が続いた先……一花は、とてつもなく不機嫌な状態で帰宅することになった。
相変わらずドラマの撮影は再開しないのだが、ボイコット中の女優が一花の元に訪ねてきて、手前勝手に仲間扱いしてきたのである。
「同性愛者なんて変態の役をやらされるのは嫌だと、差別だと一緒になって監督に訴えよう」と言われ、二乃と三玖の件がある上に自身の嗜好も疑っている一花は爆発寸前。
何とか穏便に追い返したが、仮に彼女が方針を改めても、もう二度と共演はしたくないし、演技とはいえ愛情も注げる気がしなかった。
「(そうよ、私が愛情を注ぐ末っ子は、あんな性格の悪い子じゃない! 私が、好きになるのは……)」
そうやって帰ると──五月が、腹を出してすーすーと寝息を立てていた。
どうやら、日課のヨガの途中で電源が切れてしまったようで、ふわっ……と一花の鼻先に汗の匂いが香る。
「(私が、好きなのは……んっ……あぁ……ダメ、止まらない……♥)」
これまで利いていたいた自制のブレーキが遂にはずれ、五月の上に一花は跨る。ほんのりと汗の甘い匂いが香る腹に顔を押し付け、すんすんと鼻を鳴らして。このまま変態と罵られてもいいと、五月の胸を露わにしようと手を伸ばし……。
その手を、姉妹の中で一人だけ大きな胸に、そっと寄せられた。
「やっと、食べてくれるんですね、一花……♥ ずっと、誘惑してたのに、応えてくれないから……♥ ショウコさんと会った日から、ずっとずっと……待ってたんですよ……♥」
ふにん……と柔らかい媚肉に指が食い込む感触は、五月もショウコと出会っていたという、見過ごせないはずの事象をあっさりとスルーさせ、二人はもどかし気に服を脱ぎ捨てていく。もう、両思いだと分かったら、加減する理由は何にもなかった。
「あっ……ん……♥ い、一花……♥ ど、どうして、お腹とんとんされるだけで……あ、ぅ……♥ 気持ちよく、なるんですかぁ……♥」
「ふぅー……それは、五月ちゃんが私を好きだからよ♥ ほら、お腹越しに赤ちゃんの部屋ノックされるの、気持ちいでしょう♥ 毎日腹筋して鍛えてるのに、こうされたら弱々……♥ 可愛い……♥」
首筋に吸い付いてキスマークを残しながら、一花の指はとんとんとんとんと一定のリズムで五月の胎を刺激し、その奥の子宮を触れないままに自分のものへと変えていく。
五月もそれを完全に受け入れており、とろんと蕩けた目で見を預け、されるがままになっている……と思いきや、一花の下着の中に細い何かが入り込んできた。
「えっ、何……んんっ♥ あっ……こ、れ……すごっ……んんっ♥」
「えへへ……♥ 食べたらちゃんと歯磨きしないと、ですよ♥」
五月の手には歯ブラシが握られており、それが一花の秘所に触れると、傷をつけないように繊細にわしゃわしゃと動かされる。
一花の方も背中を丸めて腰を浮かせながらも、五月への口づけと子宮への刺激がやめず、互いに攻め合いながら熱を交わしていく。
やがて、道具を使っている分だけ余裕があったのか、一花が先にくてっ……と崩れ落ち、五月の首筋に顔を埋めてくる。五月は「これで、一花は私のですね♥ 次は、私が一花を食べちゃうんです……♥」とほくそ笑む。
しかし、五月は忘れていた……姉が女優であるという、割と重要な事実を。
「ぴちゃっ、くちっ……くちゅっ……♥ 体重も3サイズも全然変わらないはずなのに、五月ちゃんは全身むちむちね……♥ こんなエッチな体じゃ、姉妹はみんな五月ちゃんにムラムラしてたかも知れないわ……私含めて♥」
「は、うぅぅっっ♥ み、耳ぃ……♥ あっ、あぁっ♥ 一花の声、甘いぃ……♥」
へばったと見せたのは演技で、五月の耳の穴にずりゅっ……じゅちゅっ……と舌を挿入しながら、一花は五月が如何に魅力的か、そして一花に性的に見られていたかを語り出す。
ブラシでの反撃も、足で手を拘束されてしまって不可能であり、じょりじょりと秘所を腕へと擦り付けてくるのに、小さく嬌声を漏らした。
「五月ちゃんはいやらしすぎる♥ こうやって身内にまで手を出されてしまうんだから……これはもう、私の手元でずっと閉じ込めないと安全じゃないわ♥ 五月ちゃん、私たちも付き合いましょう♥ 私が五月ちゃんを守ってあげる……♥ ずっとずっと、傍に置いて離さない……♥」
「ひ、あぁぁっ……と、溶けちゃいますよぉ……♥ あっ、あっ……♥ 頭、撫でないで……♥ 一花に撫でられるの、うれしっ……ひっ、ひうっ♥ ダメ、ダメ、ですから……♥ 気持ちいいの、覚えちゃいますからぁぁ……あ、あうぅぅ……♥」
言葉攻めに加えて、一花の膝がとんとんと優しく五月の秘所を刺激し、同時に頭をなでて確保することで、そのまま「撫でられること=達してしまうほど気持ちいいこと」と覚えさせる。
一度びくっと体を震わせてしまえば、もう止まらない。腕、肩、太腿……どこを触られても気持ちいいのにつながってしまい、撫でられるたびに小さく達するのを繰り返す。一花の膝は、たちまちに五月の愛液でとろとろになっていた。
「はぁ……はぁ……五月ちゃん……♥ キス、して……♥ お姉ちゃんの、恋人になるって誓って……♥ わ、わたし、正直、余裕無いの……♥ 五月ちゃん、あぁっ……かわい、すぎてぇ……♥ 早く、早く堕ちて……♥ 私のモノに、なって……♥」
「……一花のモノにぃ……な、なります……♥ でも、それには……一花も、私のモノに……なってもらないと……♥ ん、ちゅぅぅぅぅ……♥」
「んふぅぅっ……♥ あはぁぁぁっ……♥」
ほぼ趨勢が決まったと思われた瞬間に、五月からのキスが一花の唇に吸い込まれ、食いしん坊の末っ子は、おやつを探すように一花の口内を舐め回す。
今日、一番の深い絶頂を迎えるのは、ほぼ同時。
二人はぐったりと互いの熱を感じながら抱きしめ合い……部屋が見つかったと報告に帰ってきた二乃と三玖に、思いっきり目撃され、祝福されるのだった……。
※
──結局、風太郎と四葉はそのまま中野家に住まうことになり、一花と五月も別居することになった。
これは別に付き合っているというだけではなく……五月も、女優業を始めたからだ。
「私は、今回のドラマの共演役として、妹の中野五月を推薦します。身内の贔屓だけではなく、彼女には演技の才能があるからです」
実際に、五月は姉妹の母親である零奈として変装で振る舞っていたこともあり、これは一花でも……心理的な意味合いも含めて……不可能なことだった。
それに、もう五月以外を恋人として扱うことが、一花には耐えられない……演技であってもだ。
結局、一花と五月はこの共演を機に「必ず恋人同士、姉妹、バディなどの役で、姉妹を同時に出演させる」ことを条件に、堂々と姉妹同士の恋人であることを公言して女優業を始めるが……この破天荒さが世の流れに受けたようで、一花単体以上の評価を受けたことで周囲に認められていくことになる。
「んっ……あっ……♥ 一花、もうすぐ出番ですよ……♥ こんなこと、してたら……あぁっ♥」
「そうね、早く終わらせないと……♥ ふふ、愛してるわ、五月ちゃん……♥」
控室で愛を交わす姉妹は、役職不明の関係者の女がすっかりと現場から消えたことも、ましてや次女と三女の愛の芽生えにも関係していたことも知らないまま、その関係と絆を深めていく……。
屋根が高い
2023-10-06 08:44:20 +0000 UTC邪バレンスタイン
2023-10-06 08:37:38 +0000 UTC