※SKEBにてオリジナルのレズ堕ち作品のリクエストを受けました!
今回はのじゃロリ仙人が育てた弟子にブチパコられてお嫁堕ちしてしまう、主従逆転&悪堕ちふたなり譚となっております!
それでは、下記よりご覧ください!
──その赤子が何故に打ち捨てられていたかについては、ついぞ誰も知らない。
望まぬ妊娠であったから、母親が生み捨てていったのか。どこぞの家格に釣り合わぬということで、母から引き離されて擲たれたのか。はたまた事故や災害によって家族と分かたれてしまい、見つけられなかったのか。
いずれにしても、その生命がまもなく失われようとしているのは誰の目にも明らかであり、人の社会においては常に宝とされる子供の命すらも、枠の外に出てしまえば塵芥の如し。誰も一人として、救いの手を伸ばすものはない。
既に泣き声も弱弱しく、ぜっ……ぜっ……と小さく息を吐くことが精いっぱいになっている。それはもう、生き延びることに全ての労力を割かなければならぬほど、一個の命として衰えてしまっていることを意味する。
そんな消えゆく生命に、価値を見出したものがあった。
もっとも、それは慈しむように抱き上げ、乳房を咥えさせてくれるような無償の愛等ではなく、この世の理に従った自然の生業……即ち、食肉としての価値。
山嵐の類に似た、背中に針を生やした二足歩行の怪しい獣……“あやかし”の類である。
そもそも赤子が打ち捨てられているこの場所は、妖しのものが出没すると恐れられている場所。
そのような場所に赤子が一人……やはり、その命は奪われることをこそ望まれたと思わしい。
この化生は人を食う理由は、純粋なる“嗜好”である。あやかしのモノは、なんであろうと貪り餌とするが、特別に命を弄って食らうことに執着し、それを喜びとする。
せねばならぬ訳でもなく、生きていけぬ訳でもない。人にとっての煙管・煙草の類と同じ。だからこそ……その目は爛々と悦びに閃き、喜悦の中で弱き命は消えんとしていた。
赤子が最後に弱弱しい鳴き声を上げる。それも「あ」とか「う」とかの、一音限り。慈悲を乞うたのか、助けを呼んだのか、何の意味も無いただの発声か、それすらも分からず。
何のために生まれたかは知らぬまま、楽しみの為に味わい尽くされると思われた、小さき命。
「──実に運が悪いのう」
声はとても若々しいのに、何処か老成した響きを纏う声音であった。
まるで揶揄うような、面白がるような調子も含まれているが、主たる成分は“憐憫”であると感じ取れる言葉。
それも食われようとしている赤子に対してではなく、食おうとしている山嵐もどきへとかけられた呼びかけと共に、まるで木組み細工のように妖しのモノの腕が“外れた”。
“切れた”でも“千切れた”でもなく、そこに嵌め込まれていたかのように、すっぽりと外れて抱えていた赤子が宙を飛ぶ。
あやかしも何事が起きたのか理解できない内に、ふわふわと外れた手は赤子ごと、いつの間にやら現れていた女の手の内へと収まる。
奇妙な女であった。外見は声の通りに若々しいのだが、身に纏う空気は声の調子の通りに、何処か老いて枯れた雰囲気が伴っている。
艶やかな黒髪にも、弾力が見た目からも感じ取れる肌にも、均整の取れた胸や尻の肉にも、そもそもむしろ“幼い”といってもよいような容貌にも、加齢は微塵も感じない。
それでいて、雰囲気だけが年嵩で、あやかしをも不穏な気分にする存在であった。
けれど、赤子にとっては最後の救いであり、この“誰か”が希望であるのは間違いない。
わぁーっ……とそれまで最低限の生を繋ぐのに使っていた体力を使って、泣く。泣いて、鳴いて、懸命に訴える。
生きたいと。行きたいと。逝きたくないと。往きたくないと。
「おお、懸命に戦っておるのう。赤子の戦い方とは、可愛らしく振る舞うことよ。哀れを誘い、情けを乞い……なんと猛々しいことか。安心するのじゃ。おぬしは勝った。この戦いに、己が人生の最初の悪峰に打ち勝ったのじゃ。だから、笑っておくれ。あまりわんわんと泣かれると、処置に困るでな」
女はやはり、老人のような口調で、甘さすら感じる声で以て、語り掛ける。
意味が分かった訳でもないだろうが、赤子は初めて、笑みに似たひきつりを口元に浮かべた。
彼女にとって、生まれて初めて見つけた“味方”こそ、両親ではなく奇妙な風体の女であったのだから。
山嵐もどきが、獰猛な声を上げる。自らの腕が好きにされていることにか、それとも獲物を横取りされたことにか、ケダモノに近しい理性の欠けた顔ゆえに分からない。
あやかしは、牙を剥きだし背中の棘をいからせて、女に向かって襲い掛かる。
「優勝劣敗の理とは、この世の法則の中でも特別に強きものじゃ。勝った者は後とならば別だが敗者にはなれぬ。敗者も次戦なら別だが勝者にはその場においては決して転向できぬ……負けさらばえた分際で、勝者の前でしゃしゃるでないぞ、化生」
しかして、疾風の如く接近してくる妖しのモノに対して、女は皮肉たっぷりと言った様子で、妙に哲学的なことを語らいだす。
ぼとぼと……と音を立て、女の手元から腕が転げ落ちる。女は赤ん坊だけを抱え、支えを失ったそれらが地面で跳ねると同時──まるで爆発したように鮮血が両腕の断面から噴き出した。
ごぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ! とつんざくような悲鳴が響く。
せっかく笑いかけた赤ん坊が、咆哮を聞いてまた泣き出す。
女はあからさまに機嫌を害した様子で、足元の腕を軽く……少なくとも動きとしては緩やかに……蹴り上げた。
まるで鎌のように吹き飛んだ足が山嵐もどきの首を切断し、あやかしの不浄なる生命を無に帰したのを、既に女は見ていない。
赤子の体を小さく揺らしながら、彼女は己が住処である、深山へと消えていくところであった。
「わらわは風花じゃ。おぬしは何という名かのう? 両親が何か残しておらぬのか……まったく度し難い。已むを得む。わらわが名付け親となってやるのじゃ。だから生きるのだぞ、一日でも長く。名を得たものは、その込められた意味を成就するか、あるいはまったく別の意味合いに塗り替えるまでは……死ぬことは許されぬのだから」
生きていることを祝福するのではなく、それは闘争であると語る女。赤子はぐすぐすとまだ泣いていたが、もう意識を保っているのも限界で、昏倒するように女──風花の胸元で眠りにつく。
乳の匂いでは無いが、甘い花の匂いがした。
※
──十七年後。
山ほどの食材や調味料、あるいは薬を作るのに使う素材の類、大人でも圧殺されそうな荷物を“塔”のように並べて担ぎ、平気な顔で歩みを進める少女の姿が市にあった。
やっていることの異常さに反して、少女の容貌は可憐その物である。橙色の髪を肩まで伸ばしているが、何故か先端だけが翡翠のような煌めく碧色になっており、同年代の女子に比べて背丈も高ければ、肉付きも豊かだ。
男女共用の貫頭衣のようないでたちの為、その魅力は抑えられてはいるが……男どもは勿論、同性でも息を飲むほど溢れ出す生命の魅力を感じさせる。
この見た目を相まって周りの者たちも、この少女が“そういうもの”だと理解している為、邪魔にならぬように近くに来るとよけるが、避けたり嫌ったりしている様子はない。
「怜、先生さんの薬、よく利いたぜ」
「ありがとうございます、風花先生にもお伝えしておきます」
「怜、この間のまじないの札を張ったら、夜に訪う者がピタリと来なくなったのよ」
「先生の仙力による賜物です。私は、何も」
「怜、たまには大きな町まで出て遊ばない?」
「ごめんなさい、今は修行の日々が一番楽しいもので」
この少女の名は、怜という。
赤子の頃、化け物の出る荒野へと両親によって捨てられ、そこで仙術を操る地仙(※天上界ではなく地上で暮らしている仙道んこと)風花によって拾われ、育てられたという経緯を持つ仙道の見習いだ。
風花は基本的に山の中で引きこもっている為、難病をたちどころに治す仙薬であるとか、魔性の類を遠ざける霊符であるだとかは、こうして怜が買い物のついでに配って回る。
買い物とは言っても、実体は物々交換が近しく、もう少し言えばもらう割合の方が幾分多い。
そうしてぐるりと市を一周すると、まるで風に乗っているかのように素早く、怜は師の待つ深山へと帰っていくのであった。
かつては風花が山から降りてくることも度々あり、特にまだ幼い怜を拾ったばかりの頃は、偉い仙人様とは思えないほど、様々なことを聞くために人々を訪ねてきたものだ。仙術の腕前も、霊符の効果も、その時に知ったというものが街には多い。
それが最近は、すっかりと村々との交流も怜に任せ放し。少しだけ、人々は寂しい想いも抱いている。
そのことを師に伝えるべきか、少しだけ悩みながら、荷物を前後に揺らすことすらせずに、怜は縮地の法を以て山奥の庵に向けて駆けていくのであった。
怜の物心がついたばかりの頃は、荒れて幽魂の類でも出そうだった庵だが、今は怜が徹底的に片づけて掃除をしたので、山奥にあることを除けば金持ちの道楽で作られた別荘と言っても通じそうな見た目となっている。
怜はてきぱきと食材や調味料を所定の場所へと運び、薬の原料などと丁寧に仕分けて師の部屋へ向かうが……声掛けしても、風花は不在であった。
「……先生、もしやまた──」
「な、なんじゃ、怜。随分と早い戻りじゃな」
慌てた調子で、先に怜が潜った玄関から姿を現した風花。
彼女は怜が彼女を風花という、師であり育ての親であると認識したその日から、まるで変らぬ容姿の持ち主である。
流れるような黒髪も、張りのある肌も、均整の取れた体つきも、そして……今や怜の方が姉に見えるような若々しい容姿も、全て変わらない。
怜は縮地の法を用いて一瞬で風花と距離を詰めると、師に向かって「縮地法を用いましたので」と答えた。
「おぬし、わらわが教えていない術まで次々と覚えていくのは何ごとなのじゃ? 師としてさびしいぞ……もう少し可愛げを持つがいい!」
「申し訳ありません。ですが、この庵において可愛い担当は先生ではないかと思うています」
「き、貴様ぁ……雨後の竹の子の如く大きくなったからと言って、調子に乗り追って。てい、てい」
ぺちぺちとふざけて脛を蹴られるが、風花はなんとも寂しそうな顔をしている。
幼い頃は帰還したら風花を抱きしめるのが習慣であった為、今でも怜はそれを貫こうとする。しかし、ある時期から風花はそれを拒むようになり、何とも不満が溜まっていく日々なのであった。
「……刑政の元に行かれた後は、普段よりも一等、私の抱かれるのを嫌がっておられるように見えます」
「んぐっ……そ、そんなことはないぞ? だがの、怜。おぬしもそろそろ女盛りの年頃よ。人に甘えるばかりではなく自立した心持を有してだな」
「刑政に会いに行ったのは否定しないのですね」
「んぐぅっ!? ゆ、誘導尋問とはやりおる! 我が娘はどんどん可愛い担当から外れていくのう!」
風花は大きくため息を吐き「怪我の様子を見に行っておるだけじゃ」と告げる。
それは付き合いの長い、村の人たちの顔を見るよりも重要で、頻度も高いものかと聞きたくなる怜であったが、彼女は基本的に善良な良い子に育った為、師を責め立てるような真似はしたがらなかった。
……刑政というのは、この山に何匹か住み着いている強壮なあやかしを滅ぼしに来た退治屋の少年であり、返り討ちにあって死にかけているのを風花と怜が見つけ、治療したのだ。
確かに呪毒……あやかしが時おり用いる、仙術でしか治せぬ猛毒……の籠った傷がいくつもあり、気にかけてやった方がいいのは事実だが、ここまで何度もあの若い男に会いに行く理由が怜には分からない。抱きしめさせてくれない理由は、もっと分からない。
「では夕餉の用意を頼むぞ」と告げて、そそくさとこれ以上の追及はごめんとばかりに駆け去る師の姿を見送り、湯浴みも共にしてくれなくなったなと怜は悲しむ。
しかし、それらの感情を怜が表ざたにすることは少ない。完全に押し殺している訳では無いが、師である風花が飄々としているのに対して、怜は何処か静謐な空気を常に纏っていた。
「(──私は“怜”。怜とは『賢い』、『聡い』という意味。名を得たものは、その込められた意味を成就するべく生きなければならない)」
育ての親の言葉をよく聞き、怜は物分かりのいい“賢く良い子”に育った。
多くのものを我慢して、抑えつけているのだが、そのことをまるで自分では意識している風ではない。まるで平気な顔をして、呪毒のように胸の内に不満を溜め込む、そういう一種危険な形質。
けれども十七年間、ちゃらんぽらんなところもある風花と共に過ごしておきながら、怜はそれらを爆発させたことがない。
それらを上手く処理できる子なのだと、風花は思っている節があるし、そもそも怜は己の形質にあまり興味が無い。怜はいつも……師だけを、風花だけを気にしている。
それが「十七年に渡り蓄積されていただけ」と二人が思い知る時は、既に迫っていた……。
※
──風花はその夜、怜が共に眠りたいと甘えてきたのを受け入れて、寝屋の傍らに受け入れたにも関わらず、穏やかな寝息が聞こえてきたと同時に庵を出た。
刑政が身を休めている東屋は、伊織からは少し離れているが、当の刑政はあやかしが活性化する夜にも関わらず、二人の暮らす庵の傍まで近づいてきていた。
「こらこら! 怪我人がなんと無茶をしおる! わ、わらわが尋ねるから、待っておれと言ったであろうに」
「へへへ……悪いな、風花先生。どうしても、昼間の続きが我慢できなくてよ……」
「あ、んっ……♥ や、やめよ……怜の居る庵の傍では……♥」
幼さの残る風花の胸を乱暴に揉んで見せる刑政は、包帯に全身を巻かれて痛々しさはあるものの、筋骨隆々とした美丈夫である。
呪毒の治療はまだ怜では不足な部分がある為に、刑政の治療は風花が行っていた。
そうして……彼女は唐突に女としてこの屈強な男に求められ、数百年を生きる地仙でありながら、その情欲に流されてしまったのである。
恐らくは怜と出会い、彼女に慕われて生活を送る中で、自分が誰かに“好かれる”という体験により、女として見られることを自然と受け止めるようになってしまったのだ。
怜との穏やかな日々の結果、彼女との優しい時間を自ら削っていることに、気付きながらも風花は止めることが出来ない……欲望を断ち切った、仙道であるはずなのに。
「うぅ……♥ ダメじゃ、外に出して……うあぁぁっ♥」
「こんな具合のいい体、外なんかに出したら天帝様から却って罰を食らうぜ」
罰当たりなことを言う刑政に背後から突かれ、伊織の外壁に手を突いたまま行為を終えてしまった風花は、逞しい体と雄の匂いに包まれながら、いつものように勧誘を受ける。
「なあ、先生よぉ。この山の担当はもう、あのお嬢ちゃんがいるんだろう? 俺と一緒に大陸を旅して、妖怪退治で人々を助けて回ろうぜ。そうすれば、今よりもっと大勢の相手に好かれるだろうよ……いい男にもな」
「わ、わらわは仙人じゃぞ。そのような欲望など、持ち合わせは……あっ♥」
「無理な抵抗するなって。俺の怪我が治るまでだぜ、答を待てるのも。ま、あのお嬢ちゃんの重りであと数百年潰すか、俺と有意義な時間を過ごすかは、好きに選んでくれや」
にやりと笑って、再び東屋へと戻っていく刑政。
風花はじんじんとした股間の熱を持て余しながら、自分が雌として求められる喜びと、怜が与えてくれた日々を天秤にかける。
そもそも刑政に誘われて応えられるようになったのは、怜が慕ってくれたからだ。以前の風花ならば、どれだけ誘われても「小童が色づくでないわ」と軽く流していたことだろう。
それはつまり、怜が刑政との時間を過ごす機会をくれたという意味ではないか。
確かにあの子は優秀だ、もう地仙となるだけの実力があるやも知れない。
もう一度、仙道となる前のように、己が欲望に素直になって生きることも、今ならば許されて──。
「今夜は冷えますね、先生……二人寝だと思っていたのに、置き去りにされたとなれば、一層です」
「なっ……怜!?」
降ってきた声を見上げれば、そこには外壁の上に蹲踞の姿勢で座り、師を見下ろしてくる弟子の姿。
あまりにも都合のいいことを考えていたと思い知らされる、怒りと失望と軽蔑が、その目には爛々と宿っている。
「私を捨てる算段を、このように睦言と共に進めていたのですか、先生?」
「そ、そんな訳がなかろう! いいか、怜、すべては誤解なのじゃ。わ、わらわが若造の珍棒如きで心変わりするなど……」
「──怜という名ですが」
唐突に、風花が名付けた己の名前について語り出す怜。
風花はこの娘に、賢く聡く生きてほしいと、その名を付けたのだった。実際に怜は、その通りに育ったと思っていたのだが……見下ろす視線の冷たさが、己の過ちを警告してくる。
「怜という名には『賢い』や『聡い』という意味以外に……『いつくしむ』という意味であるそうですね」
「そ、それがどうしたのじゃ? なあ、怜や……わらわは、正におぬしのことを心より慈しんで……」
「──名を得たものは、その込められた意味を成就するか、あるいはまったく別の意味合いに塗り替えるまでは……死ぬことは許されない。そうですよね、先生」
すとんと傍らに、怜が飛び降りてくる。
風花が焦ったような表情を浮かべている間に……怜はこれまで見たことのない類の笑みを浮かべてみせた。
「『賢く』て『聡く』て、人の顔色を窺い、相手のことを慮る娘は、今日、ここで死にます。先生に慈しまれた日々から、私は殻を残して死に変わり……先生を『いつくしむ』側に回りましょう」
その言葉に、風花が顔を真っ青にしたのと、怜が己の下履きをストンと落として、眩しいほど白い素足と──股間に備わった剛直を露にするのは、まったく同時。
怜を子供の頃から育ててきた風花は、そんなものは今日、共に眠るその時まで生えていなかったと断言できる。
禍々しいほどに大きく、妖しい瘴気を放つ肉竿……それは刑政のそれが“枝”にしか見えないほどに猛々しく、凶悪な輝きを放っていた。
「なっ……なんじゃと……怜、おぬし……! き、禁術を使ったのか! よ、よりにもよって地仙であるわらわの弟子が、尸解仙になりおるとは……!」
「教わっていない術にも通じているのは、昼間ご覧いただいた通り」
尸解仙。
仙道とは、己の存在を高めていずれは天上へと至る存在であるが、それは修行によって生まれついての体を鍛え、心を研ぎ澄まし、成長と進化の先に得るべきものである。
尸解仙はそうではない……己を別の存在へと生まれ変わらせて、一気に仙道の境地へと至る邪仙の道。主に今の怜のように、男も女も超越した両性具有者として生まれ変わる目的でつかわれることが多く、素養によっては天仙をも犯し堕とす存在へと変貌する。
これまで真面目に修行をしてきた、風花の教育を粛々と受け入れてきた怜の変貌に嘆き悲しむ風花であるが、怜の方から放たれた言葉にハッとさせられる。
「裏切ってしまってごめんなさい、先生。けれど、風花先生も悪いのですよ。私があなたに育てられる中、あなたを敬愛し、あなたを尊崇し……あなたを求めていることを、知っていたのに。良い子であれと抑えつけ、あまつさえ男とのダシにしましたね? そのような扱いを我慢しろなどと、一個の生命としての侮辱を看過しろなどと、あなたからは教わっていません」
「あっ……」
そうだ、刑政との欲望に溺れる中で忘れていた。怜に求められることで自信と欲を取り戻し、刑政に求められるのに応えたというのは、単純に怜を踏み台にして男に走ったと、それだけの意味でしかない。そんな単純なことに気付かないほど、風花の頭は茹ってしまっていたのだ。
「先生、あの男の珍棒など相手にならぬほどに立派でしょう? ほら、しゃぶってください……先生は、仙道でありながら珍棒が大好きな淫売ですもの、ね?」
「ああ……すまぬ、すまぬのじゃ、怜……」
自身の肉欲に溺れ、弟子のことを顧みなかっただけならまだしも、己の踏み台にまでしてみせた。このような非道は、人の世界ですらも許されぬ。
ようやく平静になった風花は、怜の前で力なく四つん這いに崩れ落ちる。
そして、そのせめてもの罪滅ぼしとばかりに、怜の先端へと向けて口づけする。
甘んじて陵辱を受け入れ、怜の憤怒をその身で浴びよう……そう決めていたはずだったのに。
「んくっ……ごきゅっ、ごくっ……♥ ぷあぁぁっ……♥ い、如何なることじゃ、これは♥ ち、珍棒からの先走りなど、苦くて臭くて、喉に絡むのが普通なのに……んちゅっ♥ ちゅっ♥ ああ……こんな♥ 幾度も夢中になって口づけてしまう♥ 甘露、甘露じゃあ♥ 怜の珍棒、尸解仙の雌珍棒♥ 夢中になって咥えてしまうぅ……♥」
そう、気が済むならばと陵辱を受け入れようとしたはずなのに、あまりにも怜の珍棒から溢れる先走りが、美酒の如く甘く深い味で。
気付けばふにふにと林檎玉の如き大きさの睾丸を懸命に指でふにふにと揉みあげながら、正座の姿勢でじゅぼじゅぼと肉棒を咥え込み、必死になって喉奥で先端を抑え込んでいた。
このような行為は、刑政相手は無論のこと、仙人になる前の俗世に身をおいていた時ですらも経験が無い。
喉の奥まで珍棒を咥え、柔らかな尻を懸命に抱え込みながら涙目で精をすするなど……不老不死の仙人の姿として、もっとも恥ずべきもののはずなのに。
「やっぱり、この庵で可愛いものと言えば、風花先生ですね……私を夢中になって求めてくださる。もう、あなたからの無償の愛を懸命にすがる赤子では無いのです……あなたを愛し、満たすだけの素養が、私には既に備わっております」
「んちゅっ、ちゅぷっ……じゅぱぁぁっ……♥ な、なにを生意気なことを申すのじゃ♥ こ、このような口淫一つで、わらわの心を奪えるなどと……んぶぅぅぅぅっ♥ んぼっ、おごぉぉぉぉぉっ♥ んぎゅっ♥ ぎゅぶぶっ……ごぎゅんっ、ごぐっ……♥」
口内に放たれた精の熱さたるや、喉を焼くほど。
熱さも、甘さも、濃さも、量も……喉より肺腑に落ち込んだ時、その身を焦がす蠱惑でさえも、男のそれなど相手にならぬ。
男の珍棒を舐めしゃぶったことを、後悔してしまいそうになるほど、怜の精を飲むことは風花にとって至高の体験であった。
鼻から逆流した精液が垂れ、馬のような間抜け面で珍棒をすすり上げる風花の頭を、まるで母親のように怜は撫で上げる。
その撫で方は、まるきりかつて怜に風花がしてやったそのままで、風花が彼女に注いだ愛情の返礼で……風花の喉から甘い吐息と共に、愛されていることの実感が噴き出す。
「(ああ……想い、知らされた♥ 刑政はわらわを愛してなどおらぬ……愛する者が慈しんでいる相手を、引き離そうなどと本当に慮るならば考えもしないものじゃ……♥ そして、わらわも刑政を愛してなどおらぬ……あれらの行為は戯事♥ 性交ではあり得ぬぞ♥)」
「何を幸せそうな顔をしているんですか、先生? ここからは、一方的な愛をぶつける時間ですよ……先生も私が幼い頃は、随分とどやし、時に痛めつけてくださいましたね?」
「やぁぁっ……♥」
風花の体はもう、育ててきた弟子よりもずっと小さく幼いものになっており、軽々とその体躯を持ち上げられて、足の下に腕を通して頭の後ろに掌を当てられる。
完全に自身のすべてを掌握された状態……ぶびゅるっ♥ と緊張と羞恥から刑政に出された精液が噴き出し、それが怒りに火をつけたばかりに、乱暴に怜の珍棒が挿入される。
一発で“ごちゅんっ♥”と胎の奥……構造上は届かないはずの子宮へと棒の先端が到達し、風花の喉からは「おへぇぇぇぇっ……♥」と喘ぎ声が漏れた。
頭の後ろを抑えつけられ、手足の自由を奪われて力が入らなくされれば、幾らでも深く奥まで挿入ができる……そのことをまざまざと思い知らされて、風花の腹にぼっこりと怜自身が浮かび上がるほどに、激しい打突が繰り返される。
直接的な暴力は一切なく、子宮を何度も殴りつけられて、完璧な雌へと……我が子のように育てた尸解仙のオンナへと躾けられていく。
「あへぇぇぇ……♥ だ、駄目じゃあ……♥ やめておくれぇ、怜♥ こ、このままではもう、師匠としての威厳も♥ 育ての親としての矜持も失ってしまうぅぅっ……♥ 悪しき道に堕ちてしまったおぬしを♥ 正道に戻すことも出来ず……おひっ♥ お、お嫁さんになってしまう♥ 怜に嫁入りしてしまうのじゃあっ♥」
「もう、先生に指導をいただくことなんて、何もありませんよ? これからは私があなたを……風花を愛し抜くんですから。共に邪道に堕ちてもらいますとも……さあ、お腹の中を薄汚い雄汁から、私の精で消毒しましょうね? 仙人も孕むのでしょうか、子供を産んでくださるのなら、とてもうれしいのですが」
「あっ、あっ、あぁぁっ♥ だ、だめ、だめぇぇぇっ……♥ あ、あうぅぅっ♥ 達してしまうのじゃぁぁっ♥ あっ、あぁーっ♥ んはぁぁぁぁぁぁ~っ♥ 弟子の精液出てるぅぅぅぅっ♥ ひぃ、ひぅぅぅぅっ♥ も、もう母娘に戻れぬぅぅっ♥ わらわは怜に娶られるのじゃあああぁっ♥ 生涯に渡りいつくしまれてしまうのじゃあぁぁっ♥ おひぃぃぃぃぃぃぃ~っ♥」
みっちりと肉竿の詰まった風花の秘所の腋から、どぼぼぼっ……と汚らしい刑政の精がすべて排出される。
怜の注いだ精液だけで、ぼってりと妊婦のように膨れた胎となった風花が、蕩けた顔で「あへぇぇぇ~っ……♥」と鳴いた。地仙ともあろうものが、決して見せてはいけない醜態であった。
怜が風花の髪の合間辺りに顔を埋め、ぎろりと木々の闇を睨む。
声にならない悲鳴を上げて逃げ出す刑政の後ろ姿がそこにあり、彼の竿はしわしわに萎んで、二度と使えないほどに去勢されていた。
「先生は私のものです……」
怜が首筋に強めに噛みついてみせると、風花は呆けた顔のままで潮混じりの小水を噴き出し、当たりに淫らな匂いが立ち込めた……。
※
──次の市が開かれる朝、怜はいつものように山のような薬や札を抱えて村へ降りてきたが、その肩には長らく姿を見せなかった、風花の姿があった。
「おお、先生さん、久しぶりだな」
「うむ、長らく顔を出さずに申し訳なかったの。実は、怜が一人前の仙道になったのじゃ。そうなると使い走りにもできぬから、こうして共に下りてきたという訳よ」
「へえ、そうだったんだ! 怜ちゃん、おめでとう!」
「ありがとうございます。すべては師匠のご指導のお陰です」
ニコニコと応対してみせる怜、照れくさそうに弟子をほめる言葉を聞く風花。
いつもの倍近くの土産と祝いの品を受け取り、仙人の師弟は山の庵へと帰っていく。
「……本当の理由は違うのに。ちゃんと教えて差し上げないとダメじゃないですか、師匠?」
「ひうぅっ♥ そ、そんな……婚礼をあげたなどと♥ 娘のように育てた怜に娶られたなど、恥ずかしくて顔見知りには、まだ言えぬぅ……♥」
毎晩なで回されて、触れられただけでも股間がじわり……と湿るまでになった尻を摘ままれ、風花は甘えるように怜に身を寄せる。
怜は少しだけ不満げな表情だったが、すぐにいつもの……しかし、決定的に変わってしまった、平静な顔つきとなった。
「……まあ、今はいいです。けれど、いずれは必ず……皆の前で誓ってくださいね?」
かつての師を娶った邪仙は、しかし何処か穏やかな表情で、深山へと走り去っていく……。