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江戸山乱理
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『昼下がりの全裸身体測定』(3)

『昼下がりの全裸身体測定』(3) 41  しかし、先生は、 「こういうことをするのも、保健委員としての職務のうちよ」  と一言言うと、それだけで杏梨の態度はガラリと変わった。 「保健委員としての職務か……」  とつぶやくと、躊躇をふりきったように、真剣な顔つきになった。 「わかりました。先生、私、やります」  杏梨は言い切った。 「よし、杏梨ちゃんは、いい子ね」  先生は杏梨にニコリとした。そして、うって変わって怖い顔になって、 「智史君。杏梨ちゃんがお仕置きしてくれるから、また屈んでいなさい」  と語気を強めて言った。智史は、 「は、はい……」  と言いなりになって、再びパイプ椅子の座面に手をついて、お尻を突きだす姿勢を取った。 「杏梨ちゃん、左足は前にして、手はこうして構えて」  先生は杏梨に叩き方を手取り足取り教え始めた。 「こんな感じで振り下ろせばいいですか?」  杏梨は教鞭を空中でヒュンヒュンと鳴らした。 「そんな感じね。じゃあ、実際に一回打ってみて」 (も、もう?)  智史はゴクリと固唾を飲んで身構えた。杏梨は教鞭を上段に構え、一瞬止まると、勢いよく振り下ろした。教鞭はよくしなって、ビシッと智史のお尻を打った。智史は、 「んっ」  とうめいた。杏梨自身も教鞭の威力に驚いて、 「おおっ、これって、すごい」  と声を上げた。 (うう、先生がするよりも杏梨の方が強いな。もうちょっと手加減してくれよ……)  智史は密かに思った。しかし先生は無情に、 「お尻叩きなんて、簡単でしょ。じゃあ、後はその調子で続けて」  と焚きつけた。 「はい」  杏梨は元気よく返事して、すぐに二発目と三発目を打った。しかし、智史は「あんっ」とか「うんっ」とか、痛々しそうにうめくので、杏梨は少し心配になったようだった。 「先生、こんなに強く叩いて大丈夫なんですか?」 「智史君は大げさに痛がってるけどね、お尻なんて、多少打たれても、そんな痛いもんじゃないよ」 「そうなんですか。なぁんだ、私、本気にしちゃった」  杏梨は安心して、再び張り切って元気よく、教鞭を振りかぶった。杏梨はテニス部ということもあって、教鞭を巧みに操って、智史のお尻をビシバシと打った。手首のスナップを利かせて叩くと、教鞭は智史のお尻に深く鋭く食い込んだ。 「ああんっ・・」  ついに智史は嗚咽混じりの声を上げ始めた。 「智史君、泣くのは我慢しなさい。これはお仕置きなんですからね、わかりますか?」  杏梨は教師のような口調で語りかけた。智史も涙声で、 「は、はい」  と辛うじて答えたが、それは先生に答える時のように、敬語になっていた。 (ああ、僕は同級生の女子にお仕置きをされて、教鞭でお尻を叩かれてる……)  そう思うと、お尻への刺激はさっきと同じはずなのに、今度は逆に、おちんちんはキュッと固くなって、上を向いてそそり立った。  六章 替えの下着選び 42 「杏梨ちゃん、もうそれぐらいでいいよ」  佐井先生は言って、夢中になってお尻を叩いている杏梨を止めさせた。 「あ、もういいんですか」  杏梨は素直に教鞭を先生に返したが、どことなく物足りなそうな顔をしていた。一方の智史は、二十回程も叩かれて、息も絶え絶えで、 (ようやく終わった……)  と一息ついた。智史はグッタリとなって、お尻を突き出して屈んだままの姿勢だったが、その背後で、先生は杏梨に今からどうするかを話した。 「じゃあ、後は杏梨ちゃんに任せるよ」 「わかりました」 「これ、渡しておくね。保健室に智史君を連れて行って、替えをはかせてあげて」  先生は杏梨にヨレヨレのブリーフを渡した。そして、智史に向かって、 「智史君、杏梨ちゃんの言いつけにはちゃんと従うのよ。いいね?」  と念を押した。智史は、 「はい」  と言うしかなかった。 「じゃあ、頼んだよ」  先生は言い残して、その場を後にした。二人は軽く一礼し、先生の姿が向こうの衝立の中へ消えて行くのを見送った。  智史と杏梨は、ようやく二人きりになって、同時にフゥと溜息をもらした。 「智史君、お仕置き終わって、よかったね」 「……」  智史の本音としは色々と複雑だったが、依然として全裸だったので、とりあえずは、ブリーフぐらいははきたいと思った。杏梨の手に握られている自分のブリーフを返してと言おうとしたが、杏梨はそれを制するように、 「智史君、お尻、大丈夫?真っ赤になってるよ」  と自分が叩いた智史のお尻の心配をした。 「え、そんなに?」  智史は上半身をひねって自分でお尻を見ると、自分でも驚くほどに、そこら辺りは赤くなっていた。 「痛い?」 「いや、痛くはないよ」 「ほんとに?」 「うん、でも、ちょっと熱くなってる気がする……」 「へぇ、どんな具合か、ちょっと触らせてよ」  杏梨は返事もまたず、智史のお尻にペタリと手の平を当てた。 「うわっ」 「どうしたの。そんなに驚かないでよ。ちょっと触っただけじゃん」  杏梨はお尻を教鞭でビシバシ叩いた後なので、そこに触るぐらいは全然頓着しなかった。しかも、触れるだけではなく、お尻の表面を愛撫するようにナデナデした。智史はくすぐったいというよりも、ゾクゾクと変な気持ちになって、 (ふあぁ……)  と声をもらしそうになった。 「このへん、ちょっと温かいかも」  杏梨は言いつつ、その指先はお尻を撫でるというよりも、モミモミと揉み始めた。その刺激は中途半端でもどかしく、智史の心に中に、 (どうせそんなことするなら、もっと強くして欲しい)  という気持ちが芽生えた。 43 「ふふ、智史君のお尻、柔らかいね。それに女の子みたいにキレイ」 「杏梨、いい加減にして。もうブリーフ返してよ」 「このブリーフ、返してほしいの?ダ~メ」  杏梨はそれを掲げてニヤニヤした。 「なんで?」  智史はムキになって訊いた。 「だって、先生の言いつけだもん」 「じゃあ、どうするんだよぅ」  智史は怒りたいような、泣きたいような気持ちになった。 「さっきの話、聞いてたでしょ。今から保健室に行って、そこで着替えるのよ。替えの下着があるはずだから」 「それはいいけど、でも、保健室に行くのはどうするんだよ?」 「このまま、行くのよ」 「このままって、裸のままで?」 「そうよ」 「は?」 「じゃあ、行こうか」  杏梨は智史の手を取って、さっそく連れて行こうとした。 「ま、待って……」 「何よ?」 「だって、僕、こんな格好じゃ……」 「だから、保健室に替えを取りに行くんでしょ」 「そんな……」 「グズグズしてると、次のクラスの子が体育館に来るよ?それに、あんまりイヤイヤしてると、またお仕置きだよ」  杏梨は手を振り上げて、お尻を叩く真似をしたので、智史はたじろいだ。 「わ、分かったよ。でも、ほんとは、僕、こんなのイヤなんだよ……」 「はいはい、いい子だからね、一緒に行きましょうね」  杏梨は再び教師口調になって、嫌がる智史の手を取って、半ば力づくで体育館から外へ連れて行った。 44  杏梨は一方の手では智史の手を握って、もう一方の手ではブリーフをぶら下げて、二人一緒に体育館の玄関へ向かった。 「智史君、ちゃんと付いてきなさいよ」  裸体の智史は素直に「うん」と返事しつつも、 (こんなふうに手を引かれるのって、小さい子供みたいだな。杏梨のやつ、教師面というよりも母親面してるみたいだな……)  と内心ではちょっとした不満を感じた。  ブリーフをはかずに裸で歩くと、おちんちんは一歩ごとに前後左右に揺れた。杏梨は時々振り返っては、智史のその部分を上から目線で見下ろした。特に恥ずかしがりもせず、「ふふ」と微笑んだりした。 (そんなにジロジロ見るなよ。女子なんだから、ちょっとぐらい遠慮しろよ)  それも智史は不満だった。  体育館の玄関に立って、渡り廊下を前にして、智史は怯んだ。そこは屋根があるだけで、それ以外は屋外と変わらなかった。 (うう、おちんちん丸出しで外を歩いていいのだろうか?) 「恥ずかしい?」  杏梨は当たり前のことを訊いた。 (そりゃそうでしょ)  智史は言いたいのを堪えた。 「どうするの?」  杏梨はニヤニヤして、「行くも行かないも君次第だよ」という顔で訊いた。 「……行くよ」  智史は意を決して、エィッと気合を込めて、玄関から外へ踏み出した。外はポカポカの陽気で、真昼の太陽の日差しが智史の全身を照らした。普段直接には日光の当たらないおちんちんは白日の下に晒された。 (ああ、僕、裸で外を歩いてる……)  外気がおちんちんに当たる感覚は新鮮だった。  智史は周囲をキョロキョロと見渡した。この場所は校舎や校庭からだけでなく、近隣の住宅やマンションからも見える場所なので、誰か見ていないかが心配だった。ただ現時点では、校内にも校外にも人影は見当たらなかった。  智史は周りを気にしながら、恐々と一歩ずつ進んだが、それを横から見ていた杏梨は、 「今、他のクラスは授業中なんだから、誰も来ないよ。そんな怖がらなくてもいいじゃん」 と教えた。 (なるほど。そう言えばそうか)  智史は少し気が楽になった。しかし、やはり心配は心配で、校庭のフェンスの外を眺めていると、数十メートル先の民家の二階の窓に人影があった。それは長髪の女性のようで、その人は智史たちをジッと見ていた。 (あっ、あんなとこに人がいる。うう、見られてる。体操服姿の女子と裸の男子の取り合わせって、どう思われてるんだろう……。この学校の厳しさは、この地域にも知られているから、『ああ、またか』という感じなのだろうか……)  智史は色々と悩んだが、かといって、今のできることは何一つなかった。智史は知らないふりして、杏梨にも黙って、前を向いて歩いた。 45  渡り廊下を行って、校舎の中に入った。保健室は校舎の端にあるので、まだ数十メートルの距離があった。  智史はオドオドしながら、廊下を早足で歩いて、曲がり角ごとに立ち止まって、その先に誰かいないかを探った。 「大丈夫、大丈夫、誰もいないよ」  杏梨は、そんな智史を宥めては、引き摺るようにして、進んで行った。 (もしも誰かが来たらどうしよう?)  智史は思った。杏梨は、それが聞こえたように、 「ねえ、智史君、もしも今ここで誰かに見られたら大変だね。後輩とかに会ったら、先輩としての面目、丸潰れになるね」  などと言って、怖がらせた。  杏梨の口調は冗談ぽかったが、智史はちょっと真剣に、行きしなに偶然会った後輩の典子のことを思った。 (もしも、今、典子に会って、僕の裸を見られたら……)  もちろん、そういう展開に恐怖はあった。しかし、正直なところ、嫌悪は感じなかった。むしろドキドキするような興奮を覚えて、そうなってもいいという期待さえ抱いた。  智史は頭の中で、現実にはあり得ないような空想を繰り広げた。その中では、典子は普段通りの制服姿で、全裸の智史を見て、驚きの声を上げた。 「先輩、どうしたんですか?さっき会った時はブリーフ一枚で、今はフルチンじゃないですか」 「身体測定に遅刻した罰で、脱がされたんだよ」 「へえー、運が悪いですね。それにしても、先輩のそこって、意外に小さいんですね」 「ジロジロ見るなよ」 「そんなこと言わずに見せて下さいよ。せっかくの機会なんですから。先輩、男のくせに恥ずかしいんですか?。ちょっと触りますよ」 「や、やめろぉ」 「あれ?なんか、触ってたら膨らんできたんですけど。でも、それにしてもまだ小さい方ですね。これで限界なのかな。先輩、剥くことってできます?」  智史は興味津々の後輩におちんちんを弄ばれるという妄想に耽っていると、実際におちんちんはムクムクと勃起し始めた。 (こんなふうに勃起したのを典子に見てほしいなぁ……)  後輩の女子の目の前に全裸を露出するという禁断の行為を、智史は心の奥で密かに思い描いた。それによって勃起はさらに激しくなって、廊下の真ん中を裸で歩きながら、おちんちんはそそり立った。 「智史君、どうかした?」  杏梨は突然振り返ったので、智史は白昼夢からハッと我に返った。隠す間もなく、大きくなったおちんちんを杏梨にしっかりと見られた。 (あっ、しまった)  智史は焦った。しかし、杏梨はニコッした笑顔を見せただけだった。  少しの沈黙の後、杏梨は話しかけてきた。 「ねえ、智史君、もし違ってたらゴメンだけど、さっき私がお尻を叩いた時も、おちんちん、大きくなってなかった?」 「え?な、なってないよ」 「ほんとに?勃起してるように見えたけど?」 「それは違うと思う……」 「ふーん、じゃあ、私の勘違いか。ふふふ」  昨日までは、杏梨も普通の女子と同じで、おちんちんとか勃起なんて言葉を軽々しく使うことはなかった。しかし、それが、今日のお仕置きの手伝いをきっかけとして、ずいぶん変わってしまった。一応は男子である智史に遠慮するという気持ちは、杏梨の中からすっかり消えてしまったようだった。  智史はその変化を薄々と感じ取ってはいたが、今の話しぶりを聞いて、 (ああ、やっぱり、そうか)  と改めて再確認した。 46  幸か不幸か、結局は誰にも会わず、二人は保健室までたどり着いた。  智史は保健室の扉の前に立って、ホッとしつつも、 (オドオドして損した。どうせなら、もっと堂々と歩いて来ればよかった)  と急に強気になった。  杏梨は扉を開けて、保健室の内部をうかがった。 「誰もいないみたい」  とつぶやいて、無人の保健室の中へズカズカと踏み込んで行った。続いて智史も中へ入ると、保健室特有の薬品の匂いが鼻をうった。  保健委員の杏梨は勝手知ったる様子で、さっそく壁際の戸棚を開いて、中の備品をあさりだした。 「智史君、ちょっと待ってて。今、替えの下着を探すから」  さっきまで繋いでいた手を離され、一人放置された智史は、手持無沙汰になって、滅多に来ない保健室の内部を珍し気に眺めたり、窓から外の景色を見たりしていた。 (ようやくブリーフをはける)  智史は思いつつも、これまで長時間おちんちん丸出しで過ごしていたので、裸でいることに慣れっこになっていた。そんな心境の変化には自分でも驚いた。もちろん、杏梨の前ではそんな素振りは見せず、早くブリーフをはきたいという顔をしていた。 七章 塗ったり拭いたり 47  しばらく智史は待っていたが、杏梨はまだ戸棚の中をかき回して探していたので、少し心配になって、背後から声をかけた。 「ねえ、杏梨、替えのブリーフ、まだ見つからないの?」 「もうちょっと待って」 「そこにあるんだよね」 「あるはずなんだけど」 「ほんとに?」 「うーん……。女子用の下着なら、何枚もあるんだけどね。ほら、こんなの」  杏梨は振り返って、いきなり一枚の下着を広げて見せた。それはリボンのついたピンク色の可愛いショーツだった。女子のショーツを顔の間近に突きつけられて、智史はたじろいだ。 (おおっ、女子のパンツだ。学校で下着を汚した女子はこんなのをはくのか……) 「もしブリーフがなかったら、これで我慢してくれる?」 (えっ、マジ?)  智史は何気なく、それに手を伸ばすと、杏梨は、 「ちょっと、冗談だよ。本気にしないでくれる?あはは」  と笑いながら、それを引っ込めて、元の場所に仕舞った。 (なんだよ、人をからかって。まったく……)  智史はむかっ腹を立てた。 「こっちの引き出しかな?おっ、あった。男子用はこんな所にあったのか。結構たくさんあるよ」  杏梨はようやく見つけて、明るい声を上げた。その中から一枚を取り出して、ヒラヒラ広げて、智史に差し出した。それは見慣れた白一色ブリーフではなく、青色の縁取りに縞模様が入っていた。 「なんか派手なブリーフだな。それって子供用じゃないの?」 「どうかな。えーと……、サイズは160センチって書いてあるから、智史君の背丈ならピッタリでしょ」 「身長はそうだけど……」  自分がはける大きさで、そういうブリーフが存在するとは知らなかったので、智史は手に取ってしげしげと見つめた。 「じゃあ、こっちの方がいい?」  杏梨は引き出しから、もう一枚取り出した。そのブリーフは水色の布地に全体的にイラストがプリントされていて、派手というよりも、幼稚な感じがした。普段は白色のブリーフを愛用している智史からすれば、そんな凝ったデザインのブリーフはみっともなくて、はく気にはならなかった。 「僕、普通の白ブリーフがいいんだけど……」 「うーんと……、真っ白なのは見当たらないなあ。じゃあ、これはどう?」  それは腰ゴムが緑色で、後はワンポイントがついているぐらいで、比較的まだ地味だった。しかし、智史はそのブリーフも気に入らなかった。 「これもイヤ」 「智史君て、結構そういうの、気にするんだね。でも、今は裸んぼうなんだから、着られれば何でもいいじゃない?」  杏梨は智史のそのような我儘に対して、少し不機嫌な顔になった。しかし智史は鈍感で、その変化に気付けなかった 48  智史は気に入るブリーフを自分で探そうと思って、杏梨の横にしゃがんで、引き出しの中をのぞきこんだ。そこには下着類が綺麗に折りたたまれて、ぎっしりと詰め込まれていた。 (これが保健室の替えのパンツというやつか。それにしても、数が多すぎないかな?男子で下着検査でひっかかるとか、粗相する奴が、意外にたくさんいるってことだよな……。まあ、もっとも、僕もそのうちの一人なんだが……)  近く見たらすぐに分かったが、それらは全部、新品ではなく、使い古されたものだった。貸し与えるだけで、その後は洗濯して返却させているらしかった。そういうやり方をしているから、今では見掛けないようなレトロ調のダサいのブリーフが、未だに保管されていたのだろう。 (僕のはくブリーフも、同級生の誰かがはいたかも知れないってことか。そう考えると、なんか変な気分だな……。それにしても、なんでこんなに派手で幼稚なブリーフばかりなんだろう……)  替えのブリーフだと判別できるようするためとか、保健室の先生の趣味だからという以上に、もっと腹黒く意図的なものを、智史はそこから感じ取った。粗相して下着を汚すなどは幼い子供と同じだから、罰とかお仕置きという意味で、あえて幼稚な絵柄のブリーフを用意しているのではないかと、智史は疑った。  ただ、その事情が何であれ、ともかく今は、この中からどれかを選んではくしかないので、智史はあれこれと見比べて、ましなブリーフを探した。 (あ、これがいいかな)  智史は一枚の良さそうなのを見つけて、手に取った。しかし、そのブリーフは、お尻の部分にでかでかとバックプリントがあったので、また元に戻した。杏梨の急かすような視線を横から感じながら、焦って探したが、純白のブリーフは見つけられなかった。やむえず、智史は、 「じゃあ、これにする」  とワンポイントだけの地味なブリーフで妥協した。 「それでいいの?こっちの方がおしゃれだと思うよ」 杏梨はさっきの派手なブリーフを勧めてきたが、智史は、 「いや、僕はこれにする」  と言って、自分の意見を主張した。杏梨はそれ以上の口出しはしてこなかった。 49  智史は早速そのブリーフをはこうと思ったが、その前に一応は、 「じゃあ、これ、はいていいよね?」  と杏梨に確認を取った。当然、「いいよ」という返事が戻ってくると思ったのに、杏梨は、 「ちょっと待って」  と言って、止めた。 「えっ、なぜ?」 「その前に、これを塗らないと」  いつの間に調達していたのか、杏梨は丸くて小さいプラスチック容器を智史に見せた。それは何かの薬らしかった。 「それは?」 「これはね、スキンオイルだよ」 「スキンオイル?」 「肌に塗る薬だよ。これを塗るのよ」 「僕に?」 「そう。智史君のお尻にね。ふふ」 「えっ!?」  智史は耳を疑って、思わず叫んでしまった。しかし、杏梨は普段と同じような態度だった。 「智史君、お尻を叩かれて、皮膚が真っ赤になっちゃったでしょ。これ塗っておいた方がいいよ」 「そ、そうかな……」 「うん、絶対そうだよ」 「うーん、どうしようか……」  態度を決めかねている智史だったが、杏梨は、 「じゃあ、お尻を向けて」  と早速塗ろうとして、智史を後ろ向きにさせようとした。 「杏梨、ちょっと待ってよ……。まだ僕は塗っていいとは言ってないぞ」 「そうだ、あそこでしよう。そこの診察台の上に乗って」 「ほんとにするの?」  杏梨は、智史の抗いには全く聞き耳を持たず、背中を押し上げるようにして、智史を診察台の柔らかいクッションの上に乗せた。診察台で両膝立ちになっていた智史に、杏梨は、 「両手をついて」  と言って、その上で四つん這いの格好にさせた。 「こ、こう?」  智史は不満気な顔をしつつも、言われた通り素直に従った。  杏梨はスキンオイルの容器のフタを開けて、中身の白い軟膏を指先ですくって、智史の顔に近付けた。甘い香りが周囲に漂った。 「ほら、これだよ。いい匂いでしょ。じゃあ、塗るから、ジッとしてて」 50  杏梨は、四つん這いになっている智史の足の方へ回った。 (あわわ、真後ろから見られている……)  智史はそう思うと、お尻の穴がキュッと締まった。全裸でおちんちんをイヤという程見られた後だが、そんな場所を見られるのはやはり恥ずかしかった。智史は身を起こして、そこら辺を手で隠そうとしたら、後方から杏梨は、 「ねえ、智史君?」  と思わせぶりな口調で話し掛けてきた。 (なんだ?)  智史はとりあえず聞き耳を立てた。 「智史君、さっきのお仕置きの時、佐井先生、強く叩きすぎだったよね?そう思わない?」 「うん、確かにそうだったね」  智史は答えた。しかし、「杏梨の方が、力は強かったけどね」というセリフは飲み込んだ。 「でも、その後で私がした時も、ちょっと強く叩き過ぎたかなって思うの。だって力加減がよくわからなくて……」 (なんだ、そういう自覚はあったのか) 「あの直後は、お尻、真っ赤になってたもんね。今は大分マシになってるけど、まだ赤みが残ってるもの」  杏梨は顔を近付けて、智史のお尻をジッと観察した。 (そんなに間近で見ないでよ……)  智史は思っていると、杏梨の指はお尻をスッと撫でた。 (わっ) 「触ったら痛い?」 「いや、全然痛くないよ」 「じゃあ、よかった。でも、一応はこれ、塗っておくね」 (うーん、それって、悪い事をしたからという罪滅ぼしのつもりなのかな……?。じゃあ、ここは、杏梨のしたいようにさせてやろうか……)  オイルをつけた杏梨の指がお尻に触れて、スゥーとお尻の表面を滑った。 (はわわ)  そのくすぐったいような感触で、智史は背筋がゾクゾクして、「ああ……」と声がもれそうになった。  しかし、杏梨は、智史の気持ちなど意に介さないように、お尻の上で指を縦横に動かし、ペトペトとオイルをお尻全体に伸ばした。右のお尻から左のお尻へ進み、さらにお尻の谷間へ入り込んで、指先が肛門に当たりそうになった。 「あ、杏梨、そこは……」  智史はくすぐったさと恥ずかしさに耐えかねて、起き上がろうとしたが、杏梨はすかさず、 「智史君、ジッとしてて」  と言って、智史の後頭部を手の平で抑えつけた。智史は四つん這いのまま、顔面を枕に押しつけられた格好になった。 (ああん、それ以上、奥に行ったらダメェ……)  智史は思わず、泣きそうになって、その屈辱に耐えていたが、その感情とは裏腹に、おちんちんは固くなり始めた。 (うう、なんで、こんな時に勃起しちゃうんだ……。大きくなるな……)  そのような願いも虚しく、おちんちはそれ自体の意思を持つ生き物のように、最大限の大きさにまで勃起した。 (どうしよう。後ろから、杏梨に勃起をのぞかれてないかな?もし見られたら、どう思われるんだろう。呆れられるのか、笑われるのか……)  しかし、智史には振り返って、それを確認する勇気はなかった。おでこを診察台の枕につけたまま、オイルをお尻に塗りこまれるに任せていた。  ふとした拍子に、杏梨の指は勢いあまって、後ろからたまたまを裏からツンと突いた。 「わうっ」  智史は油断していたので、思わず叫んだ。 「あ、ゴメン、ゴメン。ふふ。この辺にも塗っておくね」  杏梨は笑いながら謝った。その後も杏梨は長い時間をかけて、智史のお尻から内ももにかけて、じっくり丁寧にオイルをすり込んだ。 51 「よし、こんなもんかな」  杏梨は終了の合図のように、智史のお尻をピシャピシャと叩いた。 「終り?」 「うん、もう降りていいよ。でも、オイルが乾くまで、ちょっと置いた方がいいから、しばらくそのままでいてね」  智史は診察台から降りた。恥ずかしさと、血が頭に上ったのとで、赤い顔でうつむき加減に立った。見下ろすと、おちんちんはまだ勃起していた。  杏梨はスキンオイルを戸棚にしまって、部屋の隅の洗面台で手を洗うと、智史の所へ戻ってきた。  二人は手持無沙汰で向き合った。杏梨の視線は智史の勃起したおちんちんに注がれていた。 (ううっ、真正面から、見られている……)  しかし、おちんちんは縮こまるどころか、見られることで、さらに大きく勃起した。その変化を愉しむように、杏梨は穏やかな微笑を浮かべていた。 (おちんちんがこんなになってるけど、杏梨はニコニコしている……。軽蔑なんかはしていないようだな……)  それはまだしもの救いだった。しかし、杏梨のその謎めいた微笑は、それはそれで気掛かりだった。自分のおちんちんを凝視している杏梨の様子を、智史は注意深く観察した。  杏梨は「はて?」というように、可愛らしく首をかしげて、「うーん」とうなって、「そうか」と何かを一人合点したようだった。 (杏梨のやつ、また何かをするつもりなのか?今度はなんだろう……) 「智史君」  杏梨は口を開いた。 「は、はい」  智史は反射的に答えた。 「智史君、そっちの処置も必要だね」 「そっち?」 「うん。そのおちんちんのことよ。ちょっと、待ってて」  まだ状況をよく飲み込めていない智史だったが、杏梨は戸棚から何かのビニール包みを取り出して、それを見せながら、近寄ってきた。 「このウエットティッシュで、智史君のおちんちんを綺麗に拭いてあげる」 (おちんちんを拭く……?)  いきなりのことで、智史はつい怯えて、後ずさった。そうすると、その分だけ、杏梨も距離を詰めてきたので、とうとう智史は部屋の壁に背中をつける位置にまで追い詰められた。 52  壁際に立っている智史の前で、杏梨は膝をついてしゃがんだので、ちょうど杏梨の顔の位置に勃起したおちんちんが突きつけられる形になった。しかし杏梨は表情を変えず、それをじっと見ていた。 「あうっ……」  逆に智史の方が恥ずかしくなって、横歩きで逃げようとしたが、杏梨はその手をつかんだ。 「メッ」  杏梨は幼い子供を叱るようにして、智史を大人しくさせると、ビニールの包装からウエットティシュを一枚取り出し、それを左手に持つと、次は、右手の親指と人差し指で、むずとおちんちんをつまんだ。 「わわ」 「智史君、ジッとしてて」  杏梨はウエットティッシュをおちんちんの先端に当てた。 「冷たい……」 「大丈夫、やさしくするから」  その言葉の通り、杏梨はおちんちんの先端を包皮の上からトントンと優しく叩くように拭いた。  さっきから杏梨の態度はずいぶんと強引だったので、おちんちんの包皮を無理矢理引っぱって、ズル剝けにされるのではないかと心配していたが、それは杞憂に終わった。智史はひとまずホッとして、杏梨のやり方を上から観察していると、その手付きは、何となくぎこちないように見えた。杏梨はおちんちんを指先で遠慮気味につまんでいるだけで、包皮を剝くとか、そういう類の知識も持っていない様子だった。 「ねえ、杏梨、こういうのって、今までにしたことある?」 「ううん、初めて。でも、イトコの子には、したことはあるよ」 (そうか、同級生としては僕が初めてか。まあ、当然か。うーん、でもそれって、名誉なことのか不名誉なことなのか……) 「同い年の男子のおちんちんを拭いてあげるって、なんだか変な気持ちだな」 「無理にしてくれなくても、いいんだけど……」 「そんな気にしないでいいよ。だって、これも保健委員の仕事だもの」  照れながらも、頑張って、おちんちんを拭いくれている杏梨の姿を見て、智史はいじらしくなって、思わず好きになりそうだった。  ただ、杏梨はしばらく拭いているうちに、少し慣れてきたようで、からかう余裕も見せた。 「小さい子と違って、男子のおちんちんって、こんな風にピンとなるんだね。それにしてもおちんちんって変な形。ふふふ」 (へぇ、杏梨って、本当は奥手なのかな)  智史は杏梨の意外な一面を見た気がした。  杏梨は力加減はよく分からないようで、結構な力を込めて、包皮の先端をグリグリと捏ね回すように拭いたので、ふとした瞬間に、ウエットティッシュが亀頭にシュッと擦れた。 「ひゃっ」 「あ、ゴメン、痛かった?」 「も、もう少しやさしくして……」 「これぐらい?」  杏梨は智史の顔色をうかがいながら、おちんちんを拭く手を動かした。強すぎず、弱すぎずのちょうど良い刺激をおちんちんに与えられて、智史はゾクゾクと快感を覚えた。 (あう、これはヤバイかも。でも、こんな所で気を遣るわけにもいかない)  智史は拳を握って、いかないように耐えた。しかし、そのうちグリグリされる刺激がもどかしくなった。 (ああ、もういっそ、自分の手でしごいて、ぶっかけてやりたい。今の状況なら、杏梨の顔面に直撃だな……)  腰を突き出して、ビュクビュクと射精して、杏梨の可愛い顔や体操服やブルマを精液まみれにしてやるという光景を頭に思い描いた。 (もしそんなことになったら、一体どうなるんだろう……)  しかし、絶頂まで後もう少しというところで、杏梨はおちんちんから手を離した。智史は射精の寸前で止められ、がっかりしたような、安心したような、複雑な思いを持った。 53  杏梨は自分の指先をウエットティッシュで丹念に拭きながら、 「綺麗になってよかったね」  と、智史のおちんちんに慈しむような眼差しを向けた。 (ありがとうって、お礼を言った方がいいかな?でもなんか照れ臭い……)  結局、智史は何も言えなかった。  その後、杏梨は洗面台で、智史のはいていたブリーフの手洗いを始めた。その途中で思い出したように、所在なげに突っ立ている智史を振り返った。 「あっ、そうだ。智史君、外でお日様に当たってきたら?その方が、お尻に塗ったオイル、早く乾くんじゃない?」 「外へ?この格好で?」 「中庭だから、誰も見てないと思うよ。それに、その勃起したおちんちんも、外の空気に当てて冷やした方がいいでしょ。あはは」 「えぇ……」  智史は曖昧な返事をしたが、杏梨は本気のようだった。ブリーフをさっさと洗い終えると、ギュッと搾って、それを手に提げて、 「行こうよ。サンダルは二人分そこにあるから」 と言って、保健室のガラス戸を開けた。 「本当に?」  智史は及び腰だったが、杏梨は手を引っぱって、強引に中庭へ連れ出した。智史は周囲をキョロキョロと見渡したが、中庭にも校舎の窓にも、人影は無かった。  杏梨は濡れたブリーフを屋外の物干し竿に洗濯バサミで吊り下げた。 「ブリーフ、ここに干しておくね。今日の放課後、持って帰るの忘れないでよ」 「うん。杏梨、ありがとう」  ブリーフは風に煽られて、ヒラヒラと揺れた。昼休みには、多くの女子がこの中庭に遊びに来る。智史には、彼女たちがこのブリーフを見て、「また男子の誰かが粗相したのね」などと軽口を叩く光景が目に見えるようだった。 54  智史と杏梨は校舎のひさしの下で、鉄パイプの柵にもたれて、中庭を眺めていた。お互いの距離は肘が触れあうぐらいに近接していた。 「日に当たるのって、気持ちいいね」  杏梨はまぶしそうに目を細めた。日に照らされているブルマ姿の杏梨には神々しい魅力があって、智史は胸がドキリとなって、黙り込んでしまった。 (杏梨って、こんなに可愛かったっけ……)  杏梨は正面を向きながら、「花壇の花が咲いてるね」とか、「なんか鳥が鳴いてる」とか、他愛の無いことを色々と話し掛けたが、智史は密かに杏梨の美しい横顔を盗み見ていて、相手の話にはいい加減に相槌を打っていた。  いつまでも二人でそうしていたかったが、間の悪い事に、智史は尿意を催して、体をブルっと震わせた。 (うう、おしっこしたくなった。今、せっかく良い雰囲気なのに……)  おしっこのことなど、意識しないでおこうとした。しかし、全裸で長い時間を過ごしていたためか、尿意は急速に高まってきた。智史は足元をモジモジさせて耐えていたが、全裸なのでその動きは丸わかりで、杏梨もすぐに気付いた。 「智史君、ソワソワしてるけど、どうかした?」 「いや、なんでもないよ」 「ふーん。あ、分かった。おしっこに行きたいんでしょ」 「……うん。でも、まだ大丈夫だから」 「そんなの、我慢するもんじゃないよ。行きたいなら、さっさと行っときなさい」  杏梨はそう言うと、早速、智史の手を取って、お手洗いに連れて行こうとした。智史は杏梨の後ろを素直に付き従いながら、 (あーあ、もっと杏梨と仲良くなれそうなチャンスだったのに……)  と残念に思った。 八章 後輩からの乳首責め 55  二人は中庭から保健室に戻った。智史はそのまま保健室を素通りして、廊下に出ようとしたので、杏梨は、 「ちょっと、智史君」  と叫んだ。智史は真顔で、 「何?」  と訊き返した。杏梨は苦笑していた。 「忘れてるよ」 「何が?」 「何がって、はいていかなきゃダメでしょ」 「……?あっ、そうか」  智史は全裸のままで保健室から出て行こうとしたことに、ようやく気付いた。 「もう、智史君はしょうがない子だなぁ。裸で行きたいなら、裸で行ってもいいんだよ?」  杏梨は呆れたように言った。 「いや、ブリーフ、はくよ。えーと、どこだ……」  智史は赤くなりながら、さっき選んだブリーフを慌てて探した。しかし、杏梨はすでにそれを確保していて、手にぶら下げて見せながら、 「これでしょ。私がはかせてあげる」  と出しゃばってきた。母親が幼児に下着をはかせる時のように、杏梨は智史の足元に屈んで、ブリーフを足元に差し出して、はかせようとした。 「なんだよ、杏梨。そんなことしなくていいよ」 「はかせてあげるって言ってるでしょ」 「余計なお世話だよ」 「いいから、いいから」  しばらく二人は押し問答を続けたが、杏梨は、 「ほら、ほら、さあ早く」  としつこいので、 (しょうがないか……)  と、結局は智史は押し切られた形になった。 「じゃあ、まずは右足ね」 「う、うん」 「いい子ね、じゃあ、次は左足だよ」 (こんな風にブリーフをはかせてもらうのって、なんか小さい子供みたいだな。保母さんと園児みたい……)  智史はそんなことを思いながら、左足もブリーフに差し入れた。  杏梨は両手で一気にブリーフを引き上げたので、勢い余って、股間にグイッと食い込んだ。智史は股間やおちんちんにブリーフの圧を感じながら、 (おお、ようやくブリーフをはいたぞ)  と少し感動した。しかし長い間、全裸でいたため、下着をはくと、余計な物を身につけているような気になったので、自分でも不思議だった。  杏梨はしゃがんだまま、ブリーフの足回りのフチを引っぱったりして、ブリーフの位置を微調整した。智史はそれを見下ろしていると、 (あれ?、これはさっき僕が選んだのとは違うブリーフじゃないか?)  と気付いた。そのブリーフをよく見ると、腰回りのゴムは緑色で、ワンポイントはロゴというよりも、スポーツカーのイラストだった。  智史はそのような幼稚なブリーフをはかされたことに、ちょっとムッとなった。しかし、杏梨はそれを知ってか知らずにか、 「智史君、ブリーフはけてよかったね」  と満足気な微笑を浮かべていた。 56  お手洗いは校舎の端にあるので、保健室からそこまで長々と廊下を歩く必要があった。杏梨は頼まれたわけでもないのに、当然のように、智史の手を握って、引き連れて行った。  智史はさっきと同じように、 (保母さんにお手洗いに連れて行ってもらう園児みたいだな……)  という連想をした。自分でもみっともないと思ったが、拒否しても、また言い合いになって押し切られると分かっていたので、杏梨にされるがままに任せた。 「智史君、そのブリーフ、可愛いね」  杏梨は辺りに響く大きな声で言った。 「これって、僕がさっき選んだやつじゃないよね?なんかちょっと幼稚すぎない?」 「ブリーフを汚しちゃうような子には、そういう幼稚なのがお似合いでしょ」 「うっ……」  智史は何も言えなくなった。  二人は廊下の角を曲がった。その時、ちょうど向こうから来た制服姿の女子生徒と鉢合わせになった。智史は、今は誰もいないと思い込んでいたので、ギョッとなった。  向こうの女子も驚きの声を上げたが、意外にも、 「あれ、杏梨先輩」  と言った。その女子は杏梨の顔見知りの後輩で、二人は立ち話を始めた。  智史は横で聞いていると、どうやら、その後輩の女子も保健委員で、身体測定の時間か何かの連絡で、先生の所に用事があったらしい。後輩女子は杏梨と話しつつも、その背後に隠れるように立っている智史の姿が気になるようで、何度もチラチラと視線を送った。 (この男子、何年生なんだろう?なんでブリーフ一枚の格好で廊下にいるの?杏梨先輩と一緒にどこへ行くの?)  彼女の顔にはそのような疑問がありありと浮かんでいた。  杏梨はそれに答えるように、 「今からこの男子をお手洗いに連れて行くところなの。こんな格好してるのは、ちょっと粗相しちゃってね、そうだよね?智史君、ふふふ」  と智史の方を振り返って言った。 57  後輩女子は智史の方へ一歩近付いて、 「ふーん、そうなんだ。智史君ね」  と智史を名前で呼んだ。彼女は智史を見て、上の学年とは思わなかったようで、後輩の扱いをした。 (うわっ、後輩に年下扱いされた。どうしよう、怒ってやろうか……?)  智史はとまどったが、後輩女子は平然として、 「粗相って何をしたの?」  と単刀直入に訊いた。 「えっと……」  智史は救いを求めるように杏梨を見ると、杏梨は片目をウインクした。その仕草は、「今は相手に話を合わせて、年下のフリをしなさい」と言っているようだった。 「ほら、智史君、自分で何をしたか言ってごらん」  後輩女子は口ごもっている智史を厳しく追及してきた。 「うう……、あの、ちょっとブリーフを汚してしまったんです」  智史はやむを得ず答えたが、後輩の女子に敬語を使うというのは面映ゆい気分だった。 「しょうがない男子ね。あんまり杏梨先輩に迷惑かけちゃダメだよ」 「すいません」 「そんなことしたら、怖い先輩なら、きつくお仕置きされるよ。杏梨先輩はやさしいから、そんなことしないと思うけど」 「はい、そうですね……」 「このブリーフって、保健室の備品だよね。こんな幼稚なのをはかされたのって、お仕置きなのかな?」  後輩女子は気安く智史のブリーフのフチをつまんで、グイグイ引っぱった。 「わわ、そんなことしないで下さい……」 「智史君て背が高いから、私、最初は年上なのかなって思ったけど、よく見たら、やっぱりまだ可愛い顔してるね。だから、こういうブリーフ、似合うと思うよ」  智史は、後輩女子から面と向かって可愛いなどと言われ、うれしいような、恥ずかしいような気持ちで、黙り込んだ。しかし、後輩女子はうつむき気味の智史のアゴの下に人差し指を当てて、顔を上げさせて、自分の顔を間近に寄せて、ジッと瞳をのぞき込んだ。 「……」 「あれ?照れちゃった?照れた顔も可愛いよ。なんか智史君て、男子のくせに女子みたいに整った顔してるね。そんな顔見てたら、なんだか、いじめたくなるなぁ。ふふふ」  後輩女子は笑いながら、智史の右の頬をつまんだ。 「やめて下さい……」 智史は、いい加減にしてくれという気持ちで、その手をサッとはねのけたら、後輩女子は、 「そんな邪険にしないでよ。じゃあ、こっちはどう?」 と言って、今度はブリーフ越しにお尻を撫でた。 「あっ、やだっ」 智史は思わず、女子みたいな口調で叫んでしまった。 「智史君て可愛い声、出すのね。もっとそんな声、聞かせてよ」  後輩女子はさらにちょっかいを出そうとしたので、智史は逃げ腰になって、背中を向けた。しかし、後輩女子は後ろから抱きついて、羽交い絞めのような格好でくっ付いてきた。智史は裸の背中に相手の乳房の弾力をギュッと感じて、 (わあ)  と心の中で叫んだ。 58 「智史君、逃がさないよ。ほら、捕まえた」  後輩女子は智史の背後からガッシリ組みついて、智史の胴体に両腕を絡みつかせた。背中にのしかかって、自分のアゴを智史の肩に乗せて、体を密着させたので、智史は頬に相手の吐息を感じた。後輩女子は抱きついただけでなく、智史の胸やお腹やらを両手で撫でまわした。 「ふあぁ」  智史は恥ずかしいのとくすぐったいのとで、思わず声を上げた。 「男子なんだから、触られたぐらいで、声を立てちゃダメだよ」  後輩女子は、逃げようとする智史の体をググッと抱き寄せて、智史の体をまさぐり続けた。その手付きは妙にイヤらしかった。  智史は、相手が女子ということで、体をよじって抵抗を示しつつも、それは全力ではなかった。しばらく相手のなすがままに耐えていたが、それをいいことに、後輩女子は調子に乗って、指先を智史の胸に当て、さらに乳首をつまんだ。 「んあっ」 「イヒヒ」 「そんな場所は、やめてよぅ……」 「やめないよ」  後輩女子の智史をおちょくる態度は相当露骨になってきた。智史もフツフツと怒りが湧いてきて、もういい加減にしろとばかりに、全身を震わせて、後輩女子の両腕を振りほどこうとした。しかし、後輩女子はしっかりと智史に抱きついていて、逃れられなかった。 (あれ?女子のくせに、意外に力が強いな……) 「智史君、それで全力なの?」  後輩女子は余裕ありげに智史を煽るように言って、後ろから智史を自分の両腕の中でさらに締め付けた。 「うぐぅ……」  智史は苦しいのと、くやしいのとで、顔を真っ赤にして力を込めたが、残念ながら、腕力は相手の方が勝っていた。 「ふふ」  力比べに勝った後輩女子は、優越感に満ちた笑みを浮かべると、さらに過激な行動に出た。智史の右の乳首をキュッとつねった。 「やあんっ」  智史を滑稽な声をもらした。軽い痛みと共に、奇妙な甘美さが背筋に走って、智史は体に力が入らなくなった。 「あれれ?智史君、どうかした?」 「ど、どうもしてない……」 「ここがそんなに効いた?」 「ち、違うもん……」 「ほんとに?じゃあ、これはどうかな?」  後輩女子は背後から智史の両方の乳首を捏ねますようにグリグリと刺激した。 「ああっ、んああっ」  智史は叫んで、相手の両腕の中で体をのけ反らせた。 「ふふふ、智史君て男子のくせに、乳首を触られたら感じちゃうって、まるで女子みたいだね」 「ち、違うよ……」 「違わないでしょ、ほら」  後輩女子はもう一度、乳首をつまんでいる指先に力を込めた。 「ああんっ」 「ほら、やっぱり、感じてるじゃん。ウソつく子には、こうしてあげる。えいっ、えぃっ」  後輩女子は断続的に乳首をこすったり押したりした。その刺激で、智史の体は麻痺したように脱力して、まともに抵抗することもできなかった。膝がガクガクと震え、背後の後輩女子にもたれながら辛うじて立って、アッアッと言葉にもならない悲鳴を上げるのが精々だった。 59  後輩女子に体を弄ばれて、しかも、それに密かな喜びを感じてしまうという屈辱に、智史は目に涙を浮かべた。 (杏梨、この後輩女子をなんとかしてよ)  智史は救いを求めるように、杏梨を見た。しかし、杏梨は二人の乳繰り合いを見て、微笑ましそうにニコニコしているだけで、手助けする素振りはなかった。むしろ、後輩女子の方が機先を制して、 「杏梨先輩、智史君が抵抗するんで、手伝って下さいよ」  と杏梨を自分の味方につけようとした。 (杏梨は、まさかこの後輩女子に味方しないよな……)  智史は少し不安になっていると、杏梨はふふっと笑って、 「二人とも、なんか楽しそうだね。私も混ぜてよ」  と耳を疑うようなことを言った。 「杏梨先輩も智史君にしてあげますか。じゃあ、私が抑えておきますね」  後輩女子は嬉しそうに言うと、智史の両手を背中に回して、両手首を握って抑えたので、智史は全く身動きできない状態になった。 (あわわ)  戸惑っている智史の正面に、杏梨は相変わらずニヤニヤしながら立って、 「智史君、私もしてあげる」  と言った。智史は怯んだ。しかし、両腕を背中でがっしり抑えられているので、抗うすべは無かった。完全に無防備になった智史の体へ、杏梨の腕が伸びて、お腹に触れた。智史はビクッとなった。 「怖がらなくていいんだよ。優しくしてあげるから」  杏梨は言って、自分の両腕で智史の両方の乳首を同時につまんだ。その言葉のように、杏梨の手つきは強くはなかった、それは触れるか触れないかぐらいの繊細な触り方だった。それにもかかわらず、智史の乳首にはキュンと疼くような感覚が走ったので不思議だった。 (なんだか、弱々しいのももどかしいな。どうせなら、もっと強くギュってしてくれ……)  杏梨は首を傾げて、智史の顔をのぞき込んでいた。それは、 (こういう触り方は、どう?)  と訊いているようだった。智史は、 (うん、気持ちいい……)  というように、コクンとうなずいた。 「杏梨先輩、もっと強くやってあげた方がいいんじゃないですか?」  後輩女子は口を挟んできた。 「でも、これでも結構感じてるみたいだよ。ね、智史君。ふふふ」 「……」 「ふーん、智史君て、敏感なんだね」  智史は両乳首を絶妙な力加減で刺激されながら、腑抜けた表情を浮かべていて、後輩女子のからかいなどは、耳に入らなかった。 60 「私も智史君の片手を抑えるから、二人で一緒にしてあげようよ」  杏梨は後輩女子に提案した。杏梨も自分の手を伸ばして、智史の右手首をつかんだ。智史は、後輩女子に後ろから左手首を握られ、杏梨に前から右手首を握られ、二人で抑えられる形になった。前と後ろで挟まれて、智史は二人の女子の吐息を間近に感じていると、申し合わせたかのように、乳首への責め手は同時に再開された。  智史は両腕とも抑えられているが、後輩女子と杏梨は、片手が自由で、各々は思い思いの弄り方をした。右は弱くて、左は強かった。かと思うと、すぐに、それは逆になったりした。予測のつかない刺激に、智史は、 「ふぁああ……、や、やめてぇ……」  とうめいた。ただし、口ではそう言うものの、その甘美な感触をもうしばらく感じていたかったし、そもそも後輩女子も杏梨の手を緩める気配はなかった。智史が嫌がっているのは演技だと、二人はよく分かっているようだった。


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