※SKEBにてリクエストを頂きました!
今回は『ガンダムビルドファイターズ』より、コウサカ・チナちゃんがイオリ・リン子さんを百合NTRしてしまうお話です!
娘のように可愛がる中〇生と、恋人の母親である人妻……禁忌を重ねた関係の行く末は!?
ぜひ、下記よりどうぞ!
──あまりにも生まれて来た息子が愛おし過ぎて、忘れていた遠い記憶。
妊娠が分かったばかりの頃は、女の子が欲しいと思っていたことを、今さらになってイオリ・リン子は思い出していた。
「(セイを抱いた瞬間に、ぶわぁーって母性がこみあげてきて、すっかり忘れちゃってたわねぇ。今になって思い出すなんて……チナちゃんをもう“娘”だと思ってるからかしら)」
息子であるイオリ・セイの恋人……コウサカ・チナがお店の手伝いを申し出てくれて、在庫の整理などを行ってくれているのを見つめながら、リン子はしみじみとそんなことを考える。
若さあふれるグレーのニーハイブーツにピンクの長袖セーラーワンピースの上から、イオリ模型店のエプロンを付けてパタパタと店内を小走りする姿は、リン子の中の眠っていた“別の母性”へクリーンヒットであった。
チナちゃん、マジうちの嫁……である。
「ありがとう、チナちゃん。セイも集中すると、カノジョをほったらかしにするんだから、もう。その間に店の手伝いとか、これじゃあモラハラ家族みたいよね?」
「ぜ、全然そんなことないですよ。イオリくんとの関係は、美術室でもこんな感じですし……それに、リン子と過ごす時間はとっても穏やかで、文句なんて付けたらバチが当たりそうです」
「良い子っ……! もう、ホント良い子っ! セイのお嫁さんになってくれた暁には、もっともっと大事にするからねぇ!」
「あわわっ……リン子さん、苦しいです……♥」
豊満なリン子の胸に顔を挟まれて、ほとんど抵抗なく言葉だけで伝えてくるチナ。その控えめな態度もまたいじらしく、リン子はチナを抱いたままで、レジの中でくるくると回転してみせる。
「ごめん、お待たせ委員長……母さん、何やってるの?」
「なにやってるのはセイの方でしょ? 可愛いカノジョを放っておくような真似をするから、母さんがチナちゃんを愛でてるんじゃない!」
「あはは……母さんの方がまるで恋人みたいだね」
「そうよ、チナちゃんは魅力的なんだから! 男の子だけじゃなくて、女の子にだって取られないように気を付けなさい!」
「り、リン子さん……♥」
冗談めかした注意を受けて、セイは苦笑、チナは赤面する。
二人の進展には少々不満があるが、このくらいの年頃の子たちの交際としては、とても和やかで清々しいものだと思う。
「……という訳で、セイよりも先に私の方が完全にお嫁さんとして受け入れちゃってるのよねぇ。いや、家族関係で悩んでる世間様のお宅には絶対に口滑らしちゃダメだろうけど」
『ははは、そう言えば俺たちも嫁姑問題は全然無かったな。リンちゃんはいつの間にか、うちの両親に俺より気に入られてて……』
「あったわねー、タケちゃんがお仕事終わって帰ってきたのに『リン子さんの分しか用意しとらんよ、ご飯』とか言われて……私もチナちゃんにだけ、ご飯作ってあげるようになっちゃうのかしね?」
この夜もリン子は、ガンプラの更なる普及を目指して、世界中を飛び回る夫イオリ・タケシへの国際電話で、既にチナが娘になったかのように熱く語り、理解ある夫からの相槌を聞きながら幸せが続くことを確信していたのだった。
「(レイジくんが姿を見せなくなって、セイも少しだけ落ち込んでる風だったものね。チナちゃんと過ごす中で、また元気に自分の好きなことに打ち込んで欲しいわ)」
……そんなリン子の願いは、残念ながら半分だけ叶わなかった。
※
「──イオリくんと、お別れすることにしたんです」
今に響く、静かな声。
漫画なんかだと飲み物を口にしている時に衝撃的な内容を伝えられ、派手に噴き出すシーンがある。
しかし、その時のリン子はむしろものすごい勢いで飲んでいた紅茶を流し込んでしまい、息苦しさから割れるんじゃ無いかという勢いでカップを叩きつけてしまった。
「ど、ど、どういうことなの!? だって、普段の二人の様子から全然そんな感じ無かったじゃない! あ、わかったわ! またガンプラマフィアとかいう悪い人たちにちょっかいをかけられてるんでしょ!? 大丈夫よ、チナちゃん、セイ! タケちゃんに頼んで、そんな連中はしょっぴいてもらって……!」
「母さん、落ち着いてよ。そういう話では、全然無いんだって」
てっきりセイ(と相棒のレイジ)のガンプラ世界大会における功績故に、何かしらのやっかみを受けてチナを守ろうとしているのだと思い込んだリン子であったが、二人は何やら別れ話中とは思えないほど落ち着いている。
セイとチナは両想いであり、レイジとの相棒関係に割り込み切れないことこそあれど、とても相性がいいとリン子は思っていたのだが。
「ずっと前から考えてたんだ。父さんみたいに、世界中を回ってガンプラのすばらしさを伝えたい、普及したいって。レイジだって、最初はガンプラを知らないところから始めたんだよ? でも、僕と過ごす中で色んなこだわりが生まれていった……。ガンプラGメンの仕事もある父さんの手が回らないところを、僕が埋められないかなって思ってて」
「イオリくん、ユウキ先輩と交渉して、いわゆる『ガンプラ留学』の支援金も出してもらえるみたいなんです。そうなったら、私は付いていけないので……」
「で、でも、私とタケちゃんみたいに! 日本でセイの帰りを待つっていうのも! その、若いから色々厳しいとは思うけれど、出来ると思うわよ!?」
息子の恋人だから自主性に任せよう……で済ませられるほど、チナはもう遠い存在ではない。
リン子の中では大切な家族、セイと並ぶ大事な娘にまで内心でなっていたのだ。
こういう時、母親はむしろ恋人をなじったりするものでは……? と多少ワイドショーなどに毒されているリン子は思ったが、やはり二人の円満継続こそがリン子の望みである。
しかし、チナの方が寂しげではあるが、悲しい様子もなく首を左右に振る。
「前々から、お互いに確認し合っていましたから。私はイオリくんが好き、イオリくんも私を好いてくれている……けれど、イオリくんの『一番』に、私は付いていけない。それで恋人を名乗るのは、すごく不義理だと思うんです」
「ガンプラ……」
リン子も夫・タケシのガンプラ愛には付いていけていないが、イオリ模型店の店主を務めることで繋がりが出来ている。
けれど、未成年の二人にはそういった“家”のつながりは、まだ無い。
ガンプラの世界大会の応援に行くのとはまるで違う、これから先の“試される時間”。
「僕も、委員長を一番に考えられない場面があって……でも、委員長には悲しんでほしくなくて。互いに『いやだ、離れたくない』って泣きながら別れることになる前に、恋人はやめようって思ったんだ。今ならまだ、良い友人に戻れるし……そういう形の方が、一方的じゃなくて互いに助け合えると思う」
「……そんな大人びた意見を言われても、母さん納得できない」
ぷくーと膨れてそっぽを向くリン子。
その子供っぽい様子に、必死にチナがフォローを入れる。
「り、リン子さん、一応リン子さんは大人ですから……」
「分かってるわよぉ……はぁぁぁぁぁぁぁ……チナちゃんが泣いてたら、母さんセイのことを殺しかねなかったけど」
「え」
「……そういうことだったら、仕方ないと思う。分かりました、二人の決断を尊重しましょう……こうやって、二人して報告してくれたことは、とっても嬉しい」
それが最大限の、二人からの気遣いだと分かっていた。
どこかでセイとチナのすれ違いを理解していたのに、外野で騒いでいた罪悪感も、多少はある。
近くで慰めてくれているチナに、がばっとリン子は抱き着いた。いつもは困ったように控えめの抵抗をするチナも、今回はぽんぽんと子供にするみたいに背中を撫でてくれる。
「セイと別れても、仲良くしてね! 形が変わっても、ずっと!」
「……こっちからお願いしたいです。嬉しい、リン子さん……」
抱き合う女性陣の姿を見て、セイの口が「やっぱり──」と動きかけたが、彼は何も言わずに穏やかな笑みを浮かべている。
リン子とチナは互いにだけ注目していたので、セイの動きには気付かなかった。
「──そうやって受け止めはしたけれど! やっぱり悲しいわよぉぉぉっ! ピーナッツ親子といわれてもいい! チナちゃんとお揃いのファッションとかするつもりだったのにぃぃぃっ!」
『よしよし……こういう時にそばに入れなくて、本当にごめん。俺の影響もあるってことだし、かといって悪いことしている訳でもない。セイを責められないし、複雑だなぁ』
「男の人って、ガンプラ優先で女を置いていっちゃう人ばかりなのかしらね! ……でもありがとう、声が聴けるだけでもすごく落ち着く……」
泣きながら二人の事を報告していたリン子だが、慰めと教官の言葉に、離れていてもぬくもりを感じる。
チナとセイのことは残念だったが、改めて自分は夫への愛を深めていこうと、しみじみリン子は思うのだった。
「(でも、チナちゃんとのつながりは確実に一つ減っちゃうのよね。私が、あの子に何かしてあげられることってあるかな……)」
この小さな願いと言おうか、祈りと言おうか……まだ思いつきに過ぎなかったそれが、リン子とチナの関係を変えることになる。
※
「──そう言えば、チナちゃんって風景画を描くって聞いたんだけど。特選って、確か中学生だと最高賞でしょう? すごいわあ、才能あふれてて」
セイとはお別れしたにも関わらず、ナチュラルにイオリ模型店の掃除をしてくれているチナに「何処かどう見てもお嫁さんなのに……!」と少々悔しい気持ちを感じつつ、リン子は話題を振る。
チナは褒められるとすぐに遠慮してしまう性格である為、みるみる内に顔を赤らめてしまった。
「い、イオリくんが言ってたんですか?」
「ううん、時どきチナちゃんがいないかって尋ねてきて、騒がせ賃だーって言って大量にガンプラ買って行ってくれる子が言ってたの。ほら、姫ドリルの」
「キャロちゃん……リン子さんにまで主張しなくてもいいのに」
苦笑を浮かべるチナだったが、その時にぽろりと「この季節は、賞とかほとんど無くて」と呟く。発表の場所が無いということだろう。
恋愛においてもそうだったが、過剰なまでの援護射撃こそがイオリ・リン子の真骨頂である。
一応は「良かったらなんだけど」と断りつつも、爛々と目を輝かせてリン子は提案を行う。
「うちの店のスペースを割いて、そこで展示するっていうのはどう? セイのお陰で、お客さんも色んな層の人が増えてるし、もしかしたら誰かの目に留まったりするかも。ジオラマ模型なんかする人は、風景画を描くこともあるって言うし」
「そ、そんな、悪いです! そこまでしてもらったら、私……」
「ふふふ……チナちゃん、あなたは既にイオリ模型店を手伝う理由が無いのに、掃除をしているという“貸し”が私にあるのよん? これは“借り”を返さないと嘘になると思わない?」
少々強引だが、チナとの関係を続けたいリン子の提案に、かなり反応は色好いものだった。
かつてのチナならば奥ゆかしく断ったかも知れないが、世界大会までセイとレイジを追いかけた日々は、彼女に積極性を備えさせたらしい。
それにチナの夢を、本気で応援したいというのは事実だ。セイからも「委員長、本格的に画家を目指すって」と言われており、この案をずっと温めてきたのである。
「そ、そこまで言って頂けるのなら……ほ、本当に隅っこでいいですから!」
「遠慮しないの、チナちゃんは変わらず私の娘みたいなものなんだから♥ ママに遠慮する娘なんていないでしょ?」
「むぐぐっ……リン子さん、苦しいです……♥」
スキンシップの切っ掛けくらいの軽いノリで提案したリン子は、胸の中で小さく抵抗する少女を改めて可愛いなと感じる。
……この時、リン子は完全に失念していたのだ。売上自体は然程変わらないことで、イオリ模型店はガンプラ国際大会成績優秀者を排出した店であることを。
当然ながら、リカルド・フェリーニを始めとした各国での有名人も時おり訪れるそこは、下手な美術館以上に多彩な審美眼を持ったものが訪れる場所で……チナの絵は海外で個展を開くようなプロ達にも絶賛され、中学卒業後は有名画家への弟子入りが早々に確定したのであった。
ちなみに、七年後にはパリで個展を開くほどの新進気鋭の画家となるのは、恐らく一部の人はご存じの通りの事実だ。
もっとも、この世界線ではここからが……特に大きく異なる。
※
「──チナちゃん、本当にすごいのねぇ……一時期なんて『イオリ模型店』を畳んで『コウサカ・チナ私設ギャラリー』に鞍替えしようか迷ったくらいよ」
「そ、それは流石に、ちょっとまずいかも知れませんね……」
椅子に座った状態でチナを膝に乗せ、小柄な彼女の頭が鼻先に来る位置で愛でる姿勢で以て、リン子は冗談めかして言う。
リン子のスキンシップの質は、チナの才能が冗談抜きで世界に認められ、あるいはセイに並ぶほどの知名度を得始めた辺りから、少し性質を変えていた。
可愛がるというより愛でるというか、甘やかすというよりも自分の方が甘えているというか。
もっとも、二人の距離は一度は「将来の母娘」までいったものである為、この程度の親密さは二人にとっては疑問を感じるものではない。
セイもリン子がチナに膝枕をしてもらったり、お腹に顔を埋めたりしていても「母さんは委員長が大好きだね」と軽く流していた。
「(でも……正直なところ、本当に少しだけ……本気で考えてたところ、あったり……♥ この模型店もガンプラたちも、タケちゃんとの大切なつながりではあるけれど、どれだけセイやラルさんに教えてもらっても、ガンプラに興味が持てないのよね、私……アークエンジェルだっけ、おっきな戦艦だけは名前を憶えられたけど、何でかしら?)」
よく分からないガンプラに比べて、チナの絵の凄さはリン子でも深く理解できるものだった。
チナの描く世界は現実以上に優しいというか、描き出された風景の中に感じたことのない“良い思い出”を想起させるような、不思議な没入感があった。
ある程度まで成長したリン子のような女性にとって、それは青春時代を追体験するような、煌びやかに感じるものだ。それもただ優しく甘やかすのではなく、新しい良い思い出を胸に歩き出す力をくれるような……チナがキャロちゃんと呼ぶヤジマ・キャロラインは「まるで旧友が危機に駆けつけてくれたような気持にさせてくれる絵」と、やたら仰々しい評価をしていた。
それは、繋がりはあっても理解は無いガンプラ以上に、リン子に繋がりと理解、そして近くに居てくれる絆まで加わった麻薬的な喜びをもたらす……知らず知らずのうちに、リン子は少しずつチナに甘え、依存し、時には弱いところすら見せるようになってきている。
年上として振る舞い、やがては息子の嫁に……という気負いがなくなった今、可愛くて健気な上に「格好いい」「すごい」「いつもそばに居てくれる」が重なる。
そうなれば、如何にリン子が芯の強い自立した女性でも、甘えを出さずにはいられないのだ。
ちなみにキャロがチナに絡むのも、実は似たような理由であるのだが、彼女はリン子ほど素直になれないので、未だに関係は友人のままである。
「リン子さん、そろそろお客さんが来るかも……」
「えぇ~……あと十分だけ! 十分だけチナちゃんタイムにして! いいでしょ?」
「……五分だけなら」
「じゃあ、十五分で♥」
「どうして延びるんですか、もう……♥」
……そして、心境の変化に関しては何もリン子にのみ起きているのではなく、構図としては抱かれているのだが、実際には「抱かれるままになっている」チナの方にも起きていた。
以前からセイの母としての尊敬は勿論、一人の大人の女性としての憧れもあり、理想的だと感じていたリン子。
そんな彼女のお陰で夢を追うことが形を成し、それもセイと別れた後であることから、純粋に自分を思ってくれたからだということは、聡明なチナには分かっていた。何しろ“委員長”なのだから。
そんな感謝と憧憬がますます強くなっていく中で……某死神の放った言葉に反するように、チナはリン子への理解度が上がっていった。
「(もしかして、リン子さんは私が思うよりもずっと……寂しがり屋なのかも知れない)」
精神的に成熟していて、愛する人と離れていることをある程度まで許容できる……けれど、それは“寂しくない”ということとは違う。
チナ自身が、セイがガンプラや無二の相棒であるレイジに夢中の時は、割り込めないことを許容しつつも寂しさは感じ続けていたように、自分を完璧に乗りこなしていると思っていたリン子にも寂しくて甘えたい時があるのだと、チナは気付き始めていた。
セイとチナの関係をあんなに応援してくれたのは、そんな寂しさを埋めてくれる対象として、チナを求めていたのかもしれない。
人によってはそれを怒るかもしれないが、チナはむしろ嬉しいと思った。
「(イオリくんと別れてしまっても、これまで受けた感謝や愛情を、返していけるってことだもの)」
立派で素敵なお姉さん、未来はこんなママになりたい……そんな対象だったリン子は、少しずつチナの中で「可愛いところもある人」「もっと甘やかしてあげたい」と願う相手になりつつあった。
触れ合っている温もりが、互いの隙間を埋めていく。
リン子は伴侶と離れている孤独、チナは恋人を諦めた孤独、双方の間隙が互いで満たされて。
関係は深くなり、絆は強くなり、しかして──結ばれる運命は、遠くなる。
※
「あっ……♥ あっ、んんっ……♥」
「リン子さん、少しだけ……ふくよかになったんじゃないですか? ほら、こことか……お掃除を全部、私がやっちゃうからでしょうか♥」
チナの手がリン子の胸に触れる。
エプロンの横から差し込まれたそれは、チナ自身は少しだけ控えめな発育であることもあって、乳房の柔らかさと重みをたっぷりと感じ、ほんのわずかだが乳首を指で軽く爪弾くことすらしてみせる。
それは、ギリギリ“本気”ではないとごまかせるライン。
チナはセイ相手の恋愛に対しては奥手で、リン子やミホシからのサポートを受けて成就した。
そのはずなのだが……奇妙なことにリン子相手には驚くほど距離を取るのが上手いのだ。
それは見事にリン子の望むことを読み取っては、的確かつある種の湿度を以て……けれど、幾らでもごまかしが効くように実行していく。
「ん、もう……♥ そんなことを言うなら、私だって掃除くらいするのに……んぁっ……♥」
「ダメです♥ 私、リン子さんがこのカウンターに座って、掃除している私のことを見ているの、好きなんです……♥ リン子さんに見られてるって、一番意識しちゃうから……♥」
「な、なぁに、それぇ……なんだか、いやらしい意味に聞こえて……あぁぁっ♥」
「すごい声……これくらい、女の子同士だったら当然ですよ? ほら、お尻もムチムチ……とっても素敵♥」
最後の賛辞は囁くように。
ジーパンに包まれた豊かな尻をしっかりと掴んで揉み上げ、じゅんっ……とリン子の股間が色濃くなってしまうほどに、彼女の衝動を満たす。
これはあくまでじゃれ合い、互いに寂しさを埋め合うだけ、女同士なら当たり前のスキンシップ……そんな言い訳を重ねれば重ねる程、チナはリン子の要望に応えてくれる。
こんな過激な行いを、二階には息子がいる状態で……いや、むしろいつ客が入ってきてもおかしくないのに、二人は連日にわたって重ねるようになっていた。
「リン子さんは、このままでいいんです♥ 私の理想の、豊かで、たわわで、瑞々しくて……こんな風に年下の女の子から揶揄われて、ちょっと嬉しくなっちゃうくらいでいいんです♥ 運動とか、ダメですよ♥ 抱き心地が悪くなったら、寂しくなっちゃいますからね……お返事は?」
「わ、分かってる、わ……♥ チナちゃんが許してくれるまで……無理にダイエットなんて、しないからぁ……♥」
「よかった……それじゃあ、掃除しますね♥」
最近はチナに甘えることに夢中になり過ぎて、ほとんどカウンターで座っているだけのことが増えた。
勿論、家事はちゃんとしているし、接客だってリン子がこなしているのだけれど、模型店の店主であるという自覚が、どんどん薄くなっている気がする。
「(私、チナちゃんに甘やかしてもらうために、ここに居るのかも……♥)」
半ば本気でそう思い始め、その思考が頭を埋めた瞬間……リン子はあり得ない衝動に襲われた。
「(え……? 私、今、寂しいって思った……? え、うそでしょ? だって、さっきまでハグしてもらってたのに……た、タケちゃんだって、離れて一日くらいは我慢できるのに?)」
チナに甘やかしてもらうことは、今やリン子にとっては「嬉しいこと」を通り過ぎて「無くてはならないこと」になりつつある。
それでも、大人の女の自負があるから……チナが掃除に集中してくれているのを確認した上で、ちょっとだけ手を開いて……ハグを求めてみた。
すぐにサッと手を戻したのに、中学生の女の子は王子様のようにリン子の傍へと近寄ってきて、座ったままのリン子を上から抱きしめてくれる。
「んー……♥」
「掃除が終わったら、膝枕してあげますから……もう少しだけ、我慢してくださいね?」
「うん……私、頑張る……♥」
チナの母親になりたいと願っていたはずなのに、チナとのやり取りはリン子の方が小さな娘のようだ。
そのことを自覚しても……少しも悪いことだと思えない。
チナが甲斐甲斐しく店を掃除している姿に、自分の女で妻なのに、新妻を見つめる夫のような気分になって来る。
『──最近はあまり、チナちゃんの話をしなくなったね、リンちゃん。店には、来てくれてるんだろ?』
「え、ええ……あれよ、空気みたいな感じ? 前ほどべたべたしなくなったというか……」
『なんだか夫婦関係みたいだなぁ』
タケシとの国際電話でも、最近のリン子の不自然な様子は感じ取られていた。
あれほど入れ込んでいたチナの話を、あまりタケシにしなくなったからだ。
……言い訳は山ほど用意してあるとはいっても、胸やお尻を揉まれたり、唇を指で摘ままれたりと、話せる内容ではなくなってしまったのも大きいのだが。
『会話中にボーッとしていることも多いし……リンちゃんには働かせすぎたかな。正直、悪かったと思ってる』
「そんな……仕方ないわ。とっても大事なお仕事なんだし」
『いや、実はね……そろそろ日本に戻って、店主に落ち着くつもりでいるんだ』
唐突な告白。
目を白黒させるリン子だったが、単にチナに心を奪われていただけで、タケシへの気持ちが輝きを失ってしまったわけではない。
すぐに妖精の歌声のような弾んだ絶叫をあげてしまい、しかしすぐに慌てて確認する。
「そ、それってどういうこと? タケちゃん、私のこと信用できなくなっちゃった?」
『違う、違う! そうじゃなくて、前回の大会の関係もあって、大きめの組織の摘発があってね。それを機に、日本に戻ろうかと思うんだ。セイがガンプラ布教に関しては引き継いでくれるって話もあるし、いつまでもオジサンがのさばってるのもよくない……ガンプラに限らずガンダム自体がそうだな。これまでリンちゃんに任せきりだったから、ちゃんと夫の務めを果たしたい』
「そういうことだったのね……きっと、セイも喜ぶわ! 日にちが決まったら、また詳しく教えてくれる!?」
殊更に弾んだ声を上げるリン子だったが……胸の内には、不安と恐怖があった。
そんなものない、見えない、感じてない……そう懸命にごまかしながら、リン子はよき妻として夫に歓喜と愛情を伝え続けるのだった。
※
「──そういう訳で、イオリ・リン子、イオリ模型店の店主を退き、普通の専業主婦に戻ります!」
「母さん、マイクを置く仕草はちょっと古すぎて伝わらないよ」
セイも本家のネタはよくわからず、SDガンダムでパロディがあったのを知っている程度であるアイドルネタに苦笑し、しかし明らかに気が急いているのが分かる。セイにとってタケシは一番の憧れといってもよい、ガンプラの師匠であり頼れる父なのだ。
もはや半分アルバイトのような立場にあるチナも、笑顔で「良かったね、イオリくん」とは告げられたが……「良かったですね、リン子さん」とは、どうしても言葉が出てこなかった。
「(私、恐ろしいことを考えてる……リン子さんのこと、自分だけのモノにしたいと、そう思ってるのに気付いちゃった……)」
そして、恐らくだが……リン子もチナのモノになりたいと願ってくれている。
互いの気持ちの相同には気付いていた。
だが……だからこそ、チナは思い悩む。
リン子の家族は、彼女にとっては決して分かちがたい大切な存在。
チナ自身もタケシのことは「素敵なリン子さんの夫」として尊敬しているし、セイは今も大好きな「初恋の人」であるのは変わらない。嫌い合って別れたのではないのだし。
今のご時世、女同士だからどうこうなんて意識はない。クラスメイトのスレッタちゃんとミオリネちゃんなど、堂々と自分たちは花嫁と花婿だと公言しているし、異性愛至上主義者は古い地球人だけの常識だ。
けれど……不貞関係に関しては、恐らく今後どれほど世界が変わろうと、肯定されることはない。
尊敬しているタケシから、今でも忘れられないセイから、妻であり母である人を奪う位なら、自分が気持ちを忘れる方がいい。
それは寂しい結果になってしまうかも知れないが、悲しいことにはならないはずの顛末。
リン子だって強い女性なのだから、すぐにチナのことは忘れて家族に埋没していけるはずだ……。
「(……違う。これはただの言い訳になってる。本当に欲しいものを求めたら、争いになって傷つくこともある。これからもそうしていくの? イオリくんを諦めた時みたいに、大人の女性として成長していって、絵を描いていく中でも誰かの“せい”にして、諦めて過ごすの……? そんなの、生きているって言わない!)」
ガンプラバトル自体は素人のチナだが、世界大会まで観戦してきたのだ。
逃げるのも戦術の内だが、諦めるのは心を殺す行為だ。戦うことになってしまった相手、単純に敵と言えない彼ら彼女らを、自分の命を人質に見くびる行いだ。そんなものを、あの熱い戦いを見届けた自分が選んでいいはずがない……!
セイが「そっかー、父さんがもうすぐ……」と言いながら二階へと上がっていった直後……チナはこっそりとリン子の耳に囁きかける。
耳に少しだけ唇が触れたのは、もちろんわざとだ。
「んひゃっ!? ち、チナちゃっ……」
「今夜、二人きりで話したいです」
リン子がごくりと喉を鳴らす。
セイは今夜から四日間、京都の友人であるヤサカ・マオを訪ねることになっている。
それを駅まで見送った後、時間を自分の為に作って欲しいと願ったのだ。
「(この気持ちに、どこまでも素直でいたい……私が諦めながら、膝を折りながら生きていかない為に)」
そんな真剣なチナの瞳を前に、リン子はただしっとりと秘所を濡らしながら、思考を「カッコいい、カッコいい、チナちゃんカッコいい♥ 大好き、大好き♥」で埋め尽くしながら、頷くことしかできなかった。
そして、運命の夜がやって来る。
※
──その言葉を何処かで予想していたのに、聞いた瞬間に目から随喜の涙が溢れだした。
「私、リン子さんのことが好きです。年の離れた友人とか、イオリくんのお母さんだからじゃない。一人の女の子として、一人の女性のリン子さんを愛しています。イオリくん……セイくんより好きになれる人なんて、現れないと思ってました。まだ中学生なのに、最後の恋だとすら思ってました。けれど、リン子さんが居た……リン子さんが、セイくんよりもずっと、ずっと好きなんです」
セイを駅まで見送った、その後である。
リン子は、何かを予想しながらチナのことを自室へと誘い……そして、予想通りだが回避できない言葉を受けた。
「(ああ、ダメ……♥ タケちゃんに告白された時よりも、私、興奮しちゃってる……あからさまにうれしくなっちゃってるぅ……♥ ダメ、ダメなのに……たまらなく、惹かれてるのぉ♥)」
それは許されない愛だ。
リン子は人妻であり、彼女の元恋人の母親だ。リン子の世代だと、まだ女性同士であることにも抵抗がある。
けれど、そんな風に言い訳が頭に浮かぶ時点で……本心ではチナの告白を嘘無く受け止め、彼女と番になりたいと願ってしまっているのは明らかだった。
「チナちゃん、よく聞いて。私は、イオリ・リン子なの。イオリ・タケシの妻で、イオリ・セイの母親で、イオリ模型店の店主なの……わかる?」
「分かってます」
「本当に? 私は、タケちゃんのことが好き。彼よりも好きになる人なんて生涯いない……そう、思ってた」
言葉の続きは、分かる。チナも同じ告白を、言葉にした後なのだから。
けれど、チナちゃんが居た──。
「リン子さん……」
「チナちゃん……お願い、私のことを奪って……」
「奪うなんて、しません。ただ、素直になってもらうだけです」
二人の唇が、重なる。これまで過剰なスキンシップを重ねてきた二人だが、キスに至ったことは無かった。当然と言えば当然だが。
しかし……次の瞬間、少しだけ身を屈めて、自分より小柄なチナに合わせていたはずのリン子は、ぴーんと足を延ばした状態で全身に電気が走っていた。
「(んむぅぅぅぅぅっ♥ あひゅっ、んはぁぁぁぁ……♥ にゃ、にゃに、これへぇぇ……♥ き、気持ちよすぎるぅぅぅぅっ……♥)」
リン子は既婚者、それも経産婦である。
異性ではあるが、他人と愛し合った経験が豊富な自分がチナを導き、その罪悪感を薄めてあげなければいけないと、そう思っていた。
思っていたのに……チナは、恐ろしいほどのテクニックで以てリン子の口内を蹂躙し、支配し、愛し抜く。
……キスだけで完全にリン子を蕩けさせ、格の違いを教え込んでしまった。
ぐっしょりと濡れたジーパンの股間は、一度ならず絶頂に達してしまった証拠。
それなのに、チナは頬を軽く赤らめているだけで、息を乱した様子すらない。
「リン子さん……これまで、ゆっくり時間をかけて、リン子さんの体が私のになるように触れ合ってきたのに……勝てると思ってたんですか?」
両の頬を掴み、唇から舌を引きずり出して先端をフェラしながら、チナが見下ろしてくる。
その様は、まるで美しい魔女のよう……リン子は、自分が絶対に敵わない強者に“捕食”されるだけの存在だと、その表情に惚れ直しながら思い知らされた。
タケシとの口づけも、性行為も……チナとのキスだけで、累計しても敵わないだけの快楽を仕込まれてしまった。
これと比べてしまえば、タケシとのキスはただ「唇を合わせただけ」でしかなかったと思えるほどの、歓喜と幸福。
チナが口をすぼめて「ふぅ……♥」と甘い息を吹きかける。
たっぷりとフェロモンを含んだそれを吹き付けられただけで、リン子は「ひぅぅぅっ♥」と情けなく叫んで、また達してしまった。
「今日で、私たちの関係は変わっちゃうんですよ、リン子さん……♥ 怖いですか? 私は、とても楽しみですよ……♥」
膝から崩れてベッドの上に座り込んでしまったリン子に、チナが抱き着いてくる。
そうやって肌が触れただけでも軽イキし、耳に軽く息がかかるだけでジーパンの股間の色が濃くなっていく。
もう、何をされてもイッてしまう状態……そんなリン子を、チナが全力で愛し抜いていく。
開発され切った、勝ち確の格付けだ。
「いっ、ひあぁぁぁぁぁっ♥ あっ、あーっ♥」
「んっ……リン子さんのここ、とっても美味しいです……あとからあとから、美味しいジュースが出てくる……♥ 私のこと、歓迎してくれてるんですね……♥」
「あぁぁっ♥ は、恥ずかしいのぉ♥」
ジーパンを脱がされて、下着をズラされた状態で舌を這わされて、延々と舐め続けられる。
クンニされた経験自体はあったが、チナの赤くて小さな可愛い舌が、ここまで己の体に対して特効をもっているなど、リン子は知らなかった。
ちゅっ、ちゅっ……と軽くクリストリスにキスをされただけで、思いっきり腰を突き上げて潮吹きしてしまう。
チナはそれをとがめる風では無く、けれど潮まみれにされたお返しとばかりに、きゅっ……と陰核を指で摘まんだ。
「んひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーっ♥ ご、ごめんなさいっ♥ ごめんなさい、チナちゃぁんっ♥ ゆるしてへぇぇぇぇっ♥」
「許すって、何をですか? こんなに好きなのに♥」
ベッドに俯せにさせると、チナは指を軽く舐め、ずぶっ……とお尻に指を挿入していく。
リン子は白目を剥きかける程に感じて、ひたすら「あーっ♥ あーっ♥」と叫ぶばかりになった。
チナはとっくに、リン子の性感帯が後ろの穴……アナルにあることを見抜いている。後ろと前をわざと左右の指で貫き、ぐちゅっ、くちゅぅっ……と淫らな水音がするまで弄り回す。
「やめへぇぇぇぇぇぇぇぇっ♥ しんじゃふぅぅぅぅぅぅぅっ♥ 気持ちよすぎてしんじゃふからぁぁぁぁぁぁぁぁっ♥」
「どっちがですか? どっちが気持ちいいか、教えて下さい、リン子さん?」
「う、うしろほぉぉぉぉぉぉっ♥ お尻ひぃっ♥ すごく感じちゃうのほぉぉぉぉぉっ♥」
「そんなお上品な言い方じゃ通じませんよ、キャロちゃんじゃないんですから……♥ おマ〇コですか、ケツマ〇コですか?」
敢えて淫らで、下品な言葉を口にさせようとするチナ。
リン子は舌を突き出してアヘオホと喘いでいたが、やがて震える声で応えた。
「け、ケツマ〇コですぅぅぅぅぅっ♥ チナちゃんにケツマンほじられてぇぇぇっ♥ んおぉぉぉぉぉぉーっ♥ イグっ♥ いぎゅぅぅぅぅぅぅっ♥」
「可哀そうなおマ〇コさん……♥ こっちでイオリくんを孕んだのに……リン子さんったら、年下の女の子相手ならマゾなんですね♥」
「しょ、しょお、なのほぉぉぉ……リン子はマゾですぅぅぅ~っ♥ チナちゃんっ♥ チナ様に意地悪く愛されると、イクの止まらなくなる変態なのぉぉぉぉぉっ♥ もっとヤッて♥ いじめて♥ 壊してぇぇぇぇぇっ♥ チナ様にされるのが一番気持ちいいですぅぅぅっ♥」
夫とラブラブだったはずの人妻・リン子。
彼女は今や、この告白を以て完全なマゾレズロリコンと堕ちきった。
それを満足げに見定めると、チナは「いい子ね……リン子♥」と、敢えて呼び捨てにする。
それだけで、リン子はマン汁と腸液を噴き出してイキ狂い……失神寸前で愛の言葉を繰り返すのだった。
「あ゛いっ♥ あいじでまずぅぅぅぅぅっ♥ チナ様っ♥ チナしゃまぁぁぁぁぁぁぁっ♥ しゅきぃぃぃぃぃぃぃぃ~っ……♥」
この夜を境に、二人の関係は完璧に変貌した。
愛し合うレズビアンの婦婦であり──愛しき年下の主人と、可愛い年上隷奴へと。
※
それからの四日間……セイが京都から帰ってくるまでの日々は、本当に素晴らしい感動と愛欲に満ちた日々であった。
例えば、カウンターの中で客からは見えないようにして、土下座しているリン子の頭を、愛情をこめてチナが踏みにじる。
勿論、靴などという無粋なものは履かない……丁寧に、足の指の間まで舐めさせた素足でだ。
「あひっ……んくっ……ひあぁぁっ……♥ いきゅっ……とぶぅぅ……♥」
「リン子、静かに。気づかれてしまったら、どうするんですか? ほら、店の中でラルさんがジオラマを見てますよ……あなたが年下の女の子にいじめられて、潮を噴き出す淫乱人妻だって知れたら、困るのはイオリくんとタケシさんですよ? まあ、そうなったら……私が一生飼ってあげますけどね♥ 誰にもリン子は傷つけさせない……私だけのペット嫁になってもらいます♥」
「~~~~~~~~~~っ♥」
思わず絶叫を挙げて、その境地を堪能したくなり……興奮しすぎて、リン子は鼻血を噴いて失神した。
ちなみに、店内にラルさんは勿論、他の客もいない。
またある時は、店を閉めた直後、シャッターをリン子が締めている間に背後へと忍び寄り、思い切りムチで尻を打ったこともあった。
「ふふっ、この形状、見てください♥ ハンブラビっていうモビルスーツの、携帯用電撃ワイヤーを模しているんですよ……♥ 名前は、ウミヘビっていうそうです……なんだかエッチですよね♥ それを知ってからリン子の尻を見る度思ってたんです……こうやって! 思い切り! 可愛がってあげたいって♥」
「ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♥ 待って、まっでぇぇぇぇっ……♥ しゃ、シャッターの外に、聞こえちゃっ……ほぎゅぅぅぅぅぅぅぅっ♥」
「口答えしたから、二回イカせますね♥ いいとか素敵以外の言葉を口にしたら、増やしていきますから……お尻がおサルさん見たいになる前に、終わるかなぁ?」
「おんほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ♥ チナしゃまっ、チナ様ぁぁっ♥ かっこよすぎでしゅぅぅぅぅぅ~っ♥ しゅきしゅきなのほぉぉぉぉぉぉ~っ♥」
「くすくす……なにを言っているか、ぜんぜん分かりません、二回追加です……♥」
その日は、シャッターに寄りかかるように土下座のポーズで失神するまで尻を打たれ続け、真っ赤になったそこを撫でられるだけでも何十回と絶頂した。
「お、お願いです……お願いです、チナ様ぁぁ……♥ い、イカせてくださいぃぃっ……♥ 玩具じゃイケないんですっ♥ チナ様じゃないといけないですぅぅぅぅ~っ♥」
ある時は、尻穴へとバイブを捻じ込まれ、ずっと弱震動のままで放置された。
チナからの乱暴な愛を受け取るまえならまだしも、今となってはそんな軽すぎる羞恥で体が満たされるはずもなく、チナの靴をぺろぺろと舐めまわし、懸命にイカせてほしいと懇願する。
豊満な体つきの人妻が、哀れにも少女に絶頂へ導いてくださいと甘える姿は、淫靡さ以上に見る者に罪悪感すら与える無様さがある。
そんな無様で愛らしい人妻の顔を、チナは足蹴にしてやると、それだけでもイキかけているリン子に口を開けるように指示する。
「こ、こう、でふかぁ……んべぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ♥」
チナにたっぷりと口の中で転がし、フェロモンをしませた唾液を吐き捨てられ、それを舌で受け止めた瞬間に漏らしながら絶頂するリン子。
その情けなくも淫らな姿に、チナは微笑んで囁きかける。
「好き、好き、すぅき……♥ 私はリン子を愛してる……♥ 結婚しろ、妻になれ……生涯、私だけを愛せ……♥」
虐げられる快楽を享受過ぎて、頭の中が完全に植物レベルの思考に落ち込んでいるリン子は「ふっ……へへっ……♥」と脳にチナの愛情を叩き込まれていく。
二人の結びつきはもう、誰であろうと割り込めないほど強固になっている。
仮に心優しき男であるタケシがSMプレイを実践したとしても、もはやチナには敵わないだろう。チナの印象は、永遠にリン子から消えることはない。
「リン子、誓いなさい♥ 私はお前を、ありとあらゆる苦難から守り抜く……誰が非難しようと、必ず打ち勝ち、リン子の名誉を守ってあげる……だから誓いなさい、お前も♥ この繋がりを決して離さない。イオリ・タケシより、イオリ・セイより、コウサカ・チナを選ぶと、その口で告げるの♥」
「ち、誓い、ますぅぅぅ……リン子はチナ様以外、もうどうでもいいのぉぉぉぉぉぉぉっ♥ がべべべべべべべべべべっ♥」
絶叫をあげたリン子の顔に、チナが小水をかけるだけで、リン子は幸福の極みという表情でイキ狂うのだった……。
※
「──それじゃあ、準備して帰ることにするよ。ありがとマオくん、落ち着く時間をくれて。父さんもきっと……分かってくれるよね」
※
──その日は、イオリ・セイが京都から戻る日、そしてイオリ・タケシがイオリ模型店に帰ってくる日である。
道すがらであったと言って、セイとタケシがくっつきあって戻ってくるのを、チナとリン子が見つめていた。
「ははは、俺の後を継ぐなんて嬉しいことを言うから、どれだけ成長したのかと思ったら、まだまだ子供だな、セイ」
「父さんへの家族サービスだよ! こういう時間、全然取れなかった父親に気を使ってるだけだって!」
「こいつめ!」
じゃれ合う父子を見つめながら、しかし、かつて愛した男たちはもう、二人にとっては心を燃やす対象ではあり得なかった。
好感は今以てある。彼らの名誉が傷つけられれば矢面に立って怒るだろうというくらいの、情もある。
しかし、伴侶ではあり得ない。リン子にはチナ様しかいないのだと……まざまざと感じさせられた。
「タケシさん、大事な話があるの」
「なんだい、リンちゃん、急に。ちょっと荷物を置かせて休ませてほしいんだけど……」
「あのね……あのね──」
続きが、出てこない。怖い、とても。
家族に軽蔑される恐怖と、自分を構成していたものが崩れてしまいそうな恐怖。
それに晒されて、何も言えなくなるリン子の唇を、激しくチナが奪った。
場の空気が凍り付く中、チナの愛撫でリン子の喘ぎ声だけが熱を帯びていく。
それは、セイの見たことのない“オンナ”を丸出しにした母親の姿であり、タケシもまた見たことが無い……妻の幸福と充足の光景であった。
「リン子──気持ちを告げなさい」
「は、はひぃぃっ……♥ ごめんね、二人ともぉっ♥ タケちゃんの奥さんだった日々も♥ セイのお母さんだった日々も♥ 幸せっ♥ 最高に幸せだったのぉぉぉぉぉっ♥」
チナに尻肉を揉み上げられ、お腹を押されて体外からポルチオ刺激を受けているという異様な状況ではあったが、リン子の言葉には真実の響きがあった。
しかし、カリカリ……と乳首を爪弾かれながらの言葉の熱量は、それとは比べ物にならないほど、強い。
「けどっ、けどぉぉぉぉっ♥ チナ様のくれる幸せは♥ 喜びはぁぁっ♥ そんなの比べ物にならないぃぃぃっ♥ 他の幸せなんて、相手にならないのぉぉぉぉっ♥ 私はチナ様が好きっ♥ 好きぃぃぃぃっ♥ リン子は夫と息子を捨ててっ♥ チナ様のお嫁さんになりますぅぅぅぅぅぅっ♥ この体も心もっ♥ もうチナ様だけのもので居たいのぉぉぉぉぉぉぉぉっ♥」
言ってしまった。告白してしまった。
かつて愛した最高の男たちが“敵”になる……それも圧倒的にこちらが悪いという状況に、リン子は震え、チナは挑戦的な瞳でセイとタケシを見つめる。
「……いや、驚いたな。本当に……俺の勘が当たってるんだから」
「え?」
タケシは醜く顔を歪めて怒鳴り散らすどころか、ぽりぽりと頬を掻いてどこか「申し訳なさそうな」顔すらしていた。
セイの方を見ても、タケシをせっついて「父さん、あれ」と告げる。その姿は、いつも理知的で冷静な彼だ。
流石にこの展開は予想しておらず、チナも元の奥手で優しい中学生の少女の顔になってしまうが……そんな彼女たちに向かって、タケシがカバンの中の緑の紙を取り出す……それは、離婚届だった。
「た、タケちゃん、これって!?」
「……悪い、こっちから本当は切り出すつもりだったんだが……実は、チナちゃんをリンちゃんが好きになってるの、気づいてたんだよ」
「えぇぇぇぇぇぇぇーっ!?」
「惚れ抜いた女の変化が分からないほどは、野暮天じゃあないつもりさ。通話の中でも、チナちゃんこそが“最愛”になってることは、もう分かってたんだ……それで、実はセイにだけこっそり連絡してたんだが、セイも気付いてるって言うじゃないか」
「せ、セイくんも!?」
セイは苦笑しながら「アレは気付くよ……」と頬を掻く。要するにセイは、流していたのではなく、二人の変化を受け止めて、そして対策をしていたということだろう。
「流石に、この話をするのに覚悟がいると思って、マオくんのところでちょっと落ち着かせてもらったんだ。ほら、あそこお寺だし」
「それで、俺と示し合わせて帰ることにしたんだが……途中で役所に寄って、これもらってきた。いや、正直さすがに泣いてすがったりするんじゃないかって思ってたんだが、完敗だ! こんなの見せられたら、俺よりもずっとリンちゃんを幸せにしてる姿を見せられたら……兜を脱ぐしかない。ありがとう、チナちゃん」
傷つけて当然の行為をしたのに、お礼を言われる状況に、チナは「あ、はい、こちらこそ」という、よく分からない対応を返してしまう。
そんなチナに……元恋人に対して、セイは告げる。
「委員長……ううん、コウサカさん。喜びなよ。僕も父さんも、祝福するって言ってるんだから」
「……セイくん、ありがとう! リン子! あなたは、これで晴れて私の奥さんよ!」
「チナ様ぁぁぁっ! あぁぁっ! ありがとう、ありがとう、二人とも! 大好きよ! おほぉぉぉっ……♥ も、勿論、チナ様が一番でしゅぅぅっ……♥」
口を滑らせて尻を弄られ、マンイキさせられるリン子。
その姿を当事者の誰もが穏やかに見つめながら……こうしてリン子とイオリ家の「離縁」は成された。
※
その後の事を少しだけ触れておこう。
イオリ模型店は、当然ながらガンプラ愛に満ちたタケシの経営によって爆発的な成功を納め、最終的に六階建てのビルになった。
これはセイが世界中を回り、ガンプラ布教をすると共にイオリ模型店を売り込んでいるからで、今や世界のあちこちで「ガンプラ買うならイオリ模型店」は常識となりつつある。
いずれも、リン子やチナと共に居た時には得られない成功と発展であった。
タケシもまだ若く、セイに至っては未成年。言いよる女性は山ほど居るようだが、二人ともしばらくは恋愛に興味はないらしい……それは、全力でガンプラ道を追求できるということだった。
一方、そんなイオリ模型店(ビルVer.)の看板のデザインをしたことでも知られるコウサカ・チナは、美術系の高校を卒業すると共にリン子と結婚。
既に婚約はしていたが、中学校時代の友人であったレンブラン婦妻に仲人を頼み、リン子は正式にコウサカ・リン子となった。
なお、この時に何故かキャロがボロ泣きして「絶対……じあわせに、なってくだざいねぇぇ……」と手を掴んで懇願してきた。
既にこの時点でニールという良い人が居たとはいえ、キャロはこの時にようやく、初恋が悲恋に終わったのを自覚したのだろう。
チナは画家として順調に大成し、来年にはパリで個展を開くという話になっている……本来の歴史より、一年早い開催であった。
「リン子は当然、私と一緒にパリへ行くわよね?」
「はひっ♥ チナ様のあるところ、どこへでもゆきましゅっ♥」
首輪と鎖を付けられた……鈴をつける位置に結婚指輪があしらわれている……リン子が、尻をぐりぐりと踏みにじられながら、チナの質問に快諾する。
それは、チナとセイ、リン子とタケシにはなかった関係性……ガンプラ優先ではない、お互いを第一に想い合う関係だからこその、幸せな風景だった。
今でもチナとセイ、リン子とタケシは親しい友人であり、旅先のセイはパリ古典の話を聞きつけ、次の目的地をフランスに定める。
これからもイオリ家とコウサカ家は、この街の……いいや、日本の誇りであり続けるだろう。
全員が新たな幸せを“創造”した形で……物語は静かに終わっていく──。
《終わり》