──それは私たちに理不尽と戦う術を教えてくれた“先生”からの質問だった。
“先生”はいろいろなことを私たちに教えてくれたけれど、それ以上に私たちから様々なことを聞き出すのを好む人だった。
「お前たちの尊敬する相手は誰だ?」
「──アンパンマン氏です。滅私博愛、粉骨砕身、清廉潔白の具現。全ての生きとし生ける者が共通で抱える恐怖であり困難……“飢餓”に対し“自己犠牲”による“譲渡”で立ち向かう、彼の士こそ本物の英雄だからです」
「──この世に存在する方は、誰であろうと尊敬すべき点が必ずやあるものですわ。故に特定の個人は、わたくしの胸の中にいらっしゃいません。そして、わたくしの“暴”は、敬意の有無で鈍ることもありませんわ」
オリセ姉様も鹿の子姉様も、それぞれの答を迷うことなく挙げられる中で、私だけは咄嗟に誰の名前も出すことが出来なかった。
お姉様たちも“先生”も、どちらも深く尊敬していたから、誰の名前を挙げればいいか分からなくなってしまったから。
それで、その夜は延々と匂宮のお家の書庫に籠って勉強し、翌日の訓練が始まる前に私は、歴史に消えたフランスの王妃の名前を挙げた。彼女が民を想う気持ちが数百年を超えて復権していく様子が、とても輝かしいものに思えたから。
例え儚くギロチンの刃に散ったとしても、消えない愛はいずれ廻って世界を照らすなら、それはきっと彼女が素晴らしい人であった証だし、この世界を空より貴い愛で満たすことができると希望を持てたからだ。
「──その場で望ましい対応が出来ずとも、後から取り戻していくことを希望と捉えられる感性は、宝だ。お前はその姿勢を保ち続けろ、黛」
この言葉は今でも、私を突き動かす原動力となっている──。
※
──ぱぁんっ♥ ぱぁんっ♥ ぱぁんっ♥
乾いた肉のぶつかりあう音は、受肉したサーヴァントだけが立てられる音だ。
響き渡る悍ましい音に、デオン・ド・ボーモンことシュヴァリエ・デオンは耳を塞ぎたい気持ちでいたが、両手を拘束されてしまっている上、胸も尻も太腿も自分の本来の体とは掛け離れた豊満なものに変わってしまっている為、目の前で行われている下劣な陵辱劇を感覚のすべて受け止めざるを得ない。
「お゛っほぉぉぉぉっ♥ ぷっしーふぁっく♥ わたしのぷっしー♥ だーりんのびっぐこっくで掻き回されるの最高ですぅぅぅっ♥ おぉぉぉぉぉっ♥ こんな大きいの初めてなのほぉぉぉぉっ♥」
全身に下劣な落書きを施されて、星条旗柄のビキニを着せられながら犯されている、敬愛する王妃──マリア・アントーニア・ヨーゼファ・ヨハーナ・フォン・ハプスブルク・ロートリンゲンことマリー・アントワネット。
18世紀に儚く処刑されたはずのヴェルサイユの薔薇は、もっとも美しかった頃の姿で呼び出され、そして見る影もないほどに醜く蹂躙されて性処理穴のように使われていた。
「ハハハハハッ! フランス王妃様が俺様の下賤チ〇ポで喘ぎ狂ってやがる! 念入りに令呪まで使って、強烈な魔法毒まで使った甲斐があるってもんだぜ! おら、鳴けっ! 豚みてぇに鳴けよ! 俺はお前らみたいな歴史に名を残した連中を、ぐしゃぐしゃに踏みつぶすのが好きなんだ!」
「ぶ、ぶひぃぃぃぃっ♥ ぶきゃぁぁぁぁぁぁぁっ♥」
マリーを現代において呼び出した魔術師……屈強な黒人男性の魔術師は、下劣の極みのような言葉を口にしながら、自らのサーヴァント──人々に祀り上げられ英霊化した存在を、強大な魔力の下で使い魔として召喚した存在──背後から貫き、豚声を上げさせる。
小規模聖杯戦争にて召喚されたデオンは、幸いにも心清き魔術師のマスターを得て、下劣なマスターに召喚されたせいで性奴隷のような扱いを受け、精神を破壊されてしまったマリーを救うべく、主の許可を得て奮闘していた。
しかし、突如として乱入してきた“軍服姿の青髪の女”によってマスターを殺害されてしまい、何故か下劣マスターを支援した彼女の手によって聖杯戦争は蹂躙され、デオンも遂に悪の手に落ちてしまったのだった。
その上、ライダーとして召喚されていた日本の英霊・源頼光に匹敵するような、豊満な女体に受肉させられてしまい、こうして救えなかった王妃を延々と犯す姿を見せつけられているのである。
「悪趣味な遊ぶに耽るのもいいが……先に私の要件を済ませてもらおう。キャスターとセイバーを覗いた五騎の霊基、私がもらい受けていくので相違ないな?」
「おお、勿論だぜ。ひひっ、あんたも変わりもんだなぁ? 本来ならサーヴァントたちの霊基で満たされて初めて願望器になる聖杯……それに魔力をたらふく注いで、代わりに霊基の方を持っていくなんざ。まるで聖杯よりサーヴァントの方が価値があるみたいじゃねぇか?」
「私と、私の主にとってはそれが真実だ。万能の願望器・聖杯……しかし、我が主の野望を叶えるには小さすぎる」
軍服姿の女へと、マリーを犯しながら男は手を伸ばし、胸を触ろうとする。この聖杯戦争の間、彼の要望に細かく答えてきた彼女を、いつの間にか手駒のように見ていたのだろう。
……一流の剣士であり、最優のセイバークラスで呼び出されているデオンにすら見えない速度で、男の喉に氷で作られた剣が突き付けられていた。
「私を“サーヴァント”として扱うのは、無理があるな? 私は常に屈服させる側だ……何者が愛てであろうとな。いや、我が主を除いて、というのが正しいか……」
「ひっ……じょ、冗談だよ、エスデス。ほら、もう持って行けって!」
「そうだな。その二騎は契約通り、好きにするがいい」
青髪の女──エスデスは、(恐らく)人間の身でありながらマスターともども殺害してみせた五騎のサーヴァントの霊基を手に、その場を去っていく。
苛立ったと見える男はマリーを無理やり引きずり起こし、その首をギリギリと締めながら適当に射精すると、デオンの方をにらみつけた。
「あへっ……んへぇぇぇっ……♥」
「苛立つぜぇ……聖杯戦争の勝者ってことは、俺がもっとも優れた魔術師なんだ! テメェのその気に入らない男女面をアヘ顔にして、俺の偉大さをわからせてやるっ!」
「くぅ……マリー、あなたを救えなかった非力な騎士をお恨みください……こんな形で辱めを受けるとは、無念だ……!」
マスターを失った状態でも果敢にエスデスに挑み続けたこともあり、デオンの魔力はもはや枯渇寸前。
下劣マスターに抵抗する術は最早ない……悲痛な覚悟で突きつけられる汚臭漂う肉竿を見上げるが……それよりも更に頭上。
天井の辺りが“ばきり”と砕けて、靴底が突き出しているのがデオンの目に映る。
次の瞬間、天女のように優雅に降りてきた少女が、力の籠っているとも思えない様子で“とんっ”と下劣マスターの上に着地すると──男は「ぐぴゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!?」という断末魔の悲鳴と共に、身長を半分ほどに縮めながら圧縮され、下半身に屈強な上半身の大部分を埋めるという玩具じみた外見になりながら、両足を砕かれて崩れ落ちた。
自らのマスターが文字通りに“粉砕”されたというのに、マリーは「あ゛ぁ~……?」と呆けたように少女を見上げるばかりだ。そういう風に壊したのだから、男の自業自得であるが。
「──ごきげんよう、白百合の剣士様。匂宮黛と申します。伝説的な王室監査官殿にお会いできたのは光栄ですが……喜ばしからざる事態のようですね」
「わ、私のことはどうでもいいんだ! この無様な姿とて主命を果たせなかったことに比べれば恥と言うほどでもない! お願いだ、マリーをもう開放してくれ……!」
デオンの自らの痴態など大した問題でもないという態度に、黛はその清楚な外見にある種の感銘を浮かべ……その上で、シュヴァリエ・デオンがマリーと呼ぶ対象へのあまりにもリスペクトに欠けた扱いへ、一瞬にして怒りのボルテージが振り切れる。
「鹿の子お姉様、この者は──」
「うふふ、黛ちゃん。もう無い無いしてしまいましたわ~」
見れば下劣マスターは、いつの間に現れたのか2mを超すような恵体の美女の両掌で圧縮され、ビチビチと赤い汁になって乾いた床へ飲み干されていた。
小規模とはいえ聖杯戦争を勝ち抜いたはずのマスターは、横合いからの力に頼り切った報いのように、別の乱入者の手で壁の染みになり果てたのだった。
「あら……? あらら……? あの、黛ちゃん、わたくし何だかおかしくなってしまったかも知れませんわぁ。何故かおちんちんがパッション重点ですの……♥」
すべて終わったかと思いきや、鹿の子と呼ばれたメイド少女が困惑し始める。
見れば、彼女の股間が下種マスターのそれなど相手にならないほどにビキビキに勃起しており、
「……デオンさん。もしかして、その体は何かの魔術によるもので、本来はあなたは男性サーヴァントなのでは?」
「あ、ああ、私の性自認も男性のものだよ。けれど、様々な逸話を反映するサーヴァントの身だ、私が女性としても活動していた経歴を突かれて、こんな豊満な肉体に変えられてしまった……」
「──あなたがマリー王妃に向ける気持ちは敬愛でしょうから、性愛と受け取るような言葉は不快かと思いますが……私はこの場で行われていることは“悪質な寝取り行為”と判断して、この場に駆け付けました。それはつまり……」
デオンは、今はこのように豊満な女体にされてしまったが、世界は彼を“寝取られ男性”と任じているということになる。
そして寝取られ被害者の男性を雌堕ちさせたくなるという、鹿の子の特殊性癖は今は、思いっきりデオンに反応しているのだった……。
※
──どちゅっ♥ どちゅっ♥ どちゅっ♥
重く、深く、みだらな水音が響き渡る。
「あっ♥ あぁぁぁっ♥ なんて、素敵なのぉぉぉっ♥ あっ♥ あぁぁっ♥ 奴隷のように扱われる性交と、全然違うっ♥ わ、わたしを気遣い、可愛がってくれる交わりっ♥ ああ、セックスぅ……♥ こんなに素敵な交情は、生前にも体験したことが無いわ♥」
短小な下種マスターとのセックスでは、すぐに腰と尻がぶつかり合う音がしたが、黛という少女のチ〇ポは“究極の性”と言われる両性具有者の中でも、飛びぬけて大きな代物である。
膣の奥の奥まで貫く“本物の”セックスの前では、薬物や魔術を用いた洗脳などまるで意味はなく、マリーは忽ちの内に意識を取り戻し、黛相手に甘えるように腰をくねらせ始めた。
「んっ♥ あっ……♥ ごめんなさい、マリー王妃……♥ あなたを浄化し、受肉した体に活力をもたらす為には、こうして性交に及ぶのがもっとも楽なので……♥ んっ、ふぅぅっ……♥ ああ、あこがれの人を抱いていると思うと、幸運してしまいますっ……♥」
「あっ、あぁぁっ♥ おちんちん、深いところまでぇ……♥ マスター、からは♥ あの男からはぁ……わ、わたしは現代では嫌われ者だと……散財主義の馬鹿者だと嘲笑されていると、何度も聞かされていましたぁ……♥ あっ、あはぁっ♥ そ、そんな私を、あこがれ……だなんてぇ♥ あはぁぁぁっ♥」
「そんなことありません♥ あなたの愛は、少しずつですが正当に評価されつつあります♥ あなたの改革の意思は、今でも多くの人を愛の光で照らしています……♥ あなたは愛されたプリンセスです、マリー・アントワネット……♥」
「んっ……んふぅぅっ……♥ な、なんて、お上手なのぉ……♥ キスをしながら、こんなに激しく突かれて♥ そ、そんな風にささやかれたら♥ 夢中になって、しまうのぉぉっ♥ あぁぁっ♥ わたしの現代の思い人を、みつけてしまったのぉぉっ♥」
黛という少女は、寝取られて精神を破壊された乙女を救いたいと衝動を抑えられない性質でありながら、寝取られた側の男性を許せないという面倒な一面の持ち主だ。
今回のデオンはきちんと抵抗しようとしていたし、イレギュラーが無ければマリーを救出していた可能性が高いので例外だが、黛は被害者の女性の精神を“元に還す”ことのみを目的として動く。
そんな彼女は自分が傲慢なのを自覚しているが……憧れのマリーから評価され、こうして好意まで寄せられるのは大いなる救いであると言えた。
一方、デオンの方はまだ慣れない女体を隠しながら、自分よりも遥かに屈強でいい匂いがする鹿の子に押し倒され、その体を包み込むように激しく突かれていた。
「う、あぁぁぁぁっ♥ こ、こんなっ……んっ♥ んはぁぁぁぁっ♥ こ、こんなセックス、知らないぃっ……♥ わ、私、もっ……色事は、それなりに……こなして、きたのにぃぃっ……♥ あっ、あぁぁんっ♥ ぎゅっとされて♥ こ、こんな安心する気持ちは、初めて……♥ ぼ、僕の腰が♥ 勝手に動いちゃうぅぅぅっ♥」
「はぁ、はぁ……デオン様、なんてお可愛い♥ 凛々しいお顔と、ぽよぽよの体つきのギャップがたまりませんわ♥ デオン様としては、このお体は不本意でしょうが……んんっ♥ ほーら、乳合わせ、気持ちよいでしょう♥ 惨蔵様もこれをされると、雌声で『おへぇぇぇぇっ♥』と喘いでしまわれるのですわ♥」
「おへぇぇぇぇぇぇぇぇっ♥ んへぇぇぇぇぇぇぇぇっ♥ やっ、やぁぁぁっ……♥ か、体に心が引っ張られてるっ……♥ こ、このままじゃ僕、雌に成っちゃうぅぅぅっ♥ あっ、あっ♥ 愛情たっぷりピストンやめてぇぇ……♥ お、男の子卒業やぁっ……♥ や、やなのぉぉぉっ♥ ほぉぉぉぉっ♥ おっぱいちゅー気持ちいいぃぃっ♥ あっ、ああぁっ……も、もう、好きにしてぇぇ……♥」
瞬間的にリミッターを外すことができ、筋力Aを誇るデオンですらも敵わない、圧倒的な鹿の子のパワー。
そこから放たれるあまあまセックスを前に、デオンは体の方に精神が引っ張られたのもあって、あっという間に雌々しい声で喘ぎ始める。
遂にマリーとデオンは背後から突かれながら対面し、こつっ♥ こつっ♥ と軽く歯をぶつけ合いながら、強制キスを体験することになる。
愛しき騎士と、敬愛する王妃……別々の相手に突かれながらの口づけは、背徳の官能を燃え上がらせた。
「ああっ♥ デオンっ……ちゅっ♥ んむっ♥ わたしは、もう……あはぁぁぁぁぁっ♥」
「ま、マリー……♥ あっ♥ ダメ、マリーに雌顔見せてしまうぅぅっ♥ あひぃぃぃぃぃっ♥」
二騎の腹へと大量の性が注ぎ込まれ、これを以て契約が上書きされる。
マリーは黛の、デオンは鹿の子のサーヴァントとして再契約が成され、更に受肉し続けるために二人の腹が一気に膨らみ、まだ精液を出されて数分だというのに“出産”が成される。
「お゛へぇぇぇぇぇぇぇっ♥」
「あ゛おぉぉぉぉぉぉぉっ♥」
これは受肉後のサーヴァントという存在を、完全に世界になじませるために、世界の法則がもっとも強力な世界との繋がり……生命の出産を、因果律を逆転させて引き起こすからだ。
相手が両性具有者の時限定であるが、サーヴァントたちは初出産の際は、妊娠確定膣内射精を受けた時のみ、こうしてものの数分で“未来に生まれてくる子”を引き寄せるのである。
互いに見せつけながらの出産アクメ……生まれてきた匂宮とサーヴァントの娘は、まだ小さな雌チ〇ポをひくひくさせながら、母乳を漏らし始めたマリーとデオンの胸に吸い付くのであった。
※
「──わたしやデオンのような例は、珍しくないということなの?」
すっかりと正気に戻り、元の美しい礼装の姿となったマリーは、黛との娘を抱いてあやしながら、小規模聖杯戦争が襲撃を受ける事件が頻発していることを聞かされていた。
もしもマリーとデオンの境遇が違っていても、黛と鹿の子はこれらの事件の調査を行っており、数分遅れで恐らくは救出に乗り込んでいただろう。
「かつて冬木市で行われていた聖杯戦争に“血族”が介入した際、日本を舞台に行われる聖杯戦争絡みの権限は、すべて血族の有力者である朔月家を通すこととなったんです。その結果として魔術協会や“必要悪の教会”の目を恐れることなく、小規模聖杯戦争が各地で行われるようになったんですが……聖杯は放置して、それどころか願望器を機能を与えるほどの魔力を置換した上で、サーヴァントの霊基だけを持ち帰るという案件が頻発しています」
「あのエスデスという烈女の仕業かな。恐ろしい手練れだった……」
「エスデス……何度か調査中に聞いた名前ですわね。それともう一人……メラルドという名前を聞いたことは?」
申し訳なさそうに、デオンは首を横に振る。不安そうな顔に反応したのか、赤ん坊がむずがりはじめた。
姉が“本当に高い高い”で我が子をあやすのを見つめながら、黛は何か大きな力が動き出している気配を感じていた……。
屋根が高い
2024-03-10 08:38:19 +0000 UTCソウシップ
2024-03-10 08:28:01 +0000 UTC屋根が高い
2024-03-10 08:16:16 +0000 UTCとろがけ
2024-03-10 08:08:23 +0000 UTC