※今日は企画前日なのと、ここ最近は全体公開作品がSKEBのそれしかなかったので、今回は「その内やりたいこと」の前日譚に当たるお話を投稿しておきます。
治安の悪い女の子たち(片方は“子”か疑問符が付きますが)が銃撃戦する作品のクロスオーバー、どうぞ下記よりお楽しみください!
「──エダがおかしいって、あの破戒僧に間違い探しを挑んだ時に、一つでも及第点があったかよ?」
運び屋・ラグーン商会の斬り込み隊長レベッカ・リーことレヴィは、数多のマフィアや外国の諜報機関まで跋扈しているロアナプラで、完全中立のバーを営むバオの相談を冷徹に切って捨てる。
昨今は銃撃戦に縁のないような平穏な街ですらも、人間はパートタイムでしか正気でいられないことを示す事例は、山のように伝わってくる。
ましてや、悪徳の暴力の街ロアナプラで、頭の芯棒をおかしくせずに生きているなら、恐らくは他の“一般的な住民”の倍は狂っている相手と見ていい。
そういう常識の元で言い切ったのだが、バオは納得している様子が無い。
「確かにあの、不信心の現在を体現してるようなシスターは前からおかしかったよ。おかしかったが、狂っちゃいなかっただろう?」
「どうだか。自分を狂ってないって思ってる奴は、統合失調症の入り口だって聞くぜ?」
「混ぜっ返すなって! お前も一目見たら、確実に何かがおかしい、いや何もかもおかしいって思うって!」
レヴィは情報や武器の横流しなどを行う“暴力教会”のシスター、エダのことを思い返す。
喧嘩仲間の容貌は当然ながらすぐに思い出すことが出来て、金髪に『マトリックス』のネオみたいなサングラスで葉巻をくゆらす烈女の姿が浮かんだ。やはり、どこをどう見てもおかしいし、どこに出してもお恥ずかしいシスターである。
日本のカートゥーンアニメに出てくる、魔法少女のコスプレでもしてればレヴィも驚くかもしれないと、意地悪なことを考えると、イエローフラッグに新たな客が来店したのが分かり……客がざわめくのが耳に届いた。
「あん? ……!?」
エダが居た。教会のシスターの装束で、そこに立っている。
いや、エダはこれまでも殆どの時をシスターの服で過ごしていたのだが、何というか……そこに立っているのは“真っ当な修道女”だった。
サングラスを外して美しい青い目が覗いているし、葉巻をくゆらせてもいなければ、腕まくりをして無駄な肌の露出もしていない。
そもそも纏っている空気が、違う……清楚で、上品で、敬虔で、善良な……ロアナプラに似合わないものを揃えた役満の如き出で立ちで、柔らかなほほえみまで浮かべて見せている。
「こんにちは、バオさん。儀礼に使う為の、ワインを売っていただけますか?」
「お、おぅ……で、でも、あんたのところには浴びるのほどのワインがあったんじゃないのか?」
「あれらは全て、周辺の方々へとお配りしました。儀礼に使う最低限の分があればいい……わたくしも自らを総括し、断酒しておりますので、それで十分なのです」
エダがまず口にしそうにない言葉が雪崩の如く飛び出して、それでいてかつての飲酒を恥じている様子など、微妙にエダと“繋がっている”のを暗喩する言葉がまろび出し、横で聞いているレヴィは顔馴染みがエイリアンに変貌したような薄気味悪さで呆然とする。
運の悪いことに、そうやって大口を開けて呆然としているレヴィを、エダの視線が捉えてきた。
「ごきげんよう、レヴィ。今日もあなたの一日が、健やかなるものとなりますように」
「あ、あんた、マジでエダ? あたしのこと知ってるってことは、そうなんだよな……おい、ヤクは流すもんでキメるもんじゃないだろ!?」
薬物の使用を本気で疑ったレヴィだが、エダは口元を抑えて隠しながら笑う。
「まさか、そのようなものを使うはずもありません。サクラコ様の御教えを守れば、酒も煙草も薬も、此の世の悪徳を全て断ったとしても心静かに過ごせます」
「サクラコ? 誰だ、そいつ!?」
「ああ、バオさん、ありがとうございます。それでは皆様、良き一日を。わっぴー♥」
最後の呪いの言葉のようなものを吐くと、笑顔のエダは去って行った。
バオが「……な?」と言葉少なに確認してきて、レヴィも今度は同意せざるを得ない。
エダは、暴力教会の破戒尼は狂ってしまった。ブラクラ画像よりもグロテスクさを感じさせる光景に、レヴィはギムレットがまだ半分ほど入ったグラスを置き、そのまま会計を済ませた。
出入り口にエダが笑顔で待っていたらどうしようと、僅かにおじけづくような気持ちが沸き上がり、それが酷く嫌だった。
※
「──“暴力教会”の変貌の件は既に知っている? トゥー・ハンズ」
ロシアンマフィアであるホテル・モスクワ、そのタイ支部を治める女傑・バラライカ頭目の質問に、レヴィは「ああ、嫌ってくらいに」と答えた。
「バラライカの姐さん、何が起きたんだ、あれ? エダがまるで真っ当なシスターでございって顔して、善人面で奉仕活動してやがる。ヨランダの婆さん以外は神父見習いしかいなかったはずの教会に、今じゃ大勢の修道女や祈りを捧げに来る信者がいるって話じゃあないか」
「中立を謡っていた、彼の教会の唐突の方針転換は、私たちも問題視している。これが重ねてきた悪事の重圧に耐えかねて、神の膝元で改心を乞うたというのなら、その頭の中身を“神様”に告解する前に吹き飛ばしてやって終わりなのだけれど……どうも変貌の原因は、最近になって暴力教会に現れた、妙なシスターが原因らしい」
「エダ以上に奇体なシスターなんて、いるもんなのかねぇ……」
レヴィのつぶやきに、バラライカは目が笑っていない笑顔で、一枚の写真を見せてくる。
そこには、灰がかった銀色の髪と赤い目をしているのに、顔立ちはアジア系……特に中国人や韓国人に近い顔立ちの、大層な美人シスターがバストアップで写っていた。
特徴的なのは、その表情だ。笑顔を浮かべているはずなのに、まるで影でもかかったように、顔の明度が低く感じる……何か謀をしている人間の気配が、写真越しでも伝わってくる。
一瞬、レヴィは何か違和感のようなものを覚えたが、その正体は分からない。
「──サクラコ・ウタズミ。恐らくは偽名だろう。暴力教会に突然来訪し……エダ本人が吹聴している所によれば“天より降り来たられた”そうだが……瞬く間に暴力教会を掌握。武器の横流しを始めとした裏組織との繋がりを次々と断ちながら、しかし、これまで以上の諜報力で以て街の暗部の隅々まで影響を及ぼしている」
「まだガキじゃねぇか! こんな奴に、エダが……? というか、暴力教会以上の諜報力って、CIAより上ってことか?」
エダの正体は、CIAの工作員である。彼女が現在、その役目についてどのように受け止めているのかは謎だが、それ以上の情報を得るノウハウが、このサクラコとかいうシスターにはある……ということになる。
「この愛すべきシスター・サクラコ曰く“この街から暴力と悪徳を一掃し、平穏と美徳溢れる、女性や子供でも一人で出歩けるような街にしてみせます”とのことだ。年頃の乙女として、涙が出てしまうわね?」
「笑っていいのか分からねぇよ、姉御。言葉通りに受け取る馬鹿は、このロアナプラに居ないとして……要するにこいつ、ロアナプラの悪党どもに見境なく宣戦布告してるってことか? イカれてやがる!」
「その感想を更に深くする事実をお伝えしよう。この二人に見覚えは?」
そこには、すっかり真っ当なシスターの表情となったエダと共に、“ですだよ姉ちゃん”こと三合会の用心棒だったシェンホアと、死体処理業者である“掃除屋ソーヤー”ことフレデリカ・ソーヤーが、善意と友愛に満ちた笑みを浮かべて洗濯をしている姿が写っていた。
「──奴の侵略は、既に始まっている。いや、組織と個人の区別なく、かなりの深度まで進んでいると見てもいい。そこで、ラグーン商会……我々、ホテルモスクワからの“贈り物”を、すっかりと毒の抜けた平和な教会に届けて欲しい」
「……あたしが明日にはシスター服来て、笑顔で奉仕活動に耽ってるかも知れないことへの保険は?」
「報酬に上乗せ。もっとも、お前はそんなタマじゃないだろう、トゥー・ハンズ?」
そうレヴィ自身も思っているが、エダもシェンホアもソーヤーもそうだった。
しかし、エダに対して感じていた、悪党らしい共感……友情めいたそれを穢された感覚は、怒りとなってレヴィの中に渦巻いている。
結局レヴィは、他の商会のメンバーであるダッチやベニーの意見を聞かず、ましてやロックこと岡島緑郎へと確認を取ろうはずもなく、単独でバラライカからの依頼を受け、変わり果てた暴力教会へと向かった。
※
「まあ、レヴィ。お届け物かしら?」
善意と友愛に満ちた笑みを浮かべ、ハグしてくるエダを面倒くさそうに受け流しながら……女子刑務所時代に頂点へと立つ為、数えきれないほどのレズセックスを重ねているので、女性同士の接触自体には忌避感が無い……レヴィは「サクラコ様とやら、どこに居る?」と問う。
「サクラコ様のご用事なのね……それなら、あなたの後ろにいらっしゃるわ」
「あ……? そんな古典的な怪談話みたいな」
「──ようこそ、当協会へ。ラグーン商会の、レベッカ・リーさん」
ふわっ……と甘い匂いが漂う程の至近距離。居る。もう、既に。
愛用のソード・カトラスを引き抜きそうになるのを抑えて振り返ると……レヴィはシスター・サクラコと対面し、そして写真に感じた違和感の正体を理解した。
「(な、なんだぁ、この変態女!?)」
レヴィとて熱帯のロアナプラで暮らす悪党、露出度という点では娼婦の類と間違われかねない格好をしているが、しかしサクラコのそれは他の修道女たちの中で、あまりにも悪目立ちしていた。
頭のウィンプル(頭巾)によってシスターであるということは伝わるのだが、その下……体に身に着けているのは法衣ではなく、テカテカと光沢を放つ恐ろしく際どいエナメルハイレグであった。
そんなものを真昼の教会で身に着けて微笑んでいる時点で、この女が完全なる狂人であることレヴィは確認する。
「あ、あたしの名前も知ってるのか?」
「ええ、この街で暮らす方のことは、大方存じ上げております」
分かりやすい脅し文句と共に、例の顔に陰がかかるような笑み……イカれた狂気のシスターを前に、レヴィはひきつった笑みを浮かべて、届け物を手渡す。
それは、何とか女性一人でも抱えられる程度の小箱だった。
「このロアナプラの“ホテル”からの寄進、だとさ。あんたと“仲良くやりたい”そうだ」
「まあ、それはとても嬉しい心遣いですね。中身は、年代物のワインと──」
レヴィはここまでも十分に心胆を寒からしめていたが、、改めて背筋が凍る思いがした。
何故ならその木箱には、中身を示唆するようなものは何もなく、それでいて正確に内容物を言い当てられたからだ。
それはつめりもう一つの、ホテル・モスクワの“挨拶”の中身も当てられる可能性があるということだった。
「──火薬」
ぽつりとサクラコが呟くと共に、幾つかの出来事が起きた。
レヴィが素早くエダの腕から抜け出して、横っ飛びで身を低くしたこと。
エダが急にレヴィがいなくなって、前のめりで少したたら踏んだこと。
そして、サクラコがその場で箱を体の下に抑え込むようにして倒れ込んだこと。
──直後の爆音。
人間の体というのは、想定する以上に危険な“狂気”である。
サクラコの手足や固い頭部が体を掠めないこと祈りながら、教会前の草の茂みに体を伏せていたレヴィだが……奇妙なことに気付く。
小型の爆弾で吹き飛んだサクラコの体が、飛び散っていく気配や音がない。
レヴィが顔をそっと上げると……そこには、異様な光景が広がっていた。
「ふぅ……勿体ないことをしてしまいました」
軽く体を払って、誇りや木箱の破片、あるいはワインの瓶の断片などを払ってみせている……サクラコの姿。
手足が揃っているとか、焦げの一つすらない以前に……エナメルハイレグすらも、破れることも溶けることもしていない。
エダやシェンホアが駆け寄ってくるが見えたが、サクラコは笑顔で「大丈夫です。皆さんは、お務めを続けて下さい」と告げて、そのままレヴィの方へと近づいてくる。
「な、なんだ、お前っ!? ジェイソンだって、もう少し可愛げのある耐久してるぞ! 『十三日の金曜日』の世界に帰りやがれ!」
今度は容赦なく、ソードカトラスを引き抜くと、レヴィはサクラコの全身に二挺拳銃の射撃を叩き込む。
ベレッタM92を改造したそれは、ロングスライドの勇壮かつけたたましい音と共に、無数の鉛弾をバケモノシスターに撃ち込んでいくが……小型とは言え爆弾さえも耐えきったサクラコには、至近距離からの射撃ですら歩みを止めることすら出来ず、サクラコはレヴィへと近づいてくる。
見れば、シスター服を纏ったソーヤーが、タボールと形状の似た、真っ白なアサルトライフルを手に駆けてくる。恐らく、アレがサクラコの武器なのだ。
このままでは、如何なるレヴィでもひき肉にされてしまう……焦った彼女は、ようやくこの変態衣装に見えていたエナメルハイレグが、防弾や防衝撃の最新素材である可能性に辿り着いた。
「そういうことかよ……『死霊館』で収蔵されてな、悪魔シスター!」
「悪魔だなどと、そのような心無い言葉を口にしては──」
サクラコの整った顔にソードカトラスの銃口が当てられ、マズルフラッシュが閃く。
「ぐあぁぁぁっ!?」
顔の半分をフッ飛ばされたサクラコ……の、悲鳴ではない。
異様な衝撃が手に走り、愛銃の片方を取り落としてしまったレヴィが見たものは……顔に弾丸が着弾したにも関わらず、少し赤くなっているだけのサクラコの姿だった。彼女の頑強さは……彼女由来のものだった。
「ひっ……!?」
レヴィはハッキリと恐怖を感じ、彼女らしくもなく逃げ出そうと、背を向ける。
そんな彼女の体を後ろから素早く抱きしめ、サクラコが耳元に口を寄せてきた。
「ひぃぃっ! やめろっ! やめろぉぉっ!」
「落ち着いてください、レヴィさん……私は、あなたを傷つける意図はありません。ただ、あなたとも仲良くしたいだけです……」
サクラコの言葉はまるで信用ならないが、このまま体を抱き潰されて、口から内臓をはみ出して死ぬことに怯えてしまっているレヴィからすれば、そもそも聞くに値しない。
暴れまわるレヴィに、ソーヤーがアサルトライフルを渡そうとするが……それをやんわりとサクラコは断った。
「“浄化の織り手”は必要ありません。暴力に暴力を返していては、悲しみの連鎖が続くばかり……皆さんを守る為に使う以外に、私はこの力を己で奮うことを禁じたのですから。レヴィさん……あなたの心を、解きほぐしてみせましょう」
「んんっ……♥」
ちゅぴっ……とサクラコのそれこそ桜色の舌が伸ばされて、レヴィの耳の中に挿入される。
くちっ……くちっ……くちゅっ……という愛撫に、レヴィの体はまるで脳まで掻きまわされているようにびくびくと震え、献身的なサクラコの奉仕はレズ慣れしているはずのレヴィですらも、ぴーんと足を延ばしてしまうほど快かった。
「(こ、こいつ……そうか、あの化け物ぶりで戦意を折って、それから“こっち”で手駒に堕とすってか……残念だったな! あたしは、こっちじゃ負けなしなんだ! むしろ、あんたを“戻ってこれなく”してやるよ!)」
相手がわざわざ“平和的な”手段に訴えてくれたことで、レヴィの口元に笑みが戻り、余裕を取り戻した彼女はサクラコと対面しあう。
エナメルの質感を感じながら、レヴィとサクラコは抱き合って──。
……数分後。
「ほひぃぃぃぃぃぃっ♥ んへっ♥ んへぇぇぇぇっ♥ イグっ♥ イグぅぅぅぅぅぅぅっ♥ んおぉぉぉぉぉぉぉっ♥」
「まあ、なんて元気のよろしいことで……レヴィさん、口を開けてください」
「あ、あぁぁっ……あーん……♥」
「んっ……つー」
「あみゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ♥ しゃ、しゃ……サクラコ“様”の、唾液甘いぃぃぃぃっ♥」
散々にイカされ、エナメルのつるつるの質感で乳首を擦られ、キスや愛撫をたっぷりと受けたレヴィは、もはやサクラコの虜に落ちていた。異様なほどにサクラコの行為は洗練されており……一応は自身も同性相手には性豪であるレヴィは、その行為の心地よさの正体が“献身”であることに気付いていた。
レヴィの場合は、相手になめられないように、相手を下において支配するために、愛撫を行い、相手を抱き潰す。
サクラコはそうではない。今、レヴィの頬に優しく幾度も口づけする……その度にお漏らしのような勢いでマン汁を噴いてしまう……のも、レヴィに本当に改心して欲しいから、優しい心を取り戻してほしいからなのが伝わってくるのだ。
そうやって見つめると……あんなにもうさん臭く見えていたサクラコは、本当に言葉通りの聖女にしか見えなくなってくる。
「あぁっ♥ あっ、あひっ♥ サクラコ様ぁぁ……そ、そこはぁっ……♥」
「レヴィさんの大切な、赤ちゃんのお部屋……悲しい出来事で、幾度も傷ついたのですね、分かります。けれど、そんなあなただからこそ知って欲しいのです。寄り添う者はあり、差し伸べられる手はあるのだと」
「お゛っ♥ なでなでしゅごっ♥ いぎゅっ♥ いぎゅぅぅぅっ♥」
その体の頑強さ故だろうか、サクラコの力は女の中ではかなりの怪力であるレヴィよりも更に強く、腹を撫でられるだけでぐりぐりとポルチオが刺激され、刑務官たちに輪姦されたことも、父親からの虐待も、辛い記憶がサクラコの与える快楽で埋められていく。
悪党として振舞い、強い女を気取ることで、埋葬できていたと思い込んでいた黒い記憶の数々が、今度こそ……消え去っていくのだ。
「レヴィ……サクラコ様は、素晴らしいでしょう? 私たちはみな、サクラコ様に救われたの。あなたも、このロアナプラを希望に溢れた幸福の都へ変える手伝いをして……♥」
「え、エダ……んむぅぅっ……♥」
時おり酔っぱらった時などに、エダとは遊びでキスはすることがあった。
けれど、タバコの匂いが完全に消えたエダの唇は柔らかくて、甘くて……レヴィの心に改心の灯火を燈していく。
「ふふっ……お二人とも、とても可愛らしいですよ♥」
「あひぃぃぃぃっ♥」
「んおぉぉぉぉっ♥」
キスを交わすレヴィとエダが、同時にサクラコから手マンされて潮を噴く。
そのチカチカとした快楽の白い光の中で……レヴィは、サクラコの頭上に天使の輪が輝くのを見た。
左右に小鳥が控えているように見える光輪……その時にようやく、レヴィはサクラコが本物の“天使”だと理解したのである。
「あうぅぅぅっ……ち、誓いますぅっ♥ 誓わせてくだしゃいぃぃっ♥ レヴィは♥ レベッカはっ♥ わ、悪いことないないしてっ♥ サクラコ様に♥ 神に帰依しますぅぅぅっ♥ だから、もっと幸せにしてくださいぃぃっ♥」
サクラコはその叫びに応えるように、胸元にレヴィを抱き寄せる。
つるつるした質感の奥に、サクラコの甘い体臭を感じ、乳房の柔らかさを両頬で堪能しながら、何度も何度もレヴィは絶頂を迎え……取り落としたソードカトラスが、足元で愛液に塗れて鈍く輝いていた。
※
「──ん……今日も一日が始まりますね。シスター・マリーやヒナタたちシスターフッドの皆は、トリニティの皆さんは……それに先生は、どのようにお過ごしでしょうか」
サクラコは寝台の上で身を起こし、己の境遇を振り返る。
歌住サクラコは超巨大学園都市“キヴォトス”の三大勢力トリニティ総合学園に所属する“生徒”であり、諜報機関を兼ねる組織シスターフッドの長でもある。
キヴォトスでとても大きな戦いが起きた際、仲間や学友を守り敵を打ち倒したサクラコだったが、何故か気付けば“暴力教会”の天井から落下しており、服装も普段のそれではなくシスターフッドの前身・ユスティナ聖徒会の礼装となっていた。
そこが“神秘”の存在しない世界であることを知ったサクラコは、この場に飛ばされたのは悪徳の満ちる街を平穏に導けという主のお達しだと受け止め、銃撃程度なら怪我すらしない頑強な体と、シスターフッドのノウハウで以て、ロアナプラ浄化に動き始めたのである。
かつては周囲から「笑顔が怖い」「絶対に人殺してる」「常に陰謀を企んでいる」「拉致とかしそう」と散々に誤解されていたサクラコだが、暴力を行使せずに改心を促せるこの世界では、真心で接すれば分かってもらえることが多く、ノイローゼ気味だったサクラコとしてある種のリフレッシュになっていた。
「ああ……♥ シスター・サクラコ……♥ もう、朝なのですね……♥」
「昨夜も、沢山愛していただきありがとうございますぅ……♥ この世には確かな愛があると、改めて確信できました♥」
すっかり甘えん坊になって夜はベッドに潜り込んでくるシスター・レベッカと、少し年嵩だがサクラコの理念に共感してくれたシスター・ソーフィヤが、サクラコの腋に顔を埋め、へこへこと腰を愛らしく振る。
サクラコはその頭を優しく撫でて「んほぉぉっ♥ いきゅぅっ♥」「と、年下のなでなでで、マン汁とまらにゃいぃっ♥」と絶頂に導くと、改めて平和と正義の為に動き出すのであった。
「キヴォトスで土産話を期待しておいてください、先生。必ずや私は、この街を救ってみせます!」
今回の攻め役
※歌住サクラコ(うたずみ さくらこ)
・『ブルーアーカイブ』に登場するシスターフッドの長、歌住サクラコその人。恐らくは第1部最終章における第4サンクトゥム攻略戦の時間軸から来ており、襲い来るユスティナ信徒を打ち倒した後、何故かロアナプラに異世界転移してしまった。
・キヴォトスの外でも神秘を保っており、それによって圧倒的な頑強さを誇っている為、実質『ブラックラグーン』の世界では無敵になってしまっている。
・ヘイローはサクラコ視点では常に頭上にあるのだが、ブラクラ世界の住人はサクラコに心を開くと見えるようになる。そのせいで、本物の天使だという勘違いを加速させている模様(サクラコはこれに気付いていない)。
・根からの善人ではあるが、諜報機関を兼ねるシスターフッドの長で、悪党の手管は知り尽くしている(ぶっちゃけゲヘナ学園辺りと比べると、ロアナプラはまだ治安のいい部類に入るだろうし……)ため、ロアナプラを浄化する為に己が遣わされたと信じ、戦いを始めた。
・相変わらず神秘の影響かと思う程に“敵意や恐れを持つ相手”からはうさん臭く見えるという悲しい体質だが、こちらの世界では銃を使わない“平和的な”鎮圧が可能である為、善良さが伝わる機会が多く、ひっそりと心癒されている。
・如何に趣味“先生”とは言え、原作だとサクラコが“シャーレの先生”と本格的に絆を深めるのは第1部完結後の時間軸のはずだが、何故か先生への好感度が異様に高い。
・女性相手の性技に長けていたり、“浄化の織り手”をサクラコ以外も触れることが、何か関係しているのだろうか?
屋根が高い
2024-02-28 08:19:00 +0000 UTCとろがけ
2024-02-28 08:06:32 +0000 UTC