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静なる丘に沈む魔界の女王~サキュバス・モリガン、ラブラブ足ふきマットに鼻フックで就任

 ──魔界。

 そこは暴力と享楽が支配する世界であり、エゴの強い者が好きなだけ他者の人生を支配できる、楽園と地獄の境界線である。

 あらゆる生はその世界で、命の強さを試される……弱き者は糧となり、貪られるのみ。

 全ての存在が古のヴァンパイアの如く、他者を蹂躙して己が存在を保ち、我を貫いているのだから

 ……そんな魔界の三大貴族の一つ、刹那的な快楽と恒常的な刺激を求めることで知られる、アーンスランドの領地にて。

 現当主の快楽主義な気紛れを恐れ、逆に多くの魔族が沈黙と厳粛を貫くその場所で、歌声が響き渡っていた。


『──私は暗黒と霧の女王、炎も蟲も手懐ける 烏も蜘蛛も到来しない、堕ちる日を待って踊り狂う


 光を掲げなさい、闇の中で叫びなさい 取り憑かれたような解放のドラムが大地を駆けていくわ


 私は貴方達の知らないような原罪を背負っているの 負け知らずの死体の商人だっているのよ


 ちっぽけな虫たちは世の終わりまで鉄を食み、人の無限の欲望は常に素晴らしく醜く輝くの


 私は今、新しい幽世の女王となる機会を掴み、この地に立っている──♪』


「──随分と不敬な歌を奏でるのね、お嬢ちゃん?」


 歌声に誘われて姿を現したのか、それとも領地に入った時から補足していたのか。

 声の主の前に、あまりにも美しい闇が降り立った。

 淡い緑色の長髪の持ち主で、毛先は綺麗に切り揃えられており、彼女がただの享楽主義者ではなく、ある種のこだわりを持って生きている信念の主であることを示している。

 男は目にしただけで射精し、女は即座に性矯正されレズビアンになるだろうと思わせる、抜群の豊満を包み込むのは、胸のあいたレオタード風の衣装と、蝙蝠柄で紫色の妖艶なタイツ。

 そして、この美しい闇の女王が人間ではない証として、頭と背中には悪魔も思わせる羽が備わっているのだ。

 モリガン・アーンスランド。魔王ベリオールの後を継ぎ、アーンスランド領の支配者となった、規格外の力を秘めしサキュバス。

 少し前まではベリオールが死してなお“次期当主”扱いだったが、今は魔界の三貴族の一・ドーマ家が起こした事件を超えて、名実ともに魔界の支配者の一人となっている。

 そんなモリガンは眷族であり、己の衣装を形成している魔界の蝙蝠たちを椅子のように展開し、歌声の主を少しばかり高みから見下ろしていた。

 もっとも、そんなことをしなくても……歌声を放っていた少女を、長身のモリガンが見下ろすのは容易なことであったが。

 幼い容姿の少女だった。

 小学校の低学年から中学年くらいだろうか。髪は美しい黒髪だが、何処か濡れているように少女に纏わりついており、白すぎる印象のある顔を合わせて何処か不吉な雰囲気を醸し出している。

 濃い藍色の女児服を身に纏っており、傷やほつれはないはずなのに何処か“くたびれた”印象が張り付いている……総じて、存在しているだけで煌びやかなモリガンと対局にある容姿であった。


「あなた、名前は? ここまで来るまでに、ダークストーカー達と出会わなかったのかしら?」


 当然、モリガンは幼い容姿をしているからと言って、この少女を侮ってなどいない。

 見た目は可憐な少女でありながら重火器をぶっ放すダークハンターや、強大な超能力を以て育ての親の血の宿命を終わらせた幼女のことを知っているからだ。

 何よりも、外見通りの年齢である保証だってありはしない。もしかしたら、モリガンよりも年上の妖女の可能性だってあるのだ。

 少女は真っ白な顔に、奥底の見えない黒い眼をきょるんと瞬かせながら、優雅にカーテシーを決めてみせる。魔界の王の一人を前にして、少なくとも心に動揺は抱えていないらしい。


「ごきげんよう──私はアレッサ。アレッサ・ギアスピー……いえ、アレッサ・メイソンよ。ここまでは、ピクニックのように楽しく歌いながら訪れることが出来たわ。静かな丘を行くように、ね」

「静かな丘(サイレント・ヒル)? 随分と詩的な物言いをするのね、まだ若いのに。それで、アーンスランドの現当主を挑発するような歌を口ずさみ、魔界のピクニックを楽しんできた目的は?」


 サキュバスという種族は伝承の通り、人を始めとした男性から精気を搾取するほかに、“夢”そのものをエネルギーに変えて摂取する力を持つ。“夢”とは即ち、欲望と刺激である。

 肉体や精神に快感や楽しみを得ることで、体内で特殊な分泌物を生成し、命を永らえさせる……何もない空間に閉じ込めれば二日で死ぬるとされるサキュバスにとっては、何よりも楽しいことや刺激的な物事が必要だ。

 幼げな見た目の少女が、魔界の最奥へと無人の野を行くが如く行く……その目的が自分自身だとすれば、たまらなく滾ってしまうのがモリガンという存在なのだ。


「……友達が便姫を飼ったの。見た目は凛々しくて格好いいのに、中身はぐずぐずで、とても可愛いのよ。おしっこも、それ以外も嬉々として啜って、エヴリンのことを『愛してる、愛してる』って繰り返すのよ。とても、とても羨ましくなってしまったから、私も欲しいなって……都合のいい、お姉さんが、ね?」

「へぇ……あなたの“中身”、見た目通りという訳じゃ無さそうね。いいえ、ある意味ではこの上なく見た目と釣り合っているのかしら? 私たちに近い、闇の魂の持ち主……ふふふ、いいわぁ。こんなに下劣に求められるのなんて、久しぶり。ゾクゾクしちゃう♥」


 自分のことを都合のいいレズ便女にしてやるぞと宣言してくる少女……アレッサに対して、モリガンは不敵な笑みを浮かべる。

 女同士の快楽だって、それなりに嗜んできたが……モリガンの美しさには誰もが傅いて、モノ扱いなんてされたことは一度もない。未経験の物事とは、即ち刺激だ。


「けれど、これでもお姉さん、魔界の支配者なのよねぇ……ここまで無傷でたどり着いたということは、領民をそれなりに傷つけてきたってことでしょう? あなたの情熱を受け止めてあげるのは、お痛に対するお仕置きを終えてからになりそうね」

「私は何にも、悪いことなんてしていないわ。愛の為ならば、どんなことでも許される……あの教室で、私はそれを学んだもの。お仕置きされるのは、あなたの方よ……お姉さん?」


 首を軽く傾げて微笑むアレッサは、年齢にそぐわないほどに“悍ましい”気配を纏っており、モリガンはそれでもなお余裕の笑みを浮かべる。

 恐らくは友達とやらが、下級のダークストーカーを捕えるか何かして、すっかり調子づいてしまっているのだろう。これは侮りではなく、魔王の余裕で以てモリガンはそう判断した。


「いいわ、お姉さんが少しだけ社会というものを教えてあげましょう……人は何故、良い子でいましょうねと説くか分かる? にわか仕込みの悪い子は、本物の闇の住人の格好の糧だからよ──虜にしてあげるわ♥」


 モリガンは蝙蝠たちから飛び降りると、指を妖艶にくねらせてアレッサの前に立つ。

 そうして……闇の魂を持つ者同士の、淫らな終着へ向かう闘争が開始された。



「はぁ……はぁ……はぁ……!」


 興奮による吐息ではない。

 明確に疲労による荒い息を吐きながら、モリガンは次々に襲い掛かってくる正体不明の怪物を迎え撃っていた。

 目の前には大鉈を構えた巨大な三角頭のクリーチャーが顕現しており、モリガンの格闘術の悉くを受けてもビクともせず、その肢体を両断せんと刃物を振り下ろしてきている。


「くぅぅっ……ソウルフィスト!!」


 魔力をありったけ込めた精気の弾丸を叩き込み、動きが止まったところで羽を次々にミサイルに変えてようやく三角頭を吹き飛ばす。怪物たちはどれも恐ろしくタフで、戦い慣れているはずのモリガンが困惑するほどに肉薄してくる。

 失った翼を眷族たちを集めて再生している間にも、モリガンの両脇が血のように泡立ち、看護師の服を纏ったクリーチャーが二体出現していた。

 その手に握られた金属パイプが唸り、モリガンの「しまっ……!」という声を中断させるようにして、左右の脇腹に突き刺さる。


「ぎぃぃぃぃぃぃやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? うげぁっ……ごへぇぇぇぇぇぇぇっ!?」


 凄まじい剛力を誇るナースたちの頭部は、まるで禮病にでもかかったようにボコボコと泡立っており、異形の頭部から透明な殺意を噴きだしながら、ぐりぐりとパイプをねじ込んでくる。

 モリガンの喉からは勝手に空気が漏れ出し、まるで下級のダークストーカーのような情けない悲鳴が勝手に漏れ落ちてしまっていた。


『──我が霧の町の同志たちよ、集いなさい 繰り返される惨劇への憤怒を此処に表せ


 手を掲げ、暴を振るうのよ “13の秘数”が読み上げられるまで、大地に立ち続けるの


 振り下ろせ、永遠の休息を敵対者にもたらせ 忌むべき夜は幾度でも巡り訪れるわ


 新しい霧の丘を築きましょう、私たちの手で 今宵の祝祭もアレッサに従うがいい──♪』


 アレッサは炎を全身に纏いながら、朗々と不吉の歌を口ずさみ続ける。

 その歌に呼ばれるようにして、異形の怪物たちが、腹に人の顔を刻んだいやらしい蟲たちが、地獄から持ち出されたような炎が無限に湧き上がり、襲い掛かるのだ……まるで“街”をまるまる率いているような物量で以て、アレッサは魔界の女王を蹂躙せんと迫ってくる。

 モリガンは自身のアレッサに対する評価が、あまりにも甘く不完全なものであったと思い知らざるを得ない。この少女は……これまでモリガンが相対してきたどの存在よりも、それこそ宇宙からの来訪者や古代の決戦兵器よりも、なお得体が知れなかった。


「うげぇぇぇ……がぁぁぁぁっ!」


 獣のように吠えて、モリガンは自分の体ごと蝙蝠に変換し、バブルヘッドのナースたちの挟撃を回避する。

 そうして再び体を再構築すると、何とか余裕を取り戻して口元に笑みを浮かべてみせる。


「あなたはお遊戯を繰り返すだけ……お友達に喧嘩を任せて、私を手に入れられると思っているの? あなた自身の鼓動が聞こえないのなら……悪いけれど、これ以上はお付き合いできないわね?」


 他の怪物たちが湧き上がってくるよりも早く、ソウルフィストでモリガンはアレッサを狙い撃ちしようとする。

 しかし、アレッサの方は危機に陥っているはずなのに、クスクスと嗤ってモリガンに愛し気な流し目まで向けてくるのだ。


「あなた、状況を分かっていないの? 今からお友達を呼びだしたところで、私からは逃げられな──」

「その“杖”で……私を撃ち抜くの? 怖いわ、とても……まるでカートゥーンの悪者になってしまったみたいだもの」


 そこでモリガンはようやく、自分が先端にハートマークをあしらった、日本の古い魔法少女アニメに出てくるようなステッキを突き出している事実に気付く。

 それだけではない。モリガンの代名詞と言っても良い、レオタード風の衣装と妖艶なタイツが失われてしまっていた。

 耳には一昔前のSFに登場する異星人のような触覚の取り出したマフが取り付けられ、胸のど真ん中とバックルにハートがあしらわれた、魔法少女と異星人の相の子のような衣装に変貌してしまっていたのだ。


「な、何なの、これは!? こ、こんな、生き恥めいた……!」

「魔法少女プリンセス・ハートよ、知らない? 小学生には大人気なのだけれど。ふふふ、プリンセス・ハートのステッキは悪を撃つ力よ……どちらのことを攻撃すると思う?」

「さっきから、何を言って……! 私のことを戻さないと、酷い目にあわせ──ぴぎぃぃぃぃぃぃぃぃっ♥」


 ステッキを握ったままアレッサに向かって凄んだモリガンは、先端のハート部分から放たれた光線……間違いなく、己のソウルフィストと同じ威力とは波動だった……に、乳首と陰核を正確に撃ち抜かれ、「ほぉぉぉぉぉぉっ♥」と絶叫しながら前かがみになって悶絶する羽目になる。

 性的な刺激は全て活力に変え、痛みすらも悦びとして受け止めることのできるモリガンだが、屈辱を以て与えられた性的な苦悶というのは初めて体験するものであり……それはこれまで、彼女が獲物へ常に与える側だった……未知の衝撃に腰をヘコヘコと震わせ、「ひっ、ひぃぃぃーっ♥」と唸りながら跳ね回った。


「どうやら“悪者”はあなただって判断されたみたいね……魔王だもの、当然よね。モリガンお姉さん……♥」

「あ、あなたがやっているのぉ……と、止めて、止なさっ……ひぎぃぃぃぃぃぃぃっ♥ ぴゃぁぁぁぁぁぁぁっ♥ おほっ♥ ほぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♥ やめてぇぇぇぇぇっ♥ 止めっ、止めるのよぉぉっ……ぎゃひぃぃぃぃぃぃぃっ♥ あっ、あ゛っ♥ あ゛へぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ♥」


 幾度も放たれる光線に性感帯を焼かれ、どれほど振り回してもステッキが手から離れることは無く、モリガンは遂に仰け反りながら絶頂を迎えてしまい、アーンスランドの当主ともあろうものが、快楽を支配するサキュバスが、無様イキを決めてひっくり返ってしまう。

 自分のマン汁と噴いた潮の中で悶えるモリガンの姿が、普段のレオタードとタイツのものへと変化し、蝙蝠に混じってジジジと泣きながら、腹に顔の付いた蟲が離れて飛んでいく。緊急回避の際に、どうやら紛れ込まされていたらしい。


「ごえぇぇぇぇっ……く、くるじっ……やめっ……ほぎょぉぉぉぉぉっ♥」


 バブルヘッドナースたちの、罪人のように交差した鉄パイプで首を拘束され、四つん這いでデカケツを晒しながら突き出す状態にされてしまったモリガン。

 その柔らかくも淫蕩な尻に向けて、アレッサはどすりと子供にしては重い蹴りを放ち、ぐりぐりと秘所を踏みにじってくる。


『──歪んだ顔、ビーズのような虚無の瞳、この世界にはありふれているわ


 私を退屈させる愚かな者たちは、更に深い深淵に閉じ込めてしまってもいいのよ?


 この声を聞きたいのでしょう? 醜い衝動に駆られているのがよく見えるもの


 貴女はどんな毒を孕んでいるのかしら 腐れた砂利を甘き死の訪れまで飲み続けなさい──♪』


「ひぃぃぃぃぃっ♥ んへぇぇぇぇぇぇっ♥ や、いやぁぁぁぁっ……こ、こんな、私が……この、私が、子供にあそこを踏まれてっ……んおぉぉぉっ♥ イカされるなんて嫌よぉぉぉぉっ♥ ひぃぃぃぃっ♥ ふぎぃぃぃぃぃぃっ♥ イグっ♥ イングぅぅぅぅぅぅぅぅっ♥ イクの止まらなひぃぃぃぃぃぃっ♥」


 ごりゅごりゅと女にとっての大切な部分を足蹴にされ、何度も何度も絶頂潮吹きへと導かれ、愛用のレオタードが雌臭く色濃く染まった後……アレッサはぴんと軽く指で弾いてモリガンの衣装の股間を引き裂き、ぐしょぐしょに濡れた緑の陰毛を露わにすると、ぐちゅっ……くちゅっ……と二度ほど秘所を掻き混ぜた。

 その時の快楽たるや……どんな男との交情よりも、どんな生物の命を啜った時よりも、鮮やかで瑞々しい刺激を感じてしまい、モリガンの喉から「あへぇぇぇっ♥」と明確な嬌声が漏れる。

 アレッサはそんな風にアヘオホを喘いでいるモリガンの、整った顔に愛液で濡れた指を差し向けると……ぐりゅっと鼻腔の中に指をねじ込んで、鼻をフックして無理やりその淫らな体を引きずり起こした。

 ナースたちはアレッサに忠実で、即座に首の拘束を外している。モリガンは背丈の小さな女の子様に引き起こされたせいで、蹲踞の姿勢になってマ〇コを露わにすると、「はがぁぁぁぁ~っ♥」と髪色と同じ鼻毛を露わにして、無様な豚面で泣き叫んだ。


「負けを認めなさい、モリガンお姉さん……♥ でなければ、このまま顔の皮を引きはがしてしまってもいいのよ? 私の鼓動を聞きたいと言ったわよね……見せてあげましょうか、私の暴力……♥」

「ほごぉぉぉぉぉぉっ♥ ぶ、ぶきぃぃぃっ……ぶきゃぁぁっ♥ ゆ、ゆるじでくだざいぃぃぃっ……ま、負けまちた♥ 負けまじたぁぁぁぁぁっ♥ モリガンはアレッサちゃんに……ほぎゅっ♥ ごべんなざいっ♥ まちがえまじたぁぁぁぁっ♥ アレッサ様に雑魚負けしました♥ 戦いでも、女としても惨敗でしゅぅぅぅ~っ♥」


 豚鼻無様面で、ガニ股蹲踞立ちWピースを決めながら、敗北宣言を告げるモリガン。

 その眼には涙がたっぷりと溜まり、口からはとめどなく涎が零れ、マ〇コはずっとイキっぱなし……アレッサがどかりと背中に腰かけただけで、彼女の短くない生の中で最大の快楽が全身を貫き、アレッサ様の椅子になる為に自分は生まれてきたのだという感激すら湧き上がって、脳を焼こうとしてくる。


「(あぁぁぁっ……ダメよ、モリガン……正気を、正気を保つのぉ……こ、こんなのおかしいわ……私はロリコンなんかじゃない……こんな子供に媚びるなんて、おかしいのよぉぉっ……!)」


 それでも、流石は魔界の王。モリガンは口では完全敗北を宣言して、体の内でも快楽の渦が荒れ狂っているが、僅かながらの正気を保っており、アレッサを見つめる瞳の奥には反抗の光が消えていない。

 ……それは、もしかしたら「こうすればもっとひどいことをしてもらえるかも知れない」というマゾ欲を満たすためのものなのかも知れないが──結果として、この目の奥の光がモリガンの運命を分けた。


「──飽きた」

「ほげっ……ぶばっ!?」


 アレッサが突然指をモリガンの鼻から引き抜き、するりと背中から降りてしまう。

 顔面を打ち付けたモリガンは、鼻血を噴くのも構わずに、いきなり変貌してしまったご主人様……じゃなかった、アレッサの方へ視線を向ける。

 アレッサの目は、もう完全に無価値なものを見る目になっていた。ゴミとして認識していないのは、生き物だから……その程度の差異しか認識していない、暗く冷たく恐ろしい目つきだった。


「私は、愛が欲しいのに。いじめて、蔑んで、貶めて、嬲って……それでも私を愛してくれる奴隷が欲しいの。生涯を共にできる、パートナーを求めていたのに……なに、その眼は? 私みたいな子供には従えないと? ご立派ね、魔王様」

「あっ、あっ……ちがっ……」

「もう、いいわ。他を探す……無駄な時間を過ごしてしまったわ。生みの親の下で過ごしたのと、どちらが無駄な時間かしらね……ごきげんよう、意地っ張りなお姉さん」


 アレッサはモリガンの言いわけなど一切聞かず、くるりと背を向けると魔界の道を下っていく。

 歌声が、どんどんと遠のいていく。


『──炎を掲げなさい サーベルを構えるの 頻発する惨事は私たちの自在


 遊びに真剣になれない貴女には、世の終わりに狂気の舞踏を踊ってもらおうかしら?


 その妖しく快い輝きこそが、私が求め欲していた貴重なる時間の全てなのよ


 私は今、新たなる霧の街の頂点へ、恭しくも上り詰めなければならないわ──♪』


 その背中が、どこまでもモリガンを圧倒したはずの背中が、寂し気に見えてしまい。

 モリガンは己が、致命的な失敗を犯したのだという気持ちから脱することができず、じょぼじょぼと恐怖の失禁を吹き出すのだった……。



 ──数日後。


「──それで、便姫は見つからなかったってことね。高望みなんてするからよ」

「そうそう、自分の身の程を知ることよね。いつまでサイレント・ヒルの女王のつもりでいるの」

「高望みをしたつもりは、無いんだけれどね、エヴリン。あと、亞夜子はうるさい。蟲を食わせるわよ」


 それぞれに湿度と光沢と長さの異なる黒髪の少女が三人、並んで小学校からの下校の途に着いていた。

 エヴリンと呼ばれた少女は、赤いスーツを纏った美女を四つん這いにさせて「んふぅー♥ ふぅー♥」と尻に顔を埋めさせながら「どうだか」と肩を竦め、亞夜子と呼ばれた真紅の服の少女は何故か地面から数センチ浮きながら性質の悪い笑みを浮かべる。

 二人はアレッサの親友であり、エヴリンの肉便姫であるエイダ・ウォンが羨ましくなって、わざわざ魔界まで乗り込んだのだが……アレッサの中では彼女の方がフラれたことになっており、少しだけ気落ちした様子を見せていた。

 亞夜子が宙に浮かびながら、またなんか適当な皮肉を口にしようとしたが……その時、三人と一台(※便姫換算)の前に蝙蝠の渦が巻き、ボディコン風のスーツに身を纏った、薄い緑髪の美女が姿を現した。


「ようやく見つけたわ……まさか春麗たちを奴隷にしているような、イカれた小学校の出身だったとはね」

「モリガンお姉さん? 花代ちゃんのお嫁さんのこと、知ってるんだ……何の用?」

「あら、決まっているじゃない……私はこの通り、五体満足で精神だって健常そのもの。まさかアレで“勝った”なんて心得違いをしていないでしょうね?」


 颯爽とした口調で言い放ちながら、モリガンはガニ股でノーパンのマ〇コが丸見えになるように腰をヘコつかせ、見せつけた腋にはふっさりと緑の剛毛が生い茂っている。

 明らかに……アレッサの好みに“仕上げて”きていた。


「はあ……つまんない、女王様気取りのアレッサが袖にされたと思ったら、両想いじゃない。はいはい、幸せになりなさいよ。わたし、帰る」

「亞夜子……もう、友達のことを喜べないとか、嫌な子なんだから。それじゃあ、しっぽり楽しんでね……私も、先に帰ってエイダをレズパコするから」

「ありがとう、エヴリン。亞夜子も、明日また学校でね! ……さて、と」


 友人たちを見送ったアレッサは、ぐるんとモリガンの方へと顔を向ける。

 モリガンはいつの間にかボディコン衣装から、彼女の誇りであるレオタードとタイツの姿に変わっており……その乳首は勃起状態で丸出しになり、マ〇コもハートマークに切り裂かれてむわむわと雌臭い酸っぱい匂いがこみ上げてくる。


「つまり、モリガンお姉さんは、こう言いたいんだよね……“もっと、しっかりと負かしてください”って」


 アレッサは新体操の選手のように足を軽々と跳ね上げ、靴の脱げた足をモリガンの顔へと振り下ろす。

 まるでくしゃりと踏みつぶされるように、モリガンはそれを受け入れて……直後「んぎょほぉぉぉぉぉぉぉぉっ♥ ぎもぢいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ~っ♥」と奇声を上げて潮噴き絶頂を迎えた。


「私のことを一度裏切ったんだから、お便女になんてしばらくはしてあげないからね……そうね。最初は足拭きマットから始めましょうか。一日学校で遊んで、勉強して……こってり熟成した足を、キレイキレイにするの……嬉しい、モリガンお姉さん?」

「ほぉぉぉぉっ♥ ふっほぉぉぉぉっ♥ うれひっ、うれひぃのほぉぉぉっ♥ うえぇぇっ……ぐすっ、ふぐぅぅぅっ……う、受け入れてもらえなかったからぁ……もういらないから失せろって言われたら、どうしようと思ってぇぇぇぇぇ……くんかくんか、すんすんっ♥ あぁぁっ♥ アレッサ様の足の下で棲みたいわぁぁっ♥」

「ふふふ……可愛い。今度こそ、一生逃がさない……最初は足ふきマット、次はお便女……最後はお嫁さんとして、私の赤ちゃんを産んでもらうからね……♥」

「はいっ、はひぃぃぃぃぃぃぃっ……♥ ふんごっ、ぷおぉぉぉぉぉっ♥ 足、舐めていいれすかぁぁあっ♥ モリガンはっ♥ アレッサちゃん様の匂いも♥ 味も、全部しゅきなのぉぉぉぉぉぉぉっ♥ あいじてっ♥ 愛してますから飼ってくださいっ♥ 所有してくださいぃぃぃぃぃぃぃぃっ♥」


 アレッサはぐりぐりとモリガンの顔を踏みつけ、足の指で器用に鼻の穴をおっぴろげると、豚面になるようにフックしてみせる。

 モリガンはじょぼぼぼっ……と嬉ションを決めながら、オホ声をひり出しダブルピースで歓喜の足ふきマット就任宣言を謳い上げるのだった。

 土踏まずの部分にモリガンの下のぬくもりを感じながら、アレッサの歌が響き渡る。


『────私は暗黒と霧の女王、炎も蟲も手懐ける 烏も蜘蛛も到来しない、堕ちる日を待って踊り狂う


 光を掲げなさい、闇の中で叫びなさい 取り憑かれたような解放のドラムが大地を駆けていくわ──♪』




今回の攻め役

※アレッサ・メイソン(アレッサ・ギアスピー)

・とある小学校に通う生徒の一人であり、『サイレントヒル』シリーズの重要キャラクターであるアレッサその人。正確に言うとシェリル・メイソン(『サイレントヒル3』のヘザー)から零れ落ちた『濃いアレッサの部分』が、サイレントヒルを中心に囁かれた“アレッサ・ギアスピーという都市伝説”と結び合わさって生まれた“噂話の怪物”である。

・様々な経緯を辿って某小学校に辿り着き、特殊な出自である自分を受け入れてくれたクラスメイトたちのお陰で精神的にも安定したことで、普通(?)の小学生として生きることに決めた。同じような出自を持つ『バイオハザード7』のエヴリンと『零─月蝕の仮面─』の亞夜子、それとあと一人とよくつるんでおり、周囲からは『四死妹(フォーシスターズ)』と呼ばれている。

・サイレントヒルの怪物を無制限に呼び出すという圧倒的な兵力を持ち合わせる上に、本人も瞬間移動やパイロキネシス、異界の神の力の片鱗を使うことができる為、クラス内でも上位の戦闘力を誇る。戦闘スタイル自体は映画版『サイレントヒル』のアレッサに近いかもしれない。

・なおモリガン戦では(必要ないので)使わなかったが、アーンスランド領に乗り込む際にジェダの支配を離れたQ-BEEたちの群れを調伏しており、大量のQ-BEEを使役して戦うことも可能。モリガンが足ふきマット就任したので、一時期は考慮していた彼女たちとの肉体関係は現状無い。

・ちなみにアレッサが作中で歌っているのは、Akino氏が『ポップンミュージック』に提供した楽曲『Dar[k]wish』の和訳及び『サイレントヒル』アレンジである。

静なる丘に沈む魔界の女王~サキュバス・モリガン、ラブラブ足ふきマットに鼻フックで就任

Comments

リクエストありがとうございました! モリガンは下手に快楽に肯定的なので、女の子様にいじめられることを覚えたら足ふきマット就任はマッハですね! これからも反抗ごっこして、クリストリスをつねられたりしようねぇ…w

屋根が高い

「こうすればもっとひどいことをしてもらえるかも知れない」というマゾ欲を満たすための反抗的な目つき、女王様も一皮むけば浅ましい欲しがりマゾですからね。とても良かったです。これからも形だけはたまに反抗してお仕置きされて欲しいマリガン様(笑)ですね♪

minasaba


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