みなさんどうもです、さかいです!
今回も最近読んだ本の感想を書いていこうと思うので、良ければぜひお読みください!
最近このレビューを参考に読書を始めたり選書して下さる方がチラホラいて、「やっててよかった…」と思う事ひとしおです。
それではあくまで個人の感想として、どうぞ!
・フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔(高橋昌一郎)
伝記。
数学や科学、物理学などにおいて多大な功績を残し、世紀の大天才と謳われたジョン・フォン・ノイマンの人生を解説したもの。
幼いころから頭角を現し、その才能であらゆる分野に名を遺したノイマンの功績と、当時のサイエンティストたちの大まかな情報も併せて知ることが出来た。
タイトルにある人間のフリをした悪魔というのは、ノイマンが徹底的な科学信奉者であり現実主義、そして虚無主義であることからそう言われているとのことだが、時代的なものや科学者である本人のポジショントーク的な部分も多分にあるのでは、と感じた。
ちょっとサイコパスみがあるとは思うけど、突きつめれば人間はそういった思想にたどり着くものなのかもしれない。
興味深かったのはノイマンがスカートの中を覗き込む癖をやめられなかったというところ。
悪魔とまで例えられる天才の抗えない業のようで、ちょっと面白かった。
・バスを待つ男(西村健)
推理小説。
コメントでお勧めされたので読んでみた。
定年退職した老齢の元刑事が趣味として始めたバスの旅。
その旅先で見つけた様々な謎を家で奥さんに話し、奥さんがその謎をたちどころに解決するという安楽椅子探偵もの。
どちらかというとミステリ描写よりほのぼのとした日常や風景の描写が多く、おじいちゃんの日記を読んでるような感覚だった。
ミステリとして読むとけっこうサラッとしている印象。
全体的にクラシカルな文体で書かれていて、かなり時代がかった描写やセリフが多い。
あえてやっているのは分かるんだけど、中学生の登場人物に「それが世のため人のため」とか「もののけ」って言わせてるのは本当に現代の小説か…?と首をかしげてしまった。
バスの旅や料理といったテーマ、高齢の主人公というのも相まって「定年後って人生こんな感じなのかな~」と思いながら興味深く読ませてもらった。
東京都内の地名がバンバン出てくるので、土地勘があればより面白く読めるかもしれない。
・1984(ジョージ・オーウェル)
古典SF。一九八四年というタイトルでも知られる。
1984年、大国オセアニアは「ビッグ・ブラザー」と呼ばれる独裁者による一党独裁が行われ、ビッグ・ブラザーと党の意向に沿わないものは通報され、消えていく、そんな密告と管理が支配する社会に。
主人公のウィンストン・スミスは党外局員として、党に都合の悪い歴史を改ざんする仕事に従事していた。
表向きには真面目な市民として生活しながらも、本当はこの社会に疑問を抱いていて――、といったストーリー。
この小説が発表された当時は冷戦の真っただ中。なので、反共、反社会主義的な部分が色濃く描かれている。
こういった本が書かれるのは得てして、「こんな最悪な世界になってほしくない」という逆説的な願いからきていると思う。
たしかに執筆された時代から見れば共産主義、社会主義というのは勢いを落とし、世界は自由と資本主義に舵を切っていった。
しかし現在のSNSを見ていると、「ヤバい」「エグい」と意味をそぎ落とされた便利な言葉で思考の手がかりを奪われている。
キュレーションされた情報だけを読み、リコメンドされたものを鵜呑みにする。
偏った意見に傾倒し、反対意見には罵詈雑言を投げつける。
これは正に作中に出てくる「ニュースピーク」「偏った情報での洗脳」「二分間ヘイト」そのまんまだと思った。
あとはツイデモとか「ヘイト・ウィーク」を彷彿とさせるし、月曜日のたわわに噛みついていたのも「反性交青年連盟」を参考にしてるんじゃないのと思うほど。
ディストピア小説として非常に示唆的であると感じるが、皮肉なことに、現実の世界は本書で描かれていた地獄の全体主義社会への道を歩み続けている。
70年以上前の時点で社会をここまで見通す作者の慧眼は素晴らしいと感服するが、これだけ昔から先人が警告してくれているにもかかわらずディストピアへの道を歩み続ける人類に、少し恐ろしくもなった。
・脳はバカ、腸はかしこい(藤田紘一郎)
健康エッセイ本。
脳は重要な器官ではあるが、実は不合理な判断や誤謬をすることが多く、それが元での疾患やトラブルなども絶えない。
翻って腸は神経細胞の数でも脳に匹敵し、また人間の生活に必要なセロトニンなどのホルモンは腸から分泌されることで知られる。
脳が死んでも人間の肉体は生き続けることが出来るが、腸がダメになると栄養が吸収できずに人間は死ぬ。
病原菌を排除し、ビタミン類を合成し、ホルモンを分泌する。
そんな重要器官である腸だが、一般的には脳に比べてあまりにも軽視され、注目されずにいる。
そこで本書では腸にフォーカスを当てて、その重要性を詳しく解説していた。
結論としては「糖質と油に気をつけろ」という昨今の健康本とそこまで変わらない内容が書いてあった。
むしろ発行された時期を考えれば、本書が先駆け的なものであるとも言えるかもしれない。
ただ、本書の特徴は著者の人間性というか、キャラクター性が大いに反映されているところだと思う。
「自分の体内で寄生虫を飼っている」「うんちの研究をして世界各国の糞便を持ち帰り研究している」「スケベ大好き!」といった具合に、なかなか外連味があるというか、癖の強い昭和生まれのおじいちゃんって感じの人だな~と思った。
この本の内容も半分くらいは著者のエッセイで、主義主張などは非常にユニークで実体験に基づいたものが多い反面、根拠がやや薄弱なものが多いかな、と感じる。
著者本人は「エビデンスを信じすぎてはいけない」という論を書かれていたが、それを言い出すと言ったもん勝ちになってしまうのでは…。
なんでも鵜呑みにしてはいけないという事には同意するけれど、研究結果よりも自身の周囲数人に起きた変化を信じる、では説得力が足りない気がした。
とはいえ、個人的にキライではないので参考程度に、「そういうもの」として読ませてもらった。
・特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来(南原詠)
ミステリ小説。このミステリーがすごい!大賞の受賞作らしい。
主人公、大鳳未来は弁理士。
元々はパテントトロールと呼ばれる特許紛争をすることで企業から特許料をせしめるアコギな商売をしていたが、今はイリーガルな手段も駆使して特許関係のいざこざを治めている敏腕弁理士。
そんな未来の元に、大手Vtuber事務所「エーテルライブ」から、人気Vtuber「天ノ川トリィ」の権利侵害についての相談があり…というお話。
Vtuberがテーマの小説という事で読んでみたけど、Vを好きな人が見れば一発で「ホロライブとにじさんじやな…」ってなると思う。
小説としてみると割と淡泊な文章で、ラノベと同じくらいスルスルと読める。
最近流行りの敏腕女主人公を起用していて、キャラクター小説っぽさが強いのもラノベ感を増している。
こういう専門分野にまたがる小説はその知識があればなお面白いんだろうけど、残念ながら自分は特許に明るくなかったので「こういう感じなんだ」と思いながら読んでいた。
全体としてバチギスのリーガルサスペンスって感じで、あまり推理ものっぽさはないかも。
テーマ的に今が旬の題材なので、今このタイミングで読んでおくべき小説と言えるかもしれない。
以上になります!
もうすぐ夏コミ!皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
それでは、次の更新、もしくは夏コミでお会いしましょう!
さかいワカ
2022-08-19 04:07:41 +0000 UTCさかいワカ
2022-08-19 04:05:19 +0000 UTCオフニャんこ
2022-08-17 10:29:26 +0000 UTC