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屋根が高い
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あえぎ、いやらし、痴獄艶~魔女っ子よどみ、匂い責めで堕とされ、お土産に持ち帰られる

 ──そこは天国のように楽しくて、けれども地獄に繋がっている、恐ろしい場所。

 この世の暗闇を詰め込んだ、夜の魔力で輝き駆動する遊園地──人成らざる者たち呼んで“天獄園”。

 その日も天獄園のオーナーである怪童から、お試しチケットを渡されたお客さんがやって来る。

 ニコニコと微笑んでいる、OLと思わしい女性だった。天獄園にやって来る客は、何かしらの不満や怒りを抱えていることが多いのだが、そういった感情には一切縁がないという様子。

 毒々しい紫と銀色に塗られた、キノコを象る自身の店の中で、小さな黒猫のお面で顔を隠した魔女装束の少女……よどみは面白く無さそうな顔で、OLのことを見つめている。当然だが、あんな相手にはわざわざ声をかけたりしない。

 天獄園のお土産屋さん、『よどみのキャンディショップ』では、悪意のおみやげを手に入れることが出来る。

 店主のよどみは、一見すれば背筋が泡立つほどの美少女だ。濃紺の髪に純白の肌、彼岸花を思わせる赤い唇、魔女の衣装もよく似合っている。

 しかし、その正体はかつて『たたりめ堂』という、恐ろしいお菓子や玩具の揃った駄菓子屋を開き、多くの子供たちを悲惨な末路に誘った恐るべき怪女なのだ。

 諸所の事情で店を閉めて逃亡する羽目になったが、今はこうして天獄園で悪意に満ちたスィーツを作っては、嫌がらせ目的の土産として振り撒いている訳である。


「(だから、ああいうニコニコしてる奴は嫌いだよ。あの手の連中は馬鹿なのか世間知らずなのか、悪意ってものを自分の内側に持っていやがらないんだからね。まあ、そういう輩があたしのバラまいてやった菓子で不幸になって、内側に闇を宿すようになるのは……実に滑稽だけどねぇ)」


 よどみは勝手にOLが同僚や友人と信じていた相手に裏切られ、不幸のどん底に落ちるのを妄想してニタついていたのだが……そんな彼女の方へ、件のOLが一直線に向かってくる。

 ニコニコとした笑みが、今でも憎々しく思っている宿敵・銭天堂の紅子と重なって、よどみはますます不機嫌になる。今は雇われの身なので、ある程度は客相手に媚びも売らなければいけないのだが、今回は怪童がこんな客を連れてくるのが悪い、手酷くあしらってやろうと、よどみは酷くささくれた気持ちになっていた。

 よどみのそんな気持ちになど気付く様子もなく、OLはそのままキャンディショップの中に入ってくると、小箱やキャンディの詰まった瓶には目もくれず、よどみに向かって……よりにもよって“礼を言ってきた”。


「本当にありがとうございます。どうしてもお礼が言いたくて、怪童さんには無茶を言ったんです」

「はぁぁ!?」


 よどみのような自発的に悪意を振り撒き、他人が醜く蹴落としあって、最後は自らの闇に溺れて破滅していくのを好む存在にとって、感謝や礼節というものは吐き気がするほど嫌いな代物だ。

 それをわざわざ自分に向けてくるとは、この女はもしや命がいらないのか?

 よどみは内心ブチギレて、OLが惨死する妄想で溜飲を下げるが、今の彼女は勤め人。相手が招待客となれば、ぞんざいに扱う訳にもいかない。

 だから、よどみは……優しく甘い声音で以て、この馬鹿女を破滅に誘導してやることにする。


「急にお礼を言われても、困るねえ。人助けなんて毎日だってしているんだ、誰の件でのお問い合わせか、こちらじゃ知りようがありゃしない」

「あなたのお陰で、蘭ちゃんとお友達の志緒里さんが結ばれたんです。ずっと前から、私は応援していて。最後の後押しがあなただと知って、どうしてもお礼が言いたいと思ったので」

「ふぅん、けれど今日はご招待客なんだろう? 天獄園へ礼を言うなら、スタッフや店員が勤めを果たした時にするのが“礼儀”だと思うけどねぇ。夢の世界に。現実のしがらみを持ち込むのは野暮ってもんさ」


 夢は夢でも、恐ろしい悪夢というのが真相なのだが。

 ともあれ、こういう良い子ちゃんは思考の道筋を立ててやると、驚くほど簡単にこちらの意のままに動くものだ。OLも「それもそうですね」と柔らかく笑み、自然に商品へと目を配せ始める。


「怪童からチケットを受け取っているんだろう? そのチケットは乗り物で遊ぶだけじゃなく、一つだけ土産物を交換するにも使えるんだよ。例えば、このポップコーンなんてどうだい? これはね、胸の中にしまい込んだ本音を、自然と口にできるようになる不思議なポップコーンさ」


 つい最近も、このOLと似た年頃の女に渡してやった“闇憑きポップコーン”を取り出し見せる。そいつは自分でこれを食って中毒に陥り、天獄園のスタッフに引き入れる直前で失敗したんだと、怪童に文句を言われたのだったが……それは性根の腐っている奴が食った場合。

 このポップコーンを食べた“普通の心根”の者は、闇に憑かれる……心の闇が増大し、他人を攻撃したり陰口を叩いたりするのが大好きな、最低な性格の人間に変貌するのだ。

 この手の常にニコニコしている奴は、他所には出さない本性を隠していると、相場が決まっている。さぞかし大量の闇を吹き出し、周囲と軋轢を起こすことだろうと、よどみは悦に入っていた。嘘は言っていないのがポイントだ。本当のことも言っていないだけで。


「このチケットで、そんなことが出来るんですね。だったら、決めました」

「そうかい、そうかい。即断即決は幸福への超特急だ。さあ、何が欲しいか言ってごら──」


 直後、よどみの顔が両側から柔らかい何かで覆われ、すさまじい“蒸し暑さ”が襲うのと同時に甘い……よどみの悪意に満ちたスィーツよりも更に甘ったるくて胸を焼く、そんな匂いが鼻腔の中へと滑り落ちてきた。


「(んお゛ぉぉぉぉぉっ♥ な、なんだい、これぇぇぇ……♥ ほ、ほへぇぇぇぇっ……♥ あ、あたしは、何をされて……♥)」

「私、あなたをお土産にします。持って帰って、大切にしますね」

「(にゃ、にゃにを、言ってぇ……ほぉぉぉぉっ♥ か、勝手に腰がヘコつくぅぅぅっ♥ あ、あたしの体、どうなってええぇぇっ……♥)」


 OLの声が頭の上から降ってくるので、よどみはどうやら自分が女の胸に顔を挟まれ、埋められているのだと気付く。猫のお面が外れて転げ、よどみの手から零れた“闇憑きポップコーン”が床にぶちまけられた。

 よどみの悪意入りの菓子の匂いよりも、更に甘い堕落の匂い……息を止めたくても、汗ばむほどの合間の熱とどんどん強くなる甘い雌臭に、僅かでも呼吸をすれば止まらない。

 最初は身をよじって抵抗していたが、よどみは熱のせいもあってやがてぼんやりと従順にOLの胸の匂いを嗅ぎ始め、弛緩したように股間から小水が漏れた。魔女の装束を穢しながら。じょぼぼぼっ……と溢れ出す黄金の輝きが、闇憑きポップコーンをふやかして台無しにしてしまう。


「こ、このあたしが、お漏らしぃ……♥ こ、こんなことってぇぇ……♥」

「まあ、大変。脱水症状は怖いのよ。ほら……水分補給」


 いつの間にか親しげな喋り方に変化しているOLは、少しだけ胸を緩めて圧迫を軽くし、よどみがもがいて顔を出すように誘導する。


「あんた、ふざけるんじゃなっ……ぷほぉぉぉっ♥」


 文句を言ってやろうとしたのだが、すぐに再び乳圧が増し、頬を圧迫されて強制的に口を開かされてしまう。

 OLの女性は、よどみを妖艶な笑みを浮かべて見下ろしながら、くちゅっ……ちゅくっ……と泡立てた唾液を“れぇぇっ……♥”と垂らして、よどみの口内へと流し込んだ。


「(ひぃぃぃぃっ♥ な、なにを……おほぉぉぉっ♥ 甘ぁぁぁぁぁっ♥ こ、こんなっ……あたしの菓子どころから、憎たらしい紅子の菓子よりも甘いぃぃぃっ♥ あ、頭が痺れるぅぅぅっ♥ ふおっ♥ ふあぁぁぁっ……♥ ひっ♥ ひぃぃぃっ♥ 腰がヘコつくのが止まらないぃぃっ♥ いやだぁ、止まれぇぇぇっ♥)」

「私の匂い、隅々まで覚えてね♥ ふふふ……私ね、女の子同士がお付き合いするのを、手伝うのが好きなの……♥ 手伝うとは、少し違うかな? 元から想い合ってる人じゃなくて、特別な絆を演出して、同性同士の強い絆で結び合わせるのが趣味でね……だから、あなたみたいな娘じゃないと、恋できないんだよね♥」

「あ、みゃぁぁぁ……な、なにを、言ってぇぇぇ……♥」

「誰にも好かれない、誰からも求められない、自分でその境遇を大いに気に入っている、心の腐りきった……でも、外見が取っても可愛い女の子♥ 他の誰かに紹介するのは悪いから、私のモノにするの……♥ 私は、琴子──匂宮琴子♥ あなたのお名前は?」


 よどみは最初、琴子が狂気を噴出させたことに大いに引いて、抵抗して名前を教えることを拒否しようとした。口の中に広がる、甘い罪の味に夢中になっていたというのもあったが。

 しかし、それならそれで琴子は「まあ、いいか。よどみちゃんよね」とあっさりと名前を突き止めてしまう。店名に付いているのだから当然なのだが、それに気付けないほどに、よどみの精神は混乱の極みにあった。


「ほぉら……こうやって顔をおっぱいに挟まれるの、気持ちいでしょう? 女の子だって、おっぱいの柔らかさには逆らえないの……♥ なれ、なれ、なって♥ 私のカノジョになってよ、よどみちゃん♥ 蘭ちゃんに食べさせた物みたいな、不思議なお菓子が作れるんでしょう? 一緒に、女の子を幸せにして回ろう♥」

「ふ、ふざけ……るなぁ……♥ あ、あたしはぁ……他人を、悪意で……むほぉぉぉっ♥」

「抵抗すればしただけ、私に逆らえなくなるけどいいの? よどみちゃんの元の性格、少しでも残っていた方がいいと思うけど……♥」


 はぁぁ……と甘い息を吹きかけた後、よどみの小さな鼻にぱくりと食いつき、じゅるるるるっ……じゅぞじゅぞじゅぞぞっ……と、激しく鼻フェラで唾液漬けにする。

 よどみは涎を垂らして、ぷしっ♥ ぷしぃぃっ♥ と幾度も潮を吹きながら痙攣し、白目をぎゅるんと剥いて琴子の攻めに溺れていく。


「(あ、あぁぁ……こ、こんな恐ろしい、人間が……か、怪童の奴、なんでこんなやつをぉぉ……ふほぉぉっ♥ あたしの鼻を舌でぇぇぇ……♥ ぴぃぃぃっ♥ いやだ、いやだぁぁっ♥ こ、この女の……琴子の匂い、好きになりたくないぃぃぃっ♥ 息の匂いで発情するなんて、ごめんだよぉぉぉっ♥)」


 よどみは怯え切りながら、甘い匂いと快楽で精神が作り替えられることに怯え、涙まで流す。

 それはまんま、よどみが『たたりめ堂』時代から魔法菓子を使ってやってきたことなのだが、よどみには被害者の側になる覚悟など微塵も無かった。


「ぷはっ……♥ いけない、いけない……鼻イキだけで飛ばしちゃうところだった♥ ねえ、よどみちゃん、私のカノジョになろう? 私、よどみちゃんみたいに小さな子、好きだなぁ……こうやって捕まえて、いっぱい匂いをかがせて、いじめてあげられるから♥ よどみちゃんも泣いたフリしてるけど、気持ちいいでしょ?」

「あっ……あっ……」

「素直になれないところも好きよ♥ その内、私の名前と好き、後は女の子たちをみた時の『尊い』くらいしか語彙のない、お馬鹿な子になれるように知能を下げてあげるからね……♥ よどみちゃんは、馬鹿の方が絶対に可愛いよ? ふふふ……少しだけ素直になれるように、頭の大事なところを壊してあげる……♥」


 琴子は恐ろしい宣言をすると、上着をはだけさせ、その胸を露わにする。

 もしも、直に胸を押し付けられたら……よどみの理性は吹き飛び、甘えるように太腿へ腰を擦り付けるようになってしまうかも知れない。

 自分が自分で無くなる、それも頭をマ〇コに支配されたレズ売女になることに怯えきり、よどみは「ひぃぃぃ~……」と呻いたつもりだった。

 けれど、その喉から漏れたのは……性欲に支配され、琴子の女として地獄のような天国…“地国”ならぬ“痴獄”を味わわされることに、期待してしまっている「ほぉっ♥ おほぉぉっ♥」という嬌声だった。

 けれど、琴子は胸をよどみに押し付けることは無く……代わりに、むわぁぁ……♥ と胸すらも相手にならないほどに甘い匂いがこもった腋を見せつけてきた。

 琴子のにこやかで人当たりのいい外見にまるで似合わない、ギトギトと脂が毛の一本一本までコーティングされているような、激臭漂う剛毛ジャングル。ぴちょんっ……と垂れた汗が頬で跳ねただけで、よどみは「いぎゅっ♥ いぎゅぅぅぅぅっ♥」と腋臭絶頂を迎えてしまう。


「や、やぁぁぁ……やめておくれぇぇ……♥ あ、頭がおかしくなるぅぅぅ……♥ あ、あたしがあたしじゃなくなっちまうよぉ♥ お、お願いだから、堪忍しておく……ほぎょぉぉぉぉっ♥」


 腋を見せつけていない方の腕が動き、ぐちゅぐちゅと濡れ切った秘所を掻き混ぜてくる。自身の体が淫蕩だと教え込まれ、レズに堕ちつつあることを思い知らされて、よどみは仰け反りながら絶頂し──。

 ぐぢゅんっ♥ と雌殺しの腋が、よどみの小さくて端正な顔を捕食するように包み込んだ。


「(あへぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ♥ ひぃぃぃぃぃっ♥ ふっ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ♥ 甘っ♥ 甘あぁぁぁぁぁぁぁぁっ♥ 甘臭ぁぁぁぁぁぁぁぁっ♥ おへっ……ごほぉっ……ちゅ、中毒に、なるぅぅ……も、もう、この匂い……琴子から離れられなくなるぅぅぅぅぅぅっ♥ お゛っ♥ しゅきぃぃぃぃっ♥)」

「よどみちゃんはもう、私のことで頭がいっぱいだね……♥ これから、私が素敵だっていったものは、全肯定するようになるまで躾けるから♥ 私が白いものを見て黒だって言ったら、よどみちゃんも黒だって言うんだよ……♥ それから、愛しいハニーたちの縁結びの手伝いをさせてあげる♥」

「(はひぃぃぃぃぃぃぃっ♥ 琴子の匂いっ♥ 琴子の腋♥ 腋ぃぃっ♥ おっぱいや腋嗅がせてもらう為なら♥ なんでもずるぅぅぅぅぅっ♥ おほぉぉぉぉっ♥ ちゅぶれるっ♥ 大事な所ちゅぶされて気持ちいいぃぃぃぃっ……♥)」


 クリストリスが琴子の指で押しつぶされ、性悪な魔女は快楽に酔って完全精神を破壊され、可聴域を超えた絶叫と共に達した。

 あとは必死に腰を振って太腿に打ち付けてマン汁を散らし、琴子の腋を夢中で啜るだけになってしまう。

 琴子はひらりとカウンターにお試しチケットを置くと、よどみの顔を腋に埋めたままで軽々抱き上げ、悠々と天獄園を出て行った。



 ──やれやれ、よどみちゃんは何処に行ってしまったのやら。

 今はあたしが雇い主なのに、どうもあの人は気ままでいけやせんね。

 よどみちゃんが堕とすのが好きそうな、善意100%のOLさんを客に誘ってあげたと、せっかく教えにきてあげたのに。

 商品もそのままだし、そのうち返ってくるでしょうよ。

 よどみちゃんに、自分の菓子よりも大事なものなんてありゃしませんからね──。




今回の攻め役

※匂宮琴子(におうのみや ことこ)

・OL。『あやし、おそろし、天獄園』の「闇憑きポップコーン」の回に登場した蘭の同僚。表向きは非常に人当たりもよく仕事もできる快活なOLだが、その正体は周囲を思うが儘にコントロールして、百合カップルの成立に命をかける、はた迷惑かつ邪悪なキューピッドである。

・蘭は作中で琴子のことを「絶対に裏がある」「気に喰わない」「みんな騙されてる」と酷評していたが、まさかのそれらの評価はすべて当たっていたことになる。そもそも蘭が昔は志緒里が「大好き」というような穏やかな性格だったのに、攻撃的な性格に変貌してしまったの自体、志緒里以外の相手から孤立させる為に琴子が環境を整えていたから。蘭は相当に鋭かったというのが真相である。

・というか、闇憑きポップコーンに関しては蘭が持ち帰った夜に平らげてしまっているので、これが蘭と志緒里の仲直り(と、本作世界では正式交際)の原因だと判別することは不可能のはずである。怪童と蘭の会話を盗み聞きしていたにしても、よどみがその作り手だとは気づけないはずなのだが……(よどみが闇憑きポップコーンを取り出す前にお礼を言っている)。

・本人もレズビアンだが、女の子同士をくっつけることに血道をあげている為、他の女の子たちでは目もかけないような「邪悪で陰湿、性格の曲がった排他的な、けれど美(少)女」だけを恋愛の対象とする。よどみへの台詞を鑑みると、ペドっ気も兼ね備えているらしい。

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