※前回の【匂宮オリセの戦記】は、こちら!
(https://fallen02side.fanbox.cc/posts/6970466)
──数多の決戦を見送ってきた採石場に、希望の歌が鳴り響く。
【スーパー! スーパー! スーパー!】
【スーパータカッ! スーパートラッ! スーパーバッタッ!】
【ス・ー・パー! タトバッ! タ・ト・バッ! スゥゥゥパァァァッ!】
本来なら40年後の未来に誕生するはずの、奇跡のコアメダル。
それらを装填してスキャニングした火野映司の姿が、頭部のタカヘッドはタジャドルコンボを思わせる“タカヘッド・ブレイブ”に、トラアームとトラクローは一層鋭い“トラゴラスアーム”と“トラクローソリッド”に、脚部もバッタレッグから縄のような筋肉が浮かぶ“バッタゴラスレッグ”に、それぞれ進化した最強のタトバ……“スーパータトバコンボ”へと姿を変える。
同様にタトバを超えるタトバの姿をした古代王、800年の時を超えて蘇った先代オーズは、自身も知らない……想像もつかない究極形態の出現に、ハッキリと動揺を露にしていた。
「ば、馬鹿なっ……!? なんだ、その姿は! わ、我はコアメダルの力の全てを錬金術によって引き出したはず……そんな姿は知らない! あり得ない……!」
「人間の欲望は、夢と同じだ。子供の夢が未来の現実であるのと同じように、800年も経てば人間の欲望は想像もしなかったような地平を開くんだ! ──“オーズ”は1人だけでいいって、言ったよな?」
自ら口にした言葉を“処刑宣告”として返され、古代王オーズは苦し紛れにメダジャリバ―を振りかぶる。
……しかし、その一連の動きの間に、既にスーパータトバは攻撃を終えていた。
「ハッ! ハッ! ハッ! セイッ! セイハァァァァァァァァァッ!!」
トラクローソリッドによる連撃で金色のローブ・メダリオガウンがズタズタに引き裂かれ、バッタゴラスレッグによる跳躍で天空から赤い翼を備えた蹴撃が襲い掛かる。
スーパータトバコンボ最強の必殺技──スーパータトバラッシュ。
停止した時間の中で棒立ちになっていた古代王は、世界の流れが正常になった瞬間、あまりにも強い力が加わったことで火花さえも上げずへしゃげ“内側に圧縮されて”消し飛んだ。
「ば……かなぁ……王は……私……ひと……り……」
虚空に、掠れた声だけが怨嗟のように響く。
別の世界線では、人類を滅亡寸前まで追い詰めるはずだった古代王オーズは、ただ1人の命も奪えないままに魂魄まで抹消され、真のオーズの前に完全敗北した。
スーパータトバコンボを解除した映司の元へ、古代王オーズが復活させたグリードたち……ガメル、ウヴァ、カザリを打ち倒した匂宮オリセ・鹿の子・黛の姉妹たちが駆けてくる。
「火野さん、やったな!」
「ありがとう、オリセちゃんたち! けれど、このスーパーメダルは何処から? ミハルくんにもらったメダルは、返しちゃったはずなんだけど」
未来の戦士仮面ライダーアクアから受け取ったメダルで、かつて映司は財団Xの幹部レム・カンナギが変貌した超銀河王を打ち倒したことがある。
古代王オーズが復活したと聞かされて、ラトラーターコンボで挑もうとしていた映司の前に駆けつけてきたオリセは、スーパーコアメダルをどうやってか手渡してきたのだ。
「古代の亡霊を打ち倒すなら、未来の力が必要だと思ったからな……イングリッドから借りてきた」
「イングリッドちゃん? あ、あの子もなんだか謎が多いなぁ」
ちなみに、その返礼として1日デートと最低10発のセックスを約束させられているが、これについては敢えて口にすることはない。
「どちらにしても、またも仮面ライダーOOOによって世界の危機は救われたのですわ、ああ、なんて素敵!」
「それにしても、古代王オーズはどうしてアンクさんを復活させなかったんでしょうか?」
鹿の子が上機嫌に……嫁には出来なかったが、自分好みのヘタレであるウヴァと戦えて楽しかったらしい……決着を喜ぶ傍ら、黛は冷静な声で復活してこなかった鳥型グリード、映司の相棒であるアンクのことを思う。
彼が人質(グリード質?)のような形にされていれば、もっと古代王との戦いは苦戦したかも知れない。
「あいつの気まぐれかも知れないけれど……俺が、アンクのメダルを持っていたからかもな」
「……そうだとすれば、素敵な話だ。あなたとアンク氏は、最初から古代王に勝っていたということだから」
映司と相棒の絆を、ひどく眩しそうな目でオリセは見つめる。
この世のあってはならぬモノを消し去る、血族の最終安全装置・匂宮オリセ……彼女は正義の味方にはなれない。良くも悪くも、血族は世界の表層にも暗部にも存在しており、その意図が一致することは稀だ。
どこまでも届く欲望と生命に満ちた手を求め、己の業をも砕いて進んでいく映司の姿は、彼女にとっては本物の英雄としてまばゆく輝いて見えた。その使命に貢献できたことに、まるでオリセは自分も善行が成せたような満足感を得る。
「オリセお姉様、後はあのメズールというグリードを探さないと」
「そうだな、遠くには行っていないはずだ。みな、油断はするなよ」
姉妹たちと映司は、最後の残ったグリード……古代王が復活させた水棲生物の女王・メズールを探して採石場に散っていく。
オリセもまた油断なく採石場を歩んでいくが……その姿を物陰から、じっとメズールは見つめていた。
「(無理やり復活させられて、ガメルもまたやられて……これで私まで倒されて終わりなんて、絶対に納得しないわ! 匂宮オリセ……ガメルを一方的に打ち倒してみせた、あの力は古代王よりも恐ろしいかもしれない。けれどガメルに対して見せた慈悲や、その後にかかってきた電話での応対……あの女には今まで見たことも無いほどの“愛情”への欲望がある!)」
ガメルがメズールを守ろうとして奮戦したことで、オリセを観測するチャンスを得たメズールは、彼女とイングリッドの通話を聞いており、オリセが愛情に満ち満ちた上で際限なく誰かを救っては妻帯していることを知る。
それを利用してヤミーを生み出すことが出来れば、あるいはオーズと怪物女たちを相手にでも逆転すらあり得るかも知れない……メズールは深呼吸して気持ちを落ち着けると、清楚な雰囲気を持つ黒髪ロングの美少女の人間態へと変身した。
「ああ、助けてくださいっ……! 怪物が、怪物がそこに!」
「……落ち着いて。さあ、こちらに。ゆっくりでいいから、話してくれないか?」
予想通り、愛情に満ちた対応を見せるオリセ。弱く、美しく、牙無きものを前にした時、オリセは欲望を抑えられない。
そういう意味では、母性や庇護欲の化身であるメズールとよく似ているとも言える。
「(──今っ!)」
震える演技をしながらオリセに抱き着いたメズールは、その体にスロットの投入口を作り出し、セルメダルを挿入することに成功した。
……ただ、そこからが異常だった。
「な、なにっ!?」
セルメダルで構成された怪人であるヤミーが誕生する際、大量の欲望を糧にしたセルメダルが排出されるのだが……オリセからは天を貫く柱かと思えるほどの大量のセルメダルが噴き出したのだ。
オリセの愛欲が凄まじいとは分かっていたものの、こんな現象が想定していない……セルメダルが構成する“青い竜”となった本流は、怒涛の如くオリセとメズールに降り注ぎ、メズールは本気で「きゃあっ!」と悲鳴を上げてオリセに抱きついてしまった。
そこには、最強の水棲生物ヤミーが誕生している……はずだったのだが、何故か平素のヤミーとはまるで違う、オリセがもう1人そこに蹲っていた。
本物のオリセと異なるのは、本物が銀髪であるのに対して、目の抜けるようなクリアな青色の髪をしていることだろうか。
「(な、なんなの、これ? まさか、こいつ……匂宮オリセ。こいつ自身が“人間とは異なる1個の生命体”としてカウントされてるとでも言うの!?)」
オリセヤミーはゆっくりとその体を起こす。
メズールも慌ててオリセの傍から離れ、オリセヤミーの傍らに立つと、怪人態へと変貌した。
「この際、なんだっていいわ! さあ、オリセヤミー! 匂宮オリセを倒しなさい!」
「断る」
「そう、断る……え?」
あっさりとメズールを背後から拘束し、再現された狂猛な雌チ〇ポを擦り付けて来るオリセヤミー。
その愛情に満ちた腰使いに、自分に反感を持っているのではないはずなのに逆らっているという、訳の分からない状況がまたも起きているとメズールは困惑する。
「ちょっ、ちょっと、そんなもの擦り付けな……ほおぉっ♥ く、首筋を舐めるなぁっ♥ くっ、こ、こんな……なんで、こんな風に触れられるだけで、気持ちよく感じてぇ……♥ こ、こんな快楽知らないぃぃ……♥」
「本物の私、私は君の愛情を“欲望”として捉えて作られた存在だ。愛に満ちたこの体は、愛しのメズールに悪行をさせることを許さない。メズールをパコハメ愛情どっぷりセックスで完堕ちさせるのに協力して欲しい!」
「えぇぇぇぇっ!? な、なに言ってるの、あんたっ……あっ、あぁんっ♥ 胸、触るなっ……おっ♥ だ、大体、グリードの私に、人間が欲情する訳ないでしょ……あっ、手マンだめっ……だめぇぇっ……♥」
オリセは目の前で起きているトンチキな光景にもまったく狼狽える様子はなく、メズールの怪人態……シャチをモチーフにしたスタイリッシュな頭部、イカやタコの様な吸盤の並んだすらりとした脚部、真っ黒なラバーを思わせる体に纏われた青いマント、そう言った要素を確認していき、ビキリと股間が勃起した。
「ちょっとぉぉぉぉ!? なんで勃起してるのよぉっ!?」
「実は先に抱き着かれた時に、既に体が僅かながら反応していた……ガメルは強かった。幼い精神ながら、メズール、君を本気で守ろうとしていた。君がガメルへと注いだ愛情が、利用する為のおためごかしとは思えない……そんな欺瞞ならば、漢はあんなに強くなれないはずだ」
愚直に「メズール、俺が守る……!」と言いながら剛力で挑みかかってきたグリード・ガメルを思い出しながら、オリセは呟く。
確かにメズールは、ガメルとの別れの際に冷たい言葉を吐いたことはあるが、愛情を注ぐ際には彼を利用した場面は1度としてなかった……もっとも“最初から気付いていた”とショッキングな情報を明かされた上に、今の状況もあってメズールはそれをのんびり回想している余裕はないが。
「協力してくれるのか、ありがとう本体! 行くぞ、私は後ろで君が前、ダブルファックだ!」
「ま、待ちなさいっ! こんな大きいの挿入されたら壊れちゃ……し、しかも前後同時って……おほぉぉぉぉぉぉぉぉっ♥」
ごちゅんっ♥ と体を構成しているコアメダルまで届くような、強烈な衝撃が脳天まで響く。
グリードである己は、古代王にこき使われていた時から変わらず、人間には恐怖の対象のはずだった。
にも関わらずオリセは首筋に痕がつくほど吸い付きながら突き上げて来るし、オリセヤミーに至っては「キスしよう、メズール……♥」と唇を重ねてきて……それが蕩けそうなほど“幸福”をもたらしてくるのだ。
懸命に電撃を流したり、水流をぶつけたり、強靭な足でげしげしと蹴ってみたりしたのだが、オリセもオリセヤミーもまるで揺らぐ様子すらない……メズールを満たす為に、最強の愛が同時に襲い掛かって来る。
「(ふっ、あぁぁっ……ダメ、ダメぇぇぇっ♥ これ、すごすぎっ……♥ ど、どうして両性具有とのセックス♥ これまでしてこなかったか分かんなくなるほど気持ちよくなっちゃうぅぅぅっ♥ わ、私の欲望が歪められる♥ “匂宮オリセを愛すること”にされてしまうぅぅっ……♥ た、耐えなくちゃ……耐え、られないほどじゃない……♥)」
実際にはこれは、コアメダル不足による身体機能の退化のせいであって、オリセとオリセヤミーの性技がそれでもなお、欲望のままに変われないはずのグリードに隙あらば「お嫁さんになりゅっ♥」という欲望を抱かせかねないほどの凶悪なものだ。
しかし……匂宮オリセを模した存在に愛されて、この程度で済むと思っている辺り、メズールは残念ながらまだこの決戦存在を侮っていた。
「──おーい、本物! それに本体! コアメダルを集めてきたぞ!」
「やはり古代王オーズに、これらを新たに創造して提供した者が居たらしい」
「鴻上の叔父上とは別口らしいな。パヴァリア光明結社辺りか?」
続々と集まってくるのは、いつの間にか分裂して水棲系コアメダルを集めてきたオリセヤミー“たち”。
ダブルライダーかと思ったら栄光の8人ライダーだった位の絶望を味わいながら、メズールは本来ならば喜ぶべき水棲系コアメダル投入に悲鳴を上げる。
「ま、待ってぇぇぇっ♥ 駄目、今は駄目ぇぇぇっ♥ 狂っちゃうっ♥ 完全に私、おかしくなっちゃうぅぅぅっ♥ 愛情注ぐ対象が変わっちゃ……はへぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ♥ んおっ♥ んおぉぉぉぉぉぉぉぉっ♥ ほぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ♥ チ〇ポしゅごいぃぃぃぃぃぃっ♥ んんっ♥ 好きぃぃぃぃぃぃぃっ♥ あいじっ、あいじてるのほぉぉぉぉぉぉぉぉ~っ♥」
コアメダル9枚を投入されたことで、完全に機能を取り戻した完全体メズールは一瞬にして二穴ファックの快感をダイレクトに受け取ってしまい、速攻でマジ惚れ嫁堕ちした。
欲望の化身であり、足りることを決して知らないはずのグリードが今、オリセとオリセヤミーたちを相手に、愛情を受け止めきれる“自信が無い”と、自己矛盾に陥るほどの特濃の愛情に晒されてアヘり狂う。
「私も愛してるぞ、メズール♥ だから悪いことはもうやめるんだ……この至高の快楽は、善良でないと得られないぞ?」
「やめるっ♥ 悪いことやめるっ♥ オリセの為に、いい子にするぅぅぅぅぅっ♥ これをもらえることに比べたら♥ 好き放題に振る舞うとか馬鹿みたいっ♥ んへっ♥ おへぇぇぇっ♥ そんなのただ快楽を目減りさせるだけだからぁぁぁっ♥ お嫁さんになりゅっ♥ 一生添い遂げるのぉぉぉぉぉぉっ♥ 死ぬまで欲望満たしてぇぇぇぇぇぇぇ♥ ふごっ、ぶごぉぉぉぉぉぉぉっ♥」
アヘりながら全身にオリセヤミーたちの精液をぶっかけられ、更にマ〇コとケツマンに人間ならば速攻で妊娠する……そして、コアメダルが揃っているならグリードすら妊娠確定のあまあまザーメンが注ぎ込まれ、メズールは遂に“満足”してしまい、そのまま失神して動かなくなった。人間態の姿になっているのは、無意識にオリセに合わせた結果なのだろうか。
メズールの完堕ちダブルピースお嫁入り宣言を聞き届け、満足したのだろう……オリセヤミーたちの全身から無数の“裂け目”が発生し、セルメダルがじゃらじゃらと零れ始めた。
錬金術の至宝であるセルメダルを以てしても、オリセの愛情という欲望を受け止めることは出来なかったのだ。
「私よ……匂宮オリセよ……どうか、メズールを頼む……彼女のしたことは、この場で滅びただけで報いることはできない……どうか共に歩み、彼女の罪と向き合い、そして愛し抜いて染め上げてくれ……古代王オーズは敗れ、メズール以外の全てのグリードは無に帰った……人間が錬金術を誤って使った欲望の歴史を、今度こそ勝利で終わらせる為に……」
「私からの頼みとなれば、断れないな」
オリセの言葉を聞き終えると、すべてのオリセヤミーはセルメダルに還り、青い竜となってメズールの体の中に入り込んでいった。
メズールの全身にグリードを超えた力が宿り、あるいは古代王オーズすらも今のメズールなら倒し得るかも知れない。
この力を、正しい方向へと導いていく……己からの頼みとは言え、重荷を背負ったものだと思う。
「とりあえず、火野さんになんて言い訳しようかな……」
普通の女の子の口調に戻ったオリセは、メズールをお姫様だっこしながら、英雄と姉妹の元へ帰っていった。
※
──匂宮の姉妹たちも、火野映司も去った後の採石場。あと僅かな時間の後には鴻上ファウンデーションによる調査が入るそこに、真っ黒な影が舞い降りる。
オリセヤミーたちはオリセの正義感や善性を引き継いでは居たが、あくまでもヤミー……欲望を優先する。
水棲生物メダル以外、放置されていた古代王が何処からか入手したコアメダルの元へ、ウェーブの黒髪を揺らし、真っ黒なスーツに抜群のプロポーションを包んだ、胸元にウロボロスの紋章を刻んでいる女が歩み寄る。
「古代王オーズ、使えない奴。火野映司を半殺しにでもして、新たなグリードを創り出してくれればよかったのに。まあ、いいわ。お前に預けたメダルは返してもらう──すべては我が愛しき妻、リカ・F・ウェイトリィ様の為に……」
屋根が高い
2023-12-17 08:54:22 +0000 UTC屋根が高い
2023-12-17 08:50:10 +0000 UTCとろがけ
2023-12-17 08:39:17 +0000 UTCソウシップ
2023-12-17 08:38:04 +0000 UTC