みなさんどうもです!さかいです!
今回も僕が最近読んだ本の紹介をしていきたいと思います!
例によって個人の感想なのでご了承ください…!
では、どうぞ~!
・ルポ 大阪の教育改革とは何だったのか(永尾俊彦)
教育の本。
大阪維新の会が中心となって行った大阪の教育改革は「国際社会で活躍できる人材を」という名目で従来よりも苛烈な競争を強いてきた。
競争の先にあるのは勝った者のみが富める格差社会であり、それは貧困世帯の増加など俗に言われる「大阪問題」に繋がりかねない。
そういった教育の在り方について異議を唱える内容となっている。
一言で言えば「リベラル思想の教育論」という感じ。
本書の内容的には格差社会や競争社会を徹底的に嫌っていて、左派的な思想がかなり色濃く示されていた。
個人的には「どれだけ国内で競争を抑えても、国際社会の中では常に競争に晒されている」という事実を無視して理想論が先走っているなぁー、という感想。
つまりどちらかと言えば僕も競争社会に合わせた教育をした方がいい派で、そこから零れ落ちた人には個別のフォローアップをするといったやり方の方がいいんじゃないの、と思ったりもした。
公平ではあるべきだけれど、平等は行き過ぎれば怠惰を招く。
・誰のための排除アート?:不寛容と自己責任論(五十嵐太郎)
近年ではベンチに仕切りができてホームレスが寝そべったりできないようになっていたり、高架下など浮浪者がたまりやすいところにアートを設置するなどして寝泊まりができないようにしている場合がある。
こういったものは俗に「排除アート」と呼ばれたりもするが、これは公共空間において特定層(貧困者やホームレス)に対して「ここはお前らの居場所じゃない」という非常に厳しい意思表示に他ならない。
こういった不寛容さを孕んだメッセージに対し、日本の公共空間はどうあるべきなのかを考える一冊。
まぁ日本って特にムラ社会だから、コミュニティの外にいる相手に対しては不寛容だし排他的だよねホント…。
世の中のあらゆる社会問題もそうだけど、わりと一般的な感覚として「目に見えないものは存在していないのと一緒」と考えてしまうことって多いのではないかと思う。
不愉快なものは可視化できないようにして問題から目を背ける、というのも精神衛生上は良いかもしれないけれど、根本的な解決にはなっていないところは大いにあると思う。
排除アートの無言の圧みたいなのもちょっと居心地悪いけれど、それ以上にホームレスや浮浪者をきちんとキャッチアップできる仕組み作りと周知徹底がやはり大事なのかなぁと感じた。
・いじめ加害者にどう対応するか――処罰と被害者優先のケア(斎藤環/内田良)
いじめ被害者に対し「そんなに学校が合わないなら、無理して行かなくていいんだよ」という優しい声掛けを耳にすることは多い。
しかしその一時的な優しさとは裏腹に学校へ通わなくなったいじめ被害者は自宅に引きこもる事などが問題になり、逆に加害者は普通に学校へ通い続けることが多い。
こういった現状を踏まえ、学校は果たして本当にいじめ被害者に対して寄り添った対応をしているのか、また、どういったことが出来るのかを論じる本。
本書で示された解決策は「オープンダイアローグ(対話型ケア)」によっていじめ当事者たち(家族含む)に話し合う場と時間を作っていく、というものといじめの厳罰化、そして学校内だけで抱えず外部組織の力を適切に借りていく、という主に三点が提案されていた。
これは双方の話し合いを安全に進め互いの意見やアイディアの交換を円滑に行い、学校や教師による「指導」という曖昧で定義すらないものでいじめを本質的に解決することは難しい(事実、学校でいじめは起き続けている)ためカウンセラーや場合によっては警察などの力を借りて問題解決や被害者の心のケアをしていき、そしていじめを実行した生徒には厳罰を与えスティグマ化することで再発防止とするという一連の流れになっている。
いじめの問題はコミュニティ維持の為にストレンジャーを排除、淘汰してきた人類の歴史そのものだと思うので、一朝一夕で解決するものだと僕は思っていない。
しかしだからといって放置していい問題でもないのも確かなので、こういった子供たちが学校、もしくはオルタナティブに自分らしく通え、能力を発揮できる環境を整備していくのが、かつて子供だった僕らのするべきことなのだと思う。
・フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた) (デビッド・カークパトリック)
フェイスブック(現メタ)の本。
ハーバードで作った学生同士を想定したサービスから企業として成長していく姿を描いたものになっている。
その過程で起きる様々な困難やそれぞれの思惑が錯綜する中でも芯を持って運営していく様子は中々興味深かった。
近年ではメタバース事業の進捗が芳しくないこともありGAFAMの中でも勢いが少し落ち着いた印象があるが、Instagramなど人気のプラットフォームを今後どう活用、展開していくかは期待していきたい。
個人的にはもっとマーク・ザッカーバーグの人となりや思想にフォーカスした内容を読んでみたかったなー、と思う。
世界的なサービス提供者の内面にはとても興味があるので。
・アルジャーノンに花束を(ダニエル・キイス)
古典SF。
知的障害を持つ32歳のチャーリィ・ゴードンは、頭がよくなりたい、賢くなって友達と対等におしゃべりがしたいと願っていた。
そんな時、大学教授のアリス・キニアンから「賢くなれる」脳手術を勧められ、受けることを決意。
マウス以外はまだ実例のない手術の被験者として臨床試験第一号となる。
手術は成功し、チャーリィはみるみる賢くなっていって――、っというストーリー。
SFだけれど宇宙や未来の舞台設定はなく、あくまで個人の人生をベースに描かれている。
内容はチャーリィの手記による「臨床試験の経過報告」として書かれていて、最初は子供が書いたような非常に読みづらい文章が次第に洗練され社会に感じる違和感や僅かな機微を表現できるようになっていく過程はとても読みごたえがあり、認知症になりだんだん文章が崩壊していく小説『明日の記憶』の真逆だな、と以前読んだ本を思い出したりもした。
知的障害を扱った作品では映画『フォレスト・ガンプ』などが有名だが、あっちはビターながらもいい感じのエンディングだったのに対して本書は何とも言えないラストでシュンとなってしまった。
読書によって見える世界が変わる、という有名な風刺画があるけれど、この本を読んでいてなんとなくそれを思い出した。
「未来を見通せる知性のある人は孤独になりやすく、足元しか見えない人は周囲の人間と連帯しやすい」という岡田斗司夫さんの話を想起させる、そんな物語だった。
世の中には知らない方が幸せなこともあり、時に知性は、孤独を孕む。
以上になります!
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました!
なにかの参考になれるなら幸いです!
それでは!