※前回の【匂宮オリセの戦記】は、こちら!
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「──“アイスピック・トンプソン”って知ってる?」
あまりにも自然な口調で、世間話の話題を振るようにつぶやくと、千草貴子はその戦神アテナのような容姿をクラスメイトたちの中から突出させた。
中川典子は、自分に告白してくれた“ノブさん”……国信慶時が見せしめで殺されようとしている際に動けなかったのに、貴子はごく普通に歩みを進めていく。
カラン……という乾いた音が連続で響き、典子の足元にも自分の首にハマっていたはずの爆弾付き首輪──ガダルカナル22号が解体されて転がっている。
貴子がひゅっ、ひゅっと手を軽く動かす度に、すれ違いざまに首輪が解体されていることに気づき……彼女の手にしたアイスピックで、瞬間的に首輪を解体してみせているのだと、その実態を知って驚愕した。
「なんだっけ? 1900年代に、アメリカに殺人鬼だっけ? アイスピックを狂気にして、トンプソン銃に撃たれたみたいに相手の身体を穴だらけにするっていう」
「そう、それよ。あれ、練習してみてるんだけど、流石に機関銃の速度は難しいのよね。自分に向かってくる弾を落とすくらいは出来るようになってきたんだけど」
「いや、化け物かよ。なんでオリセと付き合うと、女はみんな人間離れしてくかなぁ」
貴子相手に、それこそお喋りの誘いに乗るように応答した相馬光子の手が閃き、周囲を囲んでいた軍人たちの銃口が切れ、武器の中ほどから両断され……ごとんと、銃を構えたままの腕が落ちた。
ひゅんひゅんひゅんと異音を立てて、分銅が振り回されている。支給された武器ではなく、光子が自分で携帯していた鎖鎌だ。ヴィヴラニウム合金でコーティングされている為、金属探知機にもかからない。
声を発する暇もなく、坂持金発の顔面に何度も何度も何度もアイスピックが撃ち込まれ、蓮コラのように成り果ててから「ばか……ちん、が……」の断末魔と共に崩れ落ちた。
そこからはもう、アクション映画でも見ているようだった。
縦横無尽に2人は本職の自衛軍兵士たちに襲い掛かり、アイスピックの閃きが目を潰し、鎌が降られるたびに人体が損壊され、折り畳みナイフの投擲が射撃体勢に入っていた兵士の脳天を貫き、分銅がスイカのように大の男の脳を破壊する。
2人がこんな超人的な動きができることよりも、典子は正直なところ「相馬さんと千草さんって、仲良かったんだ」ということのほうが、不思議と気になってしまった。
光子が貴子に一目置いているのは知っていたが、今の2人は「戦友」といったたたずまいで、単なるクラスメイト同士とは思えない強い絆を感じる。同時に、容赦なく人体を損壊し、自分たちの命を守るためとはいえ人を殺める姿に、強い恐怖も覚えた。
そんな風に怯えた直後なのに、2人が典子の前に飛ぶように移動してくる。
そうして、貴子はものすごい勢いでアイスピックを前方に突き出し、光子は鎖付き分銅を振り回して弾丸を弾いている。
2人ではなく、クラスメイトを狙う方向に兵士たちがシフトし、庇われているんだと気づいたのは、少し遅れての事だった。
「勘弁してよ。あたし、奪うのは得意でも守るのとか慣れてないんだから」
「でも、割と堂に入ってるよ。後でキスしてあげるから、頑張って」
「今してよ」
2人は素早く口づけを交わし、降り注ぐ銃弾から典子とクラスメイト達を守り続ける。けれど、このままでは完全にジリ貧だ。
そう思っていたら……兵士たちの中心に、たとんと軽い音を立てて、天女が降ってきた。
そう、天女。天使かも知れない。
銀色の髪を翻して、空から降り立った天女は──軽く足で周囲を薙ぎ払い、大量の兵士を昏倒させるどころか、典子たちの頭上を越えていくほどの勢いで吹き飛ばした。
「オリセ!」
「遅い。拉致される前に助けてよ」
「悪かった。“血族”の決定で、プログラムの実行者の“絶縁”が決まったのでな。ようやく私が遣わされた」
どうやら銀色の天女はオリセという名で、しかも貴子と光子の2人と親しいらしい。
まだ兵士たちは残っていて、天女に向かって弾丸を放つのだけれど、彼女が何も持っていないのに弓を引くような動作をすると、空気の壁が出来たみたいにすべての弾丸が空中でぴたりと制止してしまった。
光子が小声で「これがあるから、近接最強なのにねぇ」と、現役JCがまず口にしないような言葉を呟く。
「──血族の面汚しが、己は決して血を流さぬ場所に隠れて憂国ごっこに耽り、若き命を奪う下衆な奸計を巡らせる。何が戦闘実験第68番プログラムだ。ウィッチや艦娘が懸命に外敵と戦う世界で、人間同士の殺しの技など威嚇以上の意味も無し。加えて、私の“伴侶”の安全まで害したな? 旧き約定に従い、血族の名の下に匂宮オリセが誅を下す!」
そう叫ぶと、オリセ……そして、その後ろに嬉々として同行する貴子と光子は、兵士たちへ逆に襲い掛かっていく。
典子が半端に手を伸ばしたのは、腰が抜けてしまったノブさんに差し伸べようとしたのか、それとも……あの2人の見ている風景に、焦がれてしまったのか。それは今でも分からない。
※
──毎年50クラス、抽選により決められた中学3年生を閉鎖した空間に隔離し、最後の1人になるまで殺し合いをさせる“戦闘実験第68番プログラム”……通称“バトル・ロワイアル”。
その実態は、典子たちが保護された時には大々的に世間へと報道されて、その残虐かつ低劣な内容が糾弾の真っただ中にあり、アメリカやリベリオンといった大国からの名指しの批判を受け、関係者たちは余すことなく“ただの人以下”の立場へと堕ちていった。
特に「国の未来を憂うものが“ロワイアル”は無いだろ」は、テレビで芸人がネタにするほどに周知され、無学さで多くの人の腹筋を破壊した。なんでロイヤルじゃなくてロワイアルにしたのか、典子には分からない。王泥棒J〇Nのファンだったのかもしれない。
死刑になれれば幸運……そんな関係者たちの末路と境遇が、面白おかしく雑誌を飾ることも少なくなってきた頃、典子は匂宮オリセの家を訪ねることにした。
オリセは別に隠れて住まっている訳ではなく、私立聖悠学館高等部に通っているのが、名簿などからも確認できた。
中等部の方に城岩中学校と交流プログラムがあったので、それを履修して香川県から上京した典子は、寮を見に行くより前にオリセの家へと向かう。
あの後、授業が再開された時には、貴子も光子も姿を消してしまっていた。
貴子は家族ぐるみの付き合いをしていた杉村弘樹に「人殺しと授業はキツいだろうから」と言っていたらしく、実際に2人がいないことにホッとしている女子たちもいたようだが、典子は色々と聞きたいことがあったのに、消化不良を抱えていた。
ただ怯えて頭を抱えていた者や、半分くらい空気に充てられた“ヤる気”になっていた者と違い、典子は眼前で自分たちを守っている2人の姿を見ている。せめてお礼を言いたかった……オリセも、ともども。
あれだけ超然的な活躍をしていたのに、彼の天女が住んでいる家は、そこまで奇妙な印象を受けない。住所を確認しないと、隣近所と間違えてしまいそうなくらいだ。
典子が到着した時、白髪で赤い目をした女の子が家から出てくるところで「なんじゃ、貴子と光子のクラスメイトか?」と確認される。
「相馬さんと千草さん、ここにいらっしゃるんですか?」
「ん? 制服が同じなので声がけしたが、当たりはついとらんかったか。まあよかろう。2人とも中におる。お陰で可哀そうなワシは、たった6回しかパコってもらえなんだのよ」
「パコ……?」
よくわからずに首を傾げていると、白髪の少女は何かを面白がった様子で「おいで」と手を取り、家の中へと上げてくれる。
「あ、あの、勝手に入っていいんですか」
「よいよい。ワシはオリセの親しい友……いや、最高の相棒と呼んでも差し支えない立場。ワシは帰るが、ワシが許可する」
なかなかに破天荒なことを言われ、典子が呆気に取られている間に家へとあげられて、白髪の少女は「ごゆっくり……ぬひひ」と笑って出ていってしまった。典子はやむなく「し、失礼します」とあいさつをしながら、家の中を進む。
他人の家に、家人には無断で上がってしまった緊張もあって、ぎくしゃくと歩を進める典子の耳に、光子の声が聞こえた気がした。
わずかに開いた扉を覗くと……そこでは、光子と貴子が、オリセの股間に生えた男性器で犯されている光景が飛び込んできた。
※
「お゛っ♥ お゛ぉっ♥ ん゛ぉぉおっ♥ すごっ♥ すご、ひぃぃぃっ♥ オリセのチ〇ポっ♥ チ〇ポぉっ♥ ごちゅっ♥ ごちゅっってぇ♥ あたしの、中にぃぃ……♥ ほぉぉっ♥ ふほぉぉっ♥」
「これはお仕置きなのに、光子は少し感じ過ぎだな。私を待たず、危ない橋を渡った……貴子は少年を守るために已む無かったところもあるが、君は便乗だな?」
「だ、だってぇ……♥ 貴子だけ♥ タカちゃんだけ、危ない目に♥ 会わせたくなかったんだもんっ……♥ あっ、あぁっ♥」
「光子……ミッちゃん、うれしいよ……♥ んっ、ちゅぷっ……♥」
貴子と夢中で唇を交わしながら、光子は腹にチ〇ポの形が浮き出るほど、オリセに後ろから激しく突かれていた。
光子は元々、窃盗や売春、傷害などの犯罪行為を繰り返す女子不良集団のリーダーであり、オリセの後輩である鵜野うずめと羽月まないが、香川で行われたTCGの大会にやって来た時に因縁を持つことになった。
後に実はうずめたちは“ファンタジスタドール”という戦闘自動人形の主人だと判明し、そのままカツアゲを続行していれば逆に身ぐるみ剥がされていた可能性が高いのだが……オリセと揉めたことで仕置きを受け、しかし過去の悲しい来歴から情けもまたかけられ、たっぷりと愛情を受けて改心させられたのだ。
そんな光子にとって、同時期に美貌を目当てとして男に襲われかけていた……しかも相手は、光子が改心したせいで放逐されたヤクザまがいの男だった……ところをオリセに救われた貴子は、クラスメイトである以上に特別な相手だった。
元よりその美しさに何処かで心酔していたところがあった上に、貴子は「オリセが自分の目指す美の理想」と何処かファナティックなレベルで信奉しており、同じ相手を好きになった女として、何時しか惹かれ合うようになっていたのだ。
クラスでは素っ気ない態度を見せながらも、裏では「ミッちゃん」「タカちゃん」と呼び合って、キスや相互手マンくらいは平気でする仲……そんな貴子が義憤で動いた時、光子は彼女のようになりたい、自分も弱いものから奪うだけでなく、好きなものを害そうとする者から奪えるようになりたいと、そう願ったのだ。
「貴子、うれしいよじゃない。君が光子のストッパーをしてあげないと」
「お゛っ♥ 手マンすごっ……ご、ごめんなさいぃ……♥ だ、だって、ミッちゃんの戦う姿、綺麗だったからぁ……あっ、イクぅぅ……♥」
「え、えへへ……♥ タカちゃんに、綺麗って言われたぁ……♥ お゛っ♥ 中出しぃぃっ♥ オリセの精液で卵子いじめられてイグっ♥ あたしの全部♥ 奪われながらイッちゃうぅぅぅっ♥」
舌を突き出して涎を零しながら、膣内射精と同時に絶頂を迎えた光子。
びゅるるっ♥ びゅくっ♥ と精液を逆流させている間に、今度は貴子が対面座位で貫かれ、どこかクールな表情を崩してオリセに甘える。
「あ゛っ♥ あ゛ぁぁっ♥ 私も♥ 私もミッちゃんと同じにして♥ 光子と同じボテ腹にしてぇぇっ♥ い、一緒にイキたいのぉっ♥」
「すっかりラブラブになってしまって、妬けてしまうくらいだな?」
「あぁんっ♥ 本命はオリセ♥ オリセ、だからぁ♥ ほぉぉぉっ♥ 乳首くりくり気持ちいいぃぃぃぃーっ♥」
誰にも媚びず、美しくある。そんなモットーを抱えていた貴子にとって、同じようなスタンスなのに多くの人に囲まれ、輝きを陰らせるどころか強めていくオリセは、あこがれの対象だった。
それまで特別に親しい相手のいなかった、光子という友人を与えてくれたこともあり、貴子のオリセに対する崇拝は、非常に強い。
「んっ♥ んくぅぅっ♥ あっ、あぁぁっ……♥ オリセぇぇ……あっ、あぁぁぁっ♥」
2人そろってボテ腹となって寝台に寝かされ、ぴちゃぴちゃとキスを交わす貴子と光子。
ぽっこりと膨れたお腹は確実に妊娠しており、まだ中学生である2人としては学業に支障が出てしまうかも知れない。
無論、それを分かっていて2人はオリセと行為を結んでいるのであり、精液を吹きこぼしながら尻を左右に振っておねだりをする。
本来、オリセは生命の営みを無暗に進めることを嫌っているのだが、“妻”たちからの懇願ならば応えてくれることもある。
例の“虚弓射”の音がびぃぃぃんっ……と鳴り響いた瞬間、2人の腹が本当に臨月のサイズまで膨れ上がり、少女たちは目を剥いて嬌声をひり上げた。
「はひぃぃぃぃっ♥ まだ中学生なのにっ♥ 赤ちゃんっ♥ 赤ちゃん、産むぅぅぅっ♥ んおぉぉぉぉっ♥」
「あぁぁっ♥ 1人、2人…・・・さ、3人もぉ……♥ オリセの種、強すぎぃぃぃつ♥ 赤ちゃん産むぅぅぅっ♥」
強制成長からの、大量出産アクメ……2人の顔がどろどろの快楽に蕩け、破水と共に大量の赤ん坊が産道を飛び出す。
光子は双子、貴子は3つ子……全員が女の子であり、見事にふたなりの性質を受け継いでいた。
それまで空気を読んで隠れていた、オリセの妻の1人である罪木蜜柑がひょっこりと顔を出し「あ、ああああ赤ちゃんっ……可愛いですねぇぇ……♥」とてきぱきと医療処置を行っていく……その間に、オリセは赤ん坊たちを1人ずつ抱き上げて背中を撫でてやってから、妻たちの頭を撫でて廊下へ顔を出した。
そこでは、典子が激しく腰ヘコ踊りをしながら、自然にチン媚びを決めてしまっていた。
「あぁぁっ♥ よ、ようやく、分かりましたぁぁぁっ♥ 私も、私も相馬さんや千草さんみたいにっ♥ 気持ちよくしてほしかったの♥ オリセさんのお嫁さんにしてほしかったのぉぉっ♥ 人の家で裸踊りする♥ 変態女にお仕置きしてくださいぃぃっ♥」
「……悪い子だ」
オリセは優しく囁くと、首筋を強く吸いながら部屋の中へと典子を招き入れ……すぐに部屋からは、新たな伴侶の嬌声が響き始めた。
※
「──BR、無くなっちゃった。寂しいなぁ……」
とある屋敷の1室で、顔にそばかすのある少女が、裸でぽつりとつぶやく。
金色の髪を湛えた“不安な美貌”の乙女は、少女の髪を撫でながら囁く。
「そもそもの“プログラム”は、あなたに魅せられた者たちが始めたものですものね、戦刃さん……大丈夫ですよ、また同じような遊びをすぐに始めますから、ね?」
「うん……リカ様、好きぃ……」
……この世から、理不尽なデスゲームが根絶されるまで、まだ長い時間がかかりそうである……。
屋根が高い
2023-11-11 08:53:38 +0000 UTC屋根が高い
2023-11-11 08:50:46 +0000 UTCとろがけ
2023-11-11 08:39:17 +0000 UTCソウシップ
2023-11-11 08:28:30 +0000 UTC