──複数の勘違いはあった訳だが、とりあえず“そう”なった最も大きな原因は、黛冬優子がどこかで「最終的には祝福してくれるだろう」と『Straylight』の他メンバーたちを見誤っていたことだろう。
それはStraylightの「志を同じくする仲間であるのと同時に競い合うライバル」というコンセプトを、ある意味では冬優子が都合よく解釈してしまったということでもあり……まあ一言で表すならば、芹沢あさひと和泉愛依と共にStraylightを組んだ時点で詰んでいたのだ。
「あっ、冬優子ちゃん起きたみたいっすよ」
「そんなしっかり見張ってなくていいよ、どうせ動けないんだし。おはよう、冬優子」
「おはようっす!」
眼を覚ませが、眼前には対話を避けて逃げ回っていた……ほとぼりが覚めてから話をしようと考えていた、あさひと愛依の姿。
意識はハッキリしてきたのに、体がピクリとも動かない……苛烈な性格と言われがちな冬優子が真っ先に感じるのが“恐怖”であるくらいに、まずい状況だと一瞬で分かった。
「お、おはよう、二人とも……」
「うんうん、朝のあいさつは大切っすねー……それで、冬優子ちゃん。あいさつの次に、何か言うことは無いっすか?」
「──!」
「そんな顔しないでよ。うちらは仲間じゃん、これまで足並み揃えて頑張ってきた、さ……仲間“だった”よね」
冬優子は苛烈な性格ではあるが、それらは攻撃的というよりは自分に自信がないことの現れ、自嘲的な面が出た結果である。
それ故、彼女は別に修羅場を潜ってきた訳でもなければ、経験豊富な訳でもなく……人の目から本当にハイライトが消えるということを、グループメンバーを相手にして初めて知った。
「ふ、ふゆは、謝らないわよ! だって、ふゆたちはライバル同士でしょ!? 仲良しこよしで、お手々繋いでゴールインなんてできないじゃない! だから、だから……!」
「だから──プロデューサーに抜け駆けして、告白したんだ?」
「なんていうか……冬優子ちゃんって、もう少し“気高い”イメージだったんすけどねー。抜け駆け禁止を自分で言い出して自分で破るのは、ちょっとロック過ぎると思うっす」
「そうそう、冬優子が言ってくれたから、うちらも気持ちを伝えたのにね」
そう──Straylightの面々は、自分たちを担当してくれているプロデューサに恋をしていた。
親友であり仲間である三人ともが、同じ人を好きになって……冬優子は他の二人を明確にハメて、抜け駆け告白して恋人に収まったのだ。
「(仕方ないじゃない……プロデューサーよりも、あんたたちの魅力が分かってるのよ、ふゆは! 正面から戦ったら、絶対に勝てない……ふゆが勝つには、抜きんでるにはこれしかなかったのよ……!)」
この抜け駆けに、悪意はない。むしろあさひと愛依が、自分以上の可愛い女の子だと強く信じていたからこそ、自分の唯一の勝ち筋として選択したのだ。悪意があるとすれば、卑怯で卑劣な自分に対してだけ……プロデューサーに交際を黙っているように提案したのも、あさひ達がそれで傷つくことを嫌った部分はある。
勿論、もっとも大きな信条としては、こんな風に糾弾を受けたくなかったのだが。
「だ、大体、どうして二人とも知ってるのよ……! ふゆのこと、見張ってたの!?」
「プロデューサーがうちらに話したんだよ。冬優子は黙っていようって言ってたけれど、Straylightの今後に関わるからって」
「冬優子ちゃん、本当に自分のことしか見えなくなって、プロデューサーがどんな人かさえ失念してたっすね」
完全に想定外であり、冬優子は動かない体に懸命に力を込めながら「あの、バカ……!」と呟く。
あさひと愛依の口調のトーンだけで、きっと誠実かつ真摯に二人へ説明したのだろうとわかる……二人の恋心には、まるで気付かないまま。
ハイライトの消えたガラス玉のような眼で、あさひと愛依は冬優子を見下ろしてくる。体が動かないのは、確実に彼女たちから“何か”をされたせいだろう。
「ふ、ふゆを、どうするつもり?」
「冬優子ちゃん、自分たちが冬優子ちゃんに、痛いことや苦しいことすると思っているんすか?」
「うちらはそんなことしないよ、冬優子のこと、プロデューサーと同じくらい好きだからね」
二人の言葉に嘘がないのは、冬優子が一番わかっている。
けれど今の二人が明らかに平常ではなく、苦痛は無くともこうして指一つ動かせない異様な状況に追い込まれているのは間違いない事実だ。
「プロデューサーは冬優子ちゃんを選んだっす。あの人の性格上、もう自分たちに目を向けることは無いっすねー」
「一途だからね、ああいうタイプは。あの人は永遠に冬優子のモノだよ……でも、冬優子はどうかな?」
「ふ、ふゆが、だからなんだって……!」
ひきつった声が喉から漏れるのと、ほぼ同時……左右から頬に口づけをされた。
優しくて、柔らかくて、強制的に心が温かくなる……この状況で抱くべきではない感情を呼び起こす、キス。
二人の目に光がいつの間にか戻っている……いつもの二人を思わせる意思の輝きの奥、想像もできないほど暗く湿度の高い、どろどろとした情愛が籠った黒い光が。
「プロデューサーがダメなら、冬優子ちゃんをモノにしようって、愛依ちゃんと相談して決めたっす♥」
「冬優子はもう、アイドルしなくていいんだよ……うちらの赤ちゃんになろうね? 抜け駆けなんて悪いこと考えもしない、純粋で優しい赤ちゃんに……♥」
「あ、赤ちゃんって……ふわぁぁぁっ……♥」
あさひと愛依が同時に胸をまくり上げ、柔らかい乳房を押し付けてくる。あさひは少し小さめで、愛依は均整の取れたそれ……口と鼻腔が塞がれて、吸い込む酸素のすべてが甘く蕩けた香りに変わる。
「んんっ……んっ、あぁぁ……♥ ふっ、ふぅぅぅ……んぁっ……んっ、おぉっ……♥」
「冬優子ちゃん、本当に赤ちゃんみたいで可愛いっす♥ ほらー、おっぱい飲みまちょうねー♥」
「あ、あさひ、抜け駆けはダメだったら。ママとして、ちゃんと冬優子を教育しないとね♥」
二人の乳房が無理やり冬優子の口に咥えさせられ、強制的にちゅうちゅうと吸わされる。
その間に、あさひに手が冬優子の腹をぐぅーっ……と押してポルチオ刺激し、愛の指がカリカリと冬優子の乳首をひっかき始める。
「んんっ……♥ んあぁぁっ……♥ 二人とも、やめっ……ぷぁっ♥」
「しゃべっちゃダメっすよー、今の冬優子ちゃんは赤ちゃんっす♥ ゆっくりお休みできるように、気持ちよく寝かしつけてあげるっすからねー♥」
「んくっ……胸の吸い方が激しいね♥ まったく、冬優子はエッチな娘だよ……♥ 乳首もこんなに立てて、悪い娘♥」
二人がかりで性感帯を責められ、言葉は乳房で封じられる……体はほとんど動かせないのに、気持ちよい感覚は隅々まで伝わってくる。完全に……赤ん坊扱いだ。
このまま二人が本気で、プロデューサーが好きだったことすら覚えていない赤ん坊に、自分を変えてしまうつもりだ……それを悟って青くなる冬優子だが、襲ってくるのはすべて心地よい刺激と快感であり、この事態に抗わなければいかねい理由が冬優子の中でどんどん薄れていく。
「(や……こ、こんなの嫌よ……♥ 気持ちいい、けど……安らぐけれど♥ で、でも、どんどん考える力が失われていく気がする……何も出てこないのに、ずっと二人のおっぱいを吸っていたくなる……♥ これは、絶対にダメ……ぷ、プロデューサーの元へ帰らないと……♥)」
「あー、冬優子ちゃん、プロデューサーのこと考えてるでしょ? 他の人のことを妄想するのは浮気っす♥ きちんとママ二人のことしか考えられない、頭ゆるゆるの赤ちゃんになるまで開放してあげないっすからね♥」
「冬優子、ちょっと触られただけでお漏らししてるのわかる? おむつつけてないと、大変だね……♥ 恥ずかしがらないでよ、うちとあさひでちゃんと世話するから……♥」
遂におむつを装着されてしまった冬優子。あまりの羞恥で顔がどんどん赤面していくが、その間もあさひと愛依の攻めは止まらない。
胸がようやく口から離れたと思ったら、おしゃぶりを無理やり咥えさせられ、左右の耳から舌を挿入されて舐めまわされる。
そうやって気持ちよい刺激を与えられると、口をぎゅっと閉じてしまうせいで、自分からおしゃぶりを咥え込んでしまい、外せなくなる。
「愛依ちゃんにいっぱいカリカリされて、冬優子ちゃんの乳首がおっきしちゃったっすねぇ♥ でも、もう自分で処理する必要はないんすよ♥ 少しでも気持ちよくなりたいと思ったら、ママたちが助けてあげるっすからねぇ♥」
「何も考える必要なんてないんだよ? うちらが全部お世話してあげるからね……ほら、両方の乳首をママたちにペロペロされて、きもちーね♥ おむつがどんどん膨らんでる……えっちなお漏らし、癖になっちゃったかなぁ♥」
二人に言われる通り、冬優子は段々と気持ちいいことに対する耐性が下がり、少しでも性感帯に触れられたら、たちまちに潮吹きしてしまうようになってきていた。つけられたおむつはぐっしょりと膨らみ、冬優子の中で抵抗感がどんどん薄まっていく……この扱いを受け入れつつある。
「(だ、め……抵抗、しないと……♥ でも……ああ、でもぉ……きもち、いい……♥ プロデューサーを思って自分でするより、ずっと気持ちよくて……何の罪悪感もなくて……♥ あさひと愛依を裏切って、ずっと苦しかった……大好きなプロデューサーと付き合えたのに、全然幸せじゃなかった……♥ 今の方が、もしかしたら……あっ、あっ……♥)」
「冬優子ちゃーん♥ 眼がとろんって蕩けてきたっすね♥」
「もう逃げられないよ♥ うちらの娘になって、みんな、嫌なことは忘れよ? 冬優子が抜け駆けなんてどだい無理だったんだよ……♥」
二人から少し強めに乳首を噛まれ、冬優子は思い切り仰け反って絶頂を迎える。
おむつのなかに潮を吹く度、甘い匂いに包まれる度、どんどん知性が失われていく……。
※
「──ただいまーっす、冬優子ちゃん♥ 今日もちゃんと、お留守番できたっすかー?」
「あぶっ……あんむぁ……♥」
「ああ、可愛い……うちらの娘は完全に天使だよ♥ 一緒にアイドルしてた時もすごかったけど、今の可愛さは図抜けてるね♥」
表向きに冬優子は行方不明となり、自分が原因だと落ち込んだプロデューサーは、あさひと愛依が支えになって復帰させた。
今はもう、あさひや愛依の方に気持ちが移ってきており、失踪した冬優子が現れたとしても、何事もなく復縁とは行かないだろうという感じだ。
もっとも、冬優子の方もすっかり赤ちゃんになってしまっており、プロデューサーへの気持ちも忘却しきっているので、お揃いだといえるかも知れない、
「可愛い可愛い冬優子ちゃん……ほら、今日も大好きな乳首カリカリしてあげるっす♥」
「ほら、おっぱいだよー……段々と吸うのが上手になってきたね♥ 本当に母乳出るようになりそう♥」
「んっ……んまぁ……あぶっ、あぶっ……♥」
心優しい少女には、裏切りで自分だけが幸せになるなど、どだい無理だったのだろう。
心を壊してしまうくらいなら、こうして自ら壊れた方が幾分かはマシだ。
冬優子のつけているおむつは、二人に触れられただけでむくむくと膨らんでいき、今の彼女が全ての苦痛から解放された雑魚マン赤ちゃんであることを示していた……。