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亜人の少女の玉の輿~マルティ・S・メルロマルクが快楽堕ちで賢姫となる世界

 ──これは誰も知らない、とっくに終わっていた終末の果て。


「ひぃぃっ……ひっ、ひあぁぁっ……あ、あり得ない! あり得ないぃぃぃっ……!」


 悪意の権化、ヒトの大罪の集大成を騙っていた女神メディア・ピデス・マーキナーは、情けなく小便を漏らしながら這いずり回り、自身のすべてを否定した女から逃げ回っていた。

  ゆったりした袖のついたくるぶし丈のワンピース(トゥニカ) 、 髪を覆う裾が大きめの頭巾 (ウィンプル)……その女は女神の前に現れるのに、ある意味では相応しい風貌……修道服を身に纏っている。目には包帯を巻いて視覚を封じているが、覗いている顔の鼻から下だけでも素晴らしい美貌であることが分かるが、その表情は包帯の下から溢れ出す涙と合わさり、悲痛に満ちていた。


「ああ、哀れなり、哀れなり……自らの力も足らず、神を僭称した果てにあるのは、常に残酷な終焉のみ。あなたのことを哀れみましょう。願わくば、二度とこのような悲劇が繰り返されぬことを」

「ぜ、絶対必中! 絶対即死! 『インフィニティ・デストロイヤ』ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 渾身の力を込めた必殺攻撃が修道女にさく裂するが、彼女の服を焦がすことすらも出来ず、じゅっ……と音を立てて消えた後は、そよ風に変わって頬を撫でていった。

 無限を無限倍した究極攻撃のはずが、通じない。死という概念そのものを用いた破壊攻撃が、全て無効にされる。

 絶望が行き過ぎて逆に冷静になってしまったメディアは、狂乱した口調で「お、お前は一体、何なのよっ!?」と叫んだ。


「我らは地平線を越える旅団。私の使命はその内でも、自ら神を僭称する者たちに鉄槌を下し、人が人の力で作る世界を生み出すこと。さようなら、偽りの女神よ。あなたの消滅が、せめて可能性無限世界に意味あるものであることを」

「わ、私は偽りなんかじゃない! 私こそ、世界を自在にする権利を持つ絶対神メディ──!」


 さっと修道女が手を前に突き出すと、次の瞬間にはメディアの絶対防御を貫いて頭と手足以外の全ての部位が消え、空中で口内に残っていた空気が「ぱふぁぁ」と漏れた次の瞬間には、残った部位も“ざぎんっ”という奇怪な音と共に消え去った。


「どうして、力を得た者は神を名乗りたがるのでしょう……神とは無限の慈悲と無私の救世を成し遂げられる者だけが任ずることのできる者なのに……私は、悲しい……」


 修道女は寂しげに呟くと、とある世界でありとあらゆる悪逆を働くはずだった女神を完膚なきまで抹消して、その座を静かに去っていった。

 これによって、女神が分身を使って干渉していた物語には大きな変化が訪れるが……それを見届ける役目は、この修道女は瑠璃の乙女たちから与えられていなかった。



「はぁ……」


 ため息が、増えた。

 マルティ・S・メルロマルクは、自分が急速に無気力になっていることに気付いていたが、無気力なのだから改善しようという試みも頭に浮かんでこない。

 マルティの隣では、槍の勇者である北村元康が色々と語り掛けてくるのだが、それを煩わしいと思う以上に、リアクションを起こすことに対して倦怠感が付きまとってくるのだ。

 怒るのも、憎むのも、なんだかすべてが馬鹿馬鹿しい。

 かつてのマルティは、そうでは無かった。無限に近しい活力が内側から湧いてきたし、他人を虐げて攻撃してやろう、利用して使い捨ててやろう、無残に踏みにじってやろうと思うだけで、なんでも出来そうな全能感が胸に宿ったものだ。

 けれど、今は違う。ある時から急に何をする気力を失せてしまい、特にあれほど好きだった他人を貶めて苦しめぬくことが「いや、そんなことしちゃダメでしょう」という、ごく当たり前の善意のストッパーが働くようになって“しまった”のだ。

 そうなるともう、これまでマルティが血道を上げてきたことの全てがどうでもよくなってしまい、四人の勇者を勝手に召喚し、盾の勇者を父王の憎悪を利用して甚振り抜いてやろうとしたことも、すとんと途中で投げ出してしまって。

 ……だから、その少女はまだ、闇市場に存在していた。

 一目で心身共に弱り切っているのが見てわかる、ラクーン種の亜人の少女。

 元康が怒りを燃やしているのをぼんやりと隣で見つめていたマルティだが……ふと、なんだかこの亜人の少女が自分と似ているような気がした。

 無気力で、この世の何物にも価値が見いだせなくて、悪意を抱くべき場面で虚無が胸に去来してしまう。

 マルティはあくまでも“燃え尽きている”だけであり、別に改心した訳でも、思想が変わったわけでもない。亜人なんぞと自分を重ねてしまったことに、久しぶりに激烈な怒りが胸に宿り……その感情をマルティは大切にしたいと願った。


「その亜人、買うわ」

「え? ちょっ、ちょっとマインちゃん! それはダメだって!」


 元康に批判されるが、マルティは「ああ、そう言えば今はマイン・スフィアだった」と自分が身分を偽っていることすら忘れており、何としてでもこの亜人を手元に置きたい、自分とは違うのだということを思い知らせてやりたいという欲求が止まらない。


「だって、こんなに弱り切ってしまって。とても見て居られませんわ。お願いです、モトヤス様。わたくしが、責任を取ってお世話をしますから」

「う、うーん……でも、奴隷紋っていうのを刻んで、言うことを聞かせるのはなぁ」

「奴隷紋は、一度この立場に堕ちてしまった者たちは、従者として再起する際の“お守り”でもありますわ。そのお優しい気持ちには感動しますが、どうか弱き者から庇を取るような真似はしないでほしいのです」


 すらすらと、適当な言い訳が口から出てくる。

 そうだ、嘘を吐くのはこんなにも口が滑らかに滑ることなのだと、しみじみとマルティは思い出していた。

 元康を上手く言いくるめ、亜人の少女を手にしたマルティは、この娘をどうしてくれようと残虐な笑みをひっそりと浮かべる。

 けれども、彼女……ラフタリアにとっては、マルティは自分へと優しく微笑んでくれたご主人様に他ならず……この時、既に二人のすれ違いまくりな恋は幕を開けていたのだ。



 マルティはその日から、ラフタリアに溺れた。

 彼女に気力を取り戻させ、世界の全てが美しいと思わせて、自分とまったく別の存在に仕上げてから……甚振り抜く。

 そうでなければ、どんな責め苦もラフタリアは苦しいとも悲しいとも思わないだろう。それではつまらない。

 だからラフタリアに、ありとあらゆる贅沢を仕込んだ。美味に美酒、美しい光景に楽しいことの数々、身だしなみを整えて着飾ること、そして……夜の行為。

 どれほど気力が弱っていても、体が死の直前まで行っていっても、快楽は必ず肉体反応として刻まれる。

 マルティは見下しているはずの亜人を、毎晩毎晩徹底的に抱き、後々で翻してやることを前提にして愛を囁いた。


「あっ♥ あっ、あぁぁっ……ダメですぅ♥ ご主人様、そんなところ……♥」

「どんなところ? 自分の口で言ってみなさい、ラフタリア♥ 私は、可愛いラフタリアがスケベなことを口にするのが好きなのよ♥」

「あっ、あうぅっ……ま、マルティ様の指が♥ 私のお大事の中で、ぐちゅぐちゅって動いてぇ……♥ エッチなおつゆを噴いてしまいますっ♥」

「おマ〇コって言いなさい、カマトトぶるんじゃないの……♥ でも、段々と淫乱になってきたわね♥ 可愛いわよぉ……♥」


 この可愛いというのは、別に演技ではない。あとあとになって苦しめるとしても、マルティがラフタリアに執着しているのは事実だった。というよりも、もうマルティの中ではラフタリアが全てだった。

 ラフタリアと共に食事をすれば、味が分かるような気がした。ラフタリアと共に観劇すれば、物語の機微が理解できた。ラフタリアと短い時間でも引き離されれば、怒りや憎悪が蘇ってきた。

 ラフタリアがちろちろと自分の秘所を舐めてみせているのを見ると、多くの男たちに体を開いてきたことが嘘のように官能に蕩けてしまった。壊しぬく時も、上手く自分のことは好きなままにしようと、噴いた潮を口に含んで“こくっ”と飲み干すラフタリアを見て思った。

 ……そうして、ラフタリアを躾ける以外の全てから遠ざかっていた結果、様々な出来事が速やかに進行していった。

 マルティの騎士に成り得るはずの元康は、ほとんどマルティ=マインに袖にされた形となり、巡り巡って自分が孵化させた卵から産まれた鳥の魔物フィロリアルに“フィーロ”と名付けて推し変した。

 父王ことオルトクレイ・メルロマルク32世はマルティが共謀しない為、中途半端に賢王であった頃の英知をみせて様々な場面で立ち止まってしまい、結果として女王派の反乱が早々に起きて、帰還した妻に折檻を食らってしばき倒された。

 マルティが途中で何もかも投げ出した為、三勇教の陰謀も明らかになり、こちらも他方から詰り倒されて袋叩きとなった。

 それで、マルティだが……途中まで四勇者娼館を勝手に進めていたのは事実だし、ラフタリアに溺れて“何もしない”という、それはそれで王族としては問題行動を取っていたため、彼女にも仕置き沙汰は下されることになった。


「……こんにちは、マルティ様♥ 今日のお加減は如何ですか?」

「ぐぅ……ら、ラフタリアぁ……この、恩知らず……むほぉぉっ♥」

「ダメですよ、マルティ様♥ “ご主人様”にそんな口を利いては♥」


 後になってラフタリアを苛め抜くつもりだと母と妹に看破されたマルティにくだされた罰……それはラフタリアとの主従逆転。

 ラフタリアはマルティの飼い主として王城に住まうことを許され、元王女の立場となったマルティはラフタリアのマ〇コで上の口と“ちゅっ♥”とキスをされて、甘いマン汁に溺れながら黙らされていた。


「あぁぁ~……マルティ様はよく、こうやって私の質問責めを遮られましたねぇ♥ マルティ様にされたこと、全部お返ししますね……♥ だって、マルティ様が大好きですから……とっても気持ちよかったことをするのは、当然だと思います、ね♥」

「んぶぅぅぅぅぅっ♥ おごごごっ……ごくっ、ごきゅんっ♥」


 口の中に小水を注がれて、むせ乍らも一滴残らず飲み込んでしまう。それどころかラフタリアの尿道に吸い付いて、まるでクリフェラでもするように、夢中で舐めまわして丁寧にお掃除クンニしてしまうほどだ。

 マルティは最後には引っ繰り返すと思ってはいたが、それまでの段階における二人の関係は完全にラブラブな恋人同士であり、そこで停止して主従逆転してしまった今、マルティは無意識にラフタリアの愛奴隷である自分の立場を受け入れてしまっているのだ。


「あっ、あぁぁっ♥ お、押し付けないでぇぇ……背中のおっぱい、柔らかいぃぃっ♥ い、意識しちゃうぅ……♥ わ、私は、レズなんかじゃなかったはずなのにぃ……ほぉぉっ♥ ラフタリアのお胸気持ちいいっ♥ いやっ、やぁぁぁ……女性の♥ それも亜人の胸で鼻の下のばしたくないぃぃ……んへぇぇぇっ♥ 好きぃぃぃ……♥」

「これもずっと、私をドキドキさせてくださいましたよね……♥ マルティ様のお胸を背中に付けたまま眠ることになって、ずっと夜中のあいだオナニーが止まらなかったんですよ♥ あの時のお返しです♥ 責任取ってください♥ 取れ♥ マルティ様も、私のお胸くっつけられただけでオナニー止まらない淫乱オナニー狂になってください♥ ほら、乳首くりくりしてあげます♥」

「んほぉぉぉぉぉ~っ……♥ ラフタリアに与えられる刺激、全部受け止めちゃうぅぅっ♥ 全部、全部つまらなくなってたはずなのに♥ 悪だくみも♥ 他人のことを踏みにじるのも♥ 全部ぅぅっ♥ あっ、あっ、あっ♥ ラフタリアに乳首潰されるのしゅきぃぃぃぃ~っ♥ ダメ、ダメなのぉぉぉっ♥ 差別してるはずなのにっ♥ 亜人の女の子愛してるのバレちゃうのぉぉぉぉっ♥」


 もう完バレしているのだが、ラフタリアは顔を隠して“いやいや”と左右に首を振るマルティの腕を無理やり剥がして、その愛らしい幼い顔を覗き込む。

 善良で純真なラフタリアに飼われたことで、遂に悪意の欠片も失ってしまい、ただの可愛いマルティちゃんになってしまった元ビッチは、ラフタリアの顔の良さに真っ赤になり、自然と唇を尖らせてしまった。


「キス、してほしいんですか、マルティ様♥」

「ふぅー♥ ふぅー♥ だ、誰が、そんなことぉ……♥ ラフタリアの甘い口づけなんて♥ 期待してないんだからぁ♥」

「そうですか、そうですかぁ……それじゃあ、こっちはどうですかっ♥」

「んひぃぃぃいぃぃぃぃぃーっ♥」


 ぐちゅんっ♥ と下の口同士を重ね合う、貝合わせキス。

 密着しあう秘所同士から、思いっきり快楽と愛情が伝わってきて、マルティはもう隠すことも感情の制御すらできず、「あ゛あぁぁぁぁぁっ♥ ラフタリア好きぃぃぃぃぃーっ♥」と真っ白な喉を見せながらイキっぱなしになってしまう。


「マルティ様ぁ……♥ 私は、やっぱり主従よりも夫婦になりたいです♥ マルティ様と結婚したいです♥ あなたを守る為なら、どんな恐ろしいものとでも戦います♥ 愛してるんです、マルティ様♥」

「あっ、あっ、あぁぁぁ~っ♥ そ、そんな情熱的に、口説かれたらぁ……♥ 私の中、ラフタリアで満たされちゃう♥ ラフタリアがいい子過ぎて負けちゃうぅぅぅぅーっ♥ す、するっ♥ 結婚するっ♥ 亜人でも何でもいいっ♥ 大好きなラフタリアと結婚しゅるのぉぉぉぉ~っ♥」

「嬉しい♥ 幸せになりましょうね、マルティ♥」


 対等な夫婦……いや、婦婦の契約が成り立った瞬間、ラフタリアの胸の奴隷紋が消滅した。

 二人の絆のように思っていたので、少しだけ残念なラフタリアだったが、アヘ顔を晒してひくひくと震えているマルティに覆いかぶさり、そのまま第二回戦を始めるのだった……。



 ラフタリアと婦婦になったことで主従契約はなくなり、マルティは再び王族に返り咲いた。

 心優しい亜人の少女のオンナになったマルティは、かつての放蕩ぶりからは想像できないほどの清楚で懸命な王女となり、最初は警戒していた妹のメルティを積極的に支え、後の歴史において“賢明姫”の名で知られるほどの功績をメルロマルク王国にもたらした。

 ちょうど、何故かその辺りから唐突に“波”が一切到来しなくなったこともあり……元凶が抹消されたので当然なのだが……マルティとラフタリアの婦婦はメルロマルクの重臣として仕え続け、生涯に渡り亜人差別撤廃の為に戦い抜いたという。

 不思議なことに、マルティは女性同士でありながらラフタリアの子供を妊娠し、そのことから“女神の生まれ変わり”と称する者もいたが……何故かマルティはこの呼称を喜ばなかったということだ。

亜人の少女の玉の輿~マルティ・S・メルロマルクが快楽堕ちで賢姫となる世界

Comments

リクエストありがとうございます! なかなか見かけないカップリングですが、本体の干渉さえなければ多分相性よさげなんですよね、この二人

屋根が高い

ありがとうございます! シーズン1終了後、 このカプに目覚めたのは 不思議でしたが やはり良いものです。

奇跡剣@夢想ノ筆

ラフタリアはお強いですからね!特にメンタル面! ヴィッチはぶっちゃけ、クソ女神の経験値稼ぎの為に藁人形やらされてるだけですからね、思考もゆがめられて…実は被害者の性質のが強いんですよ、行動がムカつきすぎて気付きにくいですがw

屋根が高い

ら、ラフタリアつよーい! 先に本体が潰されていたとは言え、まさかヴィッチがこんな可愛いお嫁さんに…そう言えば「綺麗なマイン」とかIFルートにいましたしねー…

とろがけ


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