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叛逆の騎士の平和的日常回帰論

※SKEBにてリクエストを頂きました!

 今回はドストレートにハッピーエンドIFもの、『Fate/GrandOrder』のモーさんとぐだ子(ふたなり)が、全て終わった後の世界でイチャラブ結婚するお話です。

 ある意味、ここまでストレートな愛の物語って最近少なかったので、楽しく書けました!

 それでは、下記よりどうぞ!




 ──夏は蒸し暑くて、冬は乾いて寒い。ついでに、やたらと勢いの強い雨が降る。

 四季の変化には祖国で慣れていると思っていたモードレッドだが、いざ日本に住んでみると悪い方向でメリハリのある気候に、少々ダレた気分になりつつある。


「あぢっ……なんつうか、空気に粘度があるように感じるんだよなぁ」


 まとわりつくような、そう表現するのが正しい温水プールのような空気を掻き分け、我が家へと帰る。そう、我が家。マイホーム。モードレッドと恋人の暮らす家。

 靴底を貫通するように熱された鉄製の階段を上り、冬は気温より冷えていた癖に今は日差しよりも熱くなっているコンクリートを踏みつけ、汗を垂らしながら部屋に帰り着く。

 ガチャガチャとノブを回してから、自分が「俺が出たら、ちゃんとカギ閉めろよ」と告げたのを思い出した。

 汗を拭ってから合鍵を探しズボンを探る。

だが、それよりも早くパタパタと玄関に足音が近づいてきて、覗き窓からこちらを確認しているのが分かる。


「おかえりなさい、モーさん! 大丈夫、汗だくだよ!?」

「一緒に住み始めた時も夏だったはずだから、多少は慣れててもいいと思ったんだけどな。去年の経験値、完全に消えてるわ。毎回成長がリセットされてる気分だ」


 流石に滴るほど汗をかいているモードレッドに焦ったのか、愛しの恋人……燈色の髪の美しい少女・藤丸立香は「シャワー浴びる? いっそ、お風呂沸かそうか」と提案してくる。

 モードレッドは、自分でもベタベタするだろうと分かっていながら、汗臭い体を元マスターに押し付けた。


「立香も一緒に入るなら、そうする。俺に風邪なんてひかせたくないだろ?」

「んっ……♥ モーさん、エッチなんだ……♥」


 それはモードレッドの汗を嗅いだだけで、彼女の太腿にずりずりと辺り、軽く下着を突き上げてくるほど勃起している立香の言っていい言葉ではないと思う。

 二人は互いの服をもどかしそうに脱がしあいながら、浴室に向かってじゃれ合う子犬のように向かっていく……。



 ──出会ったばかりの頃の立香の印象は、子犬とはかけ離れたものだった。

 むしろ、手負いの狼……なにか致命的なものが欠けてしまい、自分の命が尽きかけている瞬間に、攻勢に出ることで生き延びようとしているような、そんな狂猛ですらある印象があった。

 それも当然と言えば当然の事だ……彼女はその頃、人類最後のマスターとして、英霊たちをサーヴァントとして従えて、失われた人理を修復するという大望に挑んでいる時分であったのだから。

 ……もっとも、彼女から“欠けてしまったもの”は、人理というあまりにも大きなものではなく、卑近なものであったようだけれど。


「──あなたの力は、知ってるつもり。どうか、これからよろしくね」


 呼び出されたモードレッドと、立香の知っているモードレッドは記憶を継続していないが、それでも立香の目に浮かんだ光は、叛逆の騎士にとって心地が良いものだった。


「(ああ、こいつはオレを純然たる“力”として見てくれている……“何ができるか”を、高く評価してくれているんだ。それはオレが、父上に望まなかった、けれど父上から欲しかった、身勝手な期待を存分に埋めてくる)」


 立香という少女は不思議な存在で、いつも迫る危機に追い詰められていて、いつも失った物に追い立てられていて。

それなのに「なんでもないよ」みたいな顔をして、いつもサーヴァントたちが欲しがるものをくれた。

 八方美人だと言われてもおかしくないが、矛盾しない範囲で理想通りではないが及第点といった態度。

それを、だれに対しても取り続ける姿……モードレッドにとっては選択肢になかった行動であり、そうやって相反するところが時に心地よくもあった。


「モードレッド……んっ……モードレッドぉ……♥ 格好いい……格好いい……好き、好き……♥ あっ、あっ……すごっ……気持ちいい……♥」


 だから軽い負傷で医務室に運ばれた立香が、自分の名前を呼びながら股間に生えた剛剣を慰めているのを見た時は驚いた。

 情けない話やも知れないが、その日までモードレッドはマスターが両性具有者だということを、まるきり知らなかった。

 割と股間がぴっちりしている服を着ていたし、モードレッドとしては自分が好意を向けられていると意識したことも無かった。

どのサーヴァントにも平等に接しているように、少なくともモードレッドには見えていたのだけれど。

 とは言え、モードレッドは“生前”から見る目には自身が無い為、ハッキリと明言は出来ない。


「(どうするかな……見なかったことにするってのもありなんだろうが、それはそれでオレが何事もなく付き合えると思えねぇ。かといって覗き見に近いうえに『格好いい』とか言われてたのに『オレを女扱いするんじゃねぇ!』って絡んでいくのも違う気がする。どうしたもんか……)」


 モードレッドはしばらくの間、人類最後のマスターとの関係に悩んだが、結局下手な考えは休むに似たりと判断し、立香のマイルームを訪ねることにした。


「どうしたの、モーさん。訓練の後かな?」


 いざああいう場面を見てしまった後だと、立香が話しかける直前にひくりと鼻を動かしたことすら、なんだか意味深に感じてしまう。

 もしかして、自分は結構匂うのかと焦ったモードレッドだったが……とりあえず、そこは見ないことにして話を続けることにする。


「あー……悪い。実はこの前、医務室で、その、見ちまったんだよ。マスターが、オレの名前を呼んで──」


 ……そこから十分間ほどのことは、覚えていない。

 いや、本当に記憶にないのだ、はっきりと像を結ぶことなく、思い出そうとすると記憶に靄がかかる。

 ただ何が起きたかについては、薄々乍ら推察することは出来る……立香に迫られ、押し倒されたということは。


「お゛っ♥ お゛ぉぉぉぉっ♥ や、やめっ……あひぃぃっ♥ 腋、噛むなぁっ♥ な、舐めるなぁぁっ♥」

「ごめんね♥ ごめんね、モーさんっ♥ モードレッドぉっ♥ だって、こんなの我慢できないよぉっ♥ 毎日毎日、すごく格好良くて♥ 頼りになって♥ 私のこと傍で支えてくれてぇっ♥ なのに、こんなエッチな匂いを毎日させて♥ 私の性欲煽って来るんだもんっ♥ じゅるるるっ♥ ちゅっ、ちゅっ♥ 腋を舐められるのって、心臓を掌握されたのと一緒だよ♥ よわよわモーさん、反省してっ♥」

「そ、そんな無茶苦茶……うあぁぁっ♥ 腋、噛みながら……っほぉぉぉっ♥ 思いっきり突くの、ズルいだろぉぉっ♥ はへっ♥ はひぃぃぃっ♥ な、なんでお腹撫でられただけで、こんな気持ちよく……ひっ、ひぎゅっ♥ お゛ぉぉぉぉ~っ♥ 噛んだ後にキスするのはんしょくぅぅぅっ♥ あひぃぃぃぃっ♥」


 モードレッドのつるつるの腋へと顔を埋めて、夢中で鼻を鳴らしながら汗を啜り、柔らかい肉に歯を立たせて、それから丁寧に舌で舐める。

 その間も、どうやってサーヴァントを組み伏せたのか思い出せないが、立香の肉竿はモードレッドの秘所をずこずこと出入りしており、深く深く……モードレッドの否定しがたい雌の部分を貫き、何度も何度もほぐしてくる。


「モードレッド♥ 大好きだよっ♥ ごめん、勝手に重ねてたの♥ 私、こういう体だからっ……♥ こんな境遇になる前から、女の子相手に反応しちゃって♥ 女の子、好きになっちゃってぇ……♥」


 ──かつては自分でも受け入れられなかった、形のいい胸を立香の手が鷲掴みにする。

 そのまま流れるように手がスライドして尻肉を揉み、手のひらが何度も叩きつけられる。


「でも、そんな自分を、受け入れるのが難しくてっ♥ モードレッドから聞かされた境遇に、勝手にシンパシー感じてたのぉっ♥」

「ほぉぉぉっ♥ う、後ろから腕引っ掴んで、腰をパンパン突きながら言うことかよぉぉっ♥ あっ、あっ、あぁぁぁっ♥ ダメ、ダメぇぇぇっ♥ お、オレの雌の部分、マスターに無理やり躾けられてるぅぅっ♥ オレのこと、格好いいって言ってくれてる相手に♥ 思いっきり無様な格好見せるのダメぇぇぇぇぇっ♥」

「いいよっ♥ 全然いいよ♥ むしろ好きだよっ、雌顔晒しちゃうモードレッド♥ もう、結婚しちゃおうっ♥ 私のおちんちんで気持ちよくなるって、もう完全にモードレッドも私のこと受け入れてくれたんだよねっ♥ 結婚っ♥ 結婚っ♥ お嫁さんっ♥ ああ、もう全部好きっ♥ モードレッドと添い遂げるぅぅぅっ♥」

「あひぃぃぃぃぃぃっ♥ け、ケツぅっ♥ 尻、叩くなぁぁぁっ♥ 尻叩きながら、突くんじゃね……ほぎょぉぉぉぉぉぉぉっ♥」


 ──結局、その日のうちにセックスどころか求婚まで受けてしまい、後ろから突きまくりながら尻をぺんぺんと叩かれ続け、腋をがじがじと甘噛みされては優しくキスされて、これまで意識したことも無かった場所を性感帯にされた上で、アヘらされた。

 その後は三日ほどブチギレて立香のことを無視したが、他のサーヴァントを連れてレイシフトして死にかけたのを機に、もう放っておけなくなった。

 気付けばモードレッドは、自分のことを雌堕ちさせレズビアンとして性矯正したことを立香から謝られる前に、彼女の恋人に収まっていて──そして、この色々と過激なマスターを死なせない為に数多の戦場を駆けていくことになってしまった。

 もちろん、最大の問題は──それが今やモードレッドにとっては“誉”であるという、その事実であろうが。



「──それで、全部終わった後は聖杯でオレのことを受肉させて、こうして日本に連れ帰って……向こうから“二度と接触してこないように”って言われたとはいえ、平和な時間を過ごしてるって訳だ」

「??? どうしたの、急に」

「べつにぃ。我が恋人にして、かつてのマスターの初回の無法を思い出してたところだよ。結局、あの一件を謝ったのってORTを命懸けでブチのめした後だったよな」


 立香はセックスの時以外は控えめな少女である為、小さく背中を丸めて「その説は、誠に申し訳ございませんでした……」と蚊の鳴くような声で囁いた。

 別にモードレッドも“今は”怒っていないのだが、風呂場で盛りあって散々に鳴かされて、こうして一緒にお風呂に入っている時くらいは、優位に立ちたいこともある。

 思い返してみれば……あの謝罪と、そして改めての告白及び、モードレッドと共に歩んでいきたいという告白は、一番最初に立香が手負いの獣の目をしていた理由、それと形は違えど再会したことで“何か”に納得がいったからだろう。

 それでもモードレッドは、ギリギリまで「でも、最後はマシュと一緒に過ごしていくんじゃないのか?」とか疑っており、何なら3Pエンドとかも半ば予想していたのである。

 きちんとモードレッドを聖杯の力で受肉させ、そして共に生きようと人類最後のマスターでは“なくなった”後に誘われて、ようやくモードレッドはすべてに納得と合点がいったのであった……。


「ねえ、モーさん……実はね、お仕事が増えそうなんだ」

「へえ。良かったじゃないか、これで昼のアイスも夜の酒も、本数が増やせるってもんだ」


 カルデアとの完全な縁切り……それはもう、様々な機関からの介入や世界の暗部の思惑が混ざり合った結果だったらしい……の際に、モードレッドはこの世界とこの時代で生きていくための戸籍を受け取った。

 そうして今は、とりあえず力仕事で日雇いを渡り歩いて稼いでいるが、近く警備関係の仕事とかありなんじゃないかと思い始めている。

 それに対して立香の方は、完全に独力で何処かのゲーム会社にシナリオを売り込んだとかで、今やゲームに採用されただけじゃなくて、アニメ化にソシャゲ化と大変に羽振りがよろしくなっている。

 流石は我が伴侶と誇らしい気持ちになるのと、自分も出来れば大国柱でありたいなと思っていたら……立香はぱちゃぱちゃと湯舟をかき混ぜながら、モードレッドに提案をしてきた。


「お仕事も安定してきたからさ……つ、作らない、かな──二人の赤ちゃん」

「お、おぅ?」


 それは同意の声ではなく、困惑の呻きだったのだが、立香はそれを肯定に変える為の準備は整えていたようで、散々射精させてやった肉竿は再び屹立しており、それ以上の質問などを封じる為に口づけが落とされる。

 複雑な出自を持つモードレッドにとって、出産というのはとても繊細な問題であるのと同時に、立香相手なら良いかもしれなと思っていた事象でもあった。

 恋人の少女は、それが分かっている程度には自惚れ屋のようで、キスと共にぐいぐいと己の剛剣で以て、叛逆の騎士の子宮を押してくる。


「(んおぉぉっ……♥ 立香相手だと、外から責められてもこうして感じちまうんだよな……♥ この時点でもう、オレは勝てないって分かってるんだが……♥ 本当に、顔だけ可愛くてオレよりもずっと凶暴なんだ……♥ んっ……キス、甘い……♥ なんでこいつの唇、こんなにうまいんだろうな……♥)」


 キスとポルチオ刺激で蕩かされ、モードレッドは風呂の中で更にぐったりと体を弛緩させる。

 そんなモードレッドに、無慈悲な主は「立って……♥」と無法な命令を行い、騎士は総身に力を込めて何とか湯舟から立ち上がると、風呂の壁に手を置いて尻を向ける。

 期待しているのがバレてしまったのだろう、立香は尻にぺちんと手のひらを打ち下ろす。

 臀部から脊髄を駆けのぼり、痺れながら脳髄に響く、快楽。

 初めてハメられた、その日から。モードレッドは尻を責められるのがすっかり好きになってしまっていた。

 スパンキングされただけで、じゅわっ……と愛液がしみだしていく。

 立香は逞しいモードレッドの背中に顔を埋め、すぴすぴと鼻を鳴らしながら肉竿を秘所に擦り付ける。


「あっ……んっ、あぁっ……♥ あひっ♥ じ、焦らすなよぉ……♥ そんな何度も尻を叩かれたら、立ってられなくなるだろ……そうなる前に、ちゃんと支えをくれよ……♥」


 モードレッドから誘ったという、そんな免罪符を受け取りながら、立香がつぷっ……と膣奥へと肉竿を挿入し、激しく腰を前後させ始める。

 今でも初めての夜、貧弱な人間であるマスターが、どうやってモードレッドを組み伏せたかは思い出せない。

 けれど、こうして巧みに誘導されているのを思うと、初回からモードレッドが自分で足を開いたのかもしれないと思う。

それならば、もう、それでいい。


「んおぉぉっ……♥ い、いつも以上に激しいなっ♥ 子授け確定ピストンっ♥ 子作りファックぅぅ……♥ んあぁぁっ♥ おっ、くぅぅぅっ……♥ さっき、三回も受け止めてやったのに、さてはオレに遠慮してたなぁ♥」

「はぁ、はぁ……モーさん、モードレッドぉぉ……♥ 最初は、少しだけ悩んでたの♥ 私の生きた時代に、あなたを連れてきてもいいのかって……でも、もう迷わないっ♥ 幸せにするっ♥ だから赤ちゃん産んでっ♥ 結婚してっ♥ 一生、私だけのものになってっ♥ もう叛逆の騎士なんて呼ばせないんだからっ♥ 貞淑の細君になってぇぇぇっ♥」

「こ、このぉ♥ 好き勝手、言いやがって……おほぉぉぉっ♥ 尻を叩いたら、オレが何でも言うこと聞くと思ったら……えひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ~っ♥ あ、アナルに指ぃぃぃぃっ♥ アナルほじるのははんしょくぅぅぅぅっ♥ ほ、ほぎょぉぉぉぉっ♥ んぎひぃぃぃぃっ♥ な、なんでも言うこと聞くからぁっ♥ もっと、優しくぅぅぅっ♥」

「モーさんって、本当に二穴されるの弱いよね♥ カンチョーされて悶絶してるところをパコったら、急に媚びまくって『絶対に立香様には勝てませんっ♥』とか言って甘えてきたよね♥ 可愛かったよ♥ 赤ちゃんできたら優しくしなきゃいけないからっ♥ 思いっきり二穴攻めでイッておいてねっ♥」


 ごりゅごりゅっ……と膣奥が削られ、ぐりっぐりゅんっと尻穴が弄りぬかれる。

 モードレッドがもう、まともに言葉にならないオホ声をひり出しながら、恋人の要求を全て飲むと……そういう意味合いの絶頂を迎え、びゅーびゅーと水かさが増える勢いで潮を噴き出した。

 胎が既に孕んだように、ぽっこりと精液が注がれて膨れていく。ザーメンだけで、どれだけ出したことか。

 きっと、どこにでもいる母になれるだろうと、モードレッドは確信した気がした。



 ──街中を歩くのも、そろそろしんどくなってきた。

 体力的には問題ないのだが、とかくモードレッドはストレスに強くない。気を使って、気を張っての運動はあまり良い影響が無いだろうなと思い、そろそろ安静に過ごそうかと思い始めていた頃、懐かしい顔と再会した。


「父上、それに母ちゃん」

「──モードレッド。そのお腹は……」


 聖剣の主アルトリア・ペンドラゴンと、クリミアの天使フローレンス・ナイチンゲール。

 時代も場所も異なる二人だが、モードレッドと同じカルデアで戦い、かつての因縁を超えて絆で結ばれ、そしてモードレッドの知らなかった“母”を教えてくれた。

そんなもう一組の聖杯で受肉した婦妻。


「妊娠六か月といったところでしょうか。そろそろ赤ん坊を最優先に行動すべきですね」

「ははは、もうちょっとは大丈夫だって。ほら、妊娠は病気じゃないって言うじゃんか」

「それは『妊娠は病気で無いのだから、薬や治療法がない。より一層大切に扱え』という意味です。逆の意味で使う愚か者が、この時代にも多いようですが」


 ナイチンゲールはモードレッドが勝てない数少ない相手であり、ギロリと睨まれると首をすくめて逃げたくなる。

 あのカルデアの日々を過ごすまでは、憧れて、憎んで、逆らった父の方に視線を逃がすことなど、考えたこともなかった。


「その子は、マスター……立香の子ですね」

「そう、なりますね。父上の孫になる」

「そうですか……いえ、私たちは別の家族ですし、迷惑をかけるわけにはいかないと思いますが……」

「あなた。孫が見たいというなら、ハッキリ言葉にしておいた方がいいですよ」


 どちらもモードレッドと同じで戸籍を得ている二人は、ナイチンゲールの方が医療機関で、アルトリアの方は何処かの剣術道場で指導員をしているらしい……偉大な騎士王と、その伝説を終わらせた不義の子が、どちらも現代では“養われる側”なのは何とも奇妙な因果だ。

 アルトリアが孫を何れみたいような反応を見せたことに、なんだかモードレッドは胸がいっぱいになり……けれど、アルトリアに直接言うのはまだ色々と心のつかえがある為、ナイチンゲールに向けて「いつでも見に来てくれよ」と照れながら告げる。

 あまり遅くなると、立香が心配する。二人も、何か別の用事があって来たのだろう。

 街中で別れるモードレッドの背に、アルトリアの言葉が飛んだ。


「モードレッド──幸せですか、あなたは」


 モードレッドは迷うことなく、大きなお腹に気を付け乍ら振り返り、言ってみせた。


「当たり前だろ! オレの伴侶は、立香だぞ!」


 それは、この三人にとっては、それ以上の何も必要としない、魔法の言葉で。

 モードレッドは全ての因縁から放たれ、うーうー唸りながら新作のシナリオをひねり出しているだろう、妻の元へと歩き出した。


叛逆の騎士の平和的日常回帰論

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