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極聖交差エクスカディア外伝~無双の剣は愛を知り瑠璃をも穿つか?

 ──大蛇を縊り、鬼をも泣かせ、屍山血河を“逆に”蹂躙する。

 力、力、力……あまりにも膨大で莫大で強大で甚大で極大の力。

 あらゆる理を捻じ曲げ、法則を打ち砕き、絶対や確約すらも貫通する……純然たる力。

 日ノ本を蹂躙して回った伴天連魔術の生み出せし悪鬼・英霊剣豪は一騎も余さず、突如として戦場に現れた怪しき妖女の前に蹂躙され、男は塵に帰り女は孕まされて“狂い直し”、鏖殺の宿業を捨てて嬌声と共に媚びた言葉を絶叫する。

 辺極──リンボを名乗っていた黒幕・安倍晴明を騙っていた芦屋道満も肉片に変わり魂の一遍まで消去され……藤丸立香と宮本武蔵の前で、巴御前が・望月千代女が・酒呑童子が・源頼光が……屹立する妖女の肉竿をしゃぶり回している。


「あはぁぁぁ……ごめんなさい、義仲さまぁぁっ♥ このチ〇ポ、チ〇ポぉぉぉっ……雌チ〇ポが強すぎるのですぅぅぅ……♥」

「我が一族に架せられし呪も消し飛ぶ、力強き交情♥ わたくしは生涯に渡り貴女様に仕えなおしますぅぅ……♥」

「あへぇぇぇ……お母はんもぐしゃぐしゃにひねりつぶされてしもたら、狂うてることもできひんわぁ……♥ おほぉぉっ♥」

「源氏などもうどうでもいいっ♥ 武士や侍などすべてクソですぅぅぅっ♥ 私を快楽に導き母にしてくださいませぇっ♥」


 戦場の真っただ中、戦時ということで気を張っていなければ、只人である立香は無論のこと、武蔵であろうともその場で頭を垂れ、奉仕を願いたくなるほどの剛直。ただ大きいだけでなく、女の体に食い込んだ光景を想起させるような、正に“女好き”する肉の剣。

 それを“元”英霊剣豪たちにしゃぶり上げさせながら……日ノ本の敵を抹殺した妖女は、緑色の髪を撫で上げて……そして、困った口調で立香と武蔵へ語り掛けた。


「参ってしまうわね。こういう場合のマニュアルとかって、サトラお母様たちは用意してくれていないのかしら」

「……あ、あの」

「ああ、強き者よ。あなた達が、この世界の住人であったのなら問題ないのですけれど……見たところ、どちらもドリフター──漂流者とお見受けするわ。さて、星を守る強き者が、迷い込んだだけの旅人……まして片方は帰るべき場所があると来たら、それを星の剣と呼んでもよいものかしら」

「星の、剣──」


 その単語は、武蔵の心を強く強く捉えて離さない。

 今もって剣の道を模索し続け、その最中にかつて共に戦った少女・藤丸立香と再会し、殺戮の宿業に狂わされた英霊剣豪たちと死合いを嵩ね……その果てに、このよく分からない妖女の乱入で、この世界の危機は去ったようだ。

 それはそれでよいことだろう。立香と武蔵が気遣っていた少女……おぬいや、カルデアのサーヴァントのそっくりさんである下総は土気城の清姫や宿屋の主であるおたまも、これで理不尽な死をもたらされることはなくなった。

 そう、それは、それ──強きもの、格上の存在、剣だけで何処まで迫れるかも分からぬ魔人たちと死線を交わし、ようやっと五輪連らねのその先……“零の剣”が見えてきた武蔵にとって、妖女の乱入は何処までいっても“横槍”である。

 しかして、もしもこの妖女が“星の剣”なる境地を理解しているのならば、そして剣を合わせることで理解できる可能性が一寸でもあるのならば。

 ──そう猛りかけた武蔵の眼前に、恐ろしく巨大な黒鋼の剣が突き付けられる。

 それはもはや剣と認識することが難しいほどの巨大な鉄塊……それを妖女は軽々と片手で振り回してみせている。

 立香が己が手に刻まれた令呪を構え、武蔵はいつでも突き殺せる状態に持ち込まれてなお笑いながら、この世界で手にせし妖刀・妙法村正に手をかける。


「──意気や善し。私は『瑠璃宮』のルサ。次元を渡り、知生体の敵を滅ぼし、星の剣を選定して回る“偉大なる旅団”の最高幹部が一人、応龍渡碗。そちらのあなた、藤丸立香がレイシフトを通じて行っていること、そちらの君、新免武蔵が導かれるままに剣を振るっていること……それを少々“大々的”に行っている存在」

「るるいえ……別の世界で聞いたことがある。おせっかいな助けすぎ集団だとね……まさかこんなに強いとは」

「ルサさん、仮に聞かせて。私も武蔵ちゃんも、この世界の人ではない。いずれは帰り、あるいはまた彷徨わなくてはいけない。その場合……この世界をどうするの」


 橙色の髪の少女は、ルサが自分を気まぐれで抹消できるほど超越した存在だと理解しながら、少しも怖じている様子が無かった。

 それは怖いもの知らずだからではない……恐怖を知っているからだ。

 そのうえで今は、怯えず対話をすべきだと選択している……戦いという意味では武蔵に遠く及ばぬ少女だが、彼女もまた──他の世界で戦っている、同一の次元個体振動を持つ少女たちと同じく──果て無く強い。どんな残酷な答えを聞かされても構わないというように。


「私たちが完全に管理することになるでしょう。そして、私たちは“贔屓をする”。私はレズビアンであり、女性を優遇する。私は戦士であり、強き者を優遇する。私は裁定者であり……愚劣な者を冷遇する。控えめに言って、この子たちがやろうとしていたことよりも、ずっと“ひどいこと”になるでしょう」

「そう──それは、駄目だよ。見逃せない」


 雨かと一瞬見紛うほどに、ルサの竿の先から大量の精液が溢れ出した。

 どばどばと元英霊剣豪たちが精液に溺れ、恍惚とした表情で喉をガラガラと鳴らす。

 そんな光景を目にしても心を揺るがさないほどに、立香はもう、すっかりと覚悟を決めた顔になっていた。

 ──怖いのは嫌だ、痛いのは嫌だ、苦しいのは嫌だ、寒いのは嫌だ、惨いのは嫌だ、辛いのは嫌だ、暗いのは嫌だ……そんな恐れを知っているのに、弱いのはもっと嫌だ、目をそらした間に“そんな目”にあう命があるのは嫌だと、奮い立っている目だった。

 ルサは……超越の存在である応龍渡碗は、背筋にぴりりと軽いおぞ気を感じ──幼子に向ける母のような笑みを浮かべた。


「新免武蔵、あなたもそうですか? 彼女と意見を同じくしていますか……ねえ、天下無双?」

「……いいえ。私は単に、強い相手と闘りたいだけですよ。けれど、立香と一緒に戦うと“気分がいい”。だから、立香の敵になるなら……あなたとやろうと思います」


 二人の答に、「チ〇ポぉ……♥」と縋り付いてきた巴御前の髪をぐしぐしと撫でてやりながら、ルサは一言「意気や善し」と返した──。



「──なんだか、変なことになっちゃったね。ごめん、武蔵ちゃん」

「謝らなくていいです。どうせ、あんな強者を前にしたら……闘りたくなってたと思いますし」


 おたまの宿へと戻ってきた武蔵と立香は、英霊剣豪の脅威が日ノ本から払われたことを告げ、宴の中心から抜け出して部屋で語らいあっていた。

 ルサとの決戦は、一週間後となった。

 もしも立香と武蔵が敗れ去れば、この世界は道満が作り出そうとしていた地獄が、天上楽土と思えるほどの辛酸の大地へと変わる。

 まず重要な問題として、立香と武蔵がどれだけ力を合わせようと、ルサには勝てない。絶対に勝てない……あれは勝敗の存在する世界とは、次元の違う生命体だというのは二人には分かっている。

 恐らくビースト……彼の魔術王ですらも、ルサは指先で押し潰すように瞬殺できてしまうだろう。全開とは程遠い魔術師と、妖刀持ちの剣豪が太刀打ちできる存在では絶対にない。

 しかし、それが分かっていながら、ルサは弄る為に二人へ猶予を与えたわけではなかった。


「まったく……素でも私と立香ならそっ首叩き落としてやるのに、まさか“三本目”の刀を貸し与えられるとは。こんなの美少年に見られたら、ドン引かれちゃうじゃない。陰間の趣味は無いんですよ、こっちは」

「あはは……でも、私たちの時代では、これ……“両性具有”は、普通の性よりも強い生命だって研究結果が出てるよ」


 そう、あのルサと同じ体。今の立香と武蔵には、股間にそれぞれ肉棒が備わっている。

 武蔵のそれは太くて武骨な印象、立香のそれは長くスマートだが包皮を被っている……ルサのそれと比べれば子供のよう大きさだが、今の二人は本来の性別を超えた、第三の性の入り口に立っていた。

 ルサ曰く──「これは情けのつもりはありません。守護者がより強くなるのならば、私たちは己の技術を供するのを惜しまない」……とのこと。


「へえ、そうなんですか? どれくらい強くなるの」

「確か、三倍から五倍?」

「……私たち二人が五倍強くなったら、奴に勝てると思います?」


 立香が苦笑いで、首を左右に振る。五倍どころか五百倍でも厳しい。

 どちらにしても、地力が上がったのならば秘めた力も増すやも知れぬ……二人はこの一週間で超越者・応龍渡碗を超える為の力を調達せねばならない。


「私はとりあえず、明日から修練ですかね。英霊剣豪たちとの戦いで、掴みかけたものがある……それを先に進める為には、却って戦うよりも一人で剣を振る方がいい。立香は?」

「私は……私は、どうしようかな。実は、結構まだ混乱してる。この世界に放り込まれただけでも、武蔵ちゃんと出会えなければ狼狽してたのに、今度はコズミックホラーの邪神みたいな存在と戦うことになって……武蔵ちゃんと一緒に戦えるようになるまで、気を落ち着けるのを第一にするよ」

「私よりも落ち着いてるみたいに見えるけどね……まあ、この摩羅が何の役に立つかは、その内わかるでしょう」


 指先で軽く亀頭をはじいて見せた武蔵だが、その喉から「おほぉっ……♥」と思ったより甘ったるい声が漏れる。

 立香はひどく赤面してしまい、武蔵も誤魔化すように月を見上げながら、酒で喉を潤す。

 ……与えられた三本目の刀が、本来の役目を果たすまでに、実に二日しかかからなかったのだが。

 即ち──生殖。


「ん、くぅぅぅぅぅっ♥ 立香、立香ぁぁぁっ♥ ごめん、ごめんねっ……♥ 私、年下の少年趣味だったはずなのにぃぃっ♥ ふぅー、ふぅー♥ 立香がものすごくいい匂いさせてるから♥ 発散させようって、剣を振る度に昂って♥ 高まって♥ もう、我慢できないんだ……♥ 君の体を味合わせてっ♥ 立香ぁぁっ♥ 気持ちいいっ♥ 気持ちいいよっ♥」


 武蔵によって押し倒され、ぶるんぶるんと自分の肉棒を振り回しながら、立香は剣豪少女によってハメ潰されていた。

 与えられた布団に顔を埋め、ふぅーふぅーと息を荒げながら、体の奥が貫かれる快楽に立香は脳を焼く。甘い暴力に蹂躙され、体が武蔵のモノへと作り替えられていくのを感じ取りながら、愛液と先走りを零し続ける。

 これまで二人の間にあった絆に情愛の色は、無かったはずなのだが……肉竿を抱えた瞬間に互いは魅力的な“オンナ”として認識され、二人は性欲を溜め込んでいった。

 こうして襲われているのは立香の方だが、限界を先に迎えたのも立香だ。彼女は何しろ清姫やおたまから好かれている……肉棒を備えた立香にとって、二人は理想的なお嫁さんにしか見えず、気安いスキンシップ……英霊剣豪の脅威が去ったのだから、二人が浮かれるのも当然だ……はその精神を苛んだ。

 それで、もはや強くなることよりも性欲を発散する為に、滅茶苦茶に剣を振るって戻ってきた武蔵は、立香が「武蔵ちゃん……武蔵ちゃん……♥」と一人で剣豪少女を思って慰めているのに遭遇し……こうして、パコリ合うまでに至った。


「うあぁぁぁぁっ♥ 武蔵ちゃんっ♥ うぅぅっ♥ 気持ちいいよぉぉぉっ♥ セックスっ♥ セックスぅぅぅっ♥ チ〇ポ交尾気持ちいぃっ♥ おちんちんで交尾するの癖になるぅぅぅぅっ♥ 好きっ♥ 武蔵ちゃん好きぃぃぃぃっ♥ おちんちんでハメハメされて♥ 気持ちがお嫁さんになっちゃった♥ 武蔵ちゃん結婚して♥ 私を愛してっ♥ 一緒になろうっ♥ つがいになってぇぇっ♥」

「め、娶るっ♥ 絶対に娶っちゃいます、立香ぁぁぁっ♥ くぅぅっ♥ 清姫やおたまとも交尾しようとしたんでしょう♥ 段蔵殿の体ならば孕まないし調度いいとか思ったんじゃないのっ♥ 私は思ったよっ♥ この浮気者♥ 私というものがありながらぁ……このチ〇ポも♥ マ〇コも私のものだぁぁぁっ♥ 結婚してはこっちのセリフなんですよ、クッソ可愛い顔しやがってぇぇっ♥」

「お゛なぁ゛ぁぁぁぁぁっ♥」


 立香の雌チ〇ポが乱暴に掴まれ、ずりゅりと皮を剥かれる。

 ズル剥け大人チ〇ポになった衝撃で、立香は「ほぉ゛ぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ♥」と唇をすぼめて喘ぎながら、精通絶頂を迎えた。

 うどんのようにぶっとい白いのがびゅるびゅると床を汚し、武蔵の精液が立香の中に注ぎ込まれる。忽ちの内に、妊婦のような腹に膨れ上がり、立香はじょぉぉぉぉ……と女の部分から失禁イキした。


「ふぅぅっ♥ おらっ♥ 孕めっ♥ 孕め立香ぁぁっ♥ 私の子を孕みなさいっ♥ 愛してるからぁぁぁっ♥ 好きだからぁぁぁぁっ♥ ちんちんからびゅるびゅる白いの出してイけっ♥ 雌チ〇ポ無駄射精して私のこと旦那様だって受け入れろぉぉぉっ♥ 後で立香のチ〇ポも味わうからっ♥ 気合入れてキンタマ稼働させなさいよっ♥」

「ひぐぅぅぅっ♥ タマタマ揉まれたらまた射精るぅぅぅぅっ♥ 武蔵ちゃんっ♥ 武蔵ちゃんっ♥ 好き好き好きぃぃぃぃっ♥ わ、私も武蔵ちゃんのことを孕ませるぅぅぅぅぅぅぅっ♥ 精液漬けにして赤ちゃん産ませるっ♥ お゛ほぉぉぉぉっ♥ 興奮してチン汁零すぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ♥ あっ、あっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁっ♥ でりゅぅぅぅぅっ♥」


 好きだの、愛しているだの、最初はチ〇ポに任せた世迷い事。単に相手を犯す口実が欲しいだけの、戯れ言に過ぎなかった。

 翌日からは、立香は武蔵の修練を傍で見守るようになり、互いに性欲が高まれば互いを貪りあって過ごした。

 外でも内でも、人が見ていようと関係ない。清姫とおたまは早々に二人に孕まされて第二婦人となり、段蔵も機械の体でありながら問答無用で孕んで嫁堕ちした。

 交尾の相手が増えても何も変わらず、立香にとって最高の女は武蔵であり、武蔵にとって最高の女は立香だった。

 ハメては剣を振るい、剣を振るってはハメ、交わっては切り、切っては交わり。

 女と女の間に、確かな愛情が備わり、育ち、それが真理と呼び名を変えたのは……超越者との決戦の日、その朝であった。



 ──剣と剣がぶつかり合うだけで剛風が巻き起こり、大地が割れて溶岩が噴出し、大河が逆巻き怒涛に変わりて……しかし、次の刃が撃ち込まれれば、風は真二つに切られて爽やかなそよ風に変わり、大地はあまりにも強い力をかけられてガラスに一部変化しながら接着され、怒涛はあまりにも早く打ち砕かれれ泳ぐ魚たちすらも逆巻いたことに気付かない。

 武蔵の振るう剣は今や、天地と一つ。やっていたことはひたすらに敵も無いのに刀を振るい、女を抱いていただけなのに……その力は、超常の域へと達していた。

 ……元より英霊剣豪との戦いで“何か”を掴みかけていた武蔵は、両性具有者となったことで急速に“器”が拡張され、立香との情愛を交わすことでその中身を満たしていった。

 その果てこそが、天地合一の剣である。星を壊しながらしか震えない破壊の剣と、しかしてそれで生命が奪われることを許さない鎮めの剣の二連撃……壱を成して壱を引く、五輪連ねの其の先──“宇宙でもっとも平和な剣”……即ち“零の剣”の完成であった。世界ごと破壊する究極の殺人剣であり、何物も切ることのない究極の活人剣である。

 ルサの振るう剛剣を真正面から受け止め、流し、切り込む。超越者に領域に入り込み、宇宙規模の邪悪を軽々滅ぼしてきた瑠璃宮の妖女に、僅か一週間で追いついてきた剣豪を、ルサは心より湛える。


「素晴らしいわ……まさに天下無双。星の護り手に相応しき力をあなたは手にした! しかし! まだ! まだ足りない!」


 ルサの放った蹴りで吹き飛ばされ、武蔵は膝を突く。ルサたちは神を殺し、宇宙を食らい、次元を滅ぼす者たちと戦い続けている。その領域の、まだ入り口に立ったばかり……歴戦のルサとは、同格であっても互角ではない。


「──まだ、足りない? そんなことは、知っている」


 武蔵が笑う。勝てないと宣告されたのに、武蔵の顔には絶望の色が伺えない。

 その肩越しに……立香が、令呪の刻まれた腕をこちらに……まるで腕を切り取って放つかのような姿勢で向けていることに気付く。

 そう、この戦いは……ルサと、武蔵と……立香の戦い。


「──召喚っ!!!!! “カルデア”ァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」


 それは、絆の本流。縁の波。

 心通わし、背中を預け、数多の世界を流離って、しかして“偉大な旅団”と異なり、支配でも管理でもなく、ただ“命をあきらめない”……その姿勢に惹かれた者たちが引き起こす大津波。

 カルデアに召喚されている全サーヴァントが……“武蔵とまったく同じ戦力”で以て、令呪の力で顕現した。

 英霊たちの怒涛を引き連れ、先頭に立つ武蔵が剣を振るう。立香の紡いできたすべての絆が、超越者へと襲い掛かる。


「──見事!」


 瑠璃宮の妖女は、膨大な力の本流に飲まれ……その全身を激しく損壊し、地面に“ぽてり”と静かに落ちた。

 武蔵はすべての力を使い尽くして大の字に倒れ、立香は目から口から大量の出血している。血の一滴も出ていないルサの方が、ダメージが小さく見えてしまうほど。

 しかし……勝敗は決した。敗者が勝者になれぬように、勝者もまた敗者にはなれぬのだ。


「……まさか、まだ“入口”に立ったばかりの新参者に敗れようとは。約束通り、この世界は瑠璃宮の管理から外すことを約束しましょう……いずれ、強大な守護者も生まれてくるでしょうし」


 それは、清姫やおたま、段蔵に仕込まれた二人の種である。彼女たちはいずれ、また英霊剣豪のような狂気が襲い掛かって来ても、成長し正面から打ち倒してみせることだろう。


「げごっ……げぇぇ……やっ……だっ……」

「立香、無理して喋らない方がいいですよ。私も、もう限界……」

「……藤丸立香はカルデアに返しましょう。敗者の最低限の礼節。けれど、新免武蔵……あなたの体質は、放置するわけにはいかない。我らと共に来てちょうだい……瑠璃宮にて、あなたの力を磨きましょう」


 ただの剣豪として流離うのならまだしも、今や武蔵は天地を“物理的に”切れる女である。その力を完璧に制御できるようになるまでは、彼女自身が意図せず世界の危機になってしまう可能性があった。


「……世界の平穏の為に、自由を失う。なんだかしまらない最後だなぁ」

「げ、うぅぅ……武蔵、ちゃっ……」


 本当は、引き留めたい。愛しい相手になった彼女を、カルデアに連れ帰りたい。

 けれど、立香は世界の平穏を守る側だ……己の我儘を通せるほど強くても、それを通さない矜持がある。


「ま、た……あえ、るぅ……?」

「そうですね……君がまた、何処か高いところから落っこちたら、飛んで助けに行きますよ」


 倒れたままで武蔵が手を振る。

 次の瞬間、立香の体は勢いよく浮上を開始して……傷一つない状態で、カルデアの医務室で目覚めた。

 マシュ・キリエライトを始めとしたサーヴァントたちが、涙を浮かべ時には歓声を上げ、立香に駆け寄ってくる。


「(ああ、戻ってきたんだ──)」


 けれど、ただの夢ではない証に……新たに備わってしまった肉竿が勃起してマシュを驚かせないよう、立香は大層苦労した。



「──ところで、新免……いえ、宮本武蔵。あなたのお腹に宿っている、その子供のことなのだけれど」


「なに? さっき思いっきり蹴ってくれたことへの謝罪ですか? この子は強いので、腹の中で母様を守り、受け止めてくれたみたいですけどね!」


「それも悪かったけど……よければ、名前を付けさせてくれないかしら?」


「えー……立香の名前から一字取るか、それか伊織って名前にするつもりだったんですけど」


「私の名前、ルサはとある神に仕えるとされる従属神の名なの。私を打ち倒した貴女の子は、その主神の名を冠するに相応しい」


「まあ私と立香の子供だし、強くはなるだろうけれど……なんて名前なの? あまり可愛くないのは嫌ですよ?」


「──ファロール。星々の海に名高い、刀鬼神の名よ」


「星の海の、刀鬼神……星の剣、ですか。気に入った──! 早く産まれておいで、ファロール、私と立香の娘。私よりも強い、大剣豪になるんですよ──!」

極聖交差エクスカディア外伝~無双の剣は愛を知り瑠璃をも穿つか?

Comments

応龍渡碗は個体にもよりますが、なんだかんだと本音では「地球を自分たちの力で守ってほしい」と思っているので、こういう粋なこともたまにします…イキなことの間違いじゃないかって?w 武蔵ちゃんは確かに、穏健派応龍渡碗やってそうですねー…ラジィのところのマシュやきよひーたちは「武蔵さんもチン負けしたんですね!」とか思ってたら、バリバリの幹部で驚いてそうw ファロール「宇宙一の大剣豪になるぞ!」

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応龍渡碗が直々に認めた上で、ふたチン授けたりした相手だからね……弱いわけが無かったわ。 何が酷いって、この武蔵ちゃんは「生身」だからちゃんとした意味での成長が出来るんだよな……言い換えれば今は応龍渡碗ぐらいにはなってても不思議じゃないイメージ。 なんせ娘が応龍渡碗になってるんだもの()

ソウシップ

流石にこの時点ならオラつきアルトリさんの方が強いかと思われます…“この時点”ならば。 そんなの完全にメインヒロインじゃん…マシュが嫉妬しちゃうのだわw そう言えば、とろがけさんは予想されてましたねー。その通り、この物語は「瑠璃宮最強の“人間”」の誕生秘話でもありました

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速報:最強のセイバー候補、アルトリさんに続いて現れる まさか瑠璃宮に正面から勝利するとは…お姫様だっこを開幕でしちゃう位のカップルとはいえ、武蔵ちゃんとぐだ子かっけぇですわー! >>君がまた、何処か高いところから落っこちたら、飛んで助けに行きますよ これ、もしかしてこの世界線の“異性の神”との最終戦争に、多分応龍渡碗になった武蔵ちゃんが来るフラグ…? >>ファロール わぁぁぁぁぁぁっ!?やっぱりだぁぁぁぁぁぁっ!?(衝撃) この武蔵ちゃんとぐだ子の娘だったのか、ファロール…もしかして、泥符倭暗からのたたき上げだったりするのかしら…

とろがけ


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