はい、じゃあ終われば店長の家に、返しに寄りますので、伺う前に連絡しますね!
そう言って私は店長から鍵を受け取る。
今日は、お店は定休日。
しかし、私は通っている大学のレポート&資料関係一式をお店のロッカーに忘れてしまったので、今日はそれをお店に取りに行く前に、お店の鍵を貸してもらいに店長宅に立ち寄る事になったという経緯、、、
今日は大学の講義もなく、レポート制作を進めるぞと意気込んだのは良かったものの・・・おバカな私・・・そんな私は、店長宅→お店を経由してしまう無駄な労力を費やす休日となってしまったのだった。
ついてない私(自業自得)・・・でも、せっかくだから、クリーニングに出していたメイド服を片手に、”これ以上運が悪く事はないでしょ!”と、壮大なフラグを建てながら、メイドカフェのお店へとやってきた。
ビルの3階、定休日という事もあって、辺りは静まり返っている。いつものお店の入り口から湧き出してくるほんの少し甘いアロマの香りもない。
シャッターの鍵、お店の鍵、と順番に開けて入り口と潜ってフロントに入る・・・
!!!!!?????
入った瞬間にわかる人の気配・・・これは
・・・泥棒だ!!
入り口のフロントはまだ荒らされていない。でも目の前の角を曲がって店内フロアに入るとどういう光景が見えるのか・・・
・・・しかも、その泥棒がまだお店の中に居る!!
人の気配、息遣い、、、から複数人が居る事は容易にわかる。私はそういうのを感じる事が得意だからだ。
ど・う・し・よ・う・?
私は冷静になろうと、言葉刻みに考え直す。
そうだ!アプリ!
お店では、店舗向けセキュリティーサービスを新たに導入していたが、スタッフの何人かに専用セキュリティーアプリをダウンロードさせられていたが、それを使う時がやってきた。
アプリを起動すると、リアルタイムで店内の防犯カメラの映像が確認できる・・・
めちゃくちゃじゃない!!!
店内はぐちゃぐちゃに荒らされていた。壁ひとつ隔てた向こう側はトンデモな状況になっている事がわかった。
さらにこのアプリでは防犯カメラの映像を少し前の時間に巻き戻す事もできる・・・
・・・3人!!!
目出し帽を被ったおそらく男性と思われる3人組が店内を荒らす所が映し出される。
とにかく私は店長にLINEする。
お店に泥棒、アプリ見て!
通報お願いします
私は私でなんとかします
送り終わって、すぐに既読が付くのを確認し、アプリでリアルタイムから少し前の時間の防犯カメラ映像を確認する・・・
私がお店に入ろうとシャッターを開けた瞬間、その音に気が付いて、泥棒の3人組はお店の奥に駆け込み、様子を伺っているようだ。
盗みを始めてからさほど時間は経過しておらず、まだ物色の途中みたいだ。
そんな時に私がやってきた訳で・・・泥棒達にとっては、相手によってこれからの判断を変えようとしてるのでは?と考えられる。
男性スタッフや警察なら一目散に逃亡だけど、女性の私一人だけなら、彼らはどういう行動に出るんだろう?
とりあえず、直ぐにシャッターを下ろして、入り口を施錠する・・・これでお店への出入りは非常口の一箇所だけだ。
そこを抑えれば、彼らを店内に閉じ込める事が出来る。
そして、LINEを見た店長は慌てて警察へ通報するはず、その通報を受けた警察がここへ到着するのは、早くても15分から20分程度だろう。
うん、それだけ時間があれば充分!!
ここは、私が対処!!・・・だよね!!??
・・・それじゃあ、一狩りでも行きますか!!・・・
私の中でそう決めてしまったから、ここからは行動あるのみ!!
フロントからぐちゃぐちゃの店内に足を踏み入れた。いろんな物が倒され、どこもかしこも散乱していたが、私は真っ直ぐ非常口の前まで歩き、彼等にとっての脱出口を塞ぐように陣取った。
ん〜クリーニングに出したばっかだけど、仕方ないよね!と非常口の前でメイド服に着替え始める。
何やってるの?と思うかもしれない・・・私も何やってんだろという気持ちだ。
着替え終わると、店内のひっくり返された棚の中から、ボクシンググローブを取り出す・・・これは、盗まれなかったんだ!?
わかってないな〜この価値を!!
彼等にとってこのグローブを盗まなかった事が大きな誤算になる事を後々知る事になるだろう(ビシッ!)と考えながら・・・
店長〜〜!!お店がめちゃくちゃ〜!!
電話をかけるふりして、ここで初めて大きな声を出す!もちろん、奥に隠れている泥棒3人に聞こえるように!
おいッ!!何やってんだ!!
私の大声を聞いた3人が、とうとう奥の部屋から姿を見せる。
何やってんだはこっちのセリフ!!窃盗犯ですよね!?
女!!お前一人だけか!?
はい、そうですけど!
うるせぇッッ!どけーッッ!
3人組の中の一人が、ものすごい勢いで足早に私に近づいてくる。
当然、私の背後には非常口があるので、彼らにとってそこに居られるとすごいストレスになるはずだ。
ちょ、ちょっと・・・!!??
どけーーーーッッ!!
バンッッ!!!
私は、恐ろしく早いボディブローを彼に打ち込んだ。私じゃなきゃ見逃しちゃうね♡と言えるくらい、手応えのある素早いブローを打ち込めたのだ。
・・・????・・・
当然、彼は何が起きたのかわからないというリアクションで、痛みが込み上げ、息が出来ないといった感じた。
お、ぉぉぉぉ・・・
チェストーーーーッッッ!!
示現流でもない、なんちゃっての私が繰り出す右ストレートに、彼は手に持ったナイフごと吹っ飛んでいった。
・・・たぶん、ヒクヒクしてるから生きてるはず!!・・・大丈夫のはず!!
私は、泥棒が入られたとわかった瞬間から、アドレナリンが吹き出し始め、もう既にMAXを振り切っている事を、ここで初めて自覚する。繰り出す拳の手応えに驚く!身体が凄く軽い!
次!! ・・・どちら様がお相手してくれますか?
ここはメイドらしく丁寧に・・・実のところ、男性二人掛かりで襲って来られたら、私とはいえかなり厳しい・・・だから、あたかも1on1の勝負であるかのような言い方をしてみたわけだったが・・・?
お前行け!!
えぇッ!!お前が行けよ!!
何だか楽しい掛け合いをしているので、こんな時なのに少し和んだ。
実際、彼等にとって思わぬ状況が発生しているので思考回路が混乱しているのかもしれない。
おいッ!警棒!!??
え、あぁ・・・そうか!!!
片方の彼が、後ろポケットから折畳んだ傘のような棒を取り出す。
そして彼が一振りすると、滑かにその棒は長くなる。
おそらく、あれは三段伸縮式の特殊警棒だ。前に警備訓練の見学に行った時に見た気がする。
ふざけんなッ!!このクソメイドがッ!!
片方の彼が前に出てくる・・・よかった。お相手するのは一人だけだ。
・・・スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!バギッ!!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!バギッ!!スパンッ!スパンッ!ドゴンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!ドゴンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!バギッ!!ドゴンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!バギッ!!スパンッ!スパンッ!ドゴンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!バギッ!!スパンッ!スパンッ!スパンッ!バギッ!!スパパァーーーーンッ!!
先程のような重い一撃ではなく、軽く速くて鋭いパンチを私は彼に何十発も打ち込む・・・怒涛のラッシュ・・・一方的で全てを蹂躙するような・・・せっかくの特殊警棒も床に転がっているのが無常だ。
・・・スパンッ!スパンッ!ドゴンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!バギッ!!ドゴンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!バギッ!!スパンッ!スパンッ!ドゴンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!バギッ!!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!バギッ!!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!バギッ!!スパンッ!スパンッ!ドゴンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!バギーーーーンッ!!
もちろん、私はこの振り上げた拳を止めるつもりはない。彼は目出し帽を被っているので状況まではよくわからないが、目出し帽の内側は赤く腫れ上がり、至る所が血に染まっているに違いない。普通のボクシングの試合ならレフェリーストップが入っているはずだけど、それでも軽いパンチに徹しているんだからまだまだ頑張れるよね!?
フガァ・・・ヒュゥ・・・ゆ・・・ダァ・・・タス・・・・
彼は何を喋っているのか読み取れないが、救済を求めていることだけは確かだった。
であれば、私が出来る事はただ一つ・・・
行ってらっしゃいませ、ご主人様ーーーーーッッ!!
ーーーースパァァァーーーーンッッッッーーーーーーー!!!!
トドメの一撃は渾身のアッパーカット!彼は散乱した床に大の字で倒れていった。
・・・良きサンドバックでした・・・私は彼に感謝の念を送った。
ヒィぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!
さて、最後に残った彼の方を見ると、床に倒れこんでいる。
おそらく、腰を抜かしてしまったのだろう。しかも、失禁までしている始末…。
何してるの!? 立ち上がりなさい!!
ひぃ〜、、は、はぃ!!
彼は慌てて立ち上がろうとするが、脚はガクガクの状態でままならない。そんな光景を見た私・・・ビビッと胸に込み上げてくる感情が走った。
・・・力を誇示することによる完全なる支配・・・
屈服した彼を見るとそれが達成できたことを実感し、この感情の爆発につながってしまったのだ。
うん!! じゃあ、そこに落ちてる警棒を拾いなさい!!
私はさっきの彼が落とした警棒を拾うように指示する・・・私でもわかっている。最後の彼にとって、とても無常で残酷な指示であることを!!それでも私の中の湧き上がった感情を止められないのだ。
よしっ!!じゃあ、始めよっか!?
え、い、ぃやぁ、、たのみま、す、た、たひゅ、けて・・・
ダ〜メ♡
私は彼に向かって歩き出す・・・。
『よそ見しないで・・・私の目をしっかりと見なさい!
これから貴方を成敗する女の目よ!』
そう言いながら最後の彼に歩み寄る・・・彼はもう自暴自棄になっていた。
ああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・、、!!
うわぁぁぁぁぁぁーーーーーーーッッ!!
・・・・・・・・・
続いてのニュースです。
都内で定休日の飲食店に侵入し
お店の備品や現金などを盗んだとして
20代から30代の男3人が逮捕されました。
近辺では同様の手口と思われる盗みの被害が20件程相次いでおり、警察はこのグループが関わった疑いがあるとみて余罪を調べています。
テレビではそんなニュースが流れているが、そのトピックの最もホットな震源地となったここ・・・現場検証も終わったメイドカフェでは、いろんな物がごった返しとなっており、スタッフ総出で店内を掃除している。
これはめちゃくちゃだね。
ねぇ!ホントに!!
でもまた、あいりちゃんお手柄だったね!
そんな事ないよー、いくら正当防衛とは言えやり過ぎだって、警察からお叱りを受けてしまい、、、色々とイエローカードをね、、、
だから、ちょっと落ち込んでるんだ?
うん。
確かにそうなんだけど・・・この前のファイトイベント以来に、私は男の人達を、ほんのちょびっとだけ懲らしめた訳ですが・・・あの感覚・・・私に勝てないとわかった男の人が絶望に駆られる表情・・・相手を支配する瞬間の何とも言えない高揚感&感情の熱がまだまだ冷めてない。
このほてった心をどうすればいいの?
そんなモヤモヤを抱えながら店内を掃除している。
誰か、私のお願い・・・聞いてほしいな!
<あとがき>
メイドさん無双のお話でしたが、イベント試合ではなく、業務外の乱闘物語です。
可愛いメイドさんに、パン◯ラしながら敵意を持って向かって来られて日和ってるやついるーー??いねぇよなーーー!!・・・みたいなお話になればと思います。
今回の記事は8mgのFANBOXではこんな感じのことしていますという所の告知も含めて、無料全体公開させて頂いています。ほんのわずかでもご興味頂けたらぜひよろしくお願い致します!!
メディアミックス的な感じでBGMも↓
もしよろしければ・・・前回シリーズのお話↓

8mg(ハチミリグラム)
2023-09-20 07:35:01 +0000 UTCGirlpunchlover
2023-09-17 14:55:16 +0000 UTC8mg(ハチミリグラム)
2023-09-16 03:33:43 +0000 UTCken
2023-09-16 02:03:28 +0000 UTC8mg(ハチミリグラム)
2023-09-15 03:25:25 +0000 UTCさく
2023-09-15 00:23:07 +0000 UTC