ニコ・デマラ同キャラ執筆中!お楽しみに〜
Added 2025-06-21 09:06:31 +0000 UTC邪兎屋の経営はいつもギリギリ。というより、お得意さまの完全な情けで成り立っているといっても過言ではない。親分のせいか?と聞かれれば……まあ……親分も否定のしようはあるまい。 『前のツケだけど、そろそろ返済してくれないかな?お金が無いなら邪兎屋の働きで返してもらうけど ツケのせいとはいえ、タダ働きは嫌だろ?』 ーータダ働き!?プロキシ……ガチだわ……!!急いで返さないと!!ーー スーツケース型キャノンに優雅に座り、その親分はムチムチの脚を震わせていた。 ふわりとしたツインテールが柔らかそうに広がり、強気そうなつり目はスマホを睨みつけるよう。彼女が焦っているのは、そのお得意さまからの返済の催促が原因だ。 大した金額ではない、と口に出さないまでも思っているニコだが、返せないのには理由がある。ネイルで飾られた指が、催促のメッセージが書かれたスレッドを閉じ、また別の催促のスレッドを開いた。 「プロキシに返済迫られてるし…早く返しなさいよね〜……自分で稼ごうにもこっちはこの頃ムラムライライラして働けないのよ…💢💢💢」 ニコの独り言は、苛立ちが隠しきれない様子。さて、ニコがいま開いたメッセージの相手はどうだろうか。 「あ~…くっそ~っなんで返しに来ないのよアイツ! イライラしてきたわ……ソ〇プとか行こうにもお金が無いし…こうなったら…💢💢💢」 その先は、同じく邪兎屋の親分・ニコ・デマラ。ニコが苛立ちと共に開いたのは、もう一人の自分とのチャットの画面だった。 『こないだのツケだけど、立て替えてくれない?そっち今好調でしょ?』『こっちはあんたのとこ以上に地獄だわ!!今すぐ3000万貸して欲しいんだけどない!!?』『あんたもなの!?あたしこないだ貸したわよね!!10倍にするんじゃなかったの!?どうしたのよあの金は!?』『その前にあたしが貸した分があるでしょ!!あの時のお礼だと思って貸しなさいよ!!!』……などなど、延々と借金の催促、あるいは要求が続く。たまに利息をつけて返したり、更に奢ったり、かと思えば大金を要求したり、メッセージから読み取れる経営状態の目まぐるしい変化で酔いそうな羅列だった。 『ちょっと、プロキシに急かされたんだけど!?アンタさえ返せばツケ全部払った上で邪兎屋の装備が最先端になるのよ!!!いつまで待たせる気!!!??』 細い指が高速で閃き、瞬時にメッセージを入力。今度はニコが催促する側だ。それを苛立ち混じりの手つきで送信。紙飛行機のマークがくるくるに変わり、送信されると同時に紙飛行機に戻った。 画面には先程のメッセージが、二つ。ニコがいま送ったのと同時、相手のニコからも送られて来ていた。 「「だーーっ!!💢💢 何のよもう一人のアタシは!!!💢💢💢💢」」 なぜ二人のニコがいるのかは本人らもわかっていないが、零号ホロウの一部区間にのみ、二人の会える場所がある。エーテル濃度は比較的低く、エーテリアスもそう湧かない場所だった。それぞれの世界で二人の経歴は大体同じ、違うのはプロキシのインターノットでのニックネームと、イアスを操縦するのが兄か妹か、そして時折発生する時間のズレくらい。前者2つは大した問題ではないし、後者は経営が大赤字になったり大黒字になったりを繰り返すニコ達には好都合だった。 一方のニコが全財産を失えば、まだその大惨事に見舞われていないもう一方のニコがカバーしたり。 一方のニコが大金を掴めば、もう一方がそのイベントに辿り着くまで養ったり。 『あたしのくせに役に立たないわね!!自分でなんとかするわよ!!』 『とんだ恩知らずだわ!!それならこっちにも考えがあるんだから!!』 お互い同時に苦境に入った時も、お互いできることがない訳でもない。罵り合いながら会う約束をすることができる。 ーーそうだわ!!働く前に、滞納女にイライラ発散させてもらえばいいのよ!!!ーー 『『その前に今すぐホロウに来なさい!!身体で返済してもらうから!!!』』 もちろん全く同じ文面を互いに送り、 『『あんたが返済する側よ!!!おバカ!!!!』』 訂正し合うニコ達だった。